僕は鹿との相性があまりよくないようです。 思い起こせば、大学時代に授業の一環で奈良の東大寺に行きました。 そのときに先生の説明などをノートに書き写しながら歩きまわっていたのですが、気を抜いていた間にそのノートを鹿に食べられました。 おかげでその後のレポート提出の際には結構困りました。
今回は仕事中の出来事です。 ビクトリアから西に10マイルほどいったところにダンカン空港という小さな空港があります。 滑走路の長さは1520ft。 幅は確か75ft。 長さはビクトリア空港で一番長い滑走路の実に四分の一以下の長さ。 幅はビクトリア空港の誘導路の幅よりも狭いです。 PPL取得後に山岳地帯をフライトしたいメンバーにはMountain Check rideが義務付けられているのですが、そのチェックライドの一環で短い滑走路への離着陸訓練を行います。 その訓練に使うのがこのダンカン空港。 ビクトリアから10分以内でいける便利な空港です。
ここに初めてくる生徒さんの多くは1回目のアプローチに戸惑うことが多いです。 幅、長さ、それに視覚的なものもあって、最初は誰でもうまくいきません。 そういう場合には着陸復行となり、再度挑戦となります。 先日のフライトでも1回目は高く入ってきすぎたので着陸はできず、そのままスロットル全開で上昇、そして着陸のやり直しとなりました。 2回目はうまく行き、きれいなアプローチができました。 そして滑走路に着陸した次の瞬間! 鹿が3匹、我々のほうに一目散に走ってくるではありませんか! 僕が操縦を代わり、なんとか避けようと試みました。 ブレーキはロックしてタイヤはキュイ〜〜〜〜〜と恐ろしい音を出しながら滑っています。 ブレーキをゆるめ、なんとか止めようと試みました。 鹿のうち、2匹は小鹿。 1匹はどうやら親鹿です。 親鹿の表情がはっきりと見える距離まで近づいたとき、「こりゃだめだ」と腹をくくりました。 飛び散る血、動物の毛や肉が風防に飛び散る光景が頭の中に一気に広がりました。 ところが、幸いにもほんの数センチで鹿はプロペラを逸れ、逃げきることができました。 目を開き、滑走路の横をみると必死に逃げていく鹿の親子連れのお尻が少しだけ見えました。
今までも鷹やカモメなどにかなりの至近距離まで近づいたことがありましたが、それは上空で、フライト中のこと。 操縦次第でいくらでも避け切れました。 今回は地上でのこと。 しかも短い滑走路に着陸した瞬間のこと。 そこからの着陸の取りやめは不可能。 ブレーキもとても非力で役に立たない。 エンジンを止めてプロペラを止めるにしてもそんな時間はありませんでした。 あこでぶつかっていたらプロペラはもちろん、エンジン、ウィンドシールド、その他もろもろにかなりの損傷があったことでしょう。 運が良かった、としか言いようがありません。
鹿は怖いです(苦笑)。
今日の写真はフロート機から見たバンクーバー国際空港です。 草の緑と空の青のコントラストが綺麗ですね〜。
(つづく)
今回は仕事中の出来事です。 ビクトリアから西に10マイルほどいったところにダンカン空港という小さな空港があります。 滑走路の長さは1520ft。 幅は確か75ft。 長さはビクトリア空港で一番長い滑走路の実に四分の一以下の長さ。 幅はビクトリア空港の誘導路の幅よりも狭いです。 PPL取得後に山岳地帯をフライトしたいメンバーにはMountain Check rideが義務付けられているのですが、そのチェックライドの一環で短い滑走路への離着陸訓練を行います。 その訓練に使うのがこのダンカン空港。 ビクトリアから10分以内でいける便利な空港です。
ここに初めてくる生徒さんの多くは1回目のアプローチに戸惑うことが多いです。 幅、長さ、それに視覚的なものもあって、最初は誰でもうまくいきません。 そういう場合には着陸復行となり、再度挑戦となります。 先日のフライトでも1回目は高く入ってきすぎたので着陸はできず、そのままスロットル全開で上昇、そして着陸のやり直しとなりました。 2回目はうまく行き、きれいなアプローチができました。 そして滑走路に着陸した次の瞬間! 鹿が3匹、我々のほうに一目散に走ってくるではありませんか! 僕が操縦を代わり、なんとか避けようと試みました。 ブレーキはロックしてタイヤはキュイ〜〜〜〜〜と恐ろしい音を出しながら滑っています。 ブレーキをゆるめ、なんとか止めようと試みました。 鹿のうち、2匹は小鹿。 1匹はどうやら親鹿です。 親鹿の表情がはっきりと見える距離まで近づいたとき、「こりゃだめだ」と腹をくくりました。 飛び散る血、動物の毛や肉が風防に飛び散る光景が頭の中に一気に広がりました。 ところが、幸いにもほんの数センチで鹿はプロペラを逸れ、逃げきることができました。 目を開き、滑走路の横をみると必死に逃げていく鹿の親子連れのお尻が少しだけ見えました。
今までも鷹やカモメなどにかなりの至近距離まで近づいたことがありましたが、それは上空で、フライト中のこと。 操縦次第でいくらでも避け切れました。 今回は地上でのこと。 しかも短い滑走路に着陸した瞬間のこと。 そこからの着陸の取りやめは不可能。 ブレーキもとても非力で役に立たない。 エンジンを止めてプロペラを止めるにしてもそんな時間はありませんでした。 あこでぶつかっていたらプロペラはもちろん、エンジン、ウィンドシールド、その他もろもろにかなりの損傷があったことでしょう。 運が良かった、としか言いようがありません。
鹿は怖いです(苦笑)。
今日の写真はフロート機から見たバンクーバー国際空港です。 草の緑と空の青のコントラストが綺麗ですね〜。
(つづく)
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