2020-08-29

過去ログ:2006年12月16日〜2006年12月18日

ビクトリア63日目:ナイトフライト2日目
2006年12月16日土曜日


 今日は昨日に引き続きナイトフライトでした。 午後5時に薄暗くなってきた中を自転車でクラブに向かいます。 クラブにつき、今日もZSCのウォークアラウンドから開始です。 ここ最近ずっとZSCを使っているので、愛着がわいてきました。 最初は、「Zulu Sierra Charlieってなんて言い難いコールサインだ!」っと思いましたが、今ではこの呼び方が結構好きだったりします(笑)。 

 ナイトフライトのウォークアラウンドは日中のウォークアラウンドとほぼ同じですが、違う点が2つあります。 1つ目は、外が既に暗いので、懐中電灯を使って細部をチェックしなければ行けないという点。 エレロンのヒンジ部分などは翼の下から懐中電灯を使ってボルトがちゃんとしまっているかなどを確認します。 もう1つはチェック事項に外部ライティングのチェックが追加されることです。 Cessna 152には数種類のライトが付いていますが、ウォークアラウンドの際には実際にそれらのライトを点灯して目視確認をします。 今日の写真はライト類のコントロールパネルです。 LDGはランディングライト、TAXIはタクシーライト、BCNはビーコンライト、STROBはストロボライトですが、クラブのC-152にはストロボライトはインストールされていません。 NAVはナビゲーションライトです。 LDGとTAXIはどちらもZSCの場合はプロペラの下辺りにあります。 どちらも前を照らすライトですが、LDGはその名のとおり着陸時(あとは離陸時も)に使います。 TAXIはタクシーをするとき(地上で)に使います。 これらのライトの違いは主に照らし出す角度じゃないかと思います。 タクシーライトがロービーム、ランディングライトがハイビームのような感じがします。 ランディングライトのほうが気持ち照度が強いようにも感じます。 ビーコンライトは垂直尾翼のてっぺんについています。 クラブのC-152はビーコンライトのスイッチを入れようが入れまいがマスタースイッチがONのときはビーコンライトが付くようになっています。 ナビゲーションライトは翼の両端(右が緑、左が赤)と垂直尾翼の後ろ側に白色のライトが付いています。 これらのおかげで暗闇でも機体がどの方向に進んでいるかが分かります。

 今日はサーキットを1時間しました。 昨日の経験があるので少し落ち着いてタクシー、離陸と進みました。 ここビクトリアのサーキット高度はお昼は1000ftですが、夜は近くに丘などがあるため、1100ftを飛びます。 1回目と2回目のサーキットはランディングライトを付けて着陸をしましたが、3回目以降はランディングライトなしでの着陸を練習しました。 これがなかなか怖いです(笑)。 ランディングライトなしでは、滑走路上空2〜3メートルまで降りてこないと滑走路の表面が見えません(涙)。 しかも、見えても本当にすこ〜ししか見えません。 滑走路の両端にあるライト(弱い明かりの白いランプ)を見て自分の高度を確かめながらゆっくりとランディングをします。 このときにソフトフィールドランディングのテクニックを使います。 ソフトフィールドランディングは本来は着陸するところの表面が柔らかいことを想定して、なるべく着陸ギア(タイヤ)にいきなり重みがかかってしまわないようにゆっくりと機体を地面に降ろす着陸方法です。 インストラクターに「夜はソフトフィールドで着陸しますから」とずっと言われていた理由が今日初めてわかりました: ランディングライトがないと暗くて、自分が果たして滑走路からどのくらいの高さにいるのかがはっきりとはわかりません。 そのため、ソフトフィールドの着陸方法を真似て、パワーを入れたままじんわりじんわりと高度を下げていって着陸するわけです。 「地面はまだかな〜? 滑走路はまだかな〜?」といった感じで探りながら高度を下げるとテクニックです。 今日は6回離着陸をしたうち、2回はじぶんなりの合格点のランディングでしたが、まだまだ練習が必要です。 お昼に練習したいと思っています。 今日はサーキットだけだったのでビクトリア上空を飛んだりするお楽しみはありませんでした。 少し残念(笑)。 それでもコクピットから見えるシドニーの街並などはとてもきれいでした(でも、あまりよく見すぎると夜間視力に良くないのでちらっと見た程度です)。

 明日は午前中にビクトリアにある日本食料品店「Fujiya」に行くつもりです。 その後、ダウンタウンにある自転車屋さんでロードバイクを物色する予定です。 昼過ぎにはシドニーに戻り、夜のフライトの用意をします。 明日は天気がよければ本土の方にナイトクロスカントリーフライトに出る予定です(デュアルです)。 天気が悪ければクロスカントリーフライトのブリーフィングだけでもしてもらうことになっています(これでNav logなどの仕上げ方やフライトプランのファイル方法を復習できるのでうれしいです)。 また明後日以降天気が崩れそうなので、天気が持ちこたえているうちにナイトのクロスカントリーフライトをやってしまおうという目論みです。 クロカンフライトの行き先はアボツフォード(カナダ本土)に飛び、その後、バンクーバー島(ビクトリアがある島)に戻り、ビクトリア空港の北西に位置するナナイモに行くようです。 ちなみにナナイモは最近人気のジャズシンガー・Diana Krallの生まれ故郷だそうです。 まめ知識でした(笑)。

 今日はフライトから帰って来てからパンを作っています。 今まさにパンがオーブンの中で焼かれています。 分量を間違ったのか、どれだけ練っても生地が手に付きまくります。 あまり良い結果は期待できそうにありません。 ちなみに作っているのは「イギリス式食パン」です。 

 ではまた明日!


(つづく)

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ビクトリア64日目:ナビゲーション計画復習
2006年12月17日日曜日 


 今朝は久しぶりに早起きをしてビクトリアに行きました。 まず70番のバスでダウンタウンまで行き、27番のバスに乗り換えてShelbourneという通りにあるFujiyaという日本食料品店を目指しました。 日曜日ということで開店時間がいつもより遅いです。 日本ならその逆のような気もしますが、こちらは日曜日は遅く開いて早く閉店するということが多いようです。 

 11時ちょっと前について、ちょうど通りを挟んで反対側にあるアジアン食料品を多く扱うスーパー、Fairwayに寄りました。 特になにも買いませんでしたが、アジア系食料品が多く行っていました。 お客さんも中国系の人がたくさん。 店員もアジア系がたくさん。 なんだか不思議な感じでした。 10分ほど店内をふらふらして、Fujiyaに向かいました。 Fujiyaではお好み焼き粉、和風スパゲティーのもと、みそ、ほんだし、お好み焼きソース、餃子の皮などを購入しました。 それにしても日本食料品は高い! 一例を上げると、永谷園のチャーハンの素(日本では多分200円以下)が400円ほどしてしまいます。 ほんだしも大きなパッケージになると2000円とか。 日本のスーパーでは米など以外には2000円もする品はないでしょう!(笑)。

 Fujiyaの次はダウンタウンに戻り、自転車屋を覗きました。 12時開店ということで、到着したときにはドアがしまっていましたが、しばらくすると開店しました。 中には僕ごのみの高級車がたくさん並んでいます。 少し見て回りましたが、やはり円安の影響ですべてのバイクが高く見えます。 中古品もないようですし、仕方ないのでeBayなどで中古品を気長に探すことにしました。 おととい気に入ったバイクがあったので落札しようとしましたが、最後の5秒で他のヤツに競り落とされてしまいました(怒)。 

 午後2時頃にはシドニーに戻って来て、簡単に食事を済ませてしばし休憩。 ベッドで横になって航空無線を聞いていました。 でも、休息を取るときは無線は聞くもんじゃありませんね。 無線から聞こえてくる飛行機が今サーキットのどこにいるとか、エアカナダの飛行機が今どのあたりを通過中とかということを無意識に頭の中で想像してしまいます。 なので、体は休んでいても頭はフル回転です(笑)。 

 午後5時に空港に行き、インストラクターと話をしました。 今日は天気に不安要素があったため、ナイトクロカンは取りやめになりました。 日中であれば天気が少しくらい悪くても飛んで行けるのですが、夜はもっと慎重にならざるを得ません。 例えば雲が低くても、暗い空では雲の位置をはっきりとは確認できないでしょうから、知らないうちに積乱雲に突っ込んでしまうっということも起こりうるわけです。 ということで、今夜はフライトはなし。 その代わり、ナビゲーションのプランニングのやり方とフライトプランのファイル方法をリビューしてもらいました。 クロカンはやっぱり日中に1回やって、それからナイトでやることになりそうです。 そのほうが順序建てて学ぶことができるのでいいと思います。 

 ナビゲーションは本当にいろんなことを忘れています。 自分でもびっくりです(笑)。 今日は2時間ほどかけてブリーフィングをしてもらい、これでようやく自分1人でナビゲーションプランを立てれそうです。 今夜はもう疲れてしまったのでやりませんが、明日は午前中に仮プランを立ててみようと思っています。 これを雨の日などの時間があるときになんどかやって、やり方を完璧に身につけようと思います。

 今日のブリーフィングの後に、「今度172のチェックライドをしましょうか?」という話が持ち上がりました。 僕は今までセスナ150, 152とパイパーチェロキー(PA-28)という飛行機を飛ばしたことがあります。 違う機種を飛ばす場合はチェックライドというフライトをして新しい機体の飛ばし方やその機体特有の手順などをまず確認してもらい、インストラクターが許可を出せばソロでその機体を飛ばすことができるようになります(endorsementと呼ばれるものです)。 セスナ172は152よりも大きく、座席数も4席と増えます。 馬力も50馬力ほど多くなります。 スピードも当然早くなり、クロスカントリーフライトのときなどは目的地に早くつくことができます。 レンタル料は1時間あたり14ドル(約1500円)ほど高いですが、早く目的地につけばそれだけフライト時間は少なくて済みますので、結局同じくらいのコストになるそうです。 っということで、火曜日の日中にチェックライドをしてもらうことになりました。 そのために明日はエアスピードなどを172用に暗記しなければいけません。 計器盤も計器の場所が違ったりしますので、少し慣れが必要だと思いますが、152よりも大きな機体を飛ばすことは魅力的ですし、世界的に152よりも172のほうが多く出回っていると思いますので、今のうちに172を飛ばせるようにしておけば今後のためにもなると思いますので楽しみです。

 今日の写真は今夜のブリーフィングの後のハンガーの様子です。 最近は風が強かったり天気が悪かったりするので、夜間はクラブ所有機をすべてハンガーに格納しているようです。 ハンガーの中にはセスナ152, 172, Citabria, アマチュアビルト、Piperアーチャーなどが所狭しと並んでいます。 その姿は圧巻です。 よくもまあこんなに綺麗に格納したな!っというくらい、飛行機同士の間は10~20cmくらいで、本当にぎりぎりでおさめられています。  

 明日は1日お休みです。 勉強をして、夕方は以前の教会で知り合った人とビクトリアで飲む予定をしています。 ビクトリアのナイトライフは初めてなので楽しみです。

 ではまた!

 

(つづく)

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ビクトリア65日目:仮フライトプラン作成
2006年12月18日月曜日


 今日は午前中に図書館で昨日学んだナビゲーションプランの作り方をおさらいしました。 風の情報には出発空港の風、到着空港の風、それまでの上空の風などといろんな風のデータがあります。 それらをどう使い分けるかがよく分からなかったのですが、昨日のブリーフィングでわかるようになったので今日のプラン作成練習ではスムーズに進めることができました。 仮プランでは昔のサスカトゥーン時代に使っていたRegina(サスカチュワン州)のチャートがありますので、それを使ってサスカトゥーン(CYXE)からリジャイナ(CYQR)までの約130海里マイルをフライトするプランを立てました。 高度3500フィートでのフライトで、今日の風のデータを利用すると追い風が吹いているので対地速度は100ノット(時速185キロほど)まで出る計算でした。 サスカチュワン州は平地なのでナビゲーションが比較的簡単ですが、こちらビクトリアは島々がありますのでその点は少しややこしいように思います。 プランの作り方をおさらいしたあとは自分用の「ナビゲーション作成チェックリスト」を作成しました。 これさえあれば、これからは1人でナビプランを作れると思います。 

 午後からは家でセスナ172のVスピードを暗記しました。 暗記とはいっても、暗記しきれてはいませんが(笑)。 覚えなければいけないのは、take-offの時の速度、climbの速度、best rate of climbの速度、best angle of climbの速度、approachの速度、stallの速度(フラップなしの場合と30度の場合)、glideの速度、などがあります。 どれもセスナ152とはさほど変わりませんが、すべてにおいて5ノットほど速くなるようです。 それだけパワーがあるからですね。 燃料タンクの容量も異なりますので、そちらも暗記。 172のデータを覚えると152のデータを忘れてしまいます(笑)。 なので、明日は午前中に両方のデータを比較するチャートを作成する予定にしています。 

 明日は12時からフライトで、天候次第ではクロスカントリーフライトに出る予定です。 出れない場合は夜間のフライトが出来ればする予定にしています。 

 今日の写真は明日飛ばす予定のセスナ172と同型機のコクピット内の計器盤です。 計器の種類は152と同じですが、配置が若干違います。 エンジンのタコメーターは152の場合は右の席の前にありますが、172の場合は機長席(左側)のほうにあるようです。 こちらのほうが見やすいのかも。

 今日は夕方からビクトリアのダウンタウンにあるパブに行きました。 おいしいビールを飲んできました。 西海岸はブリューワリーが多くあるらしく、地ビールの種類が豊富とのことです。 今日のビールはOkanagan Pine Aleとかなんとかいうビールでしたが、コクがあるのにあっさりとしていておいしかったです。 缶ビールでもあるんだろうか・・・ あれば今度買ってみたいものです。 ちなみにパイロットはフライトの8時間前からはアルコールを飲んではいけません。 飲んじゃダメというだけではなくて、たとえ8時間が経過してもアルコールの影響下にあってはフライトはできません。 つまり、二日酔いでのフライトは御法度ということです。 当たり前ですけどね!

 
 ではまた明日!

(つづく)

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【編集後記】

 勉強の方法って人それぞれですよね。僕はひたすら書いたり暗記カードを作ったりして覚えることが多いです。パソコンで必要知識をまとめることもありますが、やはり手書きが一番頭に残るような気がします。人間はなるべく多くの器官を使って覚えた方が記憶に残る可能性が上がるそうです。目で見ただけよりも、目で見て手で書いたほうが2つの器官を使うので記憶力があがるという話です。これにさらに耳や感触なんかも取り混ぜるとなおさら覚えやすくなるはずです。

 今回出てくるセスナ172のC-FMEKという機体は残念ながらもう存在しません。僕が教官時代に、とあるクラブメンバーがレンタルしてフライトに出かけ、途中で燃料切れを起こしてしまい、ハイウェイ上に緊急着陸をしました。その着陸の際に致命的なダメージを受けてしまい、保険会社も修理するよりも新しい機体に買い換えた方が安上がりになると判断したようで、結局はスクラップされてしまいました。もしかしたらそのスクラップ後の写真が僕のブログのどこかにあるかもしれません。今でもこの事故のことは覚えています。死者や怪我人が出なかったのが幸いでした。このメンバーは事故当日クラブに加入し、教官とのチェックライドを終えた直後に飛行機をレンタルしてフライトに出かけたそうです。チェックライドでは失速からの回復やサーキット、不時着の手順などをチェックし、フライト時間にして一時間ちょっとかかります。このメンバーはチェックライド後に燃料補給することなく、そのまま片道一時間以上のフライトに出かけたようです。そしてビクトリアに戻ってくる前に燃料切れとなりました。セスナには燃料計があって一応は機能しますが、あまりあてになりません。というのも、フライト中には燃料が翼の中のタンク内で動き回るため、フロート式の燃料計では正確な量が測れないのです。そのため、地上で燃料をディップスティックと呼ばれる棒を燃料タンクに突き刺して目視確認します。このメンバーもこれさえしていれば緊急着陸なんてしなくてよかったはずなのに。ちなみに旅客機クラスになると燃料の測り方の仕組みも大きく違い、いちいち棒を突き刺さずとも量は正確にわかるようになっています。


(つづく)

2020-08-27

過去ログ:2006年12月13日〜2006年12月15日

ビクトリア60日目:またもや嵐。
2006年12月13日水曜日


 今日もまた発達した低気圧の影響で大荒れです。 大家夫婦が住む家の屋根に張ってあった雨漏り防止のシートは風が凄過ぎてずたずたに引き裂かれてしまいました。 道路には木々の枝がたくさん落ちているし、雨は45°の角度で降りつけているような感じです。 そんな天気のなか、あえて散歩に出かけました(笑)。 以前、大家のブライアンが、「嵐の日には海辺にいって、自然の凄さを体感するのが好きだ」っとクレイジーなことを言っていたのを思い出し、僕も1回くらいは経験しようかと思ってのことでした。 幸いというか、あいにくというか、僕の家の近くのビーチはすべて入り江のような感じなので、たいした波は押し寄せてはいませんでした。   浜辺では白鳥が3匹羽を休めています。 こんな風ではさすがに思うように飛べないんではないでしょうか。 海なのに白鳥がいるというのがなんともミスマッチで面白いと思いました。  

 さて、今日は午前中は洗濯と家の掃除で大忙しでした。 洗濯物を乾燥機にかけている間に家の掃除をしました。 以前お話した「セントラルバク」を使って、階段、洗面所、台所、そして自分の部屋と掃除機をかけました。 時間はかかりましたが、きれいになったので気分が良いです。 

 午後からは夜間フライトの予定でしたが、結局嵐の影響でキャンセルとなり、明日の午後5時からに振り直しになりました。 風力25ノット、gusting 45ノットとかではそりゃ飛べないですよね(笑)。 そこで、4年前に勉強したナビゲーション(フライトプランニングなど)の復習を始めました。 お恥ずかしいことにフライトプラン(ヘディング、高度、マップの用意など)のやり方をすっかり忘れてしまっています(汗)。 四年間一度もフライトプランなど立てなかったから当たり前といえば当たり前ですが。 magnetic variationのこと、magnetic dipのこと(注:これらはまた機会があれば説明します)などはすっかり頭のメモリから消え去っています(笑)。 今夜と明日の午前中にかけて分かる範囲で復習するつもりです。 

 勉強の後で、いつもコメントをくださるAviatorさんのブログを拝見していました。 すると、ブログカテゴリーのところに、「クッキング&ベーキング」という項目があるではないですか。 「はて?」と思い中を拝見すると、その名のとおり料理やベーキングのレポートが書いてありました。 それを見て、「そうだ〜!」っとひらめきました。 「カナダに行ったら時間があるだろうから、パンを焼いたりする技術を身につけよう」と、ず〜〜〜〜っと前から思っていたのです。 すっかり忘れかけていたそのプランをAviatorさんのブログが思い出させてくれたのです!(笑)。 ありがとうございます〜! っということで、すぐに買い物リストを作ってスーパーとハードウェアストア(ホームセンター)に向かいました。 スーパーではバナナブレッドを作るための材料を、ホームセンターではパンを焼くための型と泡立て器、アルミホイルを購入。 家に帰ってきて、ウェブ上で見つけたバナナブレッドのレシピを参照しながら早速クッキング開始です。 20分ほどで準備が終わり、オーブンに入れて1時間ほど待つとおいしいにおいが家中に漂いました。 今日の写真はそのバナナブレッド(ピカンナッツ入り)の写真です。 包丁があまりよく切れないので少しぐちゃぐちゃになりましたが、味は想像以上においしくできました。 小麦粉もベーキングパウダーもたくさん余っているので、今度は違ったパンに挑戦したいと思います。

 今日は以上の他にも、「How to: 航空留学の準備」というページを公開するための最後の確認を行いました。 公開した内容はページ最上部のメニューからご覧いただけます。 内容は主に僕が実際にカナダに来るまでに行った準備内容を順序立てて紹介しています。 僕一人の意見をまとめたものなので、偏りがあるかもしれませんので、既に航空留学を経験されている読者の方々にはぜひアドバイスや付け加えたらよいことをコメントから教えていただきたいと思います。 後輩達の航空留学がスムーズで実り多いものにできるようにご協力をお願いします。 その他にも、これから航空留学をしたいと考えている皆さんからの質問があれば、同じくコメントから質問を受け付けます。 もしくは僕まで直接メールで問い合わせていただいても結構です。 今日はこの他にリンクも2件追加しました。 Linksのページからどうぞ。

 そういえば、車の件は当面諦めようと思います。 理由はやはり金銭面に車を購入したり保険を購入する余裕がないからです。 まったくないわけではありませんが、今後訓練がどう進むかも分かりませんし、もしかしたら予定よりも多くの出費が必要になるかもしれません。 そのため、ここはぐっと我慢して、エコな生活を続けようと思います(笑)。 その代わりに新しいロードバイクを購入しようかな〜なんて考えています。 車よりは安いし、保険はいらないし(笑)。 まだどうするか分かりませんけどね。

 また話は変わりますが、カナダのアップルストアから増設用メモリとiWorkというソフトを購入しました。 まだ届いていませんが楽しみです。 iWorkは今使っているMacBookを購入したときにお試し版が同封されていて、使ってみたら使いやすかったので使い続けたいと思って購入しました(30日のおためし期間が終わってしまいました・・・)。 メモリを1GBに増やしたらどれくらい体感スピードが速くなるのかが楽しみです。 

 ではまた!


(つづく)

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ビクトリア61日目:メモリ増設。
2006年12月14日木曜日


 え〜、今日も天気が悪くて飛んでません。 ナイトフライトの報告を楽しみにしている皆さん、もう数日お待ちください。 今日の写真は本日午後4時時点での天気予報図(GFA)です。 見て分かるとおり、低気圧がありますね。 図の中に四角の中にBと書かれているところがありますが、そこから少し左下にいったところがビクトリアです。 そして、その左側に砂時計のような、ローマ字のRのような形をした赤いシンボルがありますが、これはTS(Thunder Storm)=雷です。 こいつらのお陰で今日も風が強く、雨が断続的に降る一日でした。

 今朝は散歩にもいかず、少しだらだらと朝を過ごしました。 お昼過ぎにドアベルがピンポーンとなるのでドアをあけるとFedExの人が。 おととい注文したMacBook用のメモリが早速届きました。 FedExのおっちゃんが帰り際に「メリークリスマス」って言ってました。 ちょっと早いんでないかい?っとは思いながらも、「メリークリスマス」と言い返しました(笑)。

 早速メモリを取り付けました。 感想は「早い!」です。 動作スピードが早くなったことが体感できます。 あ〜、買ってよかった。 なぜか一緒に注文したiWorkのほうは別便で届くようです。 なんでだろ。 いずれにせよ送料無料なので別に気にしてませんけど。

 その後、午後3時くらいから久しぶりに図書館へ。 フライトプランニング(クロスカントリーフライトの計画)のやり方をおさらいするために教則本とフライトコンピュータ、プロトラクター(分度器付き定規)などなどをバックパックに詰め込んで出かけました。 外は強い雨です。 レインジャケットを着ていったので上は大丈夫でしたが、ズボンがしっとりとぬれました。 図書館で昔の記憶と教則本に書いてある内容を確認しながら模擬フライトプランを立てます。 教則本にはなぜかプランニングのやり方がはっきりとは書かれていません。 風の計算の仕方や時間の計算、燃料の計算、地上スピードの計算などはどれもちゃんと書かれていますが、それじゃ具体的にどの順番でクロカンのプランを立てれば良いかというのは書いてないんです。 そのため、多種多様な情報に混乱させられてしまうわけです。 さらに、風の情報はどの情報を使うのか(目的地の情報なのか、それともUpper Wind <FD>なのか)といった疑問も。  ネットでいろいろ探してみましたが、やっぱり良い手順は書いてません。 なんでなんだろう・・・ これくらいは知っておいて当たり前ということなんでしょうか。 近いうちにデュアルのクロカンがあるようなので、そのときに細かく手順をインストラクターに確認しようと思っています。 今考えてみれば、サスカトゥーンで訓練を受けたときはインストラクターに言われるまま、「true airspeedは90kt」とかというふうに鵜呑みにしていた部分があったように思います。 そのときはそれでもよかったんですが、今回はそういうわけにはいきません。 燃料の計算や離陸・着陸距離などは自分でしっかり計算した記憶があるのですが、具体的になにをどうしていたかまでは覚えていません。 なるべく早くそこのところをクリアにして、正しいプランニング方法をまとめておきたいと思います。 また、最近は時間的余裕もあるので、PPLをやっている人たちのグランドスクールに参加させてもらえないかも聞いてみようと思っています。 昔学んだことのおさらいにはもってこいだと思うので。 ただ、お金がかかりそうなのでどうしようかと・・・ とりあえずはスクールに次に行ったときに確認するつもりです。 なお、CPLのグランドスクールは参加人数が少なすぎるため、しばらく開講されないとか。 来年の春くらいになるんじゃないかという話。 最低でも3、4人くらいはCPLの生徒がいないとクラスを開講しないそうです。 どうしても急ぎでグランドスクールを終わらせたい場合はバウンダリーベイのほうで集中講座があるということらしいですが、僕はそんなに急いでもいませんので、来年まで待つつもりです。 

 なにはともあれ、もう少ししたらソロフライトをばんばんやって行こうと思っています。 ナイトフライトが終わったくらいから自分の都合にあわせてソロフライトでトレーニングエリアに飛んで行ってエアワークをこなすようにしようと思っています。 毎日ソロで飛ぶようになってようやく事業用免許の訓練らしく感じるのかもしれません。

 明日の天気もさほど良さげではないようです。 もし天気が悪かったら、フィットネスジムに入会の手続きをしに行こうかと思います。 あとは、イースト菌を使ったパンでも焼いてみようかと思います。 もしくはビクトリアの日本食料品店で食材を購入するのもいいな〜と思っています。 この季節、あったかい鍋なんかを作って食べたいなぁなんて思っています(笑)。

 ではまた明日!

 

(つづく)

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 ビクトリア62日目:感動!ナイトフライト
2006年12月15日金曜日


 まずはご報告から。 今夜、ようやく初めてのナイトフライトにでました! 時間は0.8時間と比較的短いフライトでしたが、とにかく楽しかったです。 夕方5時以降のフライトで、ウォークアラウンドをしたときにはまだ少し明るかったものの、フライトに出発するまでにはすっかり辺りはまっ暗でした。 懐中電灯と機内についている薄い赤い色のライトを頼りにエンジン始動、タクシーへと進んで行きます。 周りが暗いのでなかなか自分の居場所がよくわかりません。 また、コクピット内はライトはあるとはいえ、本当に薄暗いライトなので最初はあまり良く見えません。 薄暗いライト(赤色)を使っている理由は、明るいLEDなどの白いライトを使ってしまうと夜間視力に影響を及ぼすからだそうです。 人間の目は暗さに慣れるのに約30分かかるそうです。 赤色のライトも普通の懐中電灯の色よりも夜間視力に影響を及ぼしにくい色のようです。 でも、暗いコクピット内が赤いライトで照らされているって、なんかドラキュラハウスみたいでとても不気味です(笑)。 タクシー中はタクシーライトという車のヘッドライトのようなものを付けてはいますが、それでもなかなか前は見難いものです。 タクシーウェイは青いライトが200フィート毎に配置されていますので、それを頼りに滑走路まで移動します。 今日の滑走路は27で、離陸後左にターンして27のdownwindを飛び、その後Cordova departureというポイントめがけて飛んで行きます。 Cordovaはビクトリアのダウンタウン周辺の東の海上のポイントです。 今日は初のナイトフライトということで、ビクトリアの上空を2500ftでフライトしました。 ビクトリア上空をフライトしたのは今日が初めてでした。 空港から10分ほどでダウンタウン上空に到達します。 バスなら1時間なんですけどね(笑)。 目下にはオレンジ色のストリートライト、クリスマスのライティング、スタジアムの照明などが散々と輝いています。 その美しさは言葉では言い表すことができません。 こっちに来ていろいろなことに感動しましたが、今日の上空からの夜景が今までで一番感動しました。 以前このブログでも紹介した州議事堂はこの時期はクリスマス用にデコレーションとライトアップがされていますが、その様子も上空からはっきりと見ることができました。 その横にあるEmpress Hotelもクリスマスのライティングが施されていました。 

 ビクトリア上空は、Victoria Harbourという水上飛行機のための水上空港(water aerodrome)があり、そこにあるFSS(Flight Service Station)がコントロールゾーンの管制を行っています。 FSSの場合はタワーではなく「Radio」という言葉で呼びかけます。 FSSはタワーのように離着陸許可などを出す権限はなく、あくまでもアドバイザリーということで情報を提供してくれるだけです。 ビクトリアを出てしばらくすると、タワーからコールがあり、「ビクトリアコントロールゾーンを出たから、ハーバーレディオ122.2にコンタクトしてください」(英語で何て言ってたかは忘れました・・・)と言われます。 指示のとおり、ハーバーレディオにコールします。「Harbour radio, cessna 152 GZSC over Cordova inbound」っと言いました。 するとおばあさんの声で、「Cessna ZSC〜, Harbour radio roger〜, are you flying over the city for an hour or so〜?」と聞こえてきました。 本当は僕が最初にハーバーにコールしたときに、なぜinboundなのか、目的はなになのかを伝えるべきでしたが、すっかり忘れていました(笑)。 そのため、ハーバーレディオの人に「何しに来るの?」と聞かれたわけです。 「That is affirmative」(そのとおりです)と言って、ビクトリア上空をフライトする目的であることを告げました。 すると、「Report clear of control zone」(コントロールゾーンを出たら報告してください)とだけ言われました。 ビクトリア上空は他にはトラフィックもなく、とても穏やかで静かでした。 2周ほどぐるりと市の上空を旋回したあと、またCordova方面に向かい、ハーバーのコントロールゾーンを抜けてビクトリアに戻る準備をします。 マップを見て、ハーバーのコントロールゾーンを抜けたところで、「Harbour radio, ZSC is clear to the north」(ハーバーレディオ、ZSCはコントロールゾーンの北に抜けました)と報告します。 すると、「ZSC, Roger, Good evening」(ZSC,了解しました。よい夕べを。)とその女性は言ってくれました。 僕も同じようにgood eveningと言って彼女と交信を終えました。 

 その後はすぐにまたビクトリアタワーとの交信です。 周波数を122.2から119.7(119.1は夜は交通量が少ないためあまり使われてません)に切り替えて、「Victoria Tower, Cessna 152 GZSC, over Cordova at 2.0, inbound for landing」(ビクトリアタワー、セスナ152 GZSC、コードバ上空を2000ftで通過中、着陸のためそちらに向かってます)と伝えます。 すると、「ZSC, squawk ident, XXXXXXXXXXXXXXXXXXX」っと言われました。 squawk identと聞こえたので、いつものようにトランスポンダーのidentボタンを押そうと思ったのですが、暗くてどれがそのボタンか分かりません(汗)。 それを探しているうちに、XXXXXXXXXXXXXの箇所がなんていう指示だったのかを聞きそびれてしまいました(笑)。 仕方ないので、いつもの「say again?」を使いました。 するとタワーが「ZSC、how do you read?」(ZSC、無線はちゃんと聞こえますか?)と言ってきます。 さらに、「what was the problem?」(なにか問題でも?」っと聞いてくるじゃありませんか。 んもう、ただ聞きそびれただけなのに(笑)。 仕方なく、なんとか無線を聞きそびれたことを説明して再度指示を出してもらいました。 空港に近づき、滑走路27の進入灯が見えます。 よく映画とかで見る、滑走路の端から伸び出ているあれですね。 きれいにぴかぴか光っているやつです。 それに従って滑走路に進入します。 暗いので滑走路の表面が全然見えません。 怖いな〜っと思っていると、インストラクターが「それじゃランディングライトを付けましょ」といってライトを付けると、あら不思議、ちゃんと滑走路表面が見えるじゃないですか(笑)。 なんとか無事に着陸し、左ターンをして滑走路20に出てグランドにコールです。 夜はあまり他に空港で動いている飛行機がないので、グランドもテキトウに指示を出します。 「ZSC、taxi to the club」。 それだけかよ!(笑)。 いつもなら、「taxi via echo, right turn on sierra」とかというふうに細かい指示が出るんですけどね。 夜だからコントローラーの方々もお疲れなんでしょう。 ご苦労様です。  

 以上で無事0.8時間のナイトフライトが僕のログブックに記録される運びとなりました。 めでたしめでたし。 明日もまた同じようにナイトフライトの予定です。 その後はソロでナイトフライトを5時間やらなければ行けません。 少し怖いけど、夜はトラフィックもほとんどないし、景色は綺麗だし、気流は普通は日中よりは穏やかなので結構楽しめそうです。  

 今日の写真は昨日の嵐の結果(今日の新聞の一面)です。 ビクトリア空港に止めてあった飛行機が20メートルほど吹き飛ばされてひっくり返ったそうです。 しかもこの飛行機はちゃんとロープで固定されていたとか。 記事に書かれている空港関係者の話では、こんなことは初めて起きたそうです。 それもそのはず、昨日の夜は風速時速157kmの風が吹いて、BC史上最も強い風だったそうです。 風速150kmということは、セスナ152で全速力で風に向かってフライトしても、前進どころか後進してしまうほどの風です。 あ〜恐ろしい。 僕の家も午前3時頃をピークに大揺れでした。 日本の地震のときのような感じでした。 いろんなところから変な音がして、「このままじゃ屋根が吹き飛ぶんじゃないかな?」と思うほどで、とても怖かったです。 今朝起きてみたらちゃんと屋根はついたままでした(笑)。

 ではまた明日!

 

(つづく)

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【編集後記】

音楽を聞くとその曲を聞いていた当時のことや空気感を即座に思い出すことがありませんか?今回の過去ログを読んでいて、ビクトリアハーバーの管制官のおばちゃんのところに差し掛かった時、すぐに彼女のしゃがれた声を思いだしました。そして、その当時のことも思い出しました。ビクトリアハーバー上空を飛んでもう10年以上も経つというのに脳はしっかりと覚えているから不思議なものです。

同じ様な話になりますが、先日ビクトリアフライングクラブで教官をしている元教え子がYouTube動画をフェイスブックでシェアしていました。それは最近発売になったマイクロソフト社のフライトシミュレーターの最新版でビクトリア上空を飛んだ様子を録画したものでした。画像はシミュレーターからの画像ですがほぼ本物のようで、そのクオリティの高さに驚きます。この動画の作者は無線会話(これは実際の無線を録音したもの)も録音していて、その中の最初に聞こえてくる管制官の声の主は僕の友達だとすぐに判別できました(それ以外の管制官の声も入っています)。これも上記と同じく、もう何年も実際に会ってはいないのですが、無線で聞こえる彼の声をYouTube上で聞くだけですぐに判別できます。コロナ前にバンクーバー空港に飛ぶことが時々ありましたが、その時にも以前ビクトリアの管制塔で働いていた管制官の声だとすぐに誰だかわかります。2006年頃の記憶は僕の中ではかなり鮮明で、人の名前や顔、電話番号や住所なども比較的よく覚えています。それだけビクトリアでの生活は僕にとって刺激の多いものだったのだと思います。それが今となっては歳のせいもあってか、人の名前はほとんど覚えられません(笑)。


(つづく)

2020-08-26

過去ログ:2006年12月11日〜2006年12月12日

ビクトリア58日目:クリニックに行きました。
2006年12月11日月曜日


 昨日の書き込みで宣言したとおり、今日、walk-in clinicに行きました。 午前中に住所を頼りに行ってみたのですが、とても混んでいたのでもう少し後にしようと思い、午後1時頃に再度出向きました。 そうしたら午前中と同じ位混んでました(笑)。 仕方ないので中に入り、体調が悪いので医者に診てもらいたいことを告げました。 住所や名前、電話番号を聞かれ、「それじゃ、待ち時間は今から約1時間30分です」と言われました。 な、なんと長い待ち時間!!(笑)。 どうやら風邪がはやっているらしく、結構たくさんの患者がいるようです。 「マスターカードは使えますか?」と聞くと、「いえ、キャッシュだけです」と言われました(涙)。 仕方ないのでATMに行って新生銀行の口座から100ドルおろしました。 受付の女性の話では、特に特別な検査をしない限り、診察料は65ドルになるだろうとのことでした。 ATMに寄ったついでにTown OfficeにあるICBCのオフィスに行きました(ちなみにSidneyは厳密にはCityではなく、Townのようです。 いまだによくわかりませんが・・・)。 ICBCは免許証を発行したり、車の保険を扱うオフィスです。 残念ながら僕がいった時間帯はランチアワーらしく、誰もいませんでした。 仕方ないのでまたwalk-in clinicに戻りました。 待合室で雑誌を読んで時間つぶしです。 しばらく待つとようやく僕の名前が呼ばれました。 まずは体温を計ってもらい、アレルギーがあるか、今薬を飲んでいるかなどを聞かれました。 それからまた待合室で待ちます。 10分くらいするとまた呼ばれ、ようやく医者と会うことになりました。 女性の比較的若いお医者さんで、症状を説明すると耳の中を見て、喉を見て、聴診器で心臓や肺の音をチェックしてくれました。 どんな診断がでるかわくわくしていると、「う〜ん、多分普通の風邪でしょう」とのこと。 おっとっと(笑)。 普通の診察結果でちょっと残念(笑)。 「処方箋の薬とかは?」と聞くと、「要らないでしょう。 普通の薬を飲んでください」とのこと。 あっそ〜ですか(笑)。 普通の症状だから、治るまでには10〜14日くらいはかかるかもしれないですねとのこと。 その間耐えろというのが診断結果でした(笑)。 なにはともあれ、たいしたことがないことが証明されたので気分よくクリニックを出ました。 診察料は65ドルでした。 レシートや診断書をもらってAIU保険のオフィスに送る用意をします。 クリニックのあとはICBCに再度行きました。 今度は人がいたので、車を買いたいので保険料を知りたいということを告げました。 「免許をとってどれくらい?」と聞かれたので、「カナダに来たばっかりなので2ヶ月ほどです・・・」と告げました。 「無事故歴は?」と聞かれたので、「日本では2年ほど無事故でしたが、記録はないです」といいました。 「残念ね〜、あれば10%位は掛け金が安くなるのに」とのこと。 んまあ、仕方ないです。 例として1980年式トヨタのターセルを購入した場合の保険料を計算してもらったら、約12万円/1年とのこと。 んまあ、そんなもんか。 年齢はまったく関係ないみたいです。 一番ベーシックなプランでこのくらいだそうです。 日本からカナダに来られる方は自動車保険の無事故歴を英訳したものを保険会社からもらってきたほうがいいですよ〜! とりあえずはこれでだいたいの費用の目処がたったので、これからもう少し車を検討するかどうかを考えようと思います。


 今日はまたもや強烈な低気圧が接近していて、強風警報が出されました。 その風の影響で大家のブライアンとスーザン(奥さん)が住んでいる家(僕が住んでいる家の裏にあります)の屋根に張ってあったシートが吹き飛ばされ、垣根のフェンスが一部壊れました。 さっきスーザンにあったら、「大きなダメージよ〜」って落ち込んでました。 かわいそうに・・・

 明日は12時からフライトの予定ですが、インストラクターからの連絡がないのでどうなることやら。 それに風が相変わらず強そうな予報なので、状況によっては飛べないかもしれません。 とりあえず飛ぶつもりで用意をします。

 今日の写真は近くの通りにある電力会社の電力調整かなにかにつかうボックスです。 感電注意の絵があまりにもリアルで面白かったのでパシャリとやってしまいました。 ちなみにBC州は水力発電が主な電力供給源らしく、電気のことを「hydro=ハイドロ」と呼びます。 アパート探しのときに、「includes hydro」と書いてあっても、決して水道料込みというわけではなく、電気代込みという意味だそうです。 BC州特有の言葉のようです。

 

 ではまた明日。

 

(つづく)

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ビクトリア59日目:引き続き計器飛行練習中。
2006年12月12日火曜日

 今朝は昨日の天気が嘘のように穏やかな朝でした。 それでも風はやや強め。 今日のフライトはどうなるかと思いながらいつものように散歩です。 ビーチに着くと、昨日の大風に打ち上げられた流木があちらこちらに散乱しています。 なかには直径1メートル以上はある大木もあります。 いったいどこから流れて来たのか・・・ 流木アーティストがいればウハウハ言うような数の流木です。 僕にとってはただのゴミですが(笑)。

 正午頃になってもインストラクターから連絡がなかったので僕から電話をしました。 そして午後2時からフライトをすることに。 昼食を済ませて久しぶりにクラブに自転車で向かいます。 気温もそれほど低くなく快適です。 クラブについてZSCという機体のウォークアラウンドをします。 トランスポンダーコードを取得してインストラクターと落ち合います。 なんでもインストラクターが昨日僕に電話をしてくれていたそうです。 僕は全然気づきませんでした。 ごめんなさい! 今日は西のほうを見るとTCU(積乱雲)のような雲の層が見えます。 なので、てっきり東に行くのかな〜と思って「Local East」と言ってグランドコントロールにコールしたら、インストラクターが「東ではなくて西に行きましょ」と言いました。 おっとっと(笑)。 再度グランドにコールしてやっぱりlocal westに行きますと伝えます。 ここで感が鋭い人は、「なんでいきなりグランド? 最初はクリアランスデリバリーにコンタクトするんでないの?」と思ったでしょう。 今日はATISを聞いたら、「Clearance Delivery 126.4 is not in use」となっていました。 そのため、最初のステップを飛ばしてその次のステップのグランドにコンタクトするわけです。 話す相手は違いますが、言う内容は同じです。 今日は滑走路13という、普段はあんまり使わない滑走路の途中からの離陸となりました。 以前13から離陸したときは、一番端(threshold=シュレスホルド)までタクシーしましたが、滑走路の途中からでも十分な滑走距離が得られるため、途中から離陸することにしました(選択権はパイロットにあります)。 滑走路13を離陸すると、すぐ正面に小高い丘があります。 離陸後にちゃんと上昇しないとこの丘にぶつかります(笑)。 この理由で、滑走路13は夜は使えないようです(暗くて危ないから)。 タワーから、「Fly Shawningan Lake Departure」と言われます。 Shawingan Lake(ショーニンガンレイク)というのはその名のとおり湖で、ビクトリア空港周辺のデパーチャーポイントに指定されている湖です。 つまり、「Shawningan Lake Departure」は「離陸後Shawningan Lakeに向かって飛んで行け」という意味です。 Shawningan Lakeに向かって飛んでいると、今度は「Fly direct to Cowichan」と言われます。 どうやらトラフィックとの干渉の可能性がなくなったので、Local westへ直接向かうためのデパーチャーポイントであるカウチンへ舵を取れという指示だったようです。 今日の空は結構荒れていました。 風も強め(10ノット以上)で、飛んでいても押し流されていたようです。 今日も計器飛行の練習だったのでカウチン周辺でフードを付けました。 ちょうどその頃タワーから、「ZSC, radar service terminated, cleared en route」という声がかかります。 どういうことかと言うと、「ビクトリアタワーのコントロールゾーンを出たのでレーダーサービスは終了します。そのまま飛行を続けてください」という意味です。 こういわれたら、「ZSC」とだけいってacknowledgeします。 これはコントロールゾーンを出るときは必ず言われます。 無線を聞いていると頻繁に聞こえてくるフレーズです。

 フード装着後はrate one turnよりも角度が強いミディアムターン(角度30°?)のターンをしたり、速度を指定されてのクライミングターン(上昇+旋回)や速度と降下率を指定されてのディセンディングターン(下降+旋回)を行いました。 今日は気流が乱れていたのですぐに高度が外れます。 しばらくフライトしていなかったので感が鈍ったというのもあるかもしれません。 すぐにインストラクターから「watch your altitude!」の声が飛びます(笑)。 シャイな僕はゆっくりとスムーズに高度を調整しようとしますが、インストラクターは迅速に高度をもとに戻してほしいようです。 高度を守ることはとても大切ですから、当然だと思います。 次回からはもう少し迅速にやるように心がけようと思います。 

 ローカルウェストでのエアワークを終えて空港に戻ります。 滑走路13へのstraight-inアプローチを指示されました。 Straight-inは文字通り直接進入するという意味です。 ほとんどの場合は空港に接近するとdownwindやbaseからサーキットに進入するように指示されます。 ですが、タワーとの交信の時点で既に滑走路の延長線上にいたり、そのポイントに近いところを飛行している場合はタワーはストレートインを許可する場合があります。 ということで、遠い位置から滑走路に直接進入する方向に向かって飛行を続けます。 僕がsoft-field landingが苦手なのは皆さんご存知の通りですね(笑)。 今日はインストラクターに手本を見せてもらいました。 風の影響があって100%のランディングではなかったものの、僕よりは上手です。 当たり前ですが(笑)。 その後タッチアンドゴーで再度離陸します。 雲が低くかかっていたので雲の中を飛行するような形でサーキットを飛び、今度は僕がsoft-field landingをやります。 滑走路に進入して、滑走路の1メーター上空で水平飛行に移るまではよかったのですが、今日もフレアのタイミングが少し早過ぎました。 フラップがすべて降りていると翼は普段よりも多くの揚力を発生します。 ですので、ほんの少しだけ機首を上げるだけでも揚力が増してすぐに上昇してしまいます。 なのでスピードが落ちて機体が地面に落ち始めたくらいにすこ〜しずつノーズを上げるとフレアとタッチダウンがきれいに決まるようです。 また練習したいと思います。

 明日は夕方5時からのフライトです。 ここビクトリアの最近の日の入り時刻は4時過ぎです。 ですから、明日はいよいよnight flying(夜間飛行)に挑戦です! はらはらわくわくという感じです。 初めてなのでうまくいきっこないでしょうが、少なくとも綺麗な空港のライトを楽しみたいと思います(笑)。

 

 今日の写真はビクトリアフライングクラブ周辺の空港敷地内にあるAviation Museum(航空博物館)の写真です。 あるのは知っていたのですが、行ったことはまだなかったので、今日の訓練後に行ってみたら、午後3時で閉館でした(涙)。 また次回行ってみようと思います。 博物館の前には軍隊のヘリと思われる機体がおかれています。 ローターは折り畳まれていますので、空母などに艦載される機体なのかもしれません。

 

 今日はフライト後にドラッグストアにも行きました。 ドラッグストア内に郵便局があるので郵便を2通出しにいきました。 1通はANA行きです。 以前マイレージの事後申請をしたら、「お客様番号が未記入でしたので事後登録できませんでした」といって僕がだいぶ前に送った郵便がそっくりそのまま返送されてきました。 それくらい調べりゃわかるだろ〜〜〜!(怒)。 2通目はカナダにあるAIU保険のオフィスに医療費の払い戻しの請求です。 ドラッグストアのあとはフィットネスジムに行ってきました。 メンバー登録をする前に施設を見たかったので、店員の人に中を案内してもらいました。 僕がやりたいエアロバイク(スピンホイール)があったのと、シャワーもあってフリーウェイトもあるので、会員になるつもりです。 3ヶ月で99ドル。 あと1ドル追加すれば4ヶ月間メンバーになれるそうです(笑)。 今週末までに登録をすれば4ヶ月100ドル(税込み116ドル)でいいようです。 フライトの後にフィットネスジムで汗を流すというのは悪くないでしょう! 自転車からかなりの期間は慣れてしまったので、ジムで運動をして春先までに元のスタミナ(とはいってもたいしたことはありませんが)まで戻したいと思います。 こちらのエアロバイクのペダルはクリート(SPD)対応なので、自転車用のシューズを持って行けば実際の自転車のような感覚でペダリングできます。 マニアックすぎてすみません(笑)

  ではまた!

  

(つづく)

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【編集後記】

海外で体調を崩すとかなり心細いものです。これまでのカナダ生活の中で何度となく風邪を引いたりしましたが、日本と違ってこちらでは普通の風邪では病院に行くことはほぼありません。そして、ホームドクターがいないとなると、今回のようにウォークインクリニックでめちゃくちゃ待たされるのが分かっているから行く気も失せます。カナダ人の中にはずる賢い人もいて、どうしても待ちたくない場合にはERに行くなんていう人もいます。日本と違って診察毎に診療費用を払う必要はありません(州政府の健康保険に入っていれば)。そのため、大したことでなくても病院にかかる人もいたりして、本当に医者に診てもらう必要がある人が診察を受けれないこともあります。救急で搬送されたのに医者に診てもらうまで通路で待たされるなんていうことが起こりうるのです。僕は日本の医療のほうが好きです。

BC州では電気のことをハイドロというのは上記の通りですが、今住んでいるケベック州も同じくハイドロです。ただし、こちらではフランス語なので「イドロ」になります(Hはフランス語では発音しないため)。こちらも水資源が豊かなため、ダムなどで発電しているようです。


(つづく)

 

2020-08-22

目の検査。

  僕が持つパイロットライセンスはそれそのものには有効期限はないのですが、これ単体ではパイロットとして飛ばせないことになっています。パイロットライセンスの他にmedical certificate(航空身体検査証明)が必要で、この証明がパイロットライセンスを有効にせしめる(validate)という仕組みです。パイロットライセンスや年齢によっても違いますが、僕は年に一度身体検査を受けます。

 僕は毎年7月に身体検査を受けます。昔は自分で選んだ航空医師のところで検査を受けていましたが、今は会社本部にあるクリニックで医師の検査を受けます。今年は新型コロナウイルスの影響で、この身体検査は受けなくてもよいという決まりになりました。やはりパイロットと医師が密になって検査をするのは今の状況では安全ではないということになったようで、運輸局から通達が出ました。身体検査をする代わり、自己申告の書類に「過去1年間に身体状況に一切の変化がなかったことを証明します」というサインをして提出しました。そうしたらライセンスに貼り付ける新しいmedical certificateのステッカーが送られて来ました(↓↓↓)



 久しぶりに仕事鞄からライセンスを取り出し、ステッカーを所定の箇所に貼り付けました。「はい、これでまたいつでも飛べるなぁ」と思ってライセンスを閉じた瞬間、なにか違和感を感じました。「あれ?特記事項いつもと違うんじゃね?」って思ったんです。

 ステッカーの「Limitations/Restrictions」のところを見ると「Glasses must be worn(眼鏡を着用すること)」と書かれています。僕は普段はコンタクトレンズを装用していて、いつもであればこのステッカーには「Glasses or contact lenses must be worn(眼鏡またはコンタクトレンズを着用すること)」と書かれていたはずです。以前のステッカーを確認すると、やはりそれらにはコンタクトレンズの記載があります。これはおかしい・・・と思い、会社や運輸局にメールをしました。そうすると、会社のクリニックの人が運輸局にメールで問い合わせをしてくれたメールにCCされたものが届きました。それから2週間、うんともすんとも連絡がなく、しびれを切らして再度メールを送りました。すると、運輸局の人から直接電話がかかって来ました。

 「もう一度会社のクリニックで視力検査を受けてください」

 ということでした。いや、視力検査は去年ちゃんとしたんじゃ?と思ったのですが、それからすぐに会社からも電話があり、結局は昨年の検査の際にコンタクト装用時の視力検査の箇所が抜けていたからそれだけやり直す必要があるということでした。仕方なく昨日になって会社のクリニックに出向いて視力検査をしてきました。視力は両眼1.0以上ということで、問題なく検査は終わりました。今後新しいステッカーが送られてくるということですが、それまでは万が一フライトする場合にはメガネをしてね♡とお医者さんに念押しされました。まあ、飛ぶことはないとは思いますが・・・(苦笑)。

 久しぶりに会社の本部に行ったんですが、ものすごくがら〜んとしていました。いつもは多くの人が慌ただしく働いている本部ですが、今はレイオフやリモートワークなどの影響で人影がかなり少ないようです。外の駐機場にも大型機が数機駐機されていましたし、なんとも寂しいものです。


(つづく)

過去ログ:2006年12月6日〜2006年12月10日

ビクトリア53日目:ローカルウエスト
2006年12月6日水曜日

 今日は久しぶりにローカルウエストと呼ばれるエリアへのフライトでした。 ビクトリア空港を離陸し、「カウチン」というエリアの上空を飛んで西へ抜ける「cowichan departure」を管制塔から指示されました。 ビクトリア空港の周辺には16個のdepartureとarrivalポイントがあり、ほとんどは島の名前や湖の名前をとって名付けられたポイントです。 カウチンは滑走路27を離陸してほぼまっすぐ進んで行くと到達する入り江(Cowichan Bay)の名前です。 カウチンを通過してしばらくするまではフードを付けないで有視界飛行をしました。 次回のソロはローカルウエスト方面に飛んでいくつかエアワークをする予定なので、地理の特徴を覚えておく必要があるからです。 ローカルイーストとちがって、ウエストは地理を理解するのがとても簡単です。 万が一迷ったとしても、海岸沿いを飛んで行けばビクトリア空港、または西にあるナナイモ空港に辿り着くからです。 一方のイーストは小さい島がたくさんありますし、ほとんどは洋上なので、なかなか大変です(汗)。

 訓練エリアに到達したら、今日もフードを付けての計器飛行です。 今日もrate 1 turnを利用して、万が一バキュームを利用した計器(Attitude Indicator, Directional Gyro)が故障したときのためのフライト手順を練習しました。 いつもはヘディング(飛んでいる方向)を変更するときはDirectional Gyro(通称D.G.)を多用しますので、DGが使えないとなると一瞬パニックになります(笑)。 DGとAIを使わない計器飛行をpartial panelと呼びます。 partial panelのときは、計器盤にゴム板を貼付けて、本当に見えなくしてしまいます(笑)。 深呼吸をして落ち着いて、「XX度ターンするから、XXを3(3°/秒)で割って・・・」という感じで計算をします。 計算をしたら、果たして右にターンするのか、それとも左にターンするのかを考えます。 方角がincrease(増える)場合は右、decrease(減る)場合は左にターンです。 例えば、今のヘディングは090(東向き)で180(真南)にターンをする場合は、90°ターンですから、90÷3で30秒となります。 090から180は方角が増える(increase)なので、右にターンするということになります。 50°ターンなんて言われると、「50って3で割り切れないじゃ〜〜〜ん!」っていう具合に高度2500フィートでプチ混乱を起こします(笑)。 

 エアワークが終了したら、空港に戻ります。 まずは119.1でouter towerというタワーにコンタクトします。 outer towerは高度1500ft以上の場合にコンタクトする周波数です。 1500ft以下に降りるには、outer towerからクリアランスを受ける必要があります。 今日はouter towerにコンタクトしたら、「2000ft以上を保持して、カウチン上空で119.7Mhzにレポートしてください」と言われました。 Instructionなのでそのままリードバックします。 昨日も今日も無線は快調です(笑)。 だいたいなにを言うのかが分かって来たので心に余裕が出て来たような気がします。 でも油断は禁物です。 指示されたとおりカウチン上空で周波数をinner towerに切り替えてレポートします。 「Tower, Zulu Sierra Charlie is over Cowichan at 2.1」(タワー、ZSCはカウチン上空を2100ftで通過中です)っと言いました。 すると、「ZSC, cleared right downwind 27, descend is at your discretion」と言われました。 どういうことかというと、「滑走路27のダウンウィンド(右)まで進入を許可します。 降下はあなたにお任せします」ということです。 空港周辺に他の飛行機がいたりする場合は「maintain 2000」とかというふうに高度を指示されるときがあります。 一方、descend (またはaltitude) is your descretionと言われるときには好きなときにサーキット高度(1000ft AGL)に降りることができるというわけです。 なお、discretionはディスクレッションと発音します。 僕がこの言葉を初めて聞いたときは「ディスカッション」って言われたと思って、「なるほど、自分自身で討議して決めろって意味なんだな」っと間違って理解したことを覚えています(笑)。 コントロールゾーン内でのフライトではよく聞く単語の一つだと思います。

 サーキットに戻って来てからタッチアンドゴーを1回しました。 今日もsoft field landingの練習です。 まだまだ下手ですが、怖じ気づかずに引き続き挑戦していこうと思います。

 さて、今日の写真はハウスメートのロブのペットの熱帯魚(ベタ)です。 今日からロブはプエルトリコに休暇に出かけました。 休暇中にペットの魚にえさをあげてほしいと頼まれました。 えさをあげる代償として、ビール12本を受け取りました(笑)。 さらに、今朝冷蔵庫を開けたら、僕の棚にヨーグルト、リンゴ、アスパラ、その他もろもろが入っていました。 どうやらロブが休暇に入るまでに処理できなかった食料品を僕にくれたようです。 ありがたい限りです(笑)。 っということで、しっかりペットの魚にはえさをあげようと思います。

 昨日は一日休養をとったためブログを更新しませんでした。 ごめんなさい。 体調はたいしたことはないのですが、少し頭が重いような感じなので、大事を取って明日も休みにしました。 ということで、明日も更新できないかもしれませんのでご了承ください。 よく考えてみれば、長い髪の毛を10数年も保って来たのに、今になって突然坊主になったから体が変な反応をしてしまっているのかもしれません。 段階的に坊主にすればよかったかな〜って思っても今更どうしようもありません。 とりあえず体調が完治するまではフライトはお預けです。


 ではまた!

 

(つづく)

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ビクトリア56日目:引き続きダウン中。
2006年12月9日土曜日

 どうもご無沙汰中です。 相変わらず風邪気味でフライトできていません。 風邪とはいっても高熱があるわけでもないですし、間接が痛むわけでもありません。 なんだか頭がぼーっとしてて、頭が重く感じる状態です。 とりあえずは日本から持って来た風邪薬とこちらで買った薬を服用していますが、あまり症状改善は見られません。 今日、日本にいるS先生から「Advil Cold & Sinusが効くかも」と教えていただいたので、早速購入してきました。 写真の右の箱がそれです。 なんだか効きそうな色です(笑)。 Sinusは洞という意味だそうで、鼻の奥にある空間のことを指すようです。 そこが炎症を起こすと鼻水が出たりタンが出たり、頭が重く感じたりする症状を引き起こすそうです。 ということで、今夜からはAdvil Cold & Sinusを使ってみるつもりです。 でもカフェインが入っているということで、これを飲んだらちゃんと眠れるかが不安です・・・(笑)。 その場合はテレビで映画でも見ようかなと思っています。

 アメリカ人は風邪をひくとキャンベルスープのチキンスープを飲んで、7upとかスプライトとかのソーダの炭酸が抜けきったヤツを飲むそうです。 日本ではお粥に梅干し、生姜湯っていうところでしょうか。 ネットでいろいろ調べてみると、いろんな民間療法があるみたいです。 ドイツではビールを暖めて飲む「ホットビール」が風邪に聞くと信じられているそうです。 フランスでは「ホットワイン」(ワインにコショウを混ぜる?)が良いとされているそうです。 カナダではなになんだろうと思ってネットで調べると、ペパーミントティーというのが載っていました。 あとは、Echinacea(エキナシア)というハーブの一種が殺菌力があって免疫力を高めるとされているらしく、のど飴などに入っています。 これのおかげかどうかわかりませんが、のどの痛みはエキナシア入りののど飴をなめたら1日で治りました。 

 僕の風邪ストーリーばかり書いても仕方ないので、もう少し実用的なお話を。 カナダやアメリカではホームドクターという仕組みが普及しています。 かかりつけのお医者さんということですね。 なにかあればそのお医者さんにまず相談をするという仕組みになっています。 日本ではまだまだこのような仕組みはないですよね。 では、僕のような外国人の場合は誰に見てもらえばいいんでしょう? そういう人たちのためにwalk-in clinicというクリニックがあります。 その名の通り、歩いて入るクリニックで、予約は必要ありません。 日本の病院に近い感じですね。 そこのお医者さんの診察を受け、もし専門医による診断が必要となれば、そのwalk-in clinicのお医者さんが紹介状を書いてくれます。 薬が必要な場合は処方箋(prescription)も書いてくれます。 っということで、僕は症状があと2日以内に改善されない場合はシドニーにあるwalk-in clinicに行くつもりです。 日本で入って来た海外旅行傷害保険が適用できると思いますので、医療費はかからないはずです。 ただ、書類を送ったりしなければいけないので面倒ですが。 海外で暮らす上で万が一のことを考えて海外旅行傷害保険に加入することはとても重要ですね。 なお、クレジットカードなどに付帯している海外旅行傷害保険などには補償額に限度があったり、条件をクリアしないと保険金が支払われないなどといった場合があるので、あまりあてにしないほうがよいと思います。 僕が加入したAIU保険などの場合は日本語でのアシスタントもあるようですし、海外に慣れていない方にとっては心強いと思います。 っということで、海外でフライトトレーニングを受ける方は予算を考える際に海外旅行傷害保険代も必ず含めるようにしましょう。 1ヶ月あたり5000~10000円程度だと思います(保証内容などによって変動します)。

 風邪が治ったらいよいよnight flyingを開始するようです。 夜に飛ぶわけですが、果たしてどうやって?という疑問がわきます。 楽しみなような、怖いような。 ナイトフライングを開始するにあたって、質問が書かれたシートを渡されました。 それに答えるために勉強をしていたときに知ったのですが、ビクトリア空港は夜になるとARCAL(Aircraft Radio Control Aerodrome Lighting)というのがあって、無線機でkey-in(発話ボタンを押すこと)すると滑走路灯や進入灯などを15分間点灯できるそうです。 さらに、5秒間の間に何回発話ボタンをクリックするかによって光の強さ(超明るいー明るいー薄明るい)をコントロールできるそうです。 こりゃすごい!(笑)。 ぜひすべての明るさを試してみたいと思います。

  っということで、今回はここまで。 またベッドに戻ります。 その前に腹ごしらえをしなければ・・・ メニューは前回作ったカレーの残り物です。 

 

 ではまた!

  

(つづく)


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ビクトリア57日目:教会に行きました。
2006年12月10日日曜日

 昨夜はよく眠れました。 カフェインが入っている薬を飲んだにも関わらずぐっすり安眠できました。 おかげで今朝は今までで一番気分よく起床できました。 朝は調子を見る目的も兼ねていままでどおり近所を散歩しました。 やっぱり少し頭は重いものの、気分も悪くないし調子はだいぶ本調子に戻って来たようです。 明後日の火曜日からまたフライトを開始する予定です。

 今日は日系教会で行われたクリスマスイベントにお邪魔しました。 僕はクリスチャンではありません。 むしろ仏教徒です(笑)。 なぜクリスチャンのイベントに行ったかをお話すると、先月アメリカに行ったときにフェリー乗り場で知り合いになったバレリーさん(日本生まれの女性)が通う教会でクリスマスのイベントがあるからおいでと誘われたからです。 本来はあまり宗教関連の集まりには参加しないのですが、バレリーさんに会ってこの前のお礼を言いたかったというのもありますし、日本人教会というのに漠然とした興味があったからです。 イベントの後はポットラックパーティー(食べ物持ち込みのパーティー)があるということでそれも楽しみにして行きました。

 教会はビクトリアのダウンタウンにありました。 Google Mapsで場所を確認し、久しぶりにバスのスケジュールとビクトリアの地図を取り出して出かけました。 ポットラックには鶏肉のさっぱり煮を作りました。

 ここで突然ですが、鶏肉のさっぱり煮の作り方を説明しますのでメモのご用意を(笑)。 [1] 水1/2カップ、醤油1カップ、お酢1カップ、砂糖大さじ6杯、[2] ショウガ20グラム、ニンニク2、3かけ、[3] 鶏肉(手羽元)を14〜16本用意します。 鍋に[1]を入れて煮立てます。 [2]のショウガは皮付きのまま薄切りにします。 ニンニクは軽くつぶしておきます。 鶏肉は水分を拭き取っておきます。 煮立った[1]に[2]と[3]を入れます。 あとは煮るだけ。 お酢の酸味が食欲をそそります。 お好みでゆで卵を入れたり、色合いでブロッコリーの塩ゆでを添えるとなおよしです。 なお、これはミツカンのウェブサイトから学んだレシピです。 日本にいたときからよく作っていました。 一度お試しください。

 さて、教会には時間通りにつきました。 バレリーさんには体調が悪いからもしかしたら行けないかもしれない旨を伝えていたので、教会であったときは「来れたのね〜」っと歓迎してもらいました。 ご主人のデビッドさんとバレリーさんのお父さんお母さんにもお会いしました。 お父さんお母さんはご高齢です。 日本で教会を開いたそうです。 宣教師家族なんですね。 サービス(礼拝)が始まると日本語と英語でサービスが行われました。 今まで英語のみのサービスには1、2回いったことがありますが、バイリンガルのサービスは始めてでした。 牧師さんは日本人の方で、その方の言葉をバレリーさんが英語に訳します。 「お父様」(英語でいうfather=神、God)という節には最初は抵抗がありましたが、和訳すればそりゃそうかと思いました(笑)。 それにしてもクリスチャンの方々は歌(賛美歌)を歌うのが好きですね。 僕が知らない歌ばっかりでした。 

 サービスの後は教会の日本人の方々に紹介してもらったり、ワーホリでビクトリアに来ているという日本人の方々と少し話しをしました。 教会の半分は日本人、あとの半分は現地の方々という感じでした。 なかには僕みたいにクリスチャンではないけど誘われて参加したという方がいました。 なんでもその人はナイアガラからワーホリを開始して、どんどん西に移動してビクトリアに到達したそうです。 仕事はせずに完全に休暇を取っているそうです。 日本では保育士をしていたとか。 面白い女性でした(笑)。 他にも3ヶ月福井に住んでいた女性にあったり、英語を勉強しに来ている女性にも会いました。 

 っということで、とても楽しい時間を過ごすことができました。 行ってよかったと思います。 毎回思いますが、クリスチャンの人たちはとてもフレンドリーで親切な人が多いので個人的には好きです。 ただ、僕が仏教徒なのは変わりありませんが(笑)。

 さて、明日はもし体調が完治しなければwalk-in clinicに行くつもりです。 あとは今日僕の部屋の電球が切れたので、それを直そうかと・・・ 

 そういえば今日の教会で中古車販売をしている日本人の紳士にお会いしました。 なんでも2000ドル(20万円)以下の車もあるとか・・・(興奮)。 最近ずっと考えているのですが、車を持とうか迷っています。 ただ、予算に組み込んでいなかったので、どうやって資金を捻出するかを検討しているところです。 車がなくても困りはしないのですが、北米での生活には車があれば便利なのはいうまでもありません。 趣味の自転車に乗るためにトレイルがあるところまで車で移動できたら便利だな〜と思うし、ビクトリア近郊のホールセールストア(コストコなど)に行けたら倹約できるな〜とか思ったり。 今後引っ越しをすることになれば車があればアパートを選ぶエリアが広がるし、引っ越しも自分で出来るし。 さらには車があれば友人が来たときにも便利だとも思います。 ここBC州ではBC州が直営しているAutoplanという保険会社から任意保険を購入しないと車を持てない仕組みになっているようなので、今度Autoplanのブローカーのオフィスにいって見積もりだけでももらってみようと思います。 それがあまりにも高額であればきっぱりとあきらめがつきますし、もし予算の目処がつきそうなら車購入を検討しようかと思います。 僕はあまりメカに詳しくはありません。 日本で車を持っていたときも、ボンネットをあけてもワイパー液を入れるくらいで、メカメカしいことには一切ノータッチでした。 パイロットは飛行機を飛ばすことが仕事ですが、飛行機の仕組みを理解することもとても大切です。 飛行機の仕組みは車の仕組みととても似ているようですし、飛行機はいじれなくても車なら自分でいじることができます。 っということで、中古車を購入して車のベーシックな仕組みを理解しておくとなにかと役立つのではないかと思っています。 車を買うなら1980年代のトヨタ車などを買って、簡単な故障は自分で直せるように学習したいと思っています。 こういう目的で車を持つのは贅沢でしょうか?(笑)。

 今日の写真はいつもいくThrifty(スリフティー)というスーパーマーケットの外で売られているもみの木です。 値段を聞いたら29.99ドル(約3000円)ということでした。 クリスマスが近くなるにつれてもみの木を車の上に積んでいる人々を頻繁に見るようになりました。 

 

 ではまた!


(つづく)

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【編集後記】

 僕は決して体が鋼のように強いということはなく、風邪を引くこともあります。特に時差ぼけにやられると一気に免疫力が低下して体調を崩します。初めてアメリカに行った時も確か時差ぼけで風邪を引きました。今回のビクトリアでも恐らくは時差ぼけの残りと、アメリカに旅行に行ったときの疲れやらが残っていたのではないかと思います。海外で病気になるのは楽しくありません。日本のように病院で処方薬をもらうということはありません。基本的には「風邪くらい自力で治せ」というスタンスなので、風邪を引いただけで医者に行くというのはまずありません。今はコロナの影響があるのでまた状況が違うかもしれませんが。

 
(つづく)

2020-08-21

過去ログ:2006年12月3日〜2006年12月4日

ビクトリア50日目:VORはばっちりです。
2006年12月3日日曜日

 今日はまずは写真の説明から。 こいつが昨日、おとといと僕のブログに出て来て、僕を丸一日悩ませた憎いやつ、VORです。 左下にあるOBS(Omnirange Bearing Selector)を回すとVOR内の方位が書かれたカードがぐるぐると回ります。 写真ではちょうど真ん中にニードル(CDI= Course Deviation Indicator)がありますが、これが右によったり左によったりします。 上と下に方位を設定するところがあり、オレンジ色のNAV と書かれているところがぱらっと回転してTOになったりFROMになったりします。 これを使うと地上にあるVORステーションから見てどの方角に今自分が居るのかが分かるという仕掛けです。 写真の状態でもしNAVがFROMになっていたら、今VORステーションの060ラジアル上(東北東)に居るということになります(OBS Indexが060にセットされているからです)。 この仕組みを考えた人は偉いな〜って思います。 でも、そろそろGPSだけでナビゲーションできるようにして欲しいとも思います(笑)。 「次を斜め左下、方位120°方向、高度2000ft方面です」とか、「目的空港周辺です。 案内を終了します。」とかってナビゲートしてくれたら楽に飛べるんですけどね〜(笑)。

 さて、今日は12時からフライトでした。 いつものようにローカルイースト方面へ飛んで行き、アメリカのSan Juan Island上空付近のエリアをフライトしました。 景色をほんの数分間楽しんだ後、すぐにフードを付けるように指示されました(涙)。 そとは雪化粧をした山々がとても綺麗に見えました。 フードを付けたら今日もまた計器飛行の練習です。 少しずつではありますが、計器飛行に自信がついてきました。 今までは高度計を見て、高度が下がったらすぐに機首を上げて、高度が上がったらすぐに機首を下げてというふうに計器の針をおっかけるということを無意識にしていたように思います。 そこでサスカトゥーン時代のインストラクター、Deanの口癖を思い出しました:「Don’t chase the needles.  Let the aircraft settle itself first.」(針をおっかけないで、まずは飛行機が自分自身で安定するのを待て) 説明が難しいですが、つまりは飛行機はセッティングを変えなければ放っておけばある決まった姿勢でフライトを続けるから、まずはそれまで待てということです。 しばらく待って姿勢が落ち着いたら、それから必要なことをしてやればいいのです。 どうしても最初は針をおっかけてしまいますが、まずは飛行機が自分自身で落ち着くのを待って、それからアクションを取ることが大切なようです。 今日はこのことを頭に入れてフライトをした結果、とてもうまくいきました。 肝心のVORですが、インストラクターに指示されたとおりラジアルをインターセプトすることができました。 もちろん完璧ではありませんが、指示を受けても落ち着いて方向を変えたりインターセプトに必要なターンをすることができました。 途中でVORからのラジアルをVORステーションから遠ざかるように(FROM VOR Station)インターセプトするように言われたとき、VORをセットしましたが、TO-FROM のサインがFROMにならなければいけないところがTOのままです。 「あれ、FROMにならないですけど」ってインストラクターにいったら、「気にしなくていいです」っていわれました。 う〜ん、納得できない。 そこでVORを指でコツコツ叩いたら、くるっとTOがFROMに変わりました(笑)。 まるでコントのようでした。 なにはともあれ僕の頭で思っていた通りの表示になって安心してフライトできました。 1時間近くフードを付けてフライトし、フードを外して空港に戻りました。 途中でorbit(360°ターン)するようにタワーから指示されました。 Dash-8がビクトリアに飛んで来ていて、その便を先に着陸させるためでした。 昨日もorbitと言われましたが昨日はあまりよく理解できませんでしたが、昨日の経験のお陰で今日はばっちり理解できました。 着陸はsoft field landingというテクニックを使ってフラップを30°使って着陸するのですが、僕はこれが苦手です。 明日はソロで飛ぶ予定なので、主にそれを重点的に練習するつもりです。 今回はオイルが漏れなければいいんですが(笑)。

 今日になってようやく道の雪が融けてきました。 今日はスクールには自転車でいけました。 久しぶりに自転車に乗ったので、チェーンに錆びが(涙)。 潤滑油をしっかり塗って、フロントとリアの変速機を自在に操ってチェーンラインを変更して、わざとチェーンをギア盤にこすりつけたりしてチェーンについた錆びを落とします。 飛行機の操作もこれくらい簡単だったらいいんですが(笑)。 自転車のサドルの上ではかなりの時間を過ごしましたから、コクピットでもたくさん時間を過ごせば自由自在にすべての装置を操れるようになるんだと思います。 はやくその日が来てほしいです!

 今日ひさびさに航空無線ブログを更新しました。 興味がある方は上のリンクからどうぞ。

  ではまた明日!

(つづく)

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ビクトリア51日目:ソロフライト
2006年12月4日月曜日

 今日はあいにくの雨空です。 昨日から喉の調子があまりよくありません。 どうやら、やや風邪気味のようです。 昨日の夜は薬を飲んで寝ましたが、あまり調子は回復していません。 今日は12時から1時間ソロでサーキットに出る予定でしたが、天候もあまりよくないし、体調も完璧ではないので少し悩んでいました。 とりあえず少しずつ天候は回復に向かっているようだったので、11時過ぎにクラブに自転車でいきました。

 クラブ到着後に最新のMETARを見たところ、雲も少し高くなって、雲の量も減って来たようでした。 クラブのチーフインストラクターのグラハムと話をしたら、「だいぶ空の様子はましになってきたから行っておいでよ」と言ってくれました。 っということで、1時間ソロフライトに出ることにしました。 

 バンクーバーのACCに電話をして、いつもの台詞を言います:「Can I get a code please?」(トランスポンダーコードを1つください)。 こういうと、いつも電話の向こうの人は、「Go ahead.」(はい、どうぞ)っといいます。 その後、飛行機の型式、登録番号、出発空港、出発時刻、フライトの種類を言います。 文章にする必要はなく、「Cessna 152, Golf Zulu Sierra Charlie, Victoria International at 22:00, local flight」っというだけで相手は分かってくれます。 これはフライトプランを提出するときも同じ感じです。 向こうの人が欲しい情報を言葉を羅列していうだけでいいんです。 無事にコードをもらい、機体のウォークアラウンドを済ませ、ウェイトアンドバランスもして準備万端です。

 コクピットに入ってエンジンをかけますが1度ではなかなかかかりません。 ZSCを使うのは今日は僕が初めてのようで、エンジンは冷えたままです。 なのでプライマーでエンジンに直接燃料を吹きかけてエンジンがかかりやすいようにしてやります。 いつもは2回程度でいいところを、今日は4回吹きかけ、それでもだめだったのでもう2回かけてやったらかかりました。 クリアランスデリバリーにコールし、グランドにコールします。 滑走路を横切って滑走路09までいくように指示されました。 09の手前でrun-upを行います。 今日は1人なので自分のペースでランアップできるので楽でした(笑)。 いつもは教官が急かすので(笑)。 エンジンが暖まっていないためか、ランアップをする前にはエンジンをアイドルにすると止まりそうになりました。 ランアップ後は大丈夫でした。

 滑走路09に進入する前にタワーに出発準備が整ったことを知らせます。 すると離陸許可が出ました。 フラップを10°降ろしてのsoft-field take-offというテクニックを使って離陸です。 地上ではさほど風はなかったのですが、ひとたび空に上がるとそこは別世界です。 風がびゅんびゅん吹いている感じで、右に左に振り回されます(笑)。 なかなか機体を落ち着かせることができないままサーキットを開始しました。 1回目はsoft-field landingを行うことにしましたが、どうも風に吹き流されてしまってファイナルターンのときに滑走路の中心に機体の進行方向をそろえることができません。 どうしてもオーバーシュートしてしまって、えっちらほっちら滑走路まで戻らなければいけないような感じになってしまいます。 でも、エンジンセッティングとフラップ、エアスピードは揃っていたと思いますのでまあよしとします(笑)。 滑走路に進入してフレアをするのが早すぎるのかすぐにふわっと上昇してしまいます。 失速しないようにパワーを少し足してゆっくり降ろしてやりました。 着陸後、すぐにフラップを10°まで戻し、DGがくるっていないことを確認してフルパワーで上昇です。 こういうことを4回ほど繰り返しました。 1回ものすごく下手な着陸をしました。 一度着陸したのにパワーがありすぎたのかまた宙にういて、そこからストンと着陸してしまいました。 あれはダメです。 悪過ぎです(反省)。 次回はもう少しグランドエフェクトで水平飛行をして、エアスピードが落ちるのを確認してからフレアをかけるように気をつけようと思っています。

 サーキットも終盤にさしかかってきて、滑走路09を離陸して上昇中にタワーからコールがあり、「風向きが変わったから滑走路を27に変えるけど、どうします?」と言われました。 「それじゃ滑走路27に変更をお願いします」と告げました。 滑走路27は滑走路09と同じ滑走路ですが、まったく正反対の方向に着陸することになります。 そのため、「それじゃ、どっかその辺で180度ターンをして、ファイナルに入ったらレポートしてください」っと言われました。 そこで上昇をしながら右に機首を振り、左旋回で180度ターンをします。 180度ターンが終わったところで今日の写真を撮りました。 写真を撮ったポイントは海の上で、空港(白いところ)の右下に見える集落がシドニーの街です。 見て分かる通り、滑走路は正面ですがやや左にあります。 つまり、僕が右に外れていたということです。 まだまだターンの角度とターン終了後の位置の感覚がつかめていないのがよくわかります。 今日は風の影響というのもありましたけど、次回からはこの点も注意して練習したいと思います。 なお、写真の黒い線は多分プロペラの残像です。 携帯のカメラなので変な感じで写ってしまいました。

 今日のフライトは0.9時間でした。 もっと長く飛んでもよかったんですが、風に振り回されていたのと、結構疲れたので早めに切り上げました。

  明日は一日お休みです。 しっかり休んで体調を回復させたいと思います。 

 

 ではまた!

 

 

(つづく)

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【編集後記】

 このあたりから外を見ずに計器のみを見てのフライトに慣れて来ていたようです。こうやって練習を繰り返すと今までできなかったことができるようになるというのがフライトトレーニングの醍醐味のように思います。当然ながらなかなかできるようにならないこともありますし、言葉でどれだけ説明されても自分の体で体験しないとできるようにならないこともあります。自分にあった教え方をしてくれる教官に出会えると良いですが、必ずそうとも限りません。なんとか自分が納得できる方法を見つけ出すための努力も必要なように思います。個人的に一番大事だと思うのは反復練習とイメトレ。イメージトレーニングは想像以上に大事です。今でもシミュレーター訓練をする前日には目を閉じてイメトレをしたりもします。僕なんかは練習でやったことがなければ本番でいきなりできるようになるほどの能力がありませんので、なるべくやったことがないことを減らす努力をするようにしています。

 イメトレと言えば、最近マイクロソフトがフライトシミュレーター(ソフトウェア)の最新版を販売しはじめたようです。気の早いマニアがネットやSNSに情報を載せています。VFCのメンバーがビクトリア空港上空のフライトをフライトシミュレーターで行った動画をあげていましたが、かなりのリアリティに度肝を抜かれました。あれがあればかなりイメトレに役立ちそうです。シミュレーターは経験者にとっては訓練の補佐的に使えると思うのでお勧めです。一方、飛行経験がない方がシミュレーターに没頭すると後々の実際の訓練で我流のやり方と正しい手順の差に戸惑うこともあるとのことなので、あくまでお遊び程度にやることをお勧めします。


(つづく)

 

2020-08-19

過去ログ:2006年11月30日〜2006年12月2日

ビクトリア47日目:ひさびさのフライト
2006年11月30日木曜日

 
 さて、今日の写真はインパクトが強すぎると思うのでまずはこの説明から。 昨日宣言したとおり、今日頭を丸めました(笑)。 ドラッグストアで購入した3000円のバリカンで頭をガンガン刈りました。 今思えば小学生の中学年くらいからずっと長髪(ロン毛ではありません)だったように思います。 今回丸刈りにしようと思ったのにはいくつか理由がありますが、実用的な理由は、僕がアメリカに留学していたときに行った散髪屋さんで、僕がお願いしたのとはまったく違う髪型にされたという悲しい経験をしたことがあるからです。 決して安い散髪屋ではなく、高級ヘアサロンにいったのに・・・ その名も「Miracles(奇跡)」。 皮肉もいいところです(笑)。 ということで、今回は自分で散髪することにしました。 トイレの洗面台に新聞紙を敷き詰めてうぃぃぃ〜んと刈り込みました。 バリカンには髪の長さを調整するアタッチメントがついていたのですが、刈って行くうちにどの長さを使っていたのか分からなくなりました(笑)。 その結果、写真の長さで落ち着きました。 サイトに自分の写真を上げるというのは少し抵抗があるので、今回の写真が僕の最初で最後の写真になるかと思います! 正面からの写真をご希望の方はメールをください(笑)。

 さて、髪の毛のことはこれくらいにして、フライトのことについて。 今日は引き続き計器飛行の練習です。 今日はVORというナビゲーションエイドを使ってのフライトの練習をしました。 正直、チンプンカンプンでした。 頭ではちゃんと理解しているのですが、実際にコクピットの中で機体をコントロールしながらVORをいじるというのは今の僕には至難の業です。 しかも、教則本に書いてある使い方とは少し違うことを、僕は既にチンプンカンプンでいっぱいいっぱいなのに、教官は次から次へと指示を出してきます(涙)。 飛んでいるエリアの地理すらあまりわからないのに、VORをいじらなければいけないわ、機体をコントロールしなきゃいけないわ、さらには地理も学習しなければいけないという超マルチタスクをこなすことになりました。 結論からいえば、今日のフライトはめちゃくちゃでした。 コントロールのコーディネーションがまったく出来ていませんでした。 今日は久しぶりにへこみました。 もう少しVORの勉強をしようと思います。

 今日はこの前購入してアメリカから持ち帰って来たヘッドセットを初めて使用しました。 David Clarkという会社のH20-10(stereo)というヘッドセットです。 価格は3万円ちょっとというところでしょうか。 カナダで購入すると軽く4万円を超える代物です。 アメリカで購入できてよかったです。 ところがトラブルが一つ発生。 コクピットでヘッドセットのプラグを差し込んでみると、なぜか片方からしか音が出てきません。 エンジンもかかっちゃったし、今更どうしようもないのでとりあえずは今日は片側からの音だけでフライトしました。 フライト終了後にディスパッチャーのブライアンに聞いてみたら、「ステレオのヘッドセットは機体によってはうまく作動しないときがあるよ」とのこと。 なんでもプラグのセパレーターにあるスイッチを切り替えればモノラルに切り替わって両耳から音がでるとのこと。 ブライアンにスイッチのありかを教えてもらい、モノラルに切り替えたらちゃんと両方から音が出ました(笑)。 返品しなくて済んでよかったです。

 明日は1日休みを取りました。 今日のフライトが正直結構体力的にも精神的にもこたえましたし、明後日になれば雪もある程度解けるとおもうので。 明後日にまたフライトをして、それからソロフライトにも出ようと思います。 大変なことは相変わらず多いですが、弱音をはかないように頑張ろうと思います! 髪の毛も切ってリフレッシュしたところで気持ちをリセットし直そうと思います。

  今日、コロラドでの写真をPhotosのセクションにアップしましたのでご覧ください。

 ではまた!


(つづく)

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ビクトリア48日目:VOR徹底研究!
2006年12月1日金曜日



 昨日のVOR訓練の悪夢から一夜が明け、今日は一日VORの勉強をしました。 VORというのはVHF Omnirange Navigation Systemの略で、VHF周波数を使って飛行機がVORステーションからみてどの位置にいるかを見つけ出すための計器です。 分かりやすくイメージするには、自転車の車輪を思い出してもらえばいいと思います。 車輪の中心のハブがVORで、その周りに360本スポークが張られていると思ってください。 1°ごとに1本のスポークがあります。 それぞれがradial(ラジアル)と呼ばれるもので、数字で表されます。 例えば、中心(VOR)から真北に出ているスポーク(ラジアル)は360(または000)、真南に出ているスポークは180ということになります。 この仕組みを利用して、自分が今どのラジアル上にいるのかを見つけ出すことができるというのがVORの基本です。 270であればVORから西に、090であればVORから東に出ているラジアル上ということになります。 実際にはこれよりも高度な仕組みを利用してラジアルをintercept(インターセプト)してラジアル上をVORステーションに向かって、またはVORステーションから遠ざかって飛んだりします。 頭では分かってもなかなか難しい! 今日は教則本とシミュレーター(http://www.aerotraining.com/nav/navindex.htm)を利用して何度もイメトレをしました。 このシミュレーターはなかなか役に立ちます。 VORを移動して、飛行機も移動して、画面をハンカチで覆ってVORのセクションだけを見ながらVORに向かって、またはVORから遠ざかって飛ぶ練習をします。 果たしてこの成果が明日のフライトにいかされるのか?!?! 乞うご期待です(笑)。 

 今日はVORのこと以外には本当になにもしていません。 唯一したのは今月の家賃を払うために小切手を書いて大家のブライアンに渡したくらいです。 あ、VORのやり方をまとめた書類を作成して、それをプリントするために図書館に行きました。 丸坊主にして初めての外出で、しかも夕暮れ後だったので結構頭が冷えました。 ニットキャップが手放せなくなりそうです(笑)。 

 キャップといえば、今日の写真はボンバルディアのリアジェットのロゴが入った帽子とリアジェットシリーズのカタログです。 コロラドに旅行に行ったときにボンバルディア社でリアジェットのセールスディレクターをしている方に会う機会があり、その方がお土産にとくれました。 ボンバルディアというのはカナダの会社で、たしかもともとは電車を作っていた会社じゃなかったかと思います。 今ではCRJシリーズやQシリーズ、リアジェットなどの小型ジェット機の分野で大きなシェアをしめていると思われる航空機メーカーです。 僕の友人のお子さんの同級生のお父さんがセールスディレクターの方で、一緒にランチを食べながら彼の航空遍歴、飛行訓練のアドバイス、パイロットとしての職業や今後の可能性などについていろいろ教えてもらいました。 彼自身も事業用パイロットだったのですが、最近はずっとグライダーばかり乗っているそうです(グライダーだけで2500時間以上の飛行時間があるそうです)。 その方にあったときに写真のキャップをいただきました。 一番安いものでも1機20億円以上はするというジェット機を販売するというのは凄い仕事だと思います。 飛行機販売についての話も聞きましたが、なかなか奥が深くて面白そうでした。 飛行機に関する職業といっても、パイロットという職業もあれば飛行機を売るという職業もあるんですね。 そういえばその方には「さっさと計器飛行の証明を取れ!」と言われました。 う〜〜ん、そのつもりはなかったんですが、計器飛行を今のうちから訓練に組み込んで事業用免許の訓練と平行して行うということもできると教えてもらいました。 今度スクールでマネージャーに相談してみようと思います。 やっぱりそのためには今のうちにVORをマスターしなきゃいけないみたいです!(汗)。

  さて、明日は正午頃からフライトです。 その後、管制塔にお邪魔することになっています。 以前にサーキットの方向を間違って飛ぶという失態をしているので、そのことをからかわれるんじゃないかと思います(笑)。 写真が取れればぜひ写真を撮らせてもらおうと思っています。

 ではまた!

 (つづく)

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ビクトリア49日目:タワー訪問。
2006年12月2日土曜日

 今日は昨日よりも気温が高かったように思います。 12時からのフライトに合わせて家を出て、徒歩で空港に向かいました。 自転車ででもいけないことはなかったんでしょうが、タイヤから跳ね上げられる泥水で顔が汚れるのが嫌だったので徒歩で行くことにしました。 以前、飛び越えようとして深みに足を取られてびしょぬれになった小川は今日は水かさが低かったのですんなり渡ることができました。 滑走路周辺にさしかかるとクラブ所有のセスナ172が頭上をかすめて着陸していきます。 地上に雪があってそれが日光を照り返しているので白い機体がいつもよりもより一段と白く、綺麗に見えます。

 フライトの前にVORの復習をしようと思ってライブラリー(2階)に上がると、ナンシーという女性が勉強をしていました。 彼女はプライベートパイロットライセンス取得に向けて頑張っているそうです。 ここVFCでは女性のパイロットや学生パイロットが多いように思います。 カナダ人の女性はパイロットになりたい人が多いんでしょうか。 ビクトリアに飛んでくるエアラインのパイロットも女性が多いように思います。 無線を聞いているとよく女性の声を耳にします。 日本男児も負けていられません(笑)。 ナンシーとしばらくおしゃべりを楽しんだおかげで復習はほとんどできないままフライトの時間となりました(笑)。 

 今日も引き続き計器飛行の練習です。 VORの練習もする予定でしたが、僕はまだよくVORの実践的使用の手順を理解していなかったので不安でした。 そしたら、今日使った機体のVORの調子がよくなかったらしく、結局VORはほとんど利用しませんでした(笑)。 また明日以降トライすることになると思います。 今日はその代わりフードを利用して視界を遮ってのフライトをしました。 以前よりはだいぶましになったとは思いますが、上昇や下降がなかなか上手にできません。 今日はrate 1 turn (1分で180°旋回するターン)を利用して、何度ターンするには何秒ターンするとかという即席計算をしなければならない練習をたくさんやりました。 まずは180°ターン(1分間)をして1分後に水平飛行に戻したあとに方位磁針を見ると180°ではなく170°のターンだったりします。 っということは、予定の方向には10°足りませんから、あと約3秒ターンする(rate 1 turnは1分で180°ですから、1秒に3°ターンすることになります)とかといったことをやりました。飛行機をコントロールしながら計算をするっていうのは結構大変です。 「あああああああああああああ〜〜〜!」ってな感じで投げ出したくなることも数回ありました(笑)。 これも練習ですね。

 今日はフライトの後、管制塔を訪問しました。 インストラクターが管制官の1人と立ち話をしたらしく、「管制塔においで」と誘ってもらったそうで、僕もついて行くことになりました。 管制塔というと、薄暗い部屋で皆真剣な顔つきでレーダー画面に向き合っているのかと思いきや、談笑はするわ、コーヒーは飲むは、ふらふら歩き回るわで、ぜんぜん想像とは違っていました。 管制塔にはClearance Delivery, Ground, Inner Tower, Outer Towerの計4人が待機しています。 忙しくないときはDeliveryとOuter Towerがいなくて、計2名で担当しているそうです。 管制官の1人のジャックという人がいろいろ教えてくれました。 モニター上にどういうふうに航空機が表示されるか、トランスポンダーの情報が画面上にどういうふうに表示されるかなど、とても親切に教えてくれました。 「僕たちはパイロット達が思うほど怖い人たちじゃないから、無線の指示内容がわからなかったら気兼ねなく聞いてくれればいいんだよ」とアドバイスしてくれました。 どんな人たちと無線で話をしているかを知っているとこれからの無線会話が少しは楽になりそうです。 写真は管制塔の内部の写真ですが、ベースボールキャップをかぶった若い男性が管制官をやってたりします。 とても意外でした。

 帰って来てからVORを再度復習。 わからなかった部分が今夜午後8時頃にようやく分かるようになりました(笑)。 これで明日からはVORを利用できると思います。 あとは練習あるのみです。 

 今日はその他にカナダの健康保険の掛け金を支払いました。 BC州の住民は法律でMSP(Medical Services Plan)への加入が義務づけられています。 今、僕は来年の1月15日までAIUの海外旅行傷害保険に加入していますが、その後はこのMSPに加入することになります。 掛け金は月54ドルです。 これに入っていれば、病気で病院や医者に行かなければいけない場合は無料で治療を受けることができるそうです。 ただし、歯科や健康診断などはカバーされません。 また、処方箋の薬もカバーされないそうです。 特に病気になるとは思いませんが、月54ドルで万が一に備えることができるのであれば安いと思います。 AIU保険はもっと高額だと思います。

 今日も一日疲れましたのでそろそろシャワーをして眠ることにします。 明日も12時からフライトです。

 ではまた〜!


(つづく)

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【編集後記】

 丸坊主はいかがでしたか。北米で髪を切るのは実はかなりのチャレンジです。海外生活経験者(特に北米)の方はきっと頷かれると思います。日本人の髪質は北米の白人のそれとはだいぶ違うため、北米人の髪を切る感覚で日本人の髪を切ると仕上がりが全然違うようです。幸い、今ではどこにいってもだいたいの都市には日本人のヘアスタイリストさんがいるので、僕はそういうところで切ってもらっています。といいながら、実はそろそろまた丸坊主にしようかと思っています。写真でわかる通り、僕は若い頃はピアスをしていました。これは日本での仕事を辞めた後、すぐにやったことの一つです。せっかく日本の社会を離れるのだから、日本ではやりにくいことや今までできなかったことはすべてやろうと思ってやったことの第一号がピアスでした。大阪の病院(?)で開けてもらったのですが、針が通った瞬間に血の気が引き、しばらく腰掛けていたのを覚えています。肝っ玉が小さいんです。ちなみに今は流石にピアスはしません。教官になったあたりで辞めたんだと思います。

 VORには結構苦しめられたようですね。実はそんなに難しいことはないんですが、頭でしっかり理解するのが最初は難しかったんだと思います。今はGPSやFMSを使っての航行が多いので、VORの信号を受信して飛行するということはあまりやりませんが、それでも位置情報の確認方法の一つとして使われていたりはします。フードをつけての計器飛行の訓練でも苦戦したようですが、すべては慣れです。今では問題なくできます(えっへん)。

 

(つづく)

 

2020-08-17

過去ログ:2006年11月17日〜2006年11月29日

ビクトリア34日目:計器飛行をしました。
2006年11月17日金曜日


 今日も相変わらずぐずついた天気でした。 朝起きて外を見ると、少しだけ雨が降っているようです。 こちらでは雨のことをrainというときもありますし、小雨のときはshower(シャワー)というようです。 天気予報を見るとずっと雨のマークですが、「Chance of showers」とか、「Period of rain」というふうに出ています。 ということは、ずっと降るっていうわけではないようです。 分かりにくい! 日本の天気予報のほうが断然分かりやすいと思います。

 さて、今日も散歩をして朝食をとり、Flight Training Manualを読んでから2時のフライトに出かけました。 風はさほどなく、METARを見ても雨以外は特にフライトの妨げになるような条件はありませんでした。 今まではLocal Westと呼ばれる、空港を離陸して真西に向かってしばらくいったところでの訓練ばかりでしたが、今日は初めてLocal Southと呼ばれるエリアに行きました。 San Juan Islandという島のあたりをフードを付けて視界を遮っての訓練です。 夕暮れが近づいていたので、外はとてもきれいだったそうです・・・(僕は当然外は見れず・・・涙)。 帰って来て航空図をみたら、実は今日フライトしたあたりはアメリカのワシントン州上空だったようです。 ほんと、「国境」なんてものは本当はどこにもないんですね〜(笑)。 

 今日のフライトでは、計器のみでのclimbやdescent、あと、Rate one turnと呼ばれるターンの練習をしました。 Rate one turnというのは、1秒に3°ターンする飛び方で、1分間で180度(3° x 60秒)ターンするテクニックです。 これを覚えておくと、万が一雲の中に不意に入ってしまって、周りが全く見えないので引き返さなければいけないときなどの180度ターンに役立ちます。 2分間で当然360°まわりますので、実際に時間を計ってやってみました。 1回目はどのくらい機体をロールさせたらいいのかわからなかった(感覚の話です)ので、2分後にはまだ元の方角には戻っていませんでした。 傾け方が足りなかったので、340°ほどしかターンしていませんでした。 2回目はしっかり計器を見ながら回りました。 ターンをしている間も高度が少しずつずれてしまいます・・・(汗)。 高度計も見ながら、さらにTurn coordinatorという計器も見ながら、さらにDGも見ながらのターンです。 2回目はばっちり2分で360°ターンしました。 われながら、「やればできるじゃ〜ん」なんて思いました(笑)。 まぐれでしょうけどね。 他にもいろいろ計器飛行をやりました。 計1時間ほど外を見ずにフライトしました。 方向、高度、スピード、上昇や降下などのコントロールをすべて同時にやるのは本当に大変です。 体の感覚では「今、右に傾いている」と思っても、計器はまっすぐを表していたり、「上昇しすぎ」と思っても、実はすこ〜ししか上昇していなかったりと、体の感じ方なんていうのはまったくあてになりません。 サスカトゥーンのインストラクターに教えられたことは、「体は嘘をつく。 でも計器は嘘をつかない。 だから、感覚が信用できなかったら、素直に計器を信じろ」ということです。 体が嘘をつく可能性は、計器が故障する可能性よりも圧倒的に高いです。 今日の写真は計器飛行で一番コアとなるA.I.(Attitude Indicator)という計器です。 オレンジ色の横棒が青いところ(上半分)にあると上昇、茶色いところ(下半分)にあると下降を表します。 これを常にスキャンしながらフライトします。 結構疲れます(笑)。 フードを外した後は沈み始めたオレンジ色の太陽が見えました。 本当に美しかったです。 こちらに来てから日の入りを見たことがありませんでしたので、今日のサンセットはとてもきれいに見えました。 次回はぜひカメラを持ってパシャリ、っとやりたいものです。

 帰宅後は明日からの旅行の用意を始めました。 バックパックをひっぱりだしてきて、洗濯物を畳んで、歯磨きやコンタクトレンズ、サングラスなどを準備しました。 今日のフライトの後、インストラクターに、「休暇明けにVORの使い方をやるので、休暇中にしっかり勉強してきてください」って言われました(笑)。 休暇中もパイロットは空を飛ぶための勉強をしなきゃいけないようです(笑)。 教則本をアメリカに持って行くのは紛失や汚れ、おり曲がったりするのが不安なので、図書館で必要なページだけをコピーしてきました。

 明日は朝7時に家を出て、まずはいつも乗るバスに乗ってSwartz Bayという港まで行きます。 Swartz BayはSidneyから北に10分ほどの距離です。 そこからBC Ferriesのフェリーに乗って、1時間半の乗船でカナダ本土に着きます。 そこに到着するまでに、フェリーの上でPacific Coach Lineというバス会社のバスドライバーからバンクーバー空港行きのバスのチケットを購入します。 フェリー上でバスに乗り、本土に到着したらそのままバスで空港に向かうということになるようです。 初めてなのでちょっとどきどきですが、ハウスメートのロブ(BC Ferriesの社員)が細かい手順を教えてくれたので問題ないと思います。 バンクーバーからアメリカのフェニックス(アリゾナ州)に飛び、その後デンバーに向かいます。 ちなみに乗る飛行機はCRJシリーズの900という機体だそうです。 僕はCRJが好きなので楽しみです(マニアックすぎましたね・・・笑)。

 ではアメリカに行ってきます。 また帰って来てからお土産話を交えてブログを更新します。 

(しばらくお休みの後、つづく)

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ビクトリア46日目:カナダに帰ってきました。
2006年11月29日水曜日


 皆様、どうもご無沙汰いたしました。 昨日、ようやくアメリカでの休暇を終え、カナダに戻ってきました。 え〜っと、なにから話したらいいでしょうか。 いろんなことが起きた旅でしたので、面白いところだけちょこっと書こうと思います。 

 今回の旅程は、ビクトリアからフェリーに乗ってバンクーバーに向かい、そこからアメリカのアリゾナ州にあるフェニックスまで飛び、そこでデンバー行きのフライトに乗り換えるという感じでした。 

 まずフェリーでの出来事。 朝7時頃、まだ外は真っ暗なときに家を出ました。 小雨が降る肌寒い朝でした。 バス停でバスを待っていると、信号の音(ピヨッピヨッピヨッピヨッっという日本の横断歩道の音と同じ音)が喧しいくらいに聞こえてきます。 バス停のベンチに座ってバスを待つこと十数分。 バスが来ました。 乗客は僕とあと1人だけ。 バスに揺られること10分ほどでSwartz Bay(スワーツベイ)に到着です。 ATMのような機械でチケットを買います。 バンクーバーまでは片道11ドル(1200円)ほどです。 フェリーが出発するまではターミナルのなかで時間をつぶします。 学生やらスポーツチームやらもバンクーバーに行くようで、朝から大にぎわいです。 待合室で座っていると、となりに中年の女性が座りました。 その女性は編み物をしていて、僕は特に気にしていなかったのですが、しばらくすると、「学生さん?」っと話しかけてきました。 「んまあ、学生といえば学生です」っという感じで返事をして、日本から来たことを告げると、「あら、私も日本からよ」っというではないですか。 ちなみにその女性は恐らく50代後半の白人女性です。 ほんとカナダ人はジョークが好きだな〜っと思って、「ははは〜」っと笑い飛ばしたら、「私は日本で生まれました」なることを日本語で流暢に話すではないですか。 「ううぉおおおおおっと」っと面食らってしまいました(笑)。 話を聞くと、お父さんが宣教師で、日本にキリスト教を広めるために日本に住んでいたそうで、そのためその女性(バレリーさん)は日本で高校生まで過ごしたそうです。 今はカナダに戻って翻訳や通訳、日本からの学生の世話などをしているそうです。 フェリーに乗り込んだ後もいろいろフェリーのことを教えてくれたり、日本でのことを話したりしました。 Swartz BayからTsswassen(スワッセン)までは約90分のクルーズですが、その間ずっとバレリーさんと話をしました。 まさか日本語を話すカナダ人にフェリーで会うとは思いませんでした。 バスの中ではDeck 5という階でPacific Coach Lineというバス会社の運転手からチケットを購入します。 PCLはビクトリアとバンクーバーを結ぶバス会社です。 フェリーの中でチケットを買うと、フェリーからバンクーバーのダウンタウンやバンクーバー空港までのバスに乗ることができます。 チケットは空港までが17ドル(1800円)ほどだったと思います。 90分後、スケジュール通りスワッセンに到着。 バスに乗り込んでバンクーバー国際空港まで向かいます。 

 今回の旅行の航空券は友人の奥さんが予約をしてくれました。 航空会社はUS Airwaysというアメリカの航空会社です。 今回初めて乗った航空会社です。  これがすべてのトラブルの始まりになろうとは思いもしませんでした・・・(後述参照)。

 空港のカウンターでチェックインをし、そのままカウンターの横をすり抜ける形でセキュリティーチェックと出国手続きに向かいます。 途中で免税店があったので、スモークサーモンを2箱購入しました。 1つは友人宅、もう一つは友人の奥さんのお母さん(日本で一度会いました)のために購入しました。 いろいろ考えた結果、結局無難なスモークサーモンになりました(笑)。 免税店を通り抜けると、すぐそこがアメリカへの入り口です。 どういうことかというと、カナダ国内にアメリカへの入国審査があるのです。 入国審査では、「どこいくの? カナダでなにしてるの?」といった質問があり、パイロットのトレーニングを受けていることを話すと面白いように審査官2人が喰いついてきます(笑)。 日本での訓練費用が高いからカナダにいることなどを告げると、「へぇ〜〜」っといった具合です。 そういえば今回初めて指紋と写真を米国入国の際にとられました。 前職でそういうことがあるというのは知っていましたが、体験したのは初めてでした。 無事に「入国」を終え、セキュリティーチェックを住ませるとカナダにいながらアメリカにいることになります。 変な感じです。 出発ゲートまでいくと、なにやらアナウンスがあり、フライトが1時間遅れました。 ようやく1時間遅れで機内に入ると、なにやら「キュイ〜〜〜ン、キュイ〜〜〜〜ン」という音がしきりに聞こえてきます。 何の音かなと思っていると機長からのアナウンスがあり、「油圧系統にトラブルがあったので、パーツ交換をします。 そのため、最低30分は遅れます」というではないですか。 乗客全員イライラモード全開です(笑)。 その後なんとか出発。 フェニックスに到着したのがデンバー行きのフライトが出発する20分ほど前でした。 デンバー行きの便の出発ゲートを確認して走りましたが、ゲートに到着したときには既に搭乗が終わっていてゲートが閉じていました(涙)。 仕方ないのでUS Airwaysのカウンターに行って便を変更してもらいました。 その結果、デンバーに到着したのは日付が変わった後の午前0時過ぎでした(涙)。 友人と息子さんが空港で迎えてくれました。 

   コロラドではまずは山のほうのGlenwoodというリゾート地に連れて行ってもらいました。 そこには温泉があり、世界最大の温泉プールがありました(写真)。 雪がうっすらと積もった山を見ながらの温泉は最高でした。 半分は温泉、もう半分はプールになっています。 微妙に硫黄のにおいがするプールというのはなんとも不思議な感じでした。 友人宅があるボールダーからGlenwoodまでは3時間半ほどの道のりです。 道中はアメリカらしい渓谷の風景を楽しむことができました。 

   感謝祭当日は友人家族の友人宅にお呼ばれして、そこで食事をさせてもらいました。 写真はそのときの七面鳥です。 Thanksgiving Dayといえばターキーです。 なんでもThanksgivingは「3F」というのが決まりだそうで、Family(家族)、Feast(ごちそう)、Football(アメリカンフットボール)がその内訳だそうです。 家族が集まってごちそうを食べ、その後はフットボールを観るというのが典型的アメリカの感謝祭だそうです。 そしてその次の日(金曜日)は朝5時から店が開いて大規模なセールが始まります。 僕も朝6時前に友人家族とショッピングに出かけました。 なかには朝5時から開店する店もあるそうで、6時頃にお店についたら既に人で店内はいっぱいという状況でした。 アメリカ人は本当に不思議なことをするもんです(笑)。 Thanksgivingの次の日はショッピングというのがお決まりだそうです。

 他の日はゆったりとした時間を過ごしました。 友人がコーヒー好きなので、毎朝イタリアンカフェにコーヒーを飲みに行きました。 そのカフェはサイクリストのたまり場になっているらしく、ジャージに身を包んだサイクリストが次から次への入ってきます。 日本ではなかなか見かけない光景です。 道を見ているとこれまた次から次へとサイクリングをしている人たちが通過していきます。 しかも皆さん大変高価な自転車にまたがっています。 ここビクトリアでは考えられない光景です。 僕も自転車を持って行けばよかったな〜なんて思いました。

   デンバーは別名「Mile high city」と呼ばれているそうで、高度がとても高いことで有名です。 ボールダーでも高度は5000ftほどあります(ちなみにここビクトリアは60ftほどです)。 お陰でペットボトルはべこべこにへこんじゃったりします(写真はビクトリア到着後のペットボトルです)。 高山病にならないか不安でした(以前に山岳部で3000m超の山に登ったときにかかったことがあります)が、今回はなんともありませんでした。 でも、運動をするとすぐに息切れしました(笑)。 マラソン選手や自転車選手が高地トレーニングをするためにボールダーにくるのもよくわかります(マラソンのQちゃんを始め、日本人選手も大勢訪れるそうです)。

   ボールダーはとてもきれいなところでした。 景色もいいですが、買い物をするところがたくさんあったり、住んでいる人々はお金持ちが多かったり、起業家が大勢住んでいたりと、とても魅力的な土地でした。 ぜひ住んでみたいと思うところでしたが、僕なんかが住むようなところではないな〜とも思いました。 将来億万長者になった暁にはボールダーに家の一軒でも建ててやりたいと思います(笑)。 

 楽しい時間も終わり、帰国の時がきました。 またUS Airwaysですが、またまた機体のトラブルです(怒)。 今回はコクピット内のコンピュータがおかしいとかで、修理に1時間以上かかるというではないですか。 また乗り継ぎが間に合わないな〜っと思っていると、「ホノルル、カナダ方面へのお客さんは一旦ゲートに戻って係員と話をしてください」というではないですか。 その後、約3時間後に出発するUnited Airlinesの便にのせられることになりました。 空港で3時間近くもなにもせずに時間をつぶすのは大変でした(その日の前日は睡眠時間4時間ほどでしたので・・・)が、乗り換えが不要なバンクーバー直行便に乗ることができました。 んまあ、それでもシートのオーディオシステムが故障していてなんにも聞けなかったりという小さいトラブルは付いてきましたけど(笑)。 

 カナダに到着すると、またまた入国審査の後でImmigration Officeに行くように指示されました。 そこでも1時間近く順番を待つことになりました。 それでも無事に再入国を果たし、またまたPacific Coach Lineのバスに乗り、フェリーに乗って、シドニーに戻って来たのは結局午後7時過ぎでした。 長い旅でした。 今後はUS Airwaysには二度と乗らないと思います(怒)。

 久しぶりのビクトリアはあいにくの雪です。 気温は夜にはマイナス10℃にもなりました。 明日以降はまた気温が上がるようです。 明日は午後2時からフライトがありますが、天気によっては飛べないかもしれません。 どうなることやら・・・ コロラドの青空と快適な気温が懐かしいです!(笑)。 コロラドに居た間は毎日快晴、気温も10℃以上という最高のコンディションでした(でも僕が去ったあとは雪が降ったそうです)。

 ということで、休暇も終わりましたのでまた訓練に集中したいと思います。 明日には気合いを入れるために丸坊主にする予定です(笑)。 今日バリカンを購入しました。 こちらでは思い通りのヘアカットをしてもらうことは難しいと思います(体験談)ので、いっそのこと頭を丸めようと思っています。 これが退職前の目標の一つでしたから(笑)。 

 ボールダーの他の写真はまた後日Photosのセクションにアップロードの予定です。

 ではまた明日!

 (つづく)

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【編集後記】

 僕が訓練をしていた頃は本当に気軽にアメリカとカナダの国境を跨いだフライトが出来ていました。 ビクトリア空港に東からアプローチをするとアメリカ上空を通過することになります。たくさんの島があるのですが、その島にはどこにも必ずと言っていいほどエアストリップ(未舗装の短い滑走路)があります。島を個人所有している人もいるらしく、そういう人は自家用小型機で島に入るのでしょう。なんて優雅な生活スタイルでしょう。今はアメリカ側を飛ぶにはフライトプラン(飛行計画書)を提出する必要があったと記憶しています。

 アメリカへの旅行の際にUS Airwaysに乗ったとは覚えていませんでした。時代を感じますね(笑)。乗った機材がCRJだったということで、まさか自分が将来その飛行機を操縦する機会を得るとは想像もしていませんでした。そういえばボルダー滞在中に友人夫妻の友人でアメリカのボンバルディアで働くパイロットにあった記憶があります。彼はATPLライセンスまですべて持っていたのでその当時の僕にとっては神様のような存在でした。この人とあったことでなにか良い経験になったかというとそんなことは全くなかったのですが、それでもパイロットに会えるというだけで気分が高揚したのを覚えています。こういう人に今会うことがあればもしかしたら仕事に繋がるかもしれないと思うこともあるでしょうが、当時の僕はカナダの自家用パイロットでしたからまったく相手にされませんでした。

 それにしてもUS AirwaysのCRJはよく壊れたみたいですね(笑)。僕が乗務したCRJはいたってトラブルフリーだったと思いますが。

(つづく)

2020-08-13

過去ログ:2006年11月14日〜2006年11月16日

ビクトリア31日目:ソロで飛びました。
2006年11月14日


 ビクトリアに来て今日で早くも1ヶ月が終わろうとしています。 そして今日ようやくソロフライトが出来ました。 朝起きるとそれほど天気は悪くないのですが、風が強めでした。 とりあえず12時にクラブに行き、天気を見るとそれほど悪く無さげでしたので、「さ〜行くぞ!」と思ったら、「ごめん、空いてる飛行機はないね」っとディスパッチャーのブラッド。 残念! 次に一番早く空く飛行機と時間を尋ねると、「2時からIMHが空くよ」ということなので、それを予約して一旦家に戻ってきました。 今日も飽きもせずベーグルサンドを食べ、サーキットのイメトレをしてから空港に戻りました。 天候はさらに良くなっているようで、出発直前に聞いたATISでは9ノットの風で滑走路の方角から20度ずれている風向です。 恐らく問題ないだろうということで出発することになりました。

 久しぶりに1人で静かなコクピットに座ると、なんとなく心細いです(笑)。 たとえ免許は持っていても、1人で飛ぶことに自信がまだないからだと思います。 でも、これもソロアワーを重ねて行けば自信がつくんだと思います。 インストラクターに、「いつくらいから自信を持ってソロで飛べるようになりましたか?」と聞くと、「コマーシャルを取った後くらいかな〜」という返事。 まだまだ先は長そうです(笑)。

 クリアランスデリバリー、グランドとコールをし、タクシーの許可をもらいました。 その許可がやっかいでした! というのも、今日のテイクオフは滑走路13からで、その滑走路を使うのは今日が初めてでした(汗)。 当然ながら、その滑走路に行くまでの道順は今日初めて通りますので、マップを見ながら移動ということになりました。 滑走路13は離れたところにあり、そこに到達するまでの許可内容が長かったのですべて理解できなかったので、「Say again?」をいうことになりました。 するとグランドコントロールの人はとても親切に教えてくれました。 滑走路13は一番端から離陸することもできますが、もっと近いところから進入して離陸することもできます。 「端か途中からか、どちらからの離陸がいいですか?」というので、「とりあえず端まで行きます」と返答。 初めての滑走路なので、距離が長いほうが安心だと思ったので端までいくことにしました。 途中でrun-up(エンジンの確認とウォームアップを兼ねたチェック)をしようとしてまごついていたらグランドコントロールの人が、「IMH, なにかトラブルでも?」っと聞いてきました。 「いえ、run-up areaを探しているんです」と答えると、「それじゃそのまま進んで、誘導路Mと誘導路Kの交差点でしてもらえばいいですよ」とこれまた優しく教えてくれました。 無事にランアップを終え、いよいよ離陸です。 タワーに離陸許可をもらい、滑走路13に進入して加速、そして離陸です。 まずは右回りのサーキットです。 特に問題はないですが、少しだけ風が強くて押し流されている感じがします。 D.G.(Directional Gyro)という計器と目視を頼りにサーキットを1000ftで飛びます。 途中高度が上がったり下がったりしましたが、すぐに1000ftに戻す努力をしました。 風が強いのでなるべくフラップは使わずに着陸することにしました。 1回目の着陸は少しフレアが足りない感じではあったものの問題なく着陸。 燃料満タンで飛んだので、あまりふわふわせずにストンと着地した感じでした。 風も特に影響はありません。 滑走路の中心まで戻ってフルパワーで再度離陸です。 次は左回りのサーキットということで、左に旋回します。 その後、右周りのサーキットを勘違いして左に回ってしまい、すぐにタワーに右に曲がるように指示をされるという恥ずかしい場面もありましたが、それを除いては特に問題もなくサーキットを繰り返しました。 3回目のタッチアンドゴーの後の上昇の途中で、「なんか変なにおいがするな・・・」と思うことが1回あったのですが、「まさかなぁ・・・」と思ってあまり気にかけてはいませんでした。 飛行中も計器類のチェックなどはしていますが、そこでも特に異常は見られませんでしたのでそのままフライトを続行しました。 ちなみに、変なにおいは通常電気系統の火災などが原因の場合が多いです。 チェックをしても特に異常はないですが、なんだか嫌な感じです(笑) その後、不安が少しあったのでタッチアンドゴーを終え、フルストップ(通常の着陸)をすることを告げて着陸することにしました。 無事に着陸し、タワーとの最後の交信のときに「さっき(左に曲がった件)は失礼しました」と告げると、「ああ、大丈夫だよ」という返事が帰ってきました。 間違いをするのは恥ずかしいですが、そうやって少しずつ学んで行く物なんじゃないかなと思います。 誰も最初から完璧にできる人はいないと思います。 間違いをするのは恥ずかしいけど、やらないと上達しないと思うので、ひたすら頑張ろうと思います。

 無事に1時間弱の短いフライトを終えクラブに帰還しました。 エンジンシャットダウンのチェックを済ませてクラブハウスに入り、ログブックやジャーニーログに必要事項を書き込みます。 僕のすぐ後にIMHを使う男の子(多分まだ10代)がいたので、なるべく早く済ませ、必要な書類や鍵などを引き継ぎました。 今日のソロ時間は0.9時間です。 もっと飛んでもよかったんですが、今日は最初のソロということで調子に乗らない程度にしておきました。

 さ〜、帰ろうかなと思っていると、ディスパッチャーのブラッドが恐ろしいことを教えてくれました: 「さっきの男の子(10代の子)がIMHのウォークアラウンドをしたら、機体の横がオイルだらけだったらしいよ。 どうやらオイルが漏れてたみたいだよ」 ショ〜〜〜ック!!!! 僕がフライト中に嗅いだ「変なにおい」はオイルのにおいだったのかもしれません。 その後、IMHはハンガーに移動され、AME(Aircraft Maintenance Engineer)のゲイリーが検査を始めました。 ハンガーを覗くとそこには確かにオイルがべったりとついたIMHが置いてありました。 ゲイリーとジョージ(Private Pilot License取得を目指している男の人。多分40歳くらい。 最近知り合いになりました)が話をしていたので様子を聞いてみたところ、オイルを冷やすオイルクーラーにオイルを導くホースの継ぎ目からオイルが漏れていたそうです。 僕がフライト中にはpre-landing checkということで着陸の度にオイル温度と圧力を確認していましたが、どちらも特に問題はありませんでした。 でも、漏れがひどくなっていたら突然オイル圧が0になって、エンジンが止まっていたかもしれません。 んまあ、ゲイリーの話ではそんなにひどくはないっていうことでしたけどね。 オイルのホースは2000psi(かなりの圧力です。自転車のロードバイクのタイヤでもせいぜい100~120psi程度の圧力です)まで耐えれるチェックをしてから流通しているはずだとのこと。 もしかしたら不良品なのか、それともチェックをまったくしていない製品なのかもしれないとのことでした。 しかもIMHは以前にも同じようなトラブルがあったそうです。 今後はIMHは使いたくないな〜・・・なんて。 なにはともあれ、無事に帰って来たのでよしとしましょう!(笑)。

 さて、今はこちらは強風警報が出ていて、かなりの風が予想されているようです。 明日はインストラクターが1日休みということなので、僕も飛ばないかもしれません。 僕は免許はあるのでルール上はいつでも一人で飛べるはずなんですが、やっぱりカンを取り戻すまではインストラクターの指導を受けてから飛ぶことにしようと思っています。 今日まででCYYJでは4時間弱しか飛んでませんから、10時間を超えるくらいまではインストラクターの観察下で飛ぶのが安全だと思っています。 

 今日の写真はハンガーに置いてあるKCAB Citabria(シタブリア)というアクロバティック飛行用の飛行機の写真です。 なんでも、生徒の誰かがこの機体を使っているときに他の機体と地上で接触したらしく、修理中です。 白い紙には、「(この)飛行機はジャッキアップ中。 ジャッキを動かしたら死、または失業につながります」と書いてあります(笑)。 こっちの人のユーモアのセンスはとても面白いです(笑)。

 それではまた明日! 今日はなにはともあれソロを祝って祝杯です。 緊張で疲れたのでゆっくり休んでまた明日からの訓練と勉強に備えようと思います。


(つづく)

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ビクトリア32日目:ハリケーンが来ました。
2006年11月16日木曜日

 今日は朝から荒れ模様でした。 雨もかなり降りましたし、風が強かったようです。 窓から見える木の揺れでその日の風の様子を計ることが多いのですが、今日は大木ががんがん揺れていました。 いつもは小枝がそよそよと揺れる程度です。 METARを見ても、やっぱりひどいもんです。 風はgust(突風)を伴うもので、無線を聞いても今日飛んでいるのはエアラインの大型機(Dash-8やBoeing 737など)ばかりです。 今日はさすがにセスナ152は飛べなかったでしょう。 視界も1.5マイルとかなり悪いときがあり、多くのVFRフライトのパイロットはSpecial VFRという航法で飛んでいました。 SVFRについてはまたいずれ説明しようと思いますが、簡単に言えばVFRで飛ぶだけの最低天候条件に満たない場合でもVFRで飛ぶことができるという仕組みです。 なんだか矛盾しているようですけどね(笑)。

 今日は結局家から一歩もでることはありませんでした。 散歩もさすがに行けませんでした。 朝は大家のブライアンが暖炉に火をいれていたので、僕はそれをちょこちょこといじってみました。 暖炉は思ったよりも複雑なんです 空気の流れを調整するところが2カ所あります。 1つは左右に移動できるレバーで、それを動かすと明らかに暖炉内の火力が大きくなったり小さくなったりするのでよくわかるのですが、もう一つのレバーの役割が分からない・・・ ネットで暖炉の使い方を検索してみましたが、あんまりいい情報がない・・・ 結局また今度ブライアンに聞こうと思います。 暖炉のある家はいいですね。 僕も将来は暖炉のある家に住みたいな〜って思うようになりました。

 その後はまただらだらと勉強をしました。 昨日のことがあるので、緊急時の手順を軽く復習しました。 今度、僕なりのチェックリストを作成するつもりです。 あとは、今まで作ったマニューバーリストを更新したり訂正したりしました。 さらに、フライト中に使うメモパッドを作りました。 フライト中はニーボードという板を太ももあたりに固定して、そこで必要事項を書き記したり、重要な情報をまとめた資料を挟んでおいてフライト中に参照します。 VFCも独自のリストを作成していて、それを今までは使わせてもらっていましたが、そのメモ用紙は両面コピーになっていて、フライト中は使いにくいと思っていましたので、すべての情報(無線周波数リスト、ATIS情報記入欄、Transponder Code記入欄、フライトタイム記録欄、空港見取り図など)を表1枚にまとめてみました。 ニーボードはこの前アメリカのパイロットショップから購入して、アメリカの友人宅にヘッドセットとDVD(ATCコミュニケーション勉強用)と共に既に配達済みのようです。 ニーボードが手に入ったら一度自分でメモパッドを試用してみるつもりです。 使いやすそうであればこのサイトでダウンロードできるようにしようかとも思っています。 その場合は自己責任でご利用いただくということで(笑)。

 明日、またソロでサーキットに行こうと思ってディスパッチャーに電話をしたところ、明日も予約がいっぱいのようです。 最近天気が悪い日が続いているので、免許を取りたい人たちがこぞって予約をいれているようです。 一つだけ空いている機体があったのですが、それは午後4時からしか利用できず、「じゃ、それで予約をお願いします」と伝えたら、「でも、それじゃ離陸したらすぐに日没だよ」って言われました。 あ〜! すっかり忘れていました。 ここビクトリアの日没時刻は最近は午後4時半頃です。 本当に早いです。 っていうことで、明日はキャンセルが出れば飛ぶ、出なければ引き続き地上で勉強ということになりそうです。 先ほどTAF予報を見ましたが、明日も風が強そうですから、結局飛べないのかもしれません。 

  今日の写真は今日届いた手紙です。 「誰からかな〜?」と思って封筒を開けると、VFCのレターヘッドの手紙ではないですか。 「はて?」っと思って読むと、VFCの会長さんからの手紙でした。 内容は、「VFCにようこそ!」という内容です。 新しいメンバーには会長直々に手紙を出しているようです。 本当にwelcomingな雰囲気です。 VFCは非営利のクラブですが、クラブメンバーを大切にする姿勢がとても素敵で好感が持てます。 営利目的でもここまでやる団体は少ないんじゃないかと思います。 たった手紙一枚(しかも、きっと誰に送っても同じパターンのレター)ですが、この紙一枚が与える印象は大きいですね。

 私事ですが、今週の土曜日からアメリカの感謝祭の休暇に併せてアメリカのコロラド州ボールダーに旅行に出かけます。 今月28日までの10日間の予定です。 その間はブログを更新できませんのでご了承ください。 アメリカから帰国後はいよいよ本格的にコマーシャルパイロットの訓練に入ることになると思います。 

 ではまた明日!


(つづく)

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ビクトリア33日目:ビクトリアに行きました。
2006年11月16日木曜日

 今日はフライトの予約はいれていないので、とりあえずクラブに行って無線を聞く練習をすることにしました。 先日のソロフライトでは無線を聞き間違えたり、長いクリアランスを一度で理解できないという状況だったので、少し特訓をする必要があると思ったからです。 

 クラブに行くといつものディスパッチャーのブラッドはお休みで、代わりにブライアンというディスパッチャーがいます。 「おいっす」と声をかけて(もちろん英語でですが!)、2階にあるライブラリに上がります。 ライブラリはほとんどの場合だれもいません。 ときどきライブラリに置いてあるPCでPPLの筆記試験の模擬試験(クイズ形式)を受けている子がいるくらいです。 ライブラリは静かだし、2階なので外の様子がよく見えます。 無線を聞きながら外を見ていると管制塔の指示の通りに移動する機体などが見れるのでとても勉強になります。 

 僕が知る限り、管制官は最低3人います。 1人目はやさしい感じの推定50代後半のおじさん、2人目は少し神経質な感じの推定40代後半のおやじ、もう3人目はとてもやさしい推定40代の紳士です(笑)。 最初のおじさんの声を一番よく聞くと思います。 2番目の人もよく聞きますが、パイロットが「風の状況を教えてください」などというと、とても不機嫌そうに答えるときがあります(笑)。 ちなみに僕がソロで曲がる方向を間違えたときに指示してきたのもこの2番目の管制官です(笑)。 そして3人目は僕にとても親切にタクシー指示を出してくれた人です。 この人は今日もとてもやさしい感じで指示を出していました。 1番目と3番目の人はしゃべり方もクリアで、とても分かりやすいですが、2番目の男は英語も聞きにくい(あまり口をはっきり動かさずにもごもごしゃべるような感じ)し、しかも性格が悪そうです(笑)。 いつか管制塔を見学する機会がないかな〜と思っているのですが、もし機会があれば管制官の顔をぜひ確認したいと思っています(笑)。 管制官という職業はもっともストレスがかかる職業の一つということですので、神経質になったりするのも仕方ないかもしれませんね。 管制官の腕次第では大惨事を引き起こしかねませんから。

 結局クラブでは2時間ほど無線を聞きながらマニューバーの復習をしました。 途中で質問があったので、近くにいたインストラクターと思われる人に「あなたは教官ですよね?」と声をかけました。 すると、「こんな格好(教官みたいな服)してるけど、学生ですよ!」っと言われました。 あ〜恥ずかしい。 でも彼は、「今、教官の証明を取るための訓練をしてるんで、質問なら答えられるかもしれませんよ」と言ってくれました。 質問をしたら、的確に答えてくれました。 その後も自己紹介をしたり、彼の訓練の状況を聞いたり、僕の訓練の状況を聞かれたり、しばらく話をしました。 彼は教官証明のためのトレーニングに出る直前だったようで、しばらくしたらCFI (教官の最上級の免許保持者)のグラハムが彼を迎えにきました。 別れ際に名前を教え合いました。 とても感じのよい青年でした。 ここVFCではこんな風にすぐに他のパイロットと知り合いになれるのがうれしいです。

 午後は一旦家に帰り、ランチを食べました(何かは言わなくてもいいですよね・・・)。 その後、久しぶりに2階建てのバスに乗ってビクトリアに行きました。 目的はアメリカに持って行くお土産を買うこと。 カナダと言えばメイプルシロップ、メイプルクッキー、スモークサーモンが有名です。 正直、これ以外にはないと思います(笑)。 あとは、「CANADA」って書いてある服とかキーホルダーなどといったしょぼいものばっかりです(笑)。 ビクトリア名物っていうものも特にないですし、お土産はどうしようかな〜って思っていました。 ビクトリアのダウンタウンの一番の観光ストリートに行き、いくつかお土産屋さんを回ってみましたが、ろくな物はありません。 そもそもアメリカに行くのに隣国のカナダからお土産を持って行くっていうのが無理があると思います。 なにも見つからなかったのでバンクーバー空港の免税店でなにかないかを探そうと思います。 最悪の場合はスモークサーモンにします(笑)。

 今日の写真(というか動画ですが、見れますか?)は DG(Directional Gyro)と呼ばれる計器の一つです。 動画にした理由は調節ノブと実際の動きを見てもらいたかったからです。 左下にあるノブを回すとガラスの向こう側にあるカードが回ります。 コクピットには方位磁針がありますので、それをみてDGを設定します。 DG自身には磁性がまったくありません。 DGはエンジンによって発生するバキューム(真空)によって作動します。 そのため、ときどき設定しなおさないと、気づいたら方角がくるっているということになってしまいます。 フライト中の方向調整はほとんどをDGで行いますので、ときどき設定し直すことはとても重要です。 特に大きなターンをしたりとか、スピンやストールなどをするとすぐにくるってしまうようです。

 明日は午後2時から計器飛行の練習があります。 天気も多分問題ないでしょう。 フライトの後はアメリカ行きのパッキングをします。 洗濯もしなきゃいけないし、フェリーの時間も調べないと。 結構やることがありますね。

 

 それじゃまた明日!

 

(つづく)

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【編集後記】

 この辺りからようやくソロに出る回数が増えて来ました。最初の頃は結構不安が大きかったですね。やっぱり、なにかあったらどうしよう?と思うと心配になりました。最悪エンジンが止まっても不時着をする練習はしていますから命は落とさないとは思いましたが、そんなことになったらそのあとのことが面倒臭いとか思うようになりまして(笑)。

 管制官は結局3名以上の大所帯だったことがのちにわかりました。その後、このブログを見てくれた日本人の奥さんをお持ちの方と知り合いになり、友達になりました。他にもビクトリア管制塔の管制官には友達が多くなりました。一緒にフライトトレーニングをしたパイロットが管制官に鞍替えをして、今はビクトリア勤務という奴もいます。アットホームでいいです。教官になってからもレッスンの間で時間が空いた時には管制塔に遊びに行っていました。楽しかったなぁ。ちなみに、ここで出て来た嫌な感じの管制官は今はバンクーバー空港で管制官をしています。バンクーバーに行くと時々声を聞きます(笑)。

  当時のVFCにはエアロバティックコースがあり、曲技飛行を学ぶこともできました。僕は一度だけ体験操縦をしたくらいです。このCitabria(シタブリア)は逆から読むとAirbaticとなり、曲技飛行という意味になります。そういう遊び心のある飛行機です。翼は布で覆われています。そのため、翼の中に問題があって修理が必要になると布を剥がして再度貼り付けるという作業が必要になり、コストも時間もかかりますし、さらに保険費用などの面で負担が大きくなったこともあってのちにこのエアロバティックコースは閉鎖されてしまいました。



(つづく)

2020-08-10

過去ログ:2006年11月12日〜2006年11月13日

ビクトリア29日目:ソロフライトならず。
2006年11月13日月曜日


 天気予報ってやっぱりあたるものですね(笑)。 今朝起きると、昨日の予報のとおり外は雨です。 それも結構な量が降っているように見えました。 今日は12時からのソロフライトの予定でしたが、このままでは今日は飛べないだろうな〜と思って朝食を食べました。 

 朝食後はウォークアラウンド、チェックリスト、マニューバー(maneuver=操縦)手順などをデータ化する作業を始めました。 ちょっとコンピュータの話をすると、僕はかれこれ10年近くマックを使っています。 前職ではずっとWindowsを使っていましたので、別にどちらでもいいんですが、プライベートではマックを使っています。 マニューバーをドキュメント化するにあたり、グラフィックを入れると視覚的に分かりやすくなりますので、なるべくきれいに図を作るように心がけています。 データ化することの良さは、今後インストラクターに指摘されたことや自分で気がついたことをデータに反映させることができることです。 こうすることで、操縦手順のデータを常に最新の状態にキープできます。 話はそれましたが、ドキュメントを作るときは今までMSワードを使っていましたが、とても使い辛いのであまり好きではありません。 特に図を入れるとなるとお手上げです。 見た目も良くないし、作業しにくいですし(笑)。 そこでPageというアップルコンピュータが開発したドキュメント作成・ワープロソフトを使ってみることにしました。 僕が6月に購入したMacBookに試用版がついているので、それを1ヶ月使ってから購入するかを決めることにしました。 今日1日使ってみましたが、とても使いやすいです。 今、このサイトを作成しているのもiWebというアップルコンピュータのソフトですが、これも簡単にきれいなサイトが出来るので気に入っています。 もっとマニアックなことがしたければできないことはないでしょうが、時間もないですし、そもそも複雑なサイトを作成することに喜びは感じない人間ですから・・・

 話はそれましたが、11時過ぎに電話がなりました。 教官からです。 「こんな感じですから・・・」と外の様子に言及しながら、今日は飛べそうにないですねということになりました。 仕方ありません。 そこで、今日は図書館に行って図書カードをもらい、クラブに行ってC-152コクピット内の計器類の写真を撮影し、引き続きマニューバーのデータ化と手順の復習をすることにしました。 

 図書カードは10日ほど前に申し込んで、郵送されてくるということでしたが、今日現在届いていませんでした。 免許証に記載されている住所が現住所ではなく、短期滞在していたアパートの住所になっていたため、図書カードを即座発行してもらうことができなかったのです。 先週ようやくICBC(免許証の発行や自動車保険を取り扱うオフィス)から住所変更完了の連絡と、免許証に貼付けるシールが届いたので、図書館のカウンターでそれを職員の人に見せました。 するとすぐにカードを作成してくれました。 これで本を始め、ビデオ、DVD、CDを借りれますし、図書館のPCから書類をプリントアウトできたりできるのでうれしいです。 DVDなどは普通の映画とかがありますし、CDは普通のロックCDなどもあります。 しかも、シドニーの図書館に置いてないものは他の図書館から取り寄せてくれます。 住民へのサービスが整っているな〜という印象です。

 図書館での用事が終わったあとは空港まで歩きます。 40分の道のりです。 いつも通るハイウェイ沿いの近道の一カ所に小川をまたぐポイントがあるのですが、雨が降ると水かさが増して、「またぐ」が「飛び越える」になります。 今日は今までで一番水かさが多かったです(とはいっても、深さは20cmくらいしかないんですけど・・・)。 幅が2m弱くらいあって、助走を付けてぴょ〜んと飛び越える予定が、助走の最後の一歩(「ホップステップジャンプ」の「ジャンプ」)を踏んだ場所が草に覆われてはいたものの実際には既に水の中で、助走を失敗したためバランスを崩し、結局水の中をずぼずぼと歩くような形になりました(涙)。 膝下がびしょびしょのまま空港に到着です(笑)。 僕を見た人は、「そんなに外は雨が強かったの?」って思ったでしょうね。

 空港ではC152のコクピットに入り、写真を撮りまくりました。 少しずつここで紹介していこうと思います。 僕自身のリファレンスとしても写真が欲しかったので一石二鳥です。

 空港から戻る途中にATISを聞いてみると、スペシャルウェザーのATISになっていました。 「pressure dropping rapidly」(気圧が急激に低下しています)というフレーズが出ていました。 かなり勢力の強い低気圧システムがBCに接近しているようで、今夜の午後9時頃のATISでは風力は20kt、gusting 30ktとかいっていたと思います。 これだけ風が強いと、セスナで飛ぶのは危険です。 ベテランの方ならいけると思いますが、僕にとっては自殺行為です(笑)。 それでもWestJetやAir Canada Jazzの定期便はなにもないかのようにテイクオフしていっていました。 大きな機体になればなるほど風にあまり影響されなくなります。 

 夜はご飯を作り、Forced Landing Approachのやり方の復習をしました。 もう少しイメトレをして、今度ソロでトレーニングエリアに行けるときに何回か練習をしてみようと思っています。 手順を復習してイメトレしているときが一番心が落ち着きます。 僕にとってはこれが瞑想のようなものになっているようです(笑)。
 
 今日の写真は今日撮った写真のうち、C152のコクピットの機長席側(僕がいつも座る方)の写真です。 コントロールロックが刺さっていますのでエレベーターやエレロンは動かないようになっています。 Boeing 747やAirbus 320にあるようなコンピューター式計器は一切ありません。 もっとも基本的な小型機のコクピットだと思います。
 
 明日は飛べたらいいな〜って思ってます。 もう午前1時近くなので今日はここでおしまいです!
 

(つづく)

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ビクトリア30日目:嵐。
2006年11月13日月曜日


 言うまでもなく、タイトルの通りです(笑)。 今日もフライトはなし。 正午にクラブに行き、今日使う予定だったセスナ152 (UZR)のウォークアラウンドはしたものの、出発前にMETARを確認するとTCUの文字が(インストラクターに指摘されました)。 TCUはTowering Cumulusの略で、積乱雲のことです。 日本では夏によく見かけますよね。 あのソフトクリームみたいなモクモクと天高くのびる雲のことです。 積乱雲のなかではものすごい上昇気流や下降気流が発生しています。 その積乱雲の下をセスナ152のような小さな軽飛行機が通過すると、ひどいときではセスナがフルパワーで上昇できるパフォーマンスよりも強いダウンバーストと呼ばれる吹き下ろしの風に見舞われることもあるそうで、その場合は操縦不能になって最悪墜落ということにもなるようです。 毎日METARを見るときは雲の組成状況は目を通していますが、それよりもどうしても風の様子や視界のほうが気になってしまい、雲の詳細は見落としてしまうときもあります。 今日の出来事はよい経験になりました。 METARはたとえサーキットに行くだけでもしっかり目を通した方が良いです。 結局今日はサーキットには出れず、雨も降って来たのでクラブハウスのライブラリで少し勉強をしました。 その後雨がやんだのを見計らって家に帰ってきました。

 今日のランチはベーグルサンドイッチを作りました。 とはいっても、ここしばらく毎日ベーグルサンドですけど(笑)。 Everythingと言う白ごま、黒ごま、タマネギ、ニンニクなどが練り込まれたベーグルをトーストし、スイスチーズのスライスをはさみ、スモークハムをサンドして出来上がりです。 これがなかなかおいしいんです。 毎日食べても飽きません。 あとはみかんを足したり、メロンを足したりしてバランスのよい食事を心がけています。

 食後は図書館に行きました。 図書館にあるPCを使ってやりたいことがあったのですが、結局思い通りには行かず、その後はThrifty’s(スリフティーズ)というスーパーに行きました。 Thrifty’sというのは直訳すれば「倹約家の(スーパー)」という意味だと思います。 ダウンタウンにあるもう1つのスーパー(Safeway)に比べると少しだけ安いみたいなので、最近はずっとスリフティーズに行っています。 安いとはいえ、日本に比べるとすべて高く感じます。 やはり円安の影響が大きいです。 前回カナダに来たときは1ドル80円程度でしたが、今は104円前後です。 なるべく倹約しながらも健康に気を使った食生活を心がけていますが、下手したら外で食べた方が安上がりかも?と思うこともあります。 食費は日本にいるときと同じか、少しだけ高くなるような気がします。 家計簿を付けていますので、月末の統計が楽しみです(笑)。

 用事が済んだ後は、soft field take-off & landingと、short field take-off & landingのまとめをしました。 前者は地面が柔らかいフィールドなどからの離着陸、後者はフィールドの距離が短いときの離着陸のテクニックです。 どちらもそれほど難しいテクニックではありません。 でも、これらもしばらくやっていなかったので、しっかり復習しました。 ここでもサスカトゥーンで習った方法とは少し違うようですが、こちらではこちらの方法で練習するつもりです。 いつまでも比べていても仕方ありませんから。 

 夜は無線を聞きながら今までまとめた自作のマニューバーマニュアルをプリントアウトしに図書館に行きました。 図書館のPCは日本語は表示できてもプリントはできません。 フォントがないからだと思います。 だから日本語対応のプリンタが欲しいなと思っていましたが、今日ものすごい賢い方法を思いつきました。 マックはPDFが作成できます。 印刷のオプションでPDFを選ぶだけでいいのでとても簡単です。 そうして作成されるPDF書類はフォントが埋め込まれていますので、プリンタやPCに日本語フォントがインストールされていなくても問題なくプリントできます。 実際に図書館で試したところ、きれいにプリントできました。 これでプリンタを買う必要がなくなりました(笑)。 節約、節約♪

 明日は予約は入れていませんが、もし飛べそうならインストラクターに電話をしようと思っています。 明後日水曜日は雨の予報で、インストラクターは休みをとるつもりだそうです。 木曜日はやっと晴れるようです。 雨や雲のせいで飛べないのは神様(または仏様)が「飛ぶ前にしっかり勉強しなさい」と言っているのかもしれません(笑)。 サスカトゥーンの時も飛べない日がたくさんありましたが、結局予定通りに免許を取ることができましたから、むやみに心配する必要はないと思っています。 
 
 今日の写真は空港の管制塔のすぐ近くで目撃した空港での火災に対応するための消防車です。 なんのためにそんなに太いタイヤを付けているのか・・・ 機体の残骸などを乗り越えるためなのか・・・ 不思議ですが、迫力満点です。 でも、これのお世話にはならないで済むようにしたいものです(笑)。
 
 明日は引き続きマニューバーのまとめと、クロスカントリーフライトに向けてナビゲーション(航空図の読み方、航法、計算など)のやり方の復習をしたいと思っています。
 
 ではまた!
 
 
(つづく)

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【編集後記】

 パソコンのことが少し書かれているので、どれだけの時が流れたのかがとても分かりやすいです。パソコンに日本語フォントが入っていない時代があったんですよね。懐かしいです。今では世界中どこで買ったパソコンやスマホでも日本語表示が可能です。グローバル社会の恩恵でしょうか。

 図書館にはよく通った記憶があります。僕はそもそも図書館で勉強をするよりは自宅に篭って勉強するタイプなのですが、当時はシェアハウスであったこと、そして自室にいる時間があまりにも長くなって息苦しくなることもあってなるべく外に出るようにしていました。

 風速20ノットとなるとセスナにはやや厳しいコンディションではありますが、旅客機にとってはなんてことありません。ただ、それが当時の僕にはわからなかったわけです。フライト前のウォークアラウンドやランアップ中に旅客機が側をタクシーしていくとその大きさに度肝を抜かれたことをよく覚えています。でも、不思議なもので、僕のように度肝を抜かれる人もいれば、「へ〜」ってな感じで大型機を見てもあまり動じない人もいるんですよね。僕なんかは大きいものには敬意を抱くというか、びびってしまうものですが、そうでなくてどっしり構える人もいます。そういう人に限ってシミュレーター訓練なんかでも結構落ち着いてやれるんですよね。羨ましい性格です。


(つづく)

2020-08-09

過去ログ:2006年11月10日〜2006年11月11日

ビクトリア27日目:サーキットをしました。
2006年11月10日金曜日


 今日は午後2時からのフライトでした。 今朝は少し遅くに起きました。 起きてみると外はまた雨です(涙)。 METARを確認すると、雲が少しだけ1000ft以下にありましたが、TAFという予報を見ると、フライトをする予定の午後2時頃には少しは回復していそうな感じでした。 雲はFEWということで1/8-2/8程度の雲なので、サーキットにはさほど影響はないようです。 

 今朝はまずForced landing approachとPrecautionary landingのイメージトレーニングをしました。 床に2枚の紙を縦に置いて、フィールド(または滑走路)に見立てます。 その周りを歩いて無線コール、トランスポンダーコードの変更、メーデー(またはパンパン)コール、乗客への説明、コクピットの確認などをやってみます。 他人が見たら明らかにおかしな人ですが、実際こういうイメトレが結構役立ちます。 その後、サーキットのイメトレをやりました。 離陸して、そのまま500ftまでは滑走路の延長線上を飛び、500ftを越えたところで90度ターンしながら上昇をつづけます。 1000ftに到達したらそこでレベルオフ(水平飛行へ移行)します。 滑走路と逆向きに平行に飛びながらタワーにコールします。「Tower, DLB, downwind, touch & go」(タワー、DLBは今ダウンウィンドを飛んでいます。 タッチアンドゴーをリクエストします)と言います。 コールの後はコックピットのチェックをします。 プライマー(後日説明します)、マスタースイッチ、マグニート(後日説明します)、オイル温度とプレッシャー、カーブヒート(後日説明です・・・)、ミクスチャー(後日・・・)、燃料タンクスイッチ、ブレーキのプレッシャー確認などです。 そのまままっすぐ飛び続け、カーブヒートを入れ、エンジン回転数を落としながらベースターンをします(今日説明します! 後述参照)。 ベースターンで高度を落としながら、最後にファイナルターンです。 速度は70ノット、最後に必要であればフラップを落とすという感じです。 ここまでがイメトレです(笑)。 イメトレのお陰で、今日のサーキットはそれなりにうまく行きました。 離陸前にはすぐそばをボーイング737がタクシーして離陸していきました。 あんな大きな(セスナ152に比べるとの話ですが)機体がたった2つのエンジンで空に上がるなんて未だに信じられません。 離陸後1000ftまで上昇すると、とても気流が悪いです(汗)。 英語で言えばbumpy(バンピー)という感じです。 上に上がったり、下に落ちたり、右や左に振り回されたり。 その中を一生懸命コントロールします。 最初は下降のタイミングやエンジン回転数セッティングに手こずりましたが、2回、3回、4回とサーキットを繰り返すうちに少しずつ落ち着きました。 着陸もすべて自分でやりましたが、1回だけちょっと高い位置から落ちて「ドスン」という感じで着地しましたが、それ以外はそれなりによかったと思います。 でも横風があるときの着陸はやっぱり難しいです。 これもこれから離着陸を繰り返せば少しずつ慣れてくるものだと思います。

 今日のフライトの後、インストラクターに次はソロに行っていいという許可をもらいました(許可っていうのもおかしなもんですが。 お墨付きってとこですかね?)。 明日は11月11日でこちらではRemembrance Day(戦没者慰霊日)という休日なので、僕も1日ゆっくりしたいと思い、フライトは入れませんでした。 今までのフライトで復習したことを自分でじっくり消化したいからです。 今はまだまだ4年前の復習が必要なので、しっかりリビューしていきたいと思っていますし、そのためには習ったことを消化する時間が必要です。 いずれは毎日1-2時間ソロで飛べる余裕が出てくると思います(そう祈ります!)。 明後日の日曜日にいよいよソロに出ます。 慣れない空域ということで少し不安もありますが、しっかり慎重にやろうと思っています。 最初は多分サーキットだけになるとは思います。 今日の写真はサーキット後の空港の様子です。 雲が低いでしょ?
 
 さて、今日はようやくサーキットの説明をしようと思います。 上の図を見てください。 グレーの部分が滑走路で、風は右から左に吹いていると仮定します(オレンジ色のwind sockの向きを見てください)。 離陸後にまっすぐ飛んで行き、そこで左に曲がります。 曲がった後の直線のことをcrosswind legと言います。 その後また左に90度曲がります。 この、滑走路と平行で逆向きに走るlegのことをdownwind legと言います。 なぜdownwindかというと、風下(down=下、wind=風)に向かって飛ぶからだと思います。 その後また90度ターンをします。 ここをbase legと言います。 その後さらに90度ターンをするといよいよファイナルアプローチです。 なお、無線では通常「leg」という言葉は省略します。 ですから、「DLB, cleared to base 27」(DLB、滑走路27のベースレッグまで進入を許可します)というふうに管制官に言われたりします。 なお、今日の図では左回りのサーキットを示しました。 サーキットは特別な指示がない限り左回りです。 理由ははっきりとは知りませんが、パイロットの座席がコクピットの左側にあるので、左回りのほうが視界がいいからじゃないかと思います。 ときどき右回りのサーキットもあります。 その場合はright-hand circuitと呼び、すべてのレッグに「right」という言葉がつきます(例:right base 27, right downwind 09など)。 ここビクトリアでも滑走路09は左回り、滑走路27は右回りのサーキットになることが多いです。
 
 さて、これでサーキットは分かっていただけましたよね?(笑)。 次回からはもう少し違うことにも触れようと思います。
 
 今晩はぐっすり眠れそうです。 昨日などは無線で話していてトラブルになった夢を見てましたからあんまりよく眠れませんでした(笑)。 今夜はビールでも飲んで、おいしいご飯(自炊ですが・・・)でも食べてリラックスして就寝するつもりです。
 
 ではまた!
 
(つづく)
 
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ビクトリア28日目:久しぶりの休息日
2006年11月11日土曜日


 今日はこちらはRemembrance Dayということで休日でした。 別にそれとは関係ないですが、僕もフライトはお休みにしました。 毎日違うフライトテクニックをリビューしていたので、頭が少しオーバーヒート気味だったので、消化する時間が欲しかったからです。 

 今朝は少し遅く起き、まず散歩に出かけました。 予報では時々雨ということでしたが、朝はなんとか晴れていました。 休日ということもあってか街はとても静かです。 毎日散歩の時間には犬を連れたおばあちゃんとかによく逢いますが、今日はほとんど誰とも会いませんでした。 今日は新しいビーチを見つけました。 砂浜を見ていると、青サギのような大きな鳥が獲物を狙っています。 日本では河川でよく見かける青サギですが、捕食している光景はあまりみたことがありません。 「どうせ獲物は取れないだろうな〜」と思ってみていたその瞬間! 「シャパーン!」っとその鳥のくちばしが水中に突き刺さりました。 すると、なんと小魚をしっかり捕らえているじゃないですか! どうやらカナダの鳥は獲物を捕らえるのがとても上手なようです(笑)。 その後もその鳥は次から次へと獲物を捕らえていきます。 結局、僕が見ていたたった数分の間に、4匹の小魚をおいしそうに飲み込みました。 誰も見ていないところでも動物は一生懸命生きているんですね(笑)。 僕も負けちゃいれません。
 
 散歩が終わって家に戻るくらいになるとすこしずつ通りを歩く人が増えてきました。 恐らく教会やらで戦没者の慰霊イベントが行われているようです。 僕は部屋に戻って着替え、ジョギングに出かけました(日本からジョギングシューズとジョギング用のジャージを持って来ました)。 家を出てダウンタウン方面に向かうと、イギリス(スコットランド?)の笛(名前は分かりません)の音が聞こえてきました。 その周りには軍人やら、退役した軍人がいっぱいです(汗)。 歴史は詳しくは分かりませんが、カナダが参戦した戦争に朝鮮戦争があるようで、以前に行った州議事堂にもKorean Warの戦没者の名前が刻まれた石盤がありました。 同じアジア人ということで、気持ちが高揚している人々の周りにいるのはちょっと嫌だな〜と思ったので、あまり立ち止まらず、そのままハーバーのほうに走って行きました。

 海岸沿いにウッドデッキのハーバーがあります。 観光地らしく、朝市のようなものもやってるみたいです。 そのそばを軽快に走りました。 心拍数は最大心拍の80%付近を維持します(ちょっとマニアックですね・・・)。 久しぶりに走っていきなり走りすぎると走るのが嫌になると思ったので、30分程度の軽いランにしておきました。 

 帰宅後、シャワーを浴び、セスナ152の離陸前からエンジンシャットダウンまでのチェックリストを見直しました。 VFCのセスナ152の場合は、サンバイザーをぱたっと降ろすとそこにチェックリストが貼付けられています。 以前のサスカトゥーンのスクールの場合はラミネートされたチェックリストがコクピット内に置いてありました。 どちらでもいいんでしょうが、僕は手元にある方が好きです。 手元にあれば、指で押さえながら一項目ずつ確認できますし、1枚ずつが違う場面(エンジン始動前、エンジン始動後、離陸前、着陸後、など)のチェック項目になっているので、Oリングで束ねておけば済んだものは一番最後に回して、次に使うチェック項目が自ずと一番前に出てくるようになるからです。 バイザーのところでも手で押さえれるんですが、毎回上にあるリストを見てから下の計器盤を見てというふうにしていると、いつのまにか同じ項目を2回やってしまったり、気づいたらとなりの項目に飛んじゃってたりすることがあります(笑)。 なので、自分のチェックリストを作ってラミネートしようと思っています。 今日作ったリストには、インストラクターの方から指摘を受けた重要事項なども書き込みました。 ウェブに近いうちに公開できるよう、和訳も付けてみました。 カスタマイズされたチェックリストは果たして使いやすいのかどうか!? 近いうちに試してみます。 なお、少し形は違いますが、VFCのウェブサイトからCessna 152のチェックリストがPDF形式でダウンロードできますので、興味がある方は見てみてください。(リンク)

 今日は他には航空無線ブログを更新したり、明日のソロフライトのイメージトレーニングをしたりしました。 晩ご飯はハンバーガーを作りました。 パン、タマネギ、トマト、ハンバーグ、目玉焼きなどを豪勢にトッピングしたスペシャルバーガーです。 でか過ぎて食べるのには苦労しましたが、味は抜群でした! 

 さて、今午後11時前で、外は結構な量の雨が降っていますが、明日のフライトはどうなることか。 サーキットをするくらいの天気には回復してもらいたいと思います。 少しずつソロで飛んで自信を付けて行きたいと思います。 今の僕に足りないものはずばり「自信」です! 今日リラックスできたぶん、明日はしっかり頑張ります。
 
 今日の写真はセスナ152のスロットル部分です。 黒いヤツを押し込むとフルパワー、引っ張るとアイドルです。 写真の状態はスロットルも、その横にあるMixture(赤いやつ)も引っ張られてありますので、エンジンが切られた状態です。 スピンの時には間違ってもスロットルを押し込んじゃだめですよ(笑)
 
 ではまた!
 
(つづく)

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【編集後記】

 ご覧の通り、僕は結構自分なりの資料などを手作りするのが好きなんです。不器用なので、資料やチェックリストを読んだだけでは頭に入りませんでした。そのため、暗記カードを作ったり、図面を書いたり、自分にしかわからないようなものを作る傾向にあります。それでちゃんとここまでこれたんだから間違ってなかったのかと思います。勉強が苦手な人は頭が悪いとかではなくて要領を得ていないだけかもしれません。目的地に到達する道は一つではないので、脇道に逸れてそこから目的地を目指すという方法もアリだと思います。

 航空無線の内容ですが、ここで書いているものが必ず正解というわけではありません。慣れてくると余計な言葉を入れたりする余裕も出て来ます(笑)。厳密に言えばパイロットも管制官も決められた標準的なフレーズで会話することになっていますが、そこはやはりどちらも人間、つい日常会話のように話をしてしまうこともあります。そのため、やはり英語力は必ず必要です。日系フライトスクールなどが「英語が苦手ですがパイロットになれますか?」的な質問の答えとして「大丈夫です、航空無線は暗記でオッケーです」みたいに書いているのを見かけることがありますが、あれは半分正解で半分は嘘で、盛っています(営業トークですね)。

 そういえば前回の過去ログで説明するのを忘れていました。離陸待ちをしているとき、以前であれば管制官から「Taxi to the position and hold(滑走路内に進入して待機せよ)」という指示フレーズがありました。僕がビクトリアで訓練を再開したころはまだこれが使われていましたが、たしかこれはカナダ独自の言い回しで、のちに「Line-up and wait」という分かりやすい世界標準のフレーズに改定されました。一度、アメリカ籍の飛行機のパイロットにビクトリアの管制官が「Taxi to the position and hold」という指示を出したところ、そのパイロットはこのフレーズが理解できず、「Say again?」「I don't understand that」等の返答をひたすら繰り返していた場面に遭遇したことがあります。この時はLine-up and waitが導入される移行期で、管制官もそのことをすっかり忘れていた感があり、最終的には管制官が「Line-up and waitっていうべきだったね」と言ったらパイロットもすぐに理解できたということがありました。時間が経つとルールも少しずつ変わりますね。


(つづく)

2020-08-08

過去ログ:2006年11月8日〜2006年11月9日

ビクトリア25日目:スムーズなフライト
2006年11月8日水曜日


 今日も引き続きフライトが出来る天候でした。 朝10時からのフライトだったので、8時頃起床し、朝の散歩をし、朝食を摂ってクラブに向かいました。 いつもなら歩くところですが、今日は天気が良かったので僕の愛車のMTBを使って快適に通学となりました。

 クラブに着き、少しラウンジで時間をつぶしフライト開始です。 まずは今日使うことになったGZSCという飛行機のウォークアラウンドをします。 今日は1人で点検を行うことになりました(んまあ、僕はプライベートパイロットですから、できて当然なんですが・・・)。 ウォークアラウンドのあと、バンクーバーのエリアコントロールセンターに電話をします(1-888-YVR-CODEが番号です)。 電話をしてトランスポンダーコードを入手しました。 トランスポンダーというのはコックピットに備え付けられている装置で、4桁の数字を入れると、その数字に基づいて管制官のレーダーの画面に現在地や高度などが表示されるというシステムのことです。 通常はタワーにコンタクトすると、「Squawk ####」と言われ、トランスポンダーコードをその場で割り当てられるのですが、ビクトリアの空域はバンクーバーのエリアコントロールがトランスポンダーコードを割り当ててエリア内のフライトをコントロールしているようです。 初めて電話しましたが、ものすごく簡単でした。 コードを入手したあとはブリーフィング(1分くらい)をして、そのあと早速GZSCに向かいました。

 コックピットに入る寸前に、「オイルはどれだけあった?」とインストラクターに聞かれ、「あああああああああああ!」っとなりました。 なぜかというと、オイルの量をウォークアラウンドの時に確認しなかったからです。 大失敗です(汗)。 言い訳をすると、ウォークアラウンドのやり方や順番がスクールによって違います。 他にもチェック項目の内容や手順はスクールによって大きくことなります。 その違いに圧倒されていて、とても重要なチェック項目を忘れてしまいました。 明日からは気をつけます(反省)。 失敗は成功のもとです(笑)。

 昨日と同じように、クリアランス、グランド、タワーという順番で無線コンタクトをし、滑走路27からテイクオフです。 昨日とはまったく違って、今日の風はとても弱かったです。 そのため、離陸後の上昇もとてもスムーズに行きました。 カウチンデパーチャー(カウチンを通って出発)を許可されたので、昨日と同じカウチンのエリアにまっすぐ向かいます。 高度は2500フィート。 空港を離陸するとすぐに海を越えます。 今日は海にあたる日差しの照り返しが心地よかったです。 訓練空域に到着し、スパイラルダイブからのリカバリーをやりました。 スパイラルダイブは、角度のきついターンをしているときにさらに角度をきつくして降下をしていくとどんどん速度が早くなってスパイラル(らせん)状に降下していくことを指します。 そのまま放っておくと機体が耐えられる速度よりも速度が早くなって、最悪の場合は空中分解してしまう、とても危険な状態です。 スパイラルダイブからのリカバリー(復帰)は、1)エンジンパワーをアイドルにし、2)翼を水平に戻し、3)ゆっくりかつ迅速に機体のノーズを上に上げてやってダイブから抜け出します。 これらをなるべく早く行わないといけません。 ダイブに入れるためにインストラクターがコントロールをとり、右にターンしようとした瞬間に黒いほかの機体が視界に入りました。 思わず、「あそこ!」っと声を出してインストラクターに知らせ、その方向へのターンをキャンセルすることに。 あ〜危なかった、って感じです。 その後もその飛行機は我々の周りに居座っていました。 どうやら訓練をしていたようです(途中でストールの訓練をして落ちて行きそうになるのが見えました)。 なんとかトラフィック(他の飛行機)がいなくなったところでいよいよスパイラルダイブに挑戦です。 1回目にリカバリーをやったときは、なんとなくシャイになってしまい、回復に少し時間がかかってしまいました。 「もっと速く!」とインストラクターにいわれ、2回目にはだいぶ良くなりました。 その後上昇してしばらくすると、インストラクターが「はい、エンジンフェイリヤー(エンジン故障)。」といってパワーを引っこ抜きます。 前触れがいっさいないまま不時着の練習開始です(笑)。 とりあえず飛行機を60ノットほどで滑空できるような姿勢にします(セスナ152はエンジンが壊れても60ノットでグライダーのように滑空できます)。 それが終わったらどこに降りるかを決めるために、視界に入ってくる着陸できそうなフィールドを探します。 ちょうど左下のほうに青青とした芝生のフィールドが見えましたので、そこに着陸することをシミュレートします。 風向きを確認し、最後のターンをしていよいよ着陸というところでオーバーシュート(着陸を取りやめて再上昇)をします。 一気にパワーを100%に入れて再度上昇します。 不時着の練習とはいえ、実際に降りることはできませんので、フィールドに到達できたことを確認して上昇します。 いきなりの不時着訓練にしてはちゃんと出来たと思います(笑)。 本当は無線で「メーデーコール」をしたり、「コーズチェック」という、なぜエンジンが止まったか(cause)を確認する手順などもあるのですが、今日はとりあえずは飛行機を降ろすところに集中して訓練しました。 その後、precautionary landingというテクニックをしました。 precautionary landingは和訳すると「予防的着陸」とでもなるでしょうか。 これは、天候が突然悪くなったり、または燃料が残り少なかったりしてなるべく早くどこかに着陸しなければいけなくなった場合に使うテクニックで、まずどこに降りるかを決め、そこをなるべく低い高度で飛行してフィールドを目視確認します。 フィールドの長さが十分か、路面は着陸に適しているか、風向きはどうかなどを確認し、安全であることが確認できたら着陸するというものです。 これは少し手こずりました。 高度やエンジンの回転数のセッティングを覚えていなかったので、あまりうまくいきませんでした。 これは復習が必要です(反省)。 以上が終わったら高度2000ftに戻し、空港に戻ります。 空港に戻るときにはビクトリアタワーにコンタクトしなければなりません。 実際に無線で話をする前に練習をして、それからボタンを押して無線コール開始です。
 
「Victoria Tower, Cessna 152 GZSC, over Somenos Lake at 2000, inbound for landing with information Mike」(ビクトリアタワー、セスナ152はサモナス湖の上空2000フィートを通過中、着陸のためにビクトリアに向かっています。 ATISはMを聞きました)
 
とコールをすると、「ZSC, Victoria Tower, radar identified, I want you to fly over the field and join downwind 27, wind XXX at #」とかなんとかということを言われました(全部は覚えていません・・・)。 つまり、「ZSC、こちらビクトリアタワー、レーダーで現在地を確認しました。 空港の真上を通過して、滑走路27のダウンウィンド(後日説明します)に入ってください」という指示です。 少しだけややこしい指示でしたが、今日はしっかり全部理解できました。 

 無事に空港上空を通過し、滑走路27に向けて下降を開始します。 今日は風があまり強くないので、とくにあおられることもなく方向を保つのが簡単でした。 海に出たところでターンをし、高度をどんどん落とし、滑走路27に入ります。 滑走路の表面から1メーターくらいのところでレベルオフ(機首を地面と水平に戻すこと)します。 すると、「地上効果(Ground Effect)」と呼ばれる風の抵抗がない状態に入り、とてもスムーズにふわーっと数秒飛ぶことができます。 (余談ですが、鳥たちが水面すれすれを飛行したりするのはグランドエフェクトの恩恵を受けて少しでも楽に飛びたいからだと思います) その後どんどんスピードが落ち、それに伴って高度が落ちます。 地面にタイヤが触る直前くらいに操縦桿を引いて機首を少しあげてフレアします。 「キュキュー」という音を立ててタイヤが地面にタッチし、無事着陸です。 昨日もきれいでしたが、今日は僕一人の力できれいに着陸させることができました。 サスカトゥーンではこんなにきれいに着陸できたことがなかったんじゃないかと思います(笑)。

 フライトを終え、今日の反省点をまとめました。 これからは毎日反省点をまとめて行こうと思っています。 なにせ1時間のフライトで1万円以上のコストがかかっていますから、できるだけ多くのことを身につけれるように頑張ろうと思います。

 今日の写真はクラブの受付横のガラスに書かれたNew Membersの紹介です。 VFCは新しいメンバーが増えるとこうやって名前をガラスに書いてウエルカムしてくれるそうです。 暖かい感じがしていいですよね。 サスカトゥーンではこういうことはいっさいありませんでしたから(笑)

 ずっと飛んでいなかったのに突然連日のフライトで、いろんなことを処理しなければならないのでとても疲れます。 このリズムに早く慣れたいところです。 明日も11時からフライトですが、天気は崩れる方向に進んでいるようですから、どうなるかわかりません。 あと2日くらい飛ぶと恐らくソロに行っておいでと言われるようです。 んまあ、繰り返しますが、僕はプライベートパイロットですから、1人で飛べなきゃおかしいんですけどね・・・(笑)。
 
 なお、今日の書き込みからコメントを書き込んでもらえるようにしてみました。 まだ試験的運用ですので、途中でキャンセルするかもしれませんのであしからず。 どんどんコメントを残してください。 
 
 ではまた明日! 突然ブログの内容が専門的になってごめんなさい(笑)。
 
(つづく)

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ビクトリア26日目:ちょっとへこみ気味。
2006年11月9日木曜日


 今日も引き続き天気が良かったのでフライトに出かけました。 昨日よりは少し遅い午前11時からのフライトです。 クラブについて飛行機のリストにサインをしてディスパッチャー(クラブ所有機の予約や運行予定を管理する人)からJourney Log(飛行機を誰が使用したか、いつ点検を受けたかなどが書いてあるログブック)やCertificate of Airworthiness(対空証明書)などが入っているフォルダと飛行機の鍵を受け取ります。 今日は昨日の教訓を元に、しっかりウォークアラウンドをしました。 オイルの量なんかは2回も確認しちゃったりして(笑)。 燃料がやや少ないかと思いましたが、ロングレンジ(長距離用)の燃料タンクを付けているセスナ152なので特に問題がないということで出発することになりました。

 昨日と同じくlocal westと呼んでいる空域に向かいます。 離陸はShawnigan Lake Departureと言われたらしいのですが、あまりよく聞き取れませんでした。 今日は初めて滑走路09を使いました。 27は西に向かって走っている滑走路で、09は同じ滑走路のまったく逆側から東に向かって走っている滑走路です。 09を離陸し、左に旋回してそのまま西の空域に向かいます。

 今日はhoodを試すことになりました。 フードというのはこんなやつ(クリック)のことで、外の視界を遮って目の前の計器のみを頼りに空を飛ぶ「計器飛行」と呼ばれる訓練に使う道具のことです。 インストラクターからフードを渡され、コントロールを引き継ぎます。 ヘディング(方角)を言われ、その方角と高度を保つように計器を見ながらコントロールします。 外が見えないので、計器を信じるしかないのですがそれが結構大変です。 ヘディングを保とうとすると高度がはずれ、高度を直している間にヘディングが狂う、そんな感じです(笑)。 しばらくすると大分落ち着きました。 今日はそれほど揺れがなく、計器飛行はしやすいコンディションでした。

 フードのあとは昨日の続きでForced Landingの練習です。 今日もあまりうまくできませんでした(汗)。 本来は60ノットでグライドさせるべきなのですが、どうしても70ノット周辺で落ち着いてしまいます。 本能が「遅いスピード=失速」という計算をしてしまうようで、ちょっと躊躇してしまいます。 明日以降はばっちり60ノットにしてやります! あとはフィールドの選び方(なるべく平らで固い表面のフィールド、周りの障害物がないところ、など)や、フィールドへの進入方法を見直さなければ行けません。 ここでネックになるのがこれまた前回の訓練と今回の訓練のやり方の違いです。 前回はフィールドを見つけたらその上で360度旋回して着陸するという方法を学びましたが、今回はフィールドを見つけたらその周りを四角く飛ぶ(サーキット)方法で着陸しろと言われます。 やり方が違うので本当に戸惑いますし、新しい方法では全然やったことがないので当然うまくは行きません。 どちらでもいいんじゃないかなとは思うんですが・・・ とりあえずは新しい方法を勉強して、ソロに行くときにでも練習しようと思います。 

 その後、precautionary landingもやりましたが、これまたやり方が違う!(怒)。 前回はフィールドの周りをまず1周飛んで、それから高度を落としてフィールドを良く確認し、そして着陸という方法だったのですが、今回は最初の1周がなく、とりあえず低く飛んで確認して着陸するように言われました。 Flight Training Manualには僕が習った方が書いてあるのに・・・ なにはともあれ、その他にもフィールドの選び方をすっかり忘れていたり、高度を落とすときのスピードやフラップの角度、エンジン回転数(これも教官によって違う数字を言いますが)などを忘れているので、もう一度しっかりリビューしたいと思います。

 その後はいよいよスピンです。 スピンは簡単にいえば「きりもみ」状態で、真っ逆さまに落ちて行くという感じです。 ぐるぐる回りながら落ちて行く飛行機をコントロールします。 プライベートパイロットの訓練で一番怖いのはスピンじゃないかと思います。 地面が真っ正面に見えますから。 1回目はインストラクターがお手本を見せてくれました。 正直、かなり怖かったです(笑)。 というのも、サスカトゥーンではスピンは1回しかしたことがなかったからです。 たしか、訓練ではスピンをデモンストレートする必要はあっても、リカバリーをやる必要はなかったんじゃないかと思います(もしかしたら僕の勘違いかもしれません)。 ですので、1回目のスピンはどんなものだったのかを覚えていなかったので怖かったです。 でも、そのあと3回くらい自分でスピンに入れてそこからのリカバリーをやりました。 慣れると楽しいもんです(笑)。 下手なジェットコースターよりも10倍くらいはスリルがあります。 でも、リカバリーの方法を完全にマスターしていませんので、本当はパワーを抜くところを間違ってフルパワーに入れてしまい、インストラクターが「POWER OFFFFFFFFFFFFFF!」と叫んでました(汗)。 今までこれといって大きなミスはしたことはありませんでしたが、今日は完全にやってしまいました。 反省して次回につなげようと思います。 パワーはスロットルを引っ張るとアイドル、押し込むとフルパワーになります。 どっちがどっちなのか、まだ体が自然と反応できるほどは慣れていないことが証明されました(笑)。 失敗は成功のもとです!

 スピンの後はまたフードをやりながら空港に戻りました。 着陸は今日もきれいに決まりました。 風が弱かったのが理由だと思いますが、インストラクターにもきれいなランディングだったと褒めてもらいました。
 
 明日はサーキットをやります。 サーキットというのは上の写真のような感じで滑走路(写真はprecautionary landingに関する自分用のメモなので書いてあるメモ書きは信用しないでください! 写真では緑の部分がフィールド、または滑走路にあたります)の周りを四角く回ることを指します。 高度は通常1000ft(AGL=地上からの高度。Above Ground Level)で飛びます。 離陸したら500ftまではまっすぐ飛び、それから通常左に90度ターンをします。 飛ぶパターンのそれぞれの「辺」には名前がついています(crosswind, downwind, base, finalなど)。 詳しくはまた後日説明します(これを何回言っているでしょう・・・ごめんなさい)。 サーキットで着陸の練習とフラップの使い方、スピードのコントロールなどを復習しようと思います。 でも明日は天候が気になるところです(また数日雨が降る予報が出ています)。
 
 ではまた!
 
(つづく)
 
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【編集後記】

 自分の文章を読んでいて、「ほんとかよっ!?」と自分でツッコミをいれてしまうところが多く出て来て恥ずかしいです。既にお気付きの通り、僕は最初のほうから小さいミスを連発していたみたいですが、「失敗は成功のもの」と自分を鼓舞していたようです。このポジティブな精神は今の僕も見習いたいくらいのものです。ここ数日の書き込みでは「僕は着陸のプロ」みたいな書き方をしていますが、果たしてそんなにうまかったっけ?って必死に思い返していますがなかなか思い出せません。めちゃくちゃ下手ということはなかったはずですが、4年もフライトしていなかったのに最初の数回目から綺麗に着陸できたとはどうも思えないのです。

 一部、教官の教え方に毒づいたところがあるのが見苦しいですが、実際に教官の教え方に納得がいかないということはありますし、実際にありました。飛行機を飛ばす方法は一つだけではないので、それぞれ教官によって教え方が違うというのはよくあることです。原因は教官の経験値が大きく関わって来ているのではないかと今になって思います。僕も新米教官だった頃はいかに生徒さんが「僕の飛ばし方・教則本通りの飛ばし方」で飛ばせるようになるように教えるかに固執していたように思います。これが教官としての経験を積んでいくといろいろな人とフライトしたり、同僚・先輩教官との話の中で学んだことなども自分の教授スタイルに織り交ぜる余裕がでてきますので、極端な話、「安全で訓練目標が達成されていればオッケー」というふうになりました。ただし、日本人である僕は細かいところに目がいってしまうことも多々ありまして、ストライクゾーンがだだっ広いカナダ人教官とは教えるスタイルが大きくことなっていたこともあるはずです。今だったら違う教え方をするだろうなと思うことが日頃のフライトを通してよくあります。またいずれ、もしも教官として復帰することがあるとしたら、次は前よりももうちょっとうまく教えれるのかも?と思うことがよくあります。


(つづく)