2020-09-28

過去ログ:2007年1月1日〜2007年1月2日

ビクトリア79日目:寝正月。
2007年1月1日月曜日

 皆様、新年明けましておめでとうございます。 今年もYouHaveControl.netをよろしくお願いいたします。

 さて、元旦の今日は日本風に寝正月となりました(笑)。 昨日の夜は日付が変わる瞬間は外に出て、いろんなところから聞こえてくるロケット花火の音で新年を迎えました。 結局午前2時まで起きていたので、今朝はゆっくりとしたスタートでした。 ベッドに横たわったままテレビでやっていた映画を観ていました。 新年のスタートにこれではいけないと思い、シドニーのダウンタウン(Beacon Avenue)にあるSerious Coffeeという雰囲気がよさげなカフェに行きました。 正月だから休みかなとも思いましたが、この前のクリスマスの日でもスタバは開いていたので、カフェは正月でもやっているのではないかと思い、家を3時過ぎに出ました。 今日はあいにくの雨です。 それも比較的多めの雨が降っています。 METARを見てみますと、「SHRA」となっています。 SHはシャワー、RAは雨(rain)という意味です。 ここで注意しなければいけないのは、SHの前になにも付いていないことです。 弱い雨の時は「-SHRA」というふうに頭にマイナスが付きます。 マイナスはlightという意味です。 同じような感じで、強い雨の時は「+SHRA」となります。 なにもついていないときはmoderate rain showerというふうに解釈します。 つまり、弱いと強いの間の雨ということです。

 カフェにつくと、やっぱりOPENとなっています。 よかった〜と思って中に入ると、人だらけです。 「貸し切りか?」と思わず思ってしまったくらい人がいます。 中はスタバなどとは違ってとても広く、ソファーがたくさんおいてあります。 ラテ(3.75ドル)を頼み、席を探します。 どこにも空いているテーブルはなかったので、おばあさんが1人で座っているテーブルに相席をさせてもらおうと思って、「その席空いてますか?」と聞くと、「友達がいたんだけど帰ったから空いてますよ」との返事が返って来ました。 あ〜よかった、と思い腰をかけます。 そのおばあさんはとても感じの良い人でずっとおしゃべりをしました。 彼女はもともとイギリス人で、カナダに兄弟が住んでいたから旅行で訪れたらカナダが好きになったのでそのまま移民したそうです。 今でもイギリスには2年に1回くらいは帰省するそうです。 今は僕の家の近くのResthaven Streetに住んでいるそうです。 彼女はコーヒーを飲みおえたらスーパーに行ってくるといって立ち去りました。 おしゃべりは楽しいひとときでした。 彼女が帰ったあとはいよいよ今日の目的である「ログブックの書き写し」を始めました。 今使っているログブックはサスカトゥーン時代に購入したカナダ式のログブックで、それに書いてある内容をすべて日本から持って来たJCAB(日本の航空局)が監修して発行されているログブックにずっと前から書き写したいと思っていたのです。 昨年やっておけばよかったのですが、結局今日になってしまいました。 日本のログブックは飛行時間を時間と分で書きます。 カナダのログブックは時間のみで書いています。 例えば、1時間30分のフライトは、日本のログブックでは「1時間30分」となりますが、カナダのログブックでは「1.5時間」となるわけです。 なので、すべて日本式に換算しながらログを付けて行きます。 それにしてもとても日本らしいログブックです。 毎回、フライトごとにインストラクターにサインを貰うようになっています。 離陸した時刻、着陸した時刻までこと細かに書くようになっています。 当然、今までそんな細かいログは付けていなかったので、そんなデータはありません。 ですから、データがないところは空白のままにしておくつもりです。 これから記入する箇所だけでもちゃんと書けばいいかなと思っています。 日本のログではPIC(Pilot-in-Command)時間の定義がカナダとは違うようです。 カナダでは、訓練中であってもソロフライトをしたらその時間はPIC時間となりますが、日本の場合はそれはSolo時間であって、PIC時間ではないようです。 僕の解釈が正しければ、PIC時間は免許を取得してからでないとログできないようです。 他には、「機長見習い時間」とかといった、カナダの場合には存在しない時間のカテゴリーがいくつか存在します。 ややこしいですね。 もう少し調べなければいけないかもしれませんが、カナダのログブックがある限り、日本のログブックに間違って記入していても後で訂正すればすむ話でしょうからあまり深く考えないようにしようと思います。 明日も雨のようですから、明日は今日記入した内容があっているかどうかを確認する作業をするつもりです。 今日の写真は、下が今まで使ってきたカナダのログブック、上が日本のログブックです。 よく見るとカナダのログブックのウイングのマークの中心はカナダらしくカエデになってますね(笑)。 

 昨日は去年を振り返りましたが、今日は今年の抱負を発表しようと思います。 今年はいよいよソロフライトの年となります。 事業用免許取得に必要な機長時間100時間を貯めるため、ソロで飛ぶことがほとんどになりそうです。 最初はトレーニングエリアに行くことから始め、トレーニングエリアでエアワークをすることに慣れ、そして近いところからクロスカントリーフライトに行けるようにするつもりです。 フライトテストまでには300海里(約540km)のクロスカントリーフライトもしなければ行けません。 あせることなく、自分の能力を客観的に見極めて、自分にぴったりかそれよりもちょっとチャレンジングなトレーニングを常に心がけて行こうと思っています。 苦手なことがあったり、自信がないこともたくさんあります。 でも、なるべく苦手意識を持たないようにポジティブに訓練を進めて行きたいです。 また、今年はいよいよグランドスクール(座学)のほうも始まります。 フライトに勉強にと忙しくなると思いますが、頑張りたいです。 また、4月頃にはカナダに入国して6ヶ月が過ぎます。 6ヶ月を過ぎると労働許可書(Work Permit)を申請することができ、法的に仕事をすることができるようになります。 僕はVFCでのラインクルーの仕事に申し込みたいと思っています。 ラインクルーは飛行機の給油や格納庫への格納、オフィスの掃除やライブラリの整頓などの雑務をする仕事です。 今働いているラインクルーは皆トレーニングを受けている学生です。 飛行機やパイロットの近くで仕事ができるようなので、空きがあればぜひ働かせてもらいたいと思っています。 空きがなければビクトリア空港のターミナルのほうでの仕事がないかを模索しようと思っています。 他には、アクロバット飛行のお試し版に挑戦したいと思っていますし、スカイダイビングもやってみたいと思っています。 「挑戦の年、2007年」ということで頑張りますので、今年もよろしくお願いいたします。

 それではまた明日。 

(つづく)

===============================
ビクトリア80日目:ログブック完成。
2007年1月2日火曜日


 今日も引き続き雨が降ったりやんだりの天気です。 今日も昨日行ったカフェに行きました。 昨日はラテを注文しましたが、今日はドリップコーヒーを注文しました。 昨日とはうってかわって全然混んでいませんでした。 僕の他にお客さんが3、4人いたくらいです。 今日は入り口近くにある低い感じの赤いソファーに腰をかけて作業を開始しました。 昨日書き終えた内容を確認してみると、ところどころ数字が合わない箇所があります(笑)。 んまあ、少しくらいはいいかな〜なんても思いましたが、これからも数字はどんどん増えて行くので、今のうちにしっかり帳尻があうようにしておかないと後で取り返しがつかないことになるかもと思って、どこで間違いをしたかをすべて確認しました。 1つ間違いを見つけて、「あ〜よかった」と思っていると、またどこかに間違いがあるようで、やはり計算があいません(汗)。 ということで、また細かく見ていくことに。 結局2時間近くかけてすべての計算をやり直し、数字を見直してようやく完成しました。 ログブックは間違いをしても修正液や修正テープの使用は禁止されているので、横棒を引いて訂正しなければいけません。 なんども間違えると面倒なことになります(写真参照)。 今日までで、僕の総飛行時間は91時間06分、ソロで飛んだ時間が16時間24分となっています。 事業用免許取得には総飛行時間が200時間、ソロ(PIC)時間が100時間必要ですから、少なくともこれから1人で84時間ほど飛ぶことになります。 1日1時間飛ぶと84日、つまり3ヶ月近くかかります。 当然毎日飛べることはないでしょうから、やっぱり4、5ヶ月はかかると思います。 目標は6月までに免許を取得することとなりそうです。 さて、どうなりますことやら。

 今日はカフェの後はそのままジムに向かいました。 ジムは今日からオープンしています。 ジムにつくといつもよりやや人が多い気がします。 やっぱり皆さん休暇中に溜め込んだカロリーを消費しようと目論んでジムに来ているようです。 今日はスピニングマシーンを30分、その後、心拍が計れる歩行マシーンのようなもので心肺機能を高めるための運動を30分しました。 マニアックな話ですが、この歩行マシーンの心拍測定機能はPolar製です(分からない方は気にしないでください・・・)。 その後は上半身を鍛えるための器具のサーキットを行いました。 心地よい汗をながせましたが、お昼ご飯を食べていなかったのでふらふらになりました。 いわゆる「ハンガーノック」状態でした(汗)。 

 今夜はコロッケを作りました。 よく考えたら初めて作ったと思います。 もともと、小麦粉、卵、さらにはパン粉まで使うというのが面倒で、今まで一度も試したことがありませんでした。 時間がある今ならやれると思っての挑戦でした。 ジャガイモを蒸かして潰したり、ひき肉やタマネギを炒めるまではよかったのですが、油で揚げる段階でぐちゃぐちゃになりました(笑)。 どうもジャガイモがやらか過ぎたようです。 あと、油の中にフライ返しを入れていたら、プラスチックが溶けてふにゃふにゃになりました(涙)。 まさか熱に負けるとは・・・。 っということで、初めてのコロッケは見事失敗となりました。 味見をしたら味はそれほど悪くはなかったんですけどね。 

 さて、明日は少し晴れ間が出るかもしれませんので、そうであればソロフライトに行こうかと思っています。 ここで少しお勉強です。 下は今出ているビクトリア空港のTAFです。 内容を解読してみましょう。

 

TAF CYYJ 022338Z 030024 22012G22KT P6SM SCT030 SCT060 TEMPO 0024 P6SM

-SHRA BKN030

BECMG 0406 27010KT

RMK NXT FCST BY 06Z=

 

答え: 「CYYJのTAFです。 今月02日目の23:38時(GMT)発表、 03日目の00時から24時の予報です: 風向220度、風速12ノット、Gust 22ノット、視界6マイル以上、 雲:Scattered 3000ft, Scattered 6000ft, 一時的に00時から24時の間は視界6マイル以上、軽いシャワー(雨)で雲はBroken 3000ft。

04時から06時の間に風向270度 風速10ノットになるでしょう。

注意:次の予報は06時(GMT)までに発表します。」

 

 ではまた明日!

 

(つづく)

===============================
【編集後記】

今回の過去ログに出て来た日本式のJCABログブックですが、今はどこにいったか定かではありません。おそらく貴重品や書類が入った箱のどこかにあるとは思いますが、結局日本の航空会社に申し込む機会に恵まれなかったため、一度も陽の目を見ることはありませんでした。日本のログブックは押印が必要だったりして、なにかとお堅い印象です。一方、こちらで使うログブックはとてもシンプルです。最近では電子ログブックを使う人も多くなっていますし、僕自身も電子ログを利用していました。電子ログだと飛行時間の計算を自動でやってくれますし、印刷する必要がある場合でもいろいろなフォーマットで出力できるので便利です。ここで正直に告白しますが、ログブックはここしばらくつけていません。今の航空会社に入社して以来、これから転職するつもりもないのでログブックをつける習慣がだいぶなくなりました。いざ必要になればいつでも会社のウェブサイトやスケジュール用アプリなどから詳細なデータを入手できますので問題はありません。総飛行時間はおそらく7000〜8000時間の間なのではないかとは思いますが、正直わかりません。エアラインに入ってからは1年間にだいたい600〜700時間くらい飛んでいるのではないかと思います。ベテランの機長などでもログブックをつけるのをやめた人が多くいます。「飛行時間が1万時間以上あったら、それが1万2千なのか、1万5千なのかの違いはほぼないでしょ?」という人がいます(ごもっともだと思います)。ですが、中には今でも毎フライトごとにちっちゃいログブックに几帳面に記録する人も見かけます。「君の名前のスペルは?」って聞かれることがあります(ログブックに同乗者の名前を記録するからです)。そういうパイロットの自宅にはあのちっちゃいログブックが一体何冊積み上げられているんだろう?とふと思うことがあります。


(つづく)

2020-09-27

組合と覚書その2。

 僕が働く航空会社にはパイロットの乗務員組合(pilot union)というものが存在します。組合の役割はいろいろあるのですが、乗務員と会社の間での取り決めや交渉ごとをまとめる(パイロットグループを代表する)というのが主な役割です。パイロットの労働条件に不具合が出た場合などには状況を改善するために労働契約に基づいて状況改善のために動いてくれたりもします。基本的には「パイロットを守ってくれる存在」という立ち位置だと思います。

 組合がどういうときに役立つかということを説明するために以前に僕の知り合いパイロット(副操縦士)が経験した話を一例としてあげます。

 このパイロット、フライト中に気分が悪くなり、一時的に乗務が不可能な状態に陥ったそうです(pilot incapacitationといいます)。 具体的なことは知りませんが、貧血のような状態になり、一時的に業務続行が不可能となったため機長が飛行機の操縦すべてをこなすことになったそうです。この便は緊急事態を宣言しましたが、目的地に近かったこともあり、機長の操縦で目的地の空港に無事着陸し、ゲートに到着したそうです。着陸するころにはこの副操縦士は意識を取り戻したそうです。

 何事もなかったかのように乗客が降機し、この副操縦士はここで乗務を終えることになりました。飛行機を降り、携帯電話の電源を入れるとすぐさま電話がかかってきたそうです。その電話は乗務員組合の担当者だったそうです。電話に出ると、

 「フライト中に起きたことについて連絡が入りました。なにも心配いりません。医者の手配もすべてやります。とにかく今は安静にしてください。」

 と言われたそうです。それからしばらくは病欠扱いになったのですが、精密検査なども組合が手配した病院で受け、数ヶ月後には無事に職場復帰したそうです。

 こんな感じで組合は親身になっていろいろお世話してくれます。そういう待遇を受けるために毎月組合費を支払っているわけです。

 現在、コロナ禍でパイロットの待遇にもいろいろな変化が出て来ています。当然ながら良い変化というものではありません。一般企業と同じで、経済が影響を受けている限りはパイロットの諸待遇も当然ながら悪くなる傾向にあります。しかし、それを食い止めるために組合が労働者側といろいろ交渉をしてくれているというわけです。

 航空会社によってはこういった組合が存在しない場合も多くあります。例えば中東の大手航空会社。そういうところは会社の独断でいろんなことが決定します。パイロットの雇用を守ってくれる組合が存在しないので、会社がパイロット削減を決めればすぐに決行され、あっという間に大勢のパイロットが職を失います。これはパイロットのみに限らず、客室乗務員も同じです。ちなみに僕の会社には客室乗務員の労働者組合も存在します。手厚く守られているという感じです。
 
 組合に入るのは半ば強制で、入らないという選択肢はありません。毎月お給料の数パーセントを組合費として支払っています。今の会社に入社直後の研修中に組合のオフィスビルにも行きましたが、それはもう立派なオフィスで、多くの人が働いていました。組合というものの存在をよく理解できていなかった僕はなんだか不思議な印象を受けたことを覚えています。「この人たち、どうやってこんな立派なオフィスで仕事しているんだろう?運営原資はどこから出ているんだろう?」と思いました。

 その組合ですが、今、我が社ではコロナ禍の影響による一時的な労働契約の覚書を締結しようとしています。覚書その1は既に締結されていて、それの効力が今月末に切れるため、延長の手続きを進めているという感じです。この覚書その2にまつわるいろいろな憶測や噂が絶えません。組合の情報提供方法にもやや問題があったりもしたせいで組合の信憑性が問われる事態にもなりました。

 パンデミックのせいでいろいろなところで醜い部分が露呈させる事態になっているように感じます。人々は憎みあい、マスクをする・しないで口論するなど、人間の醜い部分が露わになっているように感じざるを得ません。やっぱり性善説よりも性悪説を信じるべきかと思ってしまいます。覚書その2の草案がパイロットグループに提示された直後は大喜びだった人たちもしばらくすると疑いの目で組合のことを見るようになったりもしています。組合は実は会社とグルで、我々パイロットたちをはめてやろうとしているのではないかと勘ぐる人たちまで出始めました。意見がコロコロと変わる状況は滑稽だなと俯瞰しています。
 
 覚書その2はパイロットの投票で否決・可決が決まることになっていて、来週の月曜日が投票の最終日です。僕も先日投票しました。どうなるのかはわかりません。結果次第では一時帰休(レイオフ)のパイロットがまた増える可能性もあるため、気が気ではありません。


モントリオールは紅葉が進んで来ました。




(つづく)

 

 

2020-09-22

過去ログ:2006年12月29日〜2006年12月31日

ビクトリア76日目:ビクトリアに行きました。
2006年12月29日金曜日


 今日は一日お休みでした。 朝は昨日にも増して気温が下がりました。 昨晩は部屋の温度設定を上げすぎて、夜中の3時頃に寝汗をかいて起きてしまい、そのままなかなか寝付けませんでした。 僕の部屋には壁にサーモスタットがあるのですが、15度に設定するとなぜか室温が20度くらいになります(笑)。 狭い部屋なので、サーモスタットのそばを通るときに体が触れてしまって温度設定が上がってしまったようです・・・。 

 今日は午前中にビクトリアにあるMayfair Shopping Centreというところに行きました。 お目当ては腕時計です。 いえいえ、誰かへのプレゼントではなくて、僕自身へのプレゼントです(笑)。 僕がモノに対するこだわりを持っていることは皆さんご存知でしょうか・・・(知るわけね〜よ!っていう方もいらっしゃると思いますが)。 今使っている腕時計はデジタル時計で、2つの時間帯を表示できるので、1つはローカル時間、もう1つはZulu(GMT)時間に合わせています。 それはそれでいいのですが、クロカンフライトなどのときに時間の計算を飛行中にすることがあるのですが、デジタル時計ではちょっとやり難いと感じています。 というのも、針がないので、例えば「午後5時39分の47分後」といった計算になってしまうと数字に弱い僕はちょっと焦ってしまいます。 そりゃ、冷静なときは、「47なら、50足して3引けばいいやん」ということになるのは十分承知していますが、それがなかなかできないもんなんですよ〜。 っというのが時計が欲しい言い訳です。 なれれば時計なんてなんでもいいようです。 僕のサスカトゥーン時代のチーフインストラクターはG-SHOCKを使ってましたし(笑)。 でも今の僕は視認性に優れたアナログ時計があればコクピット内での時間の計算が楽にできると思っています。 「力が及ばないところは道具でごまかせ」っというのがサイクリングから学んだ鉄則です(笑)。 北米にしか売っていないシチズンのNighthawkという時計を見たかったので今日はショッピングセンターに行ったというわけです。

 いつもはダウンタウンまで70番のバスに乗りますが、今日はその途中でMayfair Shopping Centreが見えたところで下車しました。 想像していたよりも大きなショッピングセンターでした。 モノがあまりないカナダで、しかもオールドタウンのビクトリアであれだけのサイズがあれば十分でしょう(笑)。 いくつか宝石店のようなところで時計を扱っているところをぐるぐると回ってようやく僕が見たかった時計を扱っている宝石店を見つけました。 さっそく店員のお姉さんに試着させてもらいました。 サイズはちょうど良いと思ったのですが、思ったよりもごちゃごちゃしすぎていて、文字盤が見づらいです。 「パイロットウォッチ」というとすぐに計算尺がついている時計を連想すると思いますが、果たしてその計算尺を活用している人はどれくらいいるでしょうか・・・。 しかも、揺れるコクピットの中であんなに小さな文字を見ながら計算を出来る人はかなりの視力の持ち主だと思います(笑)。 計算はフライトコンピュータがベストです! ということで、せっかく30%オフセールをやっていましたが購入はあきらめました。 その代わりにアメリカのお店からネット通販でTorgoenという会社のZulu Timeという時計を購入しようかな〜なんて考えています。 かなりマニアックなメーカーで、情報があまりない時計ですが、よさげです。 パイロットの道具選びは実用性が最優先です(笑)。 時計を見た後はGAPなどのお店でのセールをのぞきましたが、きゃしゃな僕に合うサイズなんて多分ないから時間の無駄だと思って早々に立ち去りました。

 さて、今日の写真はMayfairからビクトリアのダウンタウンに向かって歩いている途中で見つけたサインです。 これを見ると僕はすぐにヘリポートと思ってしまいます。 でも本当はホスピタルなんですよね・・・ 変な職業病のような癖がついてしまっているようです(笑)。 そういえば、以前夜中に航空無線を聞いていたら「Medevac」という言葉をコールサインの後につけているヘリコプターのパイロットからの交信を聞いたことがあります。 そのヘリのルートをマップで追っかけてみた(マニアックですね)ところ、ビクトリアのジェネラルホスピタルのヘリポートに向かっているとのことでした。 MedevacはMedical Evacuationの略で、臓器を運んだり、急患を運ぶAir Ambulance flightに使われるコールサインのようです。 真夜中に急患の患者をヘリで運搬するというのは体力的にも精神的にも大変な仕事だと想像できます。 ヘリの女性パイロットさん、お疲れさまでした。 

 ビクトリアから戻って来てからジムに行きました。 今日もスピニングマシーンを30分ほどこぎました。 最後の3分ほどで左足のふくらはぎが思いっきりつりました(涙)。 今日は少し激しいペダリングをしたり抵抗を上げて漕いだからだと思いますが、なかなか痛みが収まらなくてびっくりしました。 ペダルから足を外すことすらできないまま30秒ほど立ち尽くしてしまいました。 僕の脚はまだまだハードなライディングには耐えられないようです(落胆)。

 今晩は豚肉と野菜の炒め物とこの前作ったみそとダシベースの水餃子を食べました。 デザートはまたもやバナナブレッドを温めて、それに缶入りホイップクリームをたっぷりかけて食べました。 ホイップクリームが缶に入っていて、スプレーのように圧縮ガスの力で出てくるというところが北米らしいところですね。 サラダ油がスプレー缶に入っているものもあります(しかも、普通のサラダ油よりも少ない量で調理ができるのでヘルシーだとか)。 ちょっと抵抗を感じてしまいますね。

 さて、明日は本土へのナイトクロスカントリーフライトです。 天気予報はちょっと微妙です。 夜は昼よりも天気にシビアになりますから、今の予報が的中すれば明日はちょっと無理かもしれません。 とりあえずは明日の朝の天気次第ということになると思います。 明日は午前中にだいたいのプランニングを終わらせ、午後4時過ぎにクラブに行ってプランニングを完成させ、午後6時(外は真っ暗)にビクトリア国際空港を離陸の予定です。 明日もセスナ172を使う予定です。 すべてのルートを合計すると飛行時間は3時間弱です。

 ではまた明日! 


(つづく)

=============================
ビクトリア77日目:霧のため飛べず。
2006年12月30日土曜日


 今日は朝起きて、今年最後の買い物に行きました。 今日も年の瀬ということをまったく感じさせない雰囲気のシドニーです。 この前食べたリプトンのアルフレッドというパルメザンチーズベースのホワイトソースのパスタがとてもおいしかったので、今度はそいつを作ってやろうと思ってチーズやフェットチーニパスタ(平べったいやつ)などを買いました。 その他にはおいしそうだったオーストラリア産のビスケットなども購入しました(後で食べたらおいしかったです)。 

 今日は午後6時からの夜間フライトの予定だったので、それまではリラックスして過ごしました。 午後4時頃にクラブに向けて家を出ました。 クラブにつくとすぐにインストラクターが寄って来て、「ちょうど携帯に電話をしようと思ってたところ」と言います。 天気予報はさほど悪くなかったのでなぜかと尋ねたら、他のベテランインストラクターが今日は霧が出るから止めた方がいいよとアドバイスしてくれたそうです。 暗くなりかけの外を見渡すと、確かにいつもは見える山のあたりが霧っぽくなってきて視界が落ちて来ています。 っということで、今日はフライトできないことになりました。 さっさと終わらせてしまいたかったので少し残念です。 さて、仕方がないから帰ろうかと思っていると、インストラクターはその後ナイトフライトの学生と飛ぶというではないですか。 どの飛行機を使うかを聞いたらC-172ということだったので、「それじゃ後ろに乗せてもらおう!」と思って、その学生が来るのを待ちました。 ジェレミーという、恐らく35歳前後の男の人が現れて、ディスパッチャーのブライアンが、「後ろに乗っけてあげてくれない?」とジェレミーに聞いてくれました。 「おお、全然いいよ」という快い返事が返って来たので、お言葉に甘えて後部座席に座って夜間飛行を乗客として楽しませてもらうことになりました。 ジェレミーは僕と同じく夜間証明の訓練を受けているそうで、あと1時間ちょっとで証明に必要な時間がすべて満たされるということだそうです。 必要な時間を稼ぐためにまずはビクトリア市上空へ向かいます。 今日の写真は後部座席から撮ったビクトリアの夜景です。 まさか無料で遊覧飛行が出来るとは思っていなかったのでカメラを持って行ってはいませんでした。 そのため、携帯のカメラで写真をぱしゃぱしゃ撮った中で、今日の写真がベストでした。 右上の明るいエリアが州議事堂やEmpress Hotelなどがあるダウンタウンの中心部です。 上の黒いところは海で、その向こう側は米国・ワシントン州です。 遊覧飛行は20分ほどで終了し、その後は空港に戻ってサーキットです。 タッチアンドゴーを5、6回はやったでしょうか。 ジェレミーは経験が豊かなのか、とても落ち着いていて、着陸もとても上手でした。 乗っていて安心してフライトを楽しむことができました。 彼のやり方を見ることはとても勉強になりました。 同時に、「飛行機って飛ばすのも、乗客として乗るのも楽しいな〜」と思いました。 サーキットを終えて、インストラクターが「次はfull stopで」という指示を出し、着陸してクラブに戻ると、ジェレミーが必要な飛行時間に0.1時間(つまり6分)だけ足りないということが判明(笑)。 そこで、またもやタクシーし、もう一回だけサーキットをやることになりました。 なんやかんやあって、結局ジェレミーが必要だった時間よりもほんのちょっと超えたところで無事クラブに戻って来ました。 ジェレミーにお礼を行って、「着陸うまかったよ」と伝えると、「うれしいこと言ってくれるなぁ〜!」っと喜んでいました。 今度また一緒にフライトしようよと話して今日は別れました。 僕の夜間飛行は結局明日の午後6時に延期となりました。 今のところ天気予報は微妙です。 果たして年内にナイトクロカンを終わらせることができるか?! 

 家に戻って来て夕食を作った後、散髪をしました。 今回も前回と同じ位の長さにするつもりが、今日もバリカンのアタッチメントの長さを間違えたのか、前回よりも短くなりました(笑)。 んまあ、いいかと思っていると、こめかみ辺りの長さが長いので、そこを短くしようと思ったら、今度はそこだけ異常に短くなりました(汗)。 っということで、全体の長さをさらに短くして調整することに。 結局、高校野球の選手よりも短い、たわしのような頭に仕上がりました(笑)。 今回は風邪をひかないように、さっそくニットキャップをかぶってます。

 明日はフライトで今年を締めくくりたいと思いますがどうなりますやら。 フライトできない場合はビクトリアのダウンタウンで以前に教会で知り合ったワーキングホリデーでビクトリアに来ている子達と年越しパーティーとなるかもしれませんが、できればフライトで締めくくりたいものです。
 

 ではまた明日! 日本の皆さんはよいお年をお迎えください!

  

(つづく)

=================================
ビクトリア78日目:2006年最後の日。
2006年12月31日日曜日


 今日は自分なりに2006年を振り返ることから始めようと思います。 2006年は僕にとって一生涯忘れることがないであろう思い出深い年となりました。 生まれて初めての辞表を出したのも今年で、約10年住んだ大阪を離れたのも今年です。 多くの人に別れを伝えたのも今年で、新しい知り合いや友人ができたのも今年です。 子供の頃から夢見ていたパイロットの道を再び歩みだしたのも今年で、パイロットトレーニングの真の大変さを感じ始めたのも今年です。 カナダでの暮らしが再び始まったのも今年、2006年でした。 今後、僕の人生がどういう方向に進むにせよ、2006年に経験したことは一生忘れることがないと思います。 僕が老人になったときに、「2006年は一番エキサイティングな年だった!」と思うことはほぼ間違いないでしょう(これからの人生でよほどエキサイティングなことがなければですが・・・笑)。 多くの方々に支えてもらってここまで来れたこと、また、今でもメールやウェブのコメントなどを通して励ましてくださる方々には本当に感謝しています。 月並みな言い方かもしれませんが、人間は1人では生きて行けないということが海外にいると特に実感できます。 僕が今できることはパイロットトレーニングを引き続き真剣に受け、少しでも多くのことを吸収できるように努力すること、そして少しでも早く免許を取得することだと思います。 また、それと同時に、僕が経験していることを少しでも多くの人に知ってもらい、僕と同じような道を進みたい方々の道しるべとなる情報を提供することも僕に与えられた使命だと思っています。 2007年も本サイトを通して有益な情報を提供していきたいと思っています。   

 さて、2006年最後の日となった今日ですが、結局ナイトクロスカントリーフライトは達成できませんでした。 正午頃からプランニングを始め、いつでも出れる用意はしていたのですが、今日もシーリングが低く、結局飛べずに終わりました。 シーリングが低いとはいっても普通の訓練であれば問題なくできる程度です。 ただ、夜で、しかも海を超えて本土に飛ぶフライトということでどうしても慎重になってしまいます。 ということで、ナイトクロスカントリーフライトは来年に持ち越しとなりました。 

 今日はシナモンロールを作りました。 日本でも一時的に流行ったあれです。 こちらではスーパーに行くと既にこねてある生地を紙の筒に入れてあるものが売られています。 今回初めて買ったのですが、なかなか面白いです。 筒の外紙を破ると、なにやら変な指示が書かれています。 「expose line」とかなんとかと書かれています。 いったいどういう意味だろうと思いながらミシン目が入った部分を折ってみると、「ぽん!」っといって筒が破れ、中の生地が顔を出します。 どうやら筒の中は真空かなにかだったようで、中からはイーストがちょうどいい具合に発酵した感じの生地が出て来ました。 ご丁寧にアイシング(シナモンロールの上にかける砂糖の液」まで同封されています。 オーブンで10分焼けばおいしいシナモンロールの出来上がり! シナボンという専門店のシナモンロールに比べればややおいしさは落ちるものの、十分おいしい味です。 これで数日間の朝ご飯を確保できました・・・笑。

 夜はアルフレッドソースのパスタを作りました。 アルフレッドソースはパルメザンチーズとクリームを混ぜてつくるパスタソースです。 材料は削ったパルメザン、ヘビークリーム(または牛乳)、バター、塩、コショウ、小麦粉、フェットチーニパスタです。 フライパンにバターを入れて溶かし、そこに小麦粉(スプーン1杯くらい)と牛乳を入れて温めます。 すべてがうまく混ざったところでパルメザンチーズ(1/2カップ〜1カップ)を入れて溶かします。 あとは塩コショウで味付けをすれば出来上がりです。 フェットチーニを入れて召し上がれ! 上質のパルメザンがあればおいしく出来上がると思います。 あとは適宜他種類のチーズを入れてもおいしいと思います。 年越しそばならぬ、「年越しパスタ」となりました(笑)。 

 こちらは今午後11時で、今年も残すところあと1時間となりました。 日本は既に2007年ですね。 来年は日本で年越しをしたいものです。 

 今日の写真は先日の嵐の雨の合間に数分間だけ現れた虹です。 ちょうど僕が住んでいる家にかかっているような形で現れました。 綺麗だったのでパシャリとやりました。 メルヘンな家と虹のバランスが素敵でしょ?(笑)。 なんだか良い運をもたらしてくれそうな気がしたので、この写真を2006年最後の写真に選びました。 来年も良い年になってほしいものです。

 それでは皆さん、2006年はどうもお世話になりました。 来年も引き続きよろしくお願いいたします。


 ではまた明日。

 

(2007年もつづく)

==================================

【編集後記】

 というわけで、この投稿が2006年最後の投稿だったようです。書いてある通り、2006年は記憶に深く残る一年になりました。今でもよく懐かしく思って思い出します。「思えば遠くへ来たもんだ」なんていう古い歌がありましたが、その歌のように知らぬ間に本当に遠くに来てしまったものだと思うことがあります。人生って面白いですね。

 12月のビクトリアはやはり天気がよくない日が実に多いのがよくわかります。飛びたくても飛べないことが多かったことを自分の過去エントリーを読み返してみて改めてわかりました。僕は長期プランで渡航していたし、それも想定内だったので特に苦になったとは覚えていませんが、短期渡航だったらかなり悲惨なことになっていたように思います。

 腕時計のことを最初に書きましたが、正直なところ、時計なんてなんだっていいんです(笑)。パイロットだからいわゆるパイロットウォッチをしている人なんてごく少数です。パイロットウォッチはあくまでスタイルで、計算尺なんて使い方を知らない人がほとんどでしょうし、実際のパイロットでも滅多に使わないと思います。スマホで計算したほうが速いでしょう。

 ブログ中にも書いたとおり、僕のブログが海外でパイロットを目指す方になにか有益な情報を提供できていたら幸いですが、それにしても昔の僕のブログは幼稚な内容ばかりですね。お恥ずかしい。


(つづく)

 

2020-09-17

過去ログ:2006年12月27日〜2006年12月28日

ビクトリア74日目:今日も無理。
2006年12月27日水曜日


 いや〜、今日も天気があまりよくなく、カナダのメインランドのほうにはフライトできませんでした。 朝起きてTAFを確認したら、行く予定のアボツフォードのシーリングがかなり低く予報されていて、さらに朝の時点ではかなり雲が低いところまで降りて来ているようです。 GFAを見てみると、低気圧が通過したあとのようで、その低気圧から伸びている前線の名残のような雲が停滞しているようでした。 さらにはナナイモや北西の市では強風警報が出ています。 っということで今日もクロカンフライトは取り止めとなりました。 これが訓練でなければ一か八か(ってほどではないでしょうが)行ってみて、もし天候が悪ければ途中で出発空港まで引き返すということも可能だと思いますが、訓練であれば途中で引き返してしまうのではなんにもなりませんし、第一、お金の無駄です(笑)。 天気予報によれば明日は今日よりもよい天気になりそうなので、明日フライトすることになりました。 っということで、今日は風のデータが必要な箇所を除くプランニングを済ませておきました。 使用機材はC-172PでFMEKというセスナ機です。 これにはGPSがついています。 とはいえ、現在地を緯度や経度で表すだけの初期型のようです(使ったことがないのであまりよくは分かりません。 本当は凄い機能がついているかも・・・)。 たとえGPSがあっても、VFRで飛ぶ以上は地上の地形とチャートを照らし合わせて飛ぶ方法で飛行します。 今日の写真は明日用に用意したVNC(VFR Navigation Chart)と呼ばれる500,000分の1の縮尺の地図です。 写真真ん中の一番下にあるのがビクトリア国際空港で、SHPと書かれているのがヘディングを決めるSet Heading Pointと呼ばれる地点で、僕が勝手に選びました。 ちょうどStuart Islandという島の上空が本土方面に飛ぶときの出発ルートに充てられることが多いコールアップポイントということなので、その島の上空にさしかかったらアボツフォードに向けて風の角度などを計算に入れて弾き出された角度(Magnetic Heading)に飛行機の進行方向を合わせます。 海を超えるので、万が一のことを考えて5500ftまで上昇します(これだけあれば万が一エンジンが停まってもどこかの陸地に辿り着けます)。 TOCはTop of Climbで、巡航高度まで上がり終わるポイントです。 巡航高度に上がるのに必要な時間と距離のデータはPilot’s Operation Handbook (POH)に書かれていますのでそれを参照します。

 さて、今日はプランニングの後は家に戻り、ジムに行ってきました。 今日は昨日の疲れを取るために30分だけスピンバイクに乗りました。 その後は筋肉隆々になるための器具を一通り試しました。 先は長そうです(笑)。 

 ジムの後は久しぶりにスーパーに行きました。 今日はいろいろお菓子などを買ってしまいました。 最近自分で作ったものばっかり食べていたので、チョコレートなどのお菓子が恋しくなったからです(笑)。 僕が好きなCadburyというメーカーのチョコレートやBeer Chedder(ビールとチェダーチーズ味)という味のポテトチップスなどを買いました。 あとは今夜のお好み焼きのためのキャベツなども購入しました。 Beer Chedderは怪しいなと思いながらも、意外にもおいしかったです(笑)。 怪しいブランドのポテトチップスであることには変わりないのですが。 他の味も試してみようと思います。

 今日は郵便が2通届きました。 1つは前職時代のアルバイトの子から。 もう1通は今マウイで休暇中のアメリカ人の友人一家からです。 海外に居るときに受け取る郵便はとてもうれしいです。 そういえば実家から送られてくるはずのTransport Canadaからの手紙はまだ届いていません。 母親に転送してもらってかれこれ2週間近く経つような気がします。 そろそろ届いてほしいものです。 中身は恐らく僕のCategory 1 Pilot Medical Certificateのようです。 もしどうしても年内に届かなければTransport Canadaにコンタクトしてみようと思います。

 さて、明日こそいよいよ本土に行けそうです。 とっととこのクロカンフライトとナイトクロカンを済ませてしまいたいものです。 イメトレはしっかりしましたので、あとは本番を頑張るのみです。

  

 ではまた明日!

  

(つづく)

==============================

ビクトリア75日目:ようやく本土へ。
2006年12月28日木曜日


 今日は天気予報通りの快晴でした。 朝起きてみると霜が降りています。 アボツフォードの滑走路の状況をNOTAMで確認すると、やはり滑走路には霜が降りているようです。 それでも特に問題はないようでしたので、予定通り10時過ぎにクラブに向けて出発しました。

 予定ではFMEKというセスナ172を使う予定でしたが、クラブのコンピュータ(VFCはPCで飛行機のブッキングをすべて管理しています)を見るとMEKの箇所にDISPの文字が。 何のことかと思ってディスパッチャーのブライアンに聞くと、「MEKはメインテナンスに入っているから使えないよ」とのこと。 なんでも、26日にMEKを使った人がマスタースイッチを入れたまま帰ってしまったらし、いわゆる「バッテリーが上がった」状態になってしまったようです。 ということで、急遽GTQQという172を使うことになりました。 ウェイト&バランスはすべてMEKのデータを使って用意していたので、やり直すハメになりました。 とはいえ、昨日プランニングの多くを済ませてあったので、今日は風の情報を使ってMagnetic Headingなどを計算するだけだったので、だらだらやっても正午までにはすべての用意が整いました。 13時に出発する予定でフライトプランを提出します。 フライトプランは電話でKamloopsというところにあるFlight Information Centerというところに電話をしますが、毎回なぜか緊張します(笑)。 いつまでたっても英語での電話というのは緊張してしまうものです(笑)。

 さて、予定通り13時頃に出発しました。 滑走路09を離陸し、そのまま東に向けて高度をあげて行きます。 今日は海を超えるので5500フィートまで上昇することになっていました。 そのため、いつもは話さなくてよいビクトリアターミナルという別周波数にコンタクトするようにタワーからの指示があります。 言われたはずの周波数に変更すると、今度はすぐさま他の周波数にコンタクトしろと言われます。 なにがなんやら分からずプチパニックです(笑)。 とりあえずターミナルとのコンタクトもでき、そのまま海を超えてカナダ本土(メインランド)に到達しました。 あっという間です。 本当に近いもんです。 今日は風があまり強くなかったおかげか、僕のプランニングでほぼ問題なく進むことができました。 まずは最初の着陸ポイントのアボツフォードに向かいます。 アボツフォードのATISを聞き、その後タワーにコンタクトします。 滑走路07に向かうよう指示され、その通り飛んでいると、「滑走路01に変更できますか?」といわれました。 もう07に着陸するつもりでいたので、「07がいいです」と言うと、「それじゃそこから270をしてください」と言われました。 180(Uターン)や360(ぐるっと一周旋回)は頻繁に聞きますが、270は初めてです。 どうやら右に270度旋回している間に他のトラフィックを先に行かせてしまおうとしていたようです。 なんとか必死にDGを見て270度旋回をし07のベースレッグに進入し、その後07に着陸しました。 今日は着陸の調子がよかったです(笑)。 その後、タワーのそばでエンジンをかけたまま数分間休憩と次のフライトに向けての準備をし、準備が出来たらまた離陸です。 次はチリワックに向かいます。 チリワックまではハイウェイがルート上に走っているため、とても分かりやすいです。 距離も15マイルほどしかなく、離陸してすぐに着陸するような形になります。 チリワックの周辺になったら、チリワックトラフィックの周波数に無線を切り替えます。 すると、次から次へと会話が入ってきます。 チリワックはコントロールタワーがない、「uncontrolled airport」ですので、パイロットは自分のポジションや意思をブロードキャスト(一方的に放送すること)します。 その会話を聞き、他のトラフィックがどこにいるのかを確認しながら飛びます。 まずは空港のサーキットより高い高度で空港をまたぐ形で飛び越え、その間に滑走路そばにあるウインドソックの向きを見てどの滑走路に降りるかを決めます。 その後はサーキット高度(1000ft)まで降下するのですが、そのときに2機の小型機が僕の下を飛んで行きました。 それもその2台はかなり近い距離です。 あれは怖いなと思いながらターンをして着陸する滑走路のダウンウィンドに進入します。 すると先客がいて、二番目に着陸することになりました。 前方の小型機に注意しながら、その間も周りのトラフィックに目をやりながらようやく滑走路に進入です。 前の飛行機は滑走路に進入しているはずなのにかなりの高度があります。 てっきり着陸をやりなおすためにオーバーシュート(再度上昇)しているのかと思ったら、そこからものすごいスピードで着陸していきました(汗)。 僕のほうは今回も綺麗に着陸できました。 やっぱり今日は調子がいいです(笑)。

 レストランがあるエリアに飛行機を駐機して、建物の中に入ります。 僕はここに5年前に来たことがあります。 大学を卒業してすぐの頃にバンクーバーのフライトスクールを視察しにいったときにパイロットの方に連れて来てもらいました。 今日の写真はその建物からの眺めです。 すでにお分かりのとおり、チリワックはuncontrolの空港なのにめちゃくちゃ混んでいます。 空を見上げるとサーキット内とその付近に4、5機もの飛行機が飛び回っているほどです。 その理由の1つはこの空港は空港内にあるカフェレストランのパイが有名で、多くのパイロットがパイを食べに飛来するからです(笑)。 しかも最近は天気が悪い日が続きましたので、今日のような快晴の日には多くのプライベートパイロットがやってきていたようです。 カフェレストランでは我々もパイを食べました。 ブラックベリーパイにバニラアイスが乗っかったやつと、ストロベリーチーズケーキにホイップクリームがどっかり乗っかったやつ、そしてコーヒーを注文しました。 どちらもとてもおいしかったです。 チーズケーキは超濃厚で。 しかもかなりのボリュームで500円ほどです。 好きな飛行機を飛ばしておいしいパイやケーキを食べにくるというのはとても贅沢な楽しみですね。 カナダ人パイロットはお金の有効な使い方を知っています(笑)。 日本でもこういうことが出来たらいいんですけどね。 

 さて、デザートを食べた後、出発の前にKamloops FICに電話をしてフライトプランのEET(Estimated En route Time=巡航予定時間)を延長しました。 デザートを食べるとは思っていなかったので、その分時間が必要になったからです(笑)。 でも、延長するだけの価値はありました!

 チリワックを出てからはずっとビクトリアに向けてひたすら来たルートを逆に飛んで行きます。 予定していたSHPが山と山の間にある湖のようなところだったのですが、インストラクターの指示で違うポイントを使うことに。 谷のようなところは結構な幅があるところでないとフライトするのは危険との判断からでした。 なるほど、また1つ勉強させてもらいました。 っということで突然SHPが変わったため、予定の距離も微妙に変わってしまいました。 そのため、グランドスピードのチェックなどはアドリブで行うことに。 必死にやってなんとかできました。 帰りはコントロールゾーンなどをほとんど通らずにビクトリア圏内までいけましたので、無線は楽でした。 ビクトリアでは着陸してくるボーイング737が一機いたためダウンウィンドを延長せざるを得ませんでしたが、それでも到着予定時間から少し遅れただけで無事に帰投できました。 クラブの駐機場に戻り、飛行機をシャットダウンをしてクラブに入り、まずはフライトプランを閉じます。 提出したときと同じようにKamloopsに電話をし、プランを閉じてもらいました。 

 今日のフライトをおさらいすると、前回の反省点を生かすことがかなりできたのと、用意をしっかりできたのでかなりリラックスしてフライトすることができました。 前回のクロカンフライトよりはかなり楽しめました(パイのせいでもあるかも・・・)。 それでも最初の無線で手こずった点は次回はもう少しスムーズにできるようにしたいと思います。 いい経験になりました。 またパイを食べにチリワックまでフライトしようと思います。 

 明日は特にフライトはいれていませんが、天気がよかったらソロでトレーニングエリアに行こうと思っています。 その他にはちょっと見たいものがあるのでショッピングセンターに行こうかと思っています。 明後日の土曜日は今日飛んだルートを夜飛ぶ予定です。 これが済めばナイトレーティングの必須項目であるクロカンフライト(2時間)を終わらせることができます。 年内におわれればいいんですが!

 日本は年末モード全開だと思いますが、こちらはそういう雰囲気がまったくありません。 日本では紅白とかの話題で持ち切りでしょうか・・・ どなたかネットで日本のテレビ番組を見る方法(もちろん無料で)などをご存知の方がいらっしゃれば教えてください。 笑いに餓えていますので(笑)。 YouTubeが僕の唯一の笑いのネタになっています!

 

 ではまた明日。

 

(つづく)

==============================

【編集後記】

 今回登場したチリワック空港は僕の好きな空港の一つです。インストラクターになったあともよく生徒を連れていきました。ビクトリアと違って周りには川があり、近くにはロッキー山脈の始まりのような山岳地帯が広がっていてとてもカナダらしい景色の良いところです。Uncontrolled aerodromeということで管制塔がないため、無線が楽といえば楽なのですが、一方で誰も管制してくれないため、めちゃくちゃなこともまかり通ってしまうところなのです。僕が教官になった頃はインドの航空業界がバブル状態でカナダに多くのインド人がパイロットライセンスを取りにやってきていました。彼らの多くはメインランドのバウンダリーベイにあるスクールで訓練をしていたようです。チリワックはバウンダリーベイからも近いので、インド人パイロットがtime buildingなどでしょっちゅう訪れていました。そうすると彼らはルールを無視した飛び方をすることがとても目立ち、危ない印象でした。サーキットへの進入方法もルール通りではないし、挙げ句の果てには空港付近にいる飛行機の大多数がインド人パイロットの飛行機なため、無線でもインドの言葉で話し出すようなありさまでした。地元のカナダ人生徒や教官などからもかなり多くの苦情が寄せられていたという話を聞いたことがあります。そんなインド人達、今頃どうしているんでしょう。インドの航空会社に甘い言葉でパイロットライセンスを取るよう言われてカナダまでやってきたのに、実際にインドでパイロットの仕事をもらえたのはごく少数と聞きました。

 そんなチリワック、一旦はパイを提供するレストランが閉鎖に追い込まれたんじゃなかったかな?あれからどうなったのか気になります。

 

2020-09-14

モジュールとツールドフランス。

  前回の投稿で今まで取り組んできたことを書きましたが、一つ忘れていました。

 地上待機中、毎日ストレッチをしてきたおかげでこれまでずっと硬かった身体を少しだけ柔らかくすることに成功しました。いまでは前屈で両手のひらが床にぴたっとつきます。

 それはさておき、訓練開始日まで1ヶ月を切り、少しずつ復習を始めました。コロナの影響で飛ばなくなり、それからしばらくしてエアバス320型機への機種変更が決まった当時は毎日A320のマニュアルを勉強し、暗記しなければいけないことは頭に叩き込みました。それから状況を総合的に俯瞰してみたらしばらくは訓練が始まらないことがわかり、それからはエアバスのことはほぼ全く考えなくなり、当然ながら一時的に暗記したことも綺麗さっぱり頭から消え去りました。ということで、そういう知識をまた覚え始めています。

 今日は航空会社の訓練がどういうものかをちょっと書きます。

 今、僕が取り組まなければいけないのはオンラインで実施される「モジュール」と言われるものです。主に飛行機のシステムを理解し勉強するためのスライドをオンライン上でこなすというものです。飛行機のシステムというのは、簡単に言えば「飛行機はどうやってできているか、なにがどう動くか」ということで、それを理解する必要があります。

 エアラインでの訓練がどういうものかを説明するために、今までの仕事での訓練と比較して説明します。 

 教官として働いたのち、プロとしての始めての仕事はメディバック(救急運搬)パイロットの仕事でした。その時の訓練はいたってシンプルで、数日間は教室で教官(会社のパイロットの一人)から講義を受け、筆記試験に合格してからフライト訓練に移行というものでした。会社の本部がある都市(僕の場合は僻地の村でしたけど・・・笑)に出向き、そこでパワーポイントのスライドを見ながら勉強するというものでした。正直にいうと、会社が小規模であればあるほどパイロットの雇用に無駄な時間と費用を割くことを嫌います(予算には限界がある)から、よほど下手なことをしない限りは不合格とはなりません。「合格 or 不合格」というよりも、「合格 or 合格できるまで補習」というイメージです。

 次のリージョナルエアラインではグランドスクールが始まるとそこでまずは会社のオペレーションやマニュアルなどについて学び、それが終わるとオンラインで乗務することになった機種のシステムを学ぶためのモジュールをこなすという感じでした。モジュールはシミュレーター訓練などと同時進行で行われるというスケジュールが組まれますが、訓練開始日前にモジュールが割り当てられて、iPadやパソコンで前もって取り組むこともできます。あまり前もって勉強してしまうと、シミュレーター訓練が始まる前までに忘れてしまうから、シミュレーター訓練前日に学んだシステムについて次の日のシミュレーター訓練で実際に学ぶといったカリキュラムが組まれていました。とはいえ、なるべく先に進めるようにどんどんモジュールはこなしていったような気がします。

 さて、今回はシステムとその他のオペレーション方法でA320特有の手順などを学ぶモジュールが割り当てられています。これらは確か訓練開始日90日前からアクセス可能ですが、前述のリージョナルと同じように一応は訓練のカリキュラムに「自習日」というのが設けられていて、そこでやることもできるとは思いますが、ほとんどのパイロットは前もって終わらせておくと思います。そうでないとシミュレーター訓練に集中できないからです。

 システムは例えば次のような内容がカバーされます:

    飛行機全般
    酸素システム
    電気系統
    油圧系統
    着陸装置
    加圧装置
    エンジン
    燃料系統
    火災対策装置
    自動操縦システム
    計器類
    航行装置
    操縦システム  などなど。

 今回のA320のシステムモジュールは80項目以上になります。それぞれのモジュールは短いものではスライドが20前後、長いものでは50以上になります。それぞれのモジュールの最後には小テストがありますが、内容はさほど難しくはありません。

 モジュールがすべて終わると最終試験があります。これは決められた水準に到達する必要があります。

 モジュールは音声があり、おっちゃん(または女性)の声で説明が読まれ、スライドにはシステムの構図などが表示されています。最後にテストがあるのがわかっているので、パイロットの中にはすべてのスライドのスクリーンショットを撮影する人もいます。僕もそうしていた時期もあったのですが、今は真面目に大切な内容はノートに書き写すようにしています。

 ということで、ここ数日は真面目にモジュールをやっています。終わるにはあと1週間くらいはかかるかなと思います。A320はこれまですでに長い間ベストセラーのナローボディ機として世界中で飛んでいて、これからも息が長い機体になると思います。これからしばらくはこの機種に乗務していくつもりでいます(今のところ)ので、しっかりとシステムを学んで理解していきたいと思っています。

 僕は勉強は頭がフレッシュな午前中にやるようにしているのですが、今の時期はフランスで自転車レースの最高峰「ツールドフランス」が開催されています。そのため、それが勉強の妨げになりつつあります(笑)。レースが気になるのでモジュールをやりながらもレースの中継をiPadで観ています。ツールが終わるまでのあと1週間くらいはこのペースでやっていきます(笑)





(つづく)
 

2020-09-11

過去ログ:2006年12月24日〜2006年12月26日

ビクトリア71日目:クリスマスイブ。
2006年12月24日日曜日


 今日はクリスマスイブ。 だからといって特にいつもと違うことはありませんが(笑)。 今朝は少し早起きして、久しぶりにサイクリングに出かけました。 ジャージを着て、ぴちぴちの通称「レーパン」(レーシングパンツ)を履き、ビンディングシューズを履いてヘルメットをかぶって出発です。 行き先はいつも滑走路09に着陸するときに見かけるビクトリアの水上飛行機用の空港方面の道です。 そのあたりはちょうど空港を挟んで僕の家から正反対にあるので一度もいったことがありません。 なので、そこをぐるっと回ってビクトリア方面に南下して、また北上してシドニーに戻ってくるというルートをとることにしました。 West Saanich Roadという道があるのですが、そこが適度にアップダウンがあって、しかも交通量がほとんどなくてとても快適な道でした。 空港をぐるっと回って09のショートファイナル付近を通過すると水上飛行機が見えてきました。 そこから離着陸するフロート機もビクトリアの管制塔が管轄しているようで、ときどき無線を聞いていると水上に着陸する飛行機のパイロットとのやり取りが聞こえます。 水上基地を通過して南下を始めると、牛舎のにおいがしてきます。 今日まで知りませんでしたが、島の西側には家畜業をしている人が結構いるようです。 あとは海洋研究所があったり、B&Bがあったり、道にニワトリが歩いていたりしました。 しばらく走っていると前に赤いジャージをきたサイクリストを発見。 俄然スピードがあがります(笑)。 近づいてみるとおっちゃんでした。 しかも愛想のない感じの(笑)。 なので特に話しもせず、追い抜いて行きました。 ちなみにその人はロードバイク、僕はマウンテンバイクです。 しばらくすると、後ろに気配が。 そう、そのおっちゃんが負けじとくっついて来ていたのでした(笑)。 今日はそんなに本気で走るつもりもなかったのでそのおっちゃんに前を引いてもらってしらばく走りました。 そうこうしていると雨が。 仕方ないので南下は途中であきらめ、左に曲がってシドニー方面の海岸線を目指します。 しばらく走ると以前ビクトリアからシドニーにサイクリングに行ったときに通ったLochside Trailに出ました。 途中で何組かのロードバイクのグループとすれ違いました。 ロードバイク欲しいな〜、って思いながら見てました(笑)。 その後シドニーに戻り、そのまま家を通り越してフェリーターミナルがあるSwartz Bay方面(ビクトリアがある半島<Saanich Peninsula=サーニッチペニンシュラ>の北端)に行きました。 Swartz Bayからの帰りに1人のローディーがついてきたので少し話しをしました。 彼はクリスマスの食事に備えてカロリーを燃やしているんだとか(笑)。 僕の自転車がかっこいいと褒めてくれたので調子にのって、「これ、後ろはカーボンで、前はアルミなんだよ〜」って自慢してやりました(笑)。 結局今日は2時間弱のサイクリングとなりました。

 家に戻って来て昼食にホットドックを作り、そのあとジムに行きました。 雨のお陰で乗り足りなかったので1時間スピニングマシンをやり、そのあとウェイトトレーニングを少しだけやりました。 今日はさすがにガラガラでした。 皆さんクリスマスの準備で忙しいんでしょうね。 結局ジムで2時間ほど時間を過ごしてから帰宅となりました。 今日は良い運動ができて満足です。

 こんなことばかりしてて、「フライトは?」っとお思いの方もいらっしゃるでしょう(笑)。 今日は天気が良ければソロでトレーニングエリアに行こうと思いましたが、今日もまた発達した低気圧のお陰で強風警報が発令されています。 雨も一時強まり、通りの大木も大きく揺れるほどの風でした。 っということで今日はフライトはなしです。 明日もこの感じではどうなることやら。 

 今夜はピザを作りました。 生地から手作りのピザを作ったのは今日が初めてです。 ネットから引っ張って来たレシピを使って挑戦です。 生地をこねていた段階ではなんだか生地が固いなぁと思っていましたが、発酵させたらちょうどよくなっていました。 僕は生地を発酵させるときにはお湯を注いだバットの上に生地が入った鍋(ボールがないので・・・)を浮かべ、それをほんの20秒ほど暖めたオーブンの中に入れています。 オーブンは密閉されているので、お湯の蒸気がこもって、さらに20秒の熱のお陰でお湯がなかなか冷めず、ちょうど良い感じに発酵してくれます。 ピザの具はモッツァレラチーズ、マッシュルーム、イタリアンソーセージ、ピーマン、タマネギ、生バジル、あとはトマトソースです。 余談ですが、マッシュルームを包丁で切るときの感覚が面白くて病み付きです(笑)。 ピザは想像以上においしくできあがりました。 生地はもう一枚分作ってあるので、明日か明後日にもう一度作る予定です。 写真は今日のピザの出来上がり具合です。 なかなかおいしそうでしょ? (自画自賛)。

 今夜、大家のブライアンに会ったら、「Happy Holidays」と言って握手をしてくれました。 かわいそうに彼は明日のクリスマスの日に仕事だそうです。 ほとんどのカナダ人は明日は休みだと思います。 でも、彼が働くBC Ferriesはクリスマスに働く従業員に500ドルのボーナスを支給するそうです。 これでブライアンも文句はないようです(笑)。

 明日はジムも休みなので、なにをしようかと思っています。 髪がだいぶ伸びたので、またバリカンでばりばり切ってやろうかと思っています。 あとはクロカンフライトのための用意と、イメトレをしようと思います。 前回のクロカンフライトでは無線切り替えやらトランスポンダーコードの切り替えなどをちゃんとやる余裕がなかったので。 次回はしっかり準備をして望みたいと思います。 

 では皆さん、よいクリスマスを〜!


(つづく)

=====================================

ビクトリア72日目:メリークリスマス。
2006年12月26日火曜日


 仏教徒の皆さん、メリークリスマス! 「クリスマスの予定は?」と聞かれたら、必ず「仏教徒ですから」と言い訳をすることにしているのはここだけの秘密です(笑)。

 さて、今日は午前中フライトに行きました。 インストラクターの話では、「今日もオフィスには誰かいるから、ソロで行ってくれば」ということだったので、覚悟を決めてソロでローカルウエストにでもいってprecautionary landingの練習をしようと思って出かけました。 クラブに着くと、車が1台だけ停まっています。 「ディスパッチャーの誰かかな?」と思ってドアを開けると、開きません(笑)。 「ありゃ?」っと思って、とりあえずエプロン内に自転車と共に入り、そちらからオフィスに入るドアを開けようとしても、やっぱり開きません。 どうやら今日は誰もいないようです(笑)。 せっかく行く気満々だったのに残念です。 でもこればっかりは仕方ないです。 っということで、家に帰り、昼ご飯を食べました。 

 お昼からは街に誰もいないことをいいことに、シドニーの街をビデオ撮影しました。 それも自転車に乗ったまま(笑)。 ビデオはこのURL(ここをクリック)で公開しておきますのでご覧ください。 でも、ファイルのサイズが大きい(約21MB)ので、読み込みに時間がかかると思いますのでご了承ください。 あと、自転車から撮影しましたので、ぶれまくってます(笑)。 動画を見て気分が悪くなっても僕は責任をとりませんのであらかじめご了承ください(僕は編集中に気分が悪くなりました・・・笑)。 ビデオはシドニーの街(主に僕がよく行くところなど)を撮ってみました。 説明もいれてますので簡単に理解してもらえると思います。 僕が住んでいるところの雰囲気をご覧ください。

 夜はインストラクターに誘われてシドニーとビクトリアのクリスマスライティングを見て回りました。 綺麗でした! 今日の写真は今日見た中で一番きれいで勢いがあった家です。 我々以外にも観に来ている人がいました。 結構有名な家らしいです。 他には州議事堂のライトアップもきれいでした。 これらの写真もPhotosのページにあげておきますのでお楽しみください。 ピンぼけしていたりぶれているのは決して僕の腕が悪いのではなく、カメラのせいです(嘘)。 やっぱりデジタル一眼レフが欲しいなぁ〜、なんて。

 明日もクラブはお休みだそうですから、フライトできそうにありません。 なので、明後日のクロカンの準備を家でして、あとはジムで汗を流そうと思っています。 他にはログブックの整理などもしようかと思っています。 日本からJCAB(日本の航空局)監修のログブックを持って来ていて、それにこちらでのフライトの情報を書き写そうと思っています。 カナダのログブックはとても簡素な内容になっているので、日本で自家用免許を書き換えたりするときに問題になることがあるという話をどこかで聞いたからです。 とりあえずできるところから始めようかと思っています。

 
 では皆さん、よいクリスマスを! (っていっても、もう終わってますか・・・)


(つづく)

==============================

ビクトリア73日目:サイクリング。
2006年12月26日火曜日


 今日も引き続きクラブがお休みということで、今日はサイクリングに出かけました。 天気はMETARとTAFを読む限り、曇りではあるものの雨は夜まで降らないという感じの予報でしたので、今日は雨具を持たずに出発しました(METARやTAFを使うと具体的に何時頃に雨が降りそうかが分かるのでとても便利です)。 ルートはこの前と同じルートです。 ただ、今日は前回よりも遠出しようと思っていたので、最初から心拍数をおさえたゆっくりとした走りをしました。

 地図を見て分かったのですが、空港の西南のほうにはIndian Reserveと呼ばれる原住民(インディアン)が暮らすエリアがあります。 IR内は一般的に税金が低かったりするそうで、なにかと差別を受けたりしている原住民の人たちの暮らしが少しでも楽になるように取り計らうために設けられたエリアだそうです。 そのことを頭に入れてそのエリアを通ると、やっぱり家などもあまり華美ではなく、荒れた感じの家が多いです。 昨日見た鮮やかなイルミネーションをまとった家々とは対照的です。 同じ半島内でも貧富の差が大きいということを改めて感じさせられました。

 今日のライドではいろんな動物に遭遇しました。 まずは道路脇の小川でばしゃばしゃ音がするので目を向けるとなんと七面鳥がいました(笑)。 しばらく走るとこんどはリスが飛び出してきます。 馬小屋を通過してしばらくすると今度は牛舎を通過します。 ここは動物王国のようなところです(笑)。 豚舎の横を通ったときに豚の顔を見たら笑顔でした。 笑っていたわけではないでしょうが、目尻が下がって喜んでいるかのような顔をしていました。 こちらでは広いところでのびのびと飼育されているようですから、動物のストレスもあまりないのかも知れませんね。

 結局2時間ほどのサイクリングを終えて家に着いたのは2時過ぎでした。 寒かったのでつま先は感覚がなくなっています。 シャワーに入るとそのつま先がジンジンと痛みます。 この季節のサイクリングは末端が冷えるのが辛いです。 それなりの防寒はしているのですが、それでも冷えてしまいます。

 夕方からは明日のクロカンフライトに向けて用意をします。 用意をするとはいっても、実際のプランニングは明日の風の情報がないとできませんから、空港の情報をCanada Flight Supplement(CFS)という本を読んで確認します。 CFSにはカナダにある空港のすべての情報が書かれています。 無線の周波数、滑走路の長さ、到着や出発の手順など、本当に細かい情報がたくさん書かれています。 空港の周辺に宿泊施設やレストランがあるかどうかまで書いてあります。 空港によっては離陸後のルートに関する細かい指示があったりする場合がありますので、そういう情報はコピーして持って行くと良いようです。 クロカンフライトの時のコクピット内はいろんな書類であふれてしまうので僕は嫌です(笑)。 飛行機のシートベルトは車のシートベルトと違って伸びませんから、一旦足下に書類やフライトコンピュータを落としてしまうととても厄介です(笑)。 なんとかうまくオーガナイズする方法を考えたいのですが、こればっかりは経験を重ねて一番良い方法を探すしかないように思います。 

 さて、明日は正午に離陸の予定ということだったので、前回同様10時くらいにはクラブに行ってプランニングを開始しようと思っています。 とはいえ、明日行く予定のアボツフォード(CYXX)のTAFによれば明日は雲がかなり低く、視界も悪いようなので、明日も本土へは行けずに終わりそうな気がします。 この季節のクロカンは天候に左右されることが多いので大変です。 できれば本土へのクロカンは年内にはやっておきたいものです。

  今日の写真は先日作った餃子です。 今夜も餃子を食べました。 みそとダシベースのなかで茹であげて水餃子風に仕上げてみました。 ポン酢と相性がよくておいしかったです。 最近このブログが料理ブログっぽくなってきていると思っているのは僕だけでしょうか・・・(笑)

 

 それではまた明日。

 

(つづく)

============================

【編集後記】

 当時はサイクリングがほぼ唯一の趣味だったため、ビクトリアでもよく乗っていました。ビクトリアは冬も雪があまり降らないのと、起伏もおだやかなためサイクリングにはもってこいです。もちろん、激坂を登りたいという人にはそういう場所もあるので良いですし、海岸線でアメリカのほうを見ながら走るというのもとても気持ちが良いものです。サイクリングだけのために訪れても良いかもしれません。

 どうやらこの当時からピザは作っていたみたいですね。しかも具は今よりも豪華(笑)。でも、今の僕のピザはナポリ風の本格派なので、当時の雑種的なピザとは向かう方向が違います。

 21MBのビデオは残念ながらもうありませんので、どんな内容だったのかはわかりませんが、21MBが大容量という時代ですからすごいですよね。今なら21GBくらいの感覚でしょうか、当時では。

 自分で作った餃子の写真を見て、また近いうちに餃子を作りたくなりました。



(つづく)

2020-09-09

ここ半年のまとめ。

 あとちょっとで僕の最後のフライトから半年が経ちます。月並みな言い方になりますが、時間が経つのは早いです。なにかに取り組んでいる時、特に大変な時には時間の流れは遅く感じるのに、ぼ〜っとしてふらふらしていただけだと振り返ってみると早かったようにも感じるから不思議なものです。

 これだけコロナの影響をもろに受けている航空業界・旅行業界にいながら今だにレイオフになっていないのはありがたいのは当然ですが、昔の同僚や知人・友人がレイオフの対象になってしまい、人生プランの大規模な方向転換を強いられている状況を目の当たりにするととても心が痛みます。自分がレイオフになったらどうするべきかというのをこれまでも、そして今も、頻繁に考えています。まだ答えはでません。

 その過程において痛感するようになったのは僕自身のアイデンティティです。話はややそれますが、ベテランパイロットが定年を迎え、空を飛ぶのをやめると一気に老いていくとか、人によっては心の病気になったり、最悪の場合は定年退職後の早い段階で亡くなる方も多いと聞きます。理由や原因はおそらく星の数ほどあり、高高度を飛ぶことで受ける放射線のせいとか乱れた生活リズムのせいなど、人によって原因は異なると思います。ただ、よく聞くのはパイロットをやめると自身のアイデンティティを失うというか、自分が生きている意味そのものを見失ってしまう場合もあるということです。今まで「パイロットの〇〇さん」とか、「〇〇航空の機長の〇〇さん」というふうに、必ず「自分はパイロット」という自己意識で社会の中で生きてきた人々にとっては、そのタイトル(肩書き)を失うということは自分自身の存在価値を見失うことを意味するというのです。今まで必死に「パイロットになるために生きて来た」のに、ある日ある時点から「生きていくためにパイロットであり続けなければならない」という逆転した状態になることがあるのです。この流れに陥った場合、パイロットを辞めるイコール生きていく目的を失うということになります。

 僕自身も知らぬ間に「僕はパイロット」というアイデンティティを確立してきたように感じます。今まではそんなことほとんど感じなかったのですが、自分がパイロットを一時的にであっても辞めることがあるという局面に遭遇したとき、自分からパイロットを取ったらなにが残るんだろうと思うようになりました。それと同時に、なんとしても自分はパイロットとして働き続けたいという気持ちも少なからず持ち合わせていることにも気がつきました。なぜかということに関してはまたいずれ書きます。

 とはいえ、ずっと後ろ向きなことを考えているわけにもいかず、いろんな人に応援してもらって生きていますので、なるべく前向きに生活をしようと心がけています。今回の半年間仕事をしなかった期間にいったい自分はなにをやってきたんだろう?と思ったので、今回ここにリストアップしてみることにします。


・毎日同じ時間に寝るよう努力してきた
    
    規則正しい睡眠を取れたのは何年ぶりでしょう。毎朝同じ時刻に目がさめるのは気持ちが良いものです。


・外食ゼロで、バランスの取れた食事を毎日自炊した

 今までは出先のレストランや出前・テイクアウトなどで済ませることも多かったですが、外食できない時期でもあったため、毎日自炊しました。おかげでレパートリーを考える能力が身についたように思います。


・次に乗務する飛行機の勉強をしてきた

 自宅待機期間が始まった最初の頃は特に真剣に勉強し、すぐに訓練が開始となっても問題ないくらい知識を蓄えました。その後、訓練がしばらくないことがわかり、勉強から少し遠ざかりました。しかし、知識はちゃんと頭に残っているようです。


・ほぼ毎日欠かさず写真を撮った
 
 今年から始めた久しぶりの趣味が写真です。インスタにほぼ毎日1~2枚写真をアップし続けています。自分の行動の記録になりますし、外に出かけることも多くなりました。よろしければインスタをご覧ください(https://www.instagram.com/tanuki_p_foto/


・パンの焼き方をマスターした

 しばらくの間、毎朝柔らかいパンを食べたいと思って作り始めました。今ではレシピを見なくても焼けるようになりました。


・自家製ピザを作れるようになった

 これもなんども試行錯誤しました。家庭用オーブンでは限界を感じますが、今では結構上手に作れるようになりました。生地もソースも自家製です。


・モントリオール中の場所に出かけていった

 写真を撮る目的と運動を兼ねて毎日いろんなところに出かけました。主に旧市街とダウンタウンに行くことが多かったのでそのあたりのだいたいの道は覚えました。


・家の掃除を定期的に行って常に清潔に保った

 土曜日はベッドシーツ交換、日曜日は掃除機、月曜日は水回りの掃除など、曜日毎にスケジュールを決めました。仕事をしていると曜日の観念そのものが意味を持たなくなりますので、曜日毎のスケジュールはかなり新鮮でした。


・芸術の分野に触れる機会を持った

 写真もそうですが、絵画にも興味を持つようになりました。絵の構図や色使いなどは写真のテクニックにも通じるところがあります。まさに写真の勉強に適したクロストレーニングという感じです。なぜもっと前から芸術に時間を割いて来なかったのだろうと後悔しています。


・フランス語を勉強した
 
 毎朝学習アプリを使って勉強しています。今では過去形や未来形なども簡単なフレーズであれば言えるようになりましたし、覚えた単語の数も500近くになりました。フランス語のニュースを毎日1時間程度観るようにしたところ、学んだ単語やフレーズを聞き取れるようになってきたので楽しめています。いずれ機長に昇格するまでには機内アナウンスをフランス語でもできるようになりたいと思っています。


 という感じです。特にキャリアに役立つとかお金儲けに直結することではありませんが、それでもそれなりに普段はできないことをいろいろとやってきたもんだというのが正直な感想です。これだけ自由にやりたいことをやりたいだけできることはコロナ禍でなければ考えられません。そう思えばこのような期間があることもそれほど悪くはないのかもしれません(っと、自分に言い聞かせています)。

 そうこうしているうちに、本職のほうの訓練開始日がようやく決まりました。次回は訓練について書こうかと思います。


最近極端に曇りの日が多くなってきました。



(つづく)


 

畑岡奈紗さんと海外。

 畑岡奈紗さんというプロゴルファーのことを最近テレビで知りました。最近、イギリスでの女子プロゴルフトーナメントがあり、それに合わせて彼女のことを特集した報道番組に出演されていました。彼女は17才からアメリカをメインに活躍されているとのこと。そのときの映像も流れていましたが、英語がうまくできないからか日常生活もなんとかやれているという感じで初々しく見えました。でも、既に海外で挑戦を始めて数年が経っていて、今ではかなり貫禄を感じるから驚きです。

 僕がよく見るプロスポーツは主にサイクリングレースですが、海外で活躍している日本人選手は今回の畑岡さんのように若いときから海外に出ています。フランスでアマチュアチームに所属してプロに昇格し、今は世界三大ツールの出場経験がある日本人選手も数名います。サッカーでも最近は多くの日本人選手が海外のチームで活躍し、久保のような現地選手顔負けの選手も出て来ています。

 海外に出ることがそんなにすごいのかと言われれば、自分が海外経験があるからいうわけではありませんが、やっぱりすごいと思います。海外に出るにはお金やサポート、理解者が必要になります。誰でもできることではないのは分かっていますが、努力次第で達成できるとも思います。

 じゃあ、海外のなにがすごいかというと、やはり本場を経験することだと思います。日本は島国。そして残念ながらあまり多くのことで世界一の水準を誇っているものがないように思います。もちろん、自動車産業、IT関連、アニメや漫画などの文化の分野では世界一といっても過言でないことも多いので、そういう分野に興味がある方は日本で勉強すれば世界一の知識を身に付けることもできるでしょう。でも、前述のゴルフやサイクリングをはじめとするスポーツの分野においては少なくとも日本は世界水準よりは下級なのが現実だと思います。これは芸術の分野でも同じのように感じます。だから、技術向上を目指す人の多くは日本を出て海外で挑戦しようとするのだと思います。また、仮に日本のほうが優れている分野で勉強や研究をしている方でも、海外に出てみるとなぜ日本がすごいのかが体感できるはずです。口で言われるのと、自分の肌で直接体験するのは全くの別物です。

 そして海外に出ると今までわからなかったことや考えもしなかったことに目が向くようになることは多くの人が経験することのようです。こういう経験はなくても生きてはいけるけど、人生を豊かにするという意味ではとても大きなインパクトを残す経験です。少なくとも一度は経験しておいて損はしません。保証します。

 プロの自転車選手は、以前であればトレーニングはとにかく自転車を漕ぐこと、距離を乗ることがメインだったそうです。「自転車に強くなるのは自転車(サドル)の上」という考えが根強くあったからです。プロ選手の中には自転車に強くなるために自転車以外の運動を極力さける選手も多かったそうです。極端な例では、歩くのもいやだという人がいて、エスカレーターに乗ることがあるとその場で腰をかけるプロ選手もいたという話です。歩くことで脚に付く筋肉がペダルを漕ぐために必要な筋肉とは異なるから、という理由だそうです。極端ですよね。

 ところがどうでしょう。近代のスポーツ科学では運動能力を上げるためにクロストレーニングが役立つという考えに変わってきました。クロストレーニングとは他種スポーツの訓練を取り入れること(例えばマラソンランナーがウェイトトレーニングをするような)で、能力のポテンシャルを上げる目的があります。実際、水泳選手やスキー選手の中には心配能力を上げる目的もかねて冬季間に自転車に乗る選手も多いそうです。そして、中には本業以外でも能力を開花させる人もいます。


 なにが言いたいかというと、経験は人生を豊かにするということです。

 今の歳になり、これまでのキャリアや人生を振り返って見ると、やはり海外に出て来たというのが僕の人生のコアになっているように思います。アメリカに1年間留学させてもらえたのが特に影響力が強かったです。大学の交換留学制度に申し込むために毎月必死にTOEFLの点数を上げるために英語の勉強をしました。外国人教授に授業を教えてもらうための特進コースにも志願しました。それでもアメリカに行ってみるとわからないことだらけであたふたもしました。でも、その経験があったおかげで不思議と自信がつきました。「自分は偉い」という自信ではなく、とりあえず外国に行ってもなんとかやっていける、生きていけるという自信です。それが今の生活に直結しています。

 またいつもどおり長々と書いてしまいましたが、つまり言いたいことは「海外を経験したほうが良い」ということです。それも可能なら長期間。1~2ヶ月の短期研修などでもやらないよりはマシだとは思いますが、やっぱり最低1年は腰を据えて取り組まないと日本と海外の違いを理解し、人生にインパクトを与えるような影響力はないと思います。このブログを読んでくださっている皆さん方にもしお子さんがいらっしゃるようであれば、いずれはお子さんに海外経験をさせてあげてください。おすすめはアメリカ以外の国です。日本人は海外というとすぐにアメリカを思い出しますが、アメリカ以外にも良い国や文化圏はいくらでもあります。むしろそういう主流でないところで経験できることのほうが意味があるように最近では思うようになりました。

モントリオールは秋めいて来ました。



(つづく)
 

2020-09-05

過去ログ:2006年12月22日〜2006年12月23日

ビクトリア69日目:長い一日。
2006年12月22日金曜日


 タイトル通りの長い一日でした。 昨晩はあまりよく眠れず、変な夢を何個も見ました(笑)。 朝は8時に起床(日本の皆様、起きるのが遅くてごめんなさい!)し、10時にクラブに着くように家を出ました。 朝のATISを聞いてみると天気は良いものの、cumulus(積雲)があったり、意外にもシーリングが低かったりします。 本土に行くには海を超えますし、万が一のエンジントラブルの場合を想定してC-172がグライドして陸地に辿り着けるようにするため高度を高くとる必要があります。 予定の高度は5500ftとしていましたので、今朝のコンディションは「ふむむ・・・」という感じでした。

 なにはともあれクラブに到着し、C-172のPOH(Pilot’s Operating Handbook)を借り、Nav Logというナビゲーション作成用のフォームを数枚とフライトプラン提出用のフォームをディスパッチャーのブラッドからもらい、ブリーフィングルームを使ってプラン作成開始です。

 先日ブリーフィングをしてもらったおかげで、スムーズにプランを立てることができました。 それでも要領が悪く、チャートに線を引いたり、ドリフトラインという線を引いたりするのに結構時間がかかってしまいました。 ビクトリアからアボツフォード、アボツフォードからチリワック、チリワックからビクトリアに戻るという3つのルートから成り立つプランを作成しました。 1つのルートにつき1つのプランを立てます。 すべてのルートを作成するのになんやかんやで1時間以上かかってしまいます。 ようやく完成!っと思っているところにインストラクターが登場。 そしてシーリングが低く、飛んで行く予定だった空港の天候もあまりよくないとのことで、予定のルートはとりやめに・・・(笑)。 僕の約2時間のプランはすべて台無しになってしまいました(涙)。 それじゃ今日はもう飛ばないのかと思いきや、北ならいけるかもしれないということで、すぐにビクトリアからナナイモ(CYCD)、ナナイモからクオリカンビーチ(CAT4)、クオリカンビーチからビクトリアというプランを立てることになりました。 チャートに書いた線を消しゴムで消して、一からプラン開始です(涙)。 これでまた1時間半ほどかかることに。 これらの空港はすべてビクトリアから見て北西に位置する空港で、バンクーバー島(ビクトリアがある島)にある空港です。 ですから、CYYJからCYCD、CYCDからCAT4はいいのですが、CYYJからCAT4は他の2ルートとほぼ同じエリアを飛ぶことになり、チャート上に線を引いても線だらけでなにがなんだか分からなくなってしまいます。 インストラクターに相談したら、とりあえず直線だけ引いておいて距離を計ってだいたいの必要時間がわかっていれば、ルートのプランニングはクオリカンビーチでやってもいいとのこと。 ということで、とりあえずは往路のプランを済ませました。 その後、4年ぶりとなるフライトプランを電話でファイルしました。 4年前にどうやってやったのかは正直まったく覚えていませんが、恐らくサスカトゥーンのインストラクターに言われるがまま、なにも理解しないままファイルしていたと思います。 今回は分からないところはインストラクターに聞いたりサンプルを参考にして仕上げ、KamloopsというところにあるFIC(Flight Information Center)に電話をしました。 言う項目はたくさんありますが、言い方はトランスポンダーコードを入手するときのように言葉を羅列するのがベースとなります。 特に問題なく、全行程に必要な時間は2時間40分ということでプランを提出しました。

 ようやくビクトリアを出発できたのがちょうど午後2時です。 この段階でかなりのスピードで計算をしたりしました(それも普通の倍!)ので、かなり疲労していました(笑)。 フライトは滑走路09からレフトターンをして、いつもローカルウエストに行くときのカウチンディパーチャーをタワーから指示されました。 本来のプランでは2500フィートまで上がる予定でしたが、この段階で既に雲がかなり下がってきています。 インストラクターの指示でとりあえずは1300フィートほどで水平飛行に移りました。 カウチンを超え、いつものローカルウエスト方面に抜けて飛行を続けます。 この辺りから予定のルートをたどります。 久しぶりのクロカンフライトということと、やることの多さ、コクピット内のマネジメントの下手さがもろに出て、あたふたしてしまいます。 そうこうしていると予定のヘディング(方向)とは違う方向に飛んでしまいます。 ナナイモまでは30分もかからない道のりなので、上昇してヘディングを決めて、グランドスピードを出して、などなどをやっていると半分パニック状態です。 空港まではとりあえず辿り着けましたが、内容は60点というところでしょうか。 ナナイモはナナイモレディオというタワーのような設備があり、そこの人と交信をします。 レディオはタワーとは厳密には違うため、指示や許可は出しません。 ただ情報を提供してくれるだけです。 風の情報、altimeterのセッティング情報(気圧)、使用されている滑走路の番号を教えてもらい着陸します。 着陸後は誘導路を使って管制室の横にあるスペースで一旦停まりました(エンジンはかけたまま)。 そしてすぐに次のクオリカンビーチに向かって離陸です。 クオリカンビーチまでの道中も予定の進路から逸れました。 空を飛びながら数字の計算をするというのは文系の人間にとってはなかなか大変です(笑)。 「空港を何時に離陸して、ここを何時何分に通過したから、グランドスピードは何ノットで、残りの距離は何マイルだから、予定到着時刻は何時何分・・・」といった計算をフライトコンピュータを使ったり暗算をして行います。 慣れるのには時間がかかると思います。 クオリカンビーチはmandatory frequencyという周波数があるだけで、誰とも無線で話をすることはありませんが、自分がどこにいるか、なにをしているかなどを他のトラフィックに分かるようにbroadcast(放送)しなければいけません。 誰とも話さないので気楽です(笑)。 ただ、他のトラフィックがいないかに注意をしなければいけません。

 クオリカンビーチに無事到着し、ターミナルビルのようなところ(平屋の小さいビル)の前に飛行機を停めました。 するとターミナルから人が出て来て、「そこにはもうすぐナバホが飛んでくるから、あっちに移動して」といって、ジェットヘリがちょうどエンジンスタートをはじめたところを教えてくれました。 ジェットヘリが離陸してからインストラクターと飛行機を押します。 水平尾翼のところを下に押すと前輪がういて、メインギア(2輪)だけになるので、そこで横に押して方向転換します。 そのあとは翼と胴体をつないでいるストラットを押して人力で移動させます。 さすがに172は152に比べると重いです。 1人で動かすのは結構大変だと思います。

 クオリカンビーチに着いたらターミナルの中に入り、帰りのプランを立て始めます。 チャートに書いてあったナナイモまでとクオリカンビーチまでの線はすべて消し、新しい線を引きます。 距離の計算、時間の計算、燃料の計算などをしてプランを立てます。 フライトプランに全行程は2時間40分として提出してあるので、その時間が終わるまでにビクトリアに帰ってフライトプランを閉じなければいけません。 そうでないとSAR(Search and Rescue) が発動され、エラいことになるそうです(汗)。 日暮れも近づいているので急いでプランを立てました。 なんとか用意をして再度離陸です。 ビクトリアまでは60マイルほどの距離だったと思いますが、かなりヘッドウィンドが強かったので、結構時間がかかりました。 そのため、インストラクターの指示でナナイモ辺りを通過中にpacific radioというFISE(Flight Information Service En Route)に無線でコールし、フライトプランの到着予定時刻(ETA)を30分延長してもらいました。 そんなことが出来るとは知らなかったので、便利だな〜って思いました。 ナナイモを通過するころにはすっかり暗くなり、ビクトリアに到着したのは日が沈んだ午後5時頃でした(おかげでクロカンフライトの一部がナイトフライトの時間に算入できました!)

 結局今日のフライトは3時間弱のクロカンフライトとなりました。 クラブに到着してkamloopsのFICに電話をしてフライトプランを閉じました。 これを忘れるとSARのお世話になりますので注意が必要です。 ログブックに必要事項を記入したりしてすべてを終えたのが6時頃でしょうか。 よく考えたら朝にバナナブレッドを2枚食べただけで、あとはなんにも食べていません。 かなり疲労しました。

 ようやく家に帰って来て、そのままベッドに横たわりました。 今日は4年ぶりのクロカンフライトで正直かなり参りました。 「よく4年前は1人でこんなことできたな〜」っていうのが正直なところです(笑)。 平地でなんにもないサスカトゥーンでのクロカンはここでのクロカンよりは明らかに簡単で、安全だったと思います。 なにかあればそのまま下の麦畑に降りるだけで済みますから。 ここでは山があったり海があったり、コントロールゾーンがあったりと、かなり勝手が違います。 でも、この試練を乗り越えれば本当のパイロットとしての技量が身に付くんだと思います。 このまま頑張ろうと思います。 でも今日はばてばてで半べそ状態です(汗)。 「クロカンフライトに行ったら写真を撮るぞ〜〜!」っと意気込んでカメラを持って行きましたが、写真どころは食事すら摂れませんでした(苦笑)

 長くなりましたので今日はこの辺で。 写真はクラブ内にあるPIK(Pilot Information Kiosk)で、いつもこのPCを使ってMETARなどの情報をフライト前に確認します。

 今夜はビールでも飲んでベッドにダイブします(笑)。

 

(つづく)

================================

ビクトリア70日目:ナイトソロ。
2006年12月23日土曜日


 今日は久しぶりに早起きをしてみました。 それでも朝7時過ぎですが。 日本で働いていたときは平日でも休日でも朝は7時15分に起きるという生活をしていたので、そのリズムに戻してみようかと思ったわけです。 ところがどうでしょう。 こちらの朝7時はまだ真っ暗です。 そこでデータを確認してみたら、日の出は朝8時、日の入りは午後4時とのことです。 真っ暗な中起きて、なにもすることがないと、早起きしたことが腹立たしく思えてきます(笑)。 日本のように「めざましテレビ」が放送されているわけでもなく、こちらのテレビは朝から観る気もしないですから、結局ベッドに舞い戻り、再度起きたのは午後9時過ぎといういつものパターンで落ち着きました(笑)。 これが夏とかなら朝早く起きてサイクリングというのもありなんでしょうが・・・ しばらくはだらだらさせていただきます(笑)。

 さて、今日は朝から忙しい一日でした。 昨日の疲れは昨晩の睡眠とビールによって解消され、朝はすっきりです。 まずは昨日のクロカンフライトの復習をしました。 クロカンのプランを立てるときに、飛行機の飛ぶ方角を決める「Set Heading Point」(SHP)というポイントを決めて、そこに到達したら予定の方角に方向を変更するということなのですが、そのSHPに着いたときにはやらなければいけないことが3つあります。 「3Ts」と呼ぶらしいのですが、(1)Time(SHPに着いた時間をログに書く)、(2)Reset D.G.(Directional Gyroを確認してずれていたら方位磁針を見て再設定する)、(3)Turn(予定の方角に飛行機をターンさせる)ということらしいです。2つ目のやつはreseTのTだそうです(笑)。 このことを頭にいれ、後はpressure altitudeという、altimeterの気圧設定を29.92(standard)にしたときに表示される高度、外気温(コクピット内に温度計があります)、ASI(Airspeed Indicator)に表示されているIAS(Indicated Airspeed)を使い、フライトコンピュータを使ってTrue Airspeed (TAS)の計算をする方法などを復習しました。 他にもETA(Estimated Time of Arrival)やグランドスピード(対地速度)の計算方法、予定のコースからドリフトした場合のコースの変更方法などを復習していつものようにドキュメントとしてまとめました。 

 これが終わったら、またもや熟れすぎになりかけのバナナが4本もあったので、今日も懲りずにバナナブレッドを焼くことにしました。 牛乳がないのでスーパーに買いに行くと、ドアのところにホリデーシーズン中の営業時間が貼り出されています。 よく見ると、25日26日は休業、その後も元旦は休業、その前後は限られた時間だけ営業となっています。 「こりゃまずい・・・」っと突然焦りました。 っというのも、こちらには日本のコンビニのように年中無休のお店なんてないと思いますし、ホリデーシーズンはほとんどの人が休んでしまうので、下手したら食べ物がそこをついて餓死なんてことに・・・はならないまでも、食べ物がないのは困ります。 ということで急遽予定を変更し、色んな物を買い込みました。

 家に帰って来て、まずはバナナブレッドを焼きます。 レシピを見ながら用意をしますが、だいぶ慣れてきたのか手際がよくなりました。 さっさとオーブンにぶち込んで、その後は今晩のおかず、餃子の用意をします。 前回Fujiyaにいったときに買っておいた餃子の皮と、昨日スーパーで買っておいた白菜に似た野菜(?)やネギに似た野菜(?)を切り刻みます。 日本でも餃子は作ったことがあったので、それなりの形になりました。 結局50個ほどの餃子を作って、3分の1は今夜のおかず、残りは冷凍保存となりました。 下準備が結構時間がかかるので、バナナブレッドの用意と合計で2時間以上は料理をしていたと思います。 餃子は今夜食べてみましたが、少しジューシーさにかける感じ・・・ なにがいけなかったのか。 次回はもっとうまくできるように頑張ります。

 さて、今夜は6時からのナイトフライトでした。 6時ちょっと前についてウォークアラウンドを済ませ、インストラクターが現れるのを待ちます。 6時30分頃には真っ暗な中を出発。 サーキットを教官と飛び、3回タッチアンドゴーをしたところで教官が降り、僕が1人でナイトソロデビューとなりました。 風もほとんどなく、とてもスムーズでした。 ただ、日が落ちて気温が下がって来たからか、霧が出始めました。 滑走路09のシュレスホルド(threshold=滑走路の一番端)あたりから1000ftほどは霧があり、視界が一時的に悪い感じです。 それでもたいした影響はなかったので、タッチアンドゴーを繰り返します。 途中で滑走路が09から27に変わり、途中で180度ターンをしなければいけなくなりました。 どうも僕がソロをやるときはこういう不思議な指示が頻繁に出されるようです。 今日もセスナ172でのフライトです。 VFCでは夜の172は152のレンタル料金で飛ばすことができるのでお得です(1500円/1時間 ほど割安になります)。 ディスパッチャーに「なぜ夜は安いの?」と聞いたところ、「なるべくたくさんの人に172を使ってほしいから」という答えが帰ってきました。 お得なのは良いことです(笑)。 フライトですが、サーキットは特に問題ないですが、やっぱり着陸が152とは少し勝手が違います。 着陸後にバウンドしてしまったりしました。 なぜかを考えたら、やっぱりエアスピードが高いということと、接地がスムーズではないからだと思います。 次回はもっとグランドエフェクトで水平飛行を保ち、エアスピードがもっと落ちてからフレアをかけようと思います。 タッチアンドゴーを終えて普通の着陸(full-stopと言います)をするときの着陸許可では、着陸するのは滑走路27なはずなのに09(正反対方向)に着陸許可が出ました。 きっと間違いだと重い、「Cleared to land 27・・・」っとおそるおそるタワーに言うと、「You are right!!」っという笑い声が。 お疲れのご様子です(笑)。 遅くまで管制官の方々もご苦労様です。 最後のファイナルターンで数秒霧か雲の中に入って周りが見えなくなる瞬間がありました。 ちょっと冷やっとしましたが、計器を見て安全にファイナルに乗せれました。 やっぱり計器飛行の技術は大切だな〜と改めて実感しました。 

 今日の写真は夜の172のコクピットです。 暗いので写真がぼけちゃいました。 すみません。 この赤い色が以前話したコクピット内の照明です。 夜間視力に影響がでないように赤いライトになっています。 明るさはこの写真くらいの明るさですが、周りが真っ暗なので、時間が経つにしたがってこの明るさでも十分必要なものは見えるようになりますから不思議です。 そういえば、今日も空は綺麗で、途中は5秒間ほどの流れ星も目撃しました。 カナダの空は綺麗です!

 明日は天気が良ければナイトソロに出かけようかと思っていますが、どうも天気は下り坂のようです。 25日26日は教官が全員休みをとる(働いちゃだめなんだそうです)ということで、僕も休みにしようかと思っています。 26日はBoxing Dayという休日です。 Boxingとはいっても、スポーツのボクシングではないそうで、なんでも25日に働かなければいけなかった召使いに主人が箱にいれたプレゼントを渡す日という歴史的な背景がある休日だそうです。 27日には今度こそ本土へのクロカンフライトとなりそうです。 またプランを立てて、手順を確認しなければいけません。 あ〜、頭が痛い!(笑) 

 ではまた明日。

 

(つづく)

===============================

【編集後記】

 ナイトレーティング(Night Rating)という限定解除は自家用操縦士資格を取得した後に通常行われる訓練です。これがないと夜間飛行はできません。訓練は当然夜間に行われるものが多いので、夏などの日が長い季節にやる訓練ではありません(できますが、日が暮れる夜10時近くまで待つことになります)。一方、秋口から春先にかけては日が暮れるのが早い(早い時だと午後4時過ぎには暗くなる)ので、ナイトレーティングにはもってこいです。実際、僕が住んでいるところの近くにある小規模空港でも最近はナイトレーティングをやっているのか、小型機のエンジン音が夜になると聞こえてきます。

 夜間視力を守るために赤いライトを使ったり、なるべくコクピット内の照明を薄暗くするのが基本ですが、プロになるとそうとも限りません。フライト中では書類(ログブック等)をこなす必要もあり、ある程度の明るさが必要です。ましてや一緒に飛ぶ機長が高齢の方だと薄暗いコクピットで細かい文字を読むのが難しい人も少なからずいます。そういう人は「照明つけてもいい?」と断りを入れてから大きな明るい室内灯をつけます。自分勝手な人であればいきなり眩しい照明をつける人もいますが、ごく少数です(笑)。人によって好みはありますが、僕は夜間フライト中はなるべく照明をつけたままにするほうが好みです。照明が着いていたほうが眠気を抑えることができますので。大西洋横断中などはカナダ時間で真夜中から早朝の時間のフライトになるため、その時間にライトを消して真っ暗にすると必然的に睡魔に襲われそうになることもあります(パイロットも人間です。超人ではありません)。そういうときはガンガン照明をつけて眠気を抑え、コーヒーを飲んだり、食事を採ったりすることもあります。そうこうしていてヨーロッパ大陸に差し掛かるころには日が昇ってきます。この日差しが身体にはかなりきつい。体内時計では眠っているはずの時間なのに、目からの信号(日光)は朝の光なので、いきなり体内時計が狂うような感じがします。かれこれ半年近くフライトをしない日が続いていますが、この夜間のフライトはいまのところあまり恋しくありません(苦笑)。やはり深夜のフライトを頻繁にこなすのは健康にはよくないと思いますから。


(つづく)

2020-09-02

過去ログ:2006年12月19日〜2006年12月21日

ビクトリア66日目:初めてのジム
2006年12月19日火曜日


 今日もビクトリア空港周辺は天候はあまりよくありませんでした。 朝のMETARにはDRの文字が。 Drizzleの略で、「霧雨」という意味です。 外に出てみると確かに霧のような雨が降っています。 Ceilingも2000ftほどで、さらに時間が経てば経つほど下がってくる様子です。 12時からのフライトということでしたが、インストラクターに電話をして、「天候が悪いみたいなんでどうしましょう?」と相談をしました。 「とりあえず1時まで待ちましょうか」ということで、1時にクラブに行きました。 どうせ飛べなくても172のPOH (Pilot’s Operating Handbook)を見て確認しなければいけない点が数点あったのでクラブにはいくつもりでした。 家を出た頃は霧雨だった雨も、少しずつ大きな水滴になり、クラブに到着するまでには小雨ほどになりました。 愛車のMTBも今日は泥よけを付けての走行となりました。

 クラブではインストラクターと話をし、今日のフライトはとりあえずキャンセルということになりました。 仕方ないので、172のPOHを借りて、必要なデータを書き写します。 172のチェックライドに先立って答えなければいけない問題シートを渡されていますので、それに答える形でデータを確認・理解していきます。 燃料のグレードやタンクの容量などを確認します。 スピードはだいたい暗記できましたが、完璧ではありません。 でも、ほとんどのスピードはASI(Airspeed Indicator)を見ればマーキングがされていますので、それを目安にすればよいようです(赤、黄色、緑、白といったカラーでメーターにマーキングが付いていて、それぞれに意味があります)。 ややこしいことに、172でもクラブ所有機には172R, N, Pと3種類あるようで、僕が乗る予定の機体は172Pということです。 それぞれEmpty weight(機体重量)やairspeedが若干違うようですが、とりあえずはPのデータを覚えておけばそれを他の機種でも利用できるようです。

 クラブから帰って来てランチをすませ、初めてのフィットネスジムに行きました。 会員証の代わりにキーホルダーのようなプレートをもらっていて、それにバーコードが付いています。 それを受付のPCでスキャンすればチェックイン完了です。 そのあとロッカールームにいって着替えをし、早速エアロバイク(スピニングマシーンという本格的なやつです)にまたがります。 僕の前に2人先客がいました。 1人はいかにもフィットネスジム大好きな年配のムキムキ女性(笑)。 もう1人は、運動はそんなに好きじゃないけど医者に勧められてジムに入ったに違いない、さらに年配の男性(笑)。 その2人を横目で見ながら軽くペダリングをはじめますが、思ったよりも負荷が重いです(笑)。 いかに足がなまっているかが分かります。 それでも最初の10分をすぎた辺りからは軽快なリズムに乗ってペダルを回し続けます。 となりのおっちゃんはいきなりスパートしたり、いきなり超低速になったりしますが、僕は同じ回転数を保ったままクールに装います(笑)。 今日は初回ということであまり無理はしたくなかったのと、ジムの後に予定があったので、1時間ほどの運動で切り上げました。 なかなか好調な滑り出しです。 ジムの中はなかなかいい感じのラジオがかかっているので、iPodなどがなくても十分楽しめます。 テレビもあるのでそれほど退屈しません。 さすがにスピニングマシーンに乗りながら172のエアスピードの暗記などはできそうにもありません(笑)。 なにごともメリハリが大切だと思うので、運動のときくらいは飛行機のことは忘れようと思います。 

 今日の写真はVFCの入り口に突如現れたクリスマスツリーです。 その横には天気情報を確認するためのキオスクターミナルと呼ばれるパソコンが設置されていて誰でも自由に使うことができます。 いつもここで天候を確認してからそのすぐ横にあるドアを通ってエプロンエリアに出て行きます。 ドアには鍵がかかっていて、数字ボタンのコンビネーションを押して鍵を解除して外に出て行きます。 部外者は機体がおいてあるエリアには立ち入れない仕組みです。 僕はその「部外者立ち入り禁止エリア」にいつも自転車を持ち込んでいます。 そうすれば鍵をかけなくてもよいので安心です。 クリスマスツリーの話に戻ると、そのツリーの下には既にプレゼントなどがおかれています。 果たして誰が、誰のためにおいたのか・・・ 謎です(笑)。 少なくとも僕のためではないでしょう(涙)。

 明日も12時からのフライトの予定ですが、天候次第ですね。 夜は7時からクラブで毎週月・水曜に行われているPPL(自家用免許)を目指している学生対象のグランドスクールに参加させてもらいに行きます。 勉強の内容がナビゲーションということで、昔の知識をさらにしっかりと思い出すために参加する予定です。 本当はグランドスクールに参加するには授業料が発生しますが、僕はディスパッチャーに話をし、「1つのトピックだけならいいよ」という許可をもらったので無料で参加させてもらえます(とはいえ、CPLの方のグランドスクールが始まればその分のレッスン代はしっかり払いますけどね)。 VFCでは一度レッスン料金を支払えば、その後は一生、なんどでもグランドスクールを受けることができるそうです。 1回のレッスンは午後7時から10時までの3時間とかなりintenseな感じです。 明日から3回に分けてナビゲーションカバーされるようです。 明日、1月3日、8日の3回だけ参加させてもらう予定です。 PPLのグランドスクールの最後にはコントロールタワーへのツアーも企画されているらしく、ためになるだけではなくて、楽しい内容のグランドスクールの構成になっているように思います。

 ではまた明日。 

(つづく)

===========================
ビクトリア67日目:セスナ172でのフライト
2006年12月20日水曜日


 今日も相変わらずの天気です。 風速12ktで、gustが17ktほどありました。 プライベートではこれくらい風があると飛ばないこともあるのではないかと思います。 コマーシャルでは20ktくらいまでは飛ぶとのこと。 なかなか過酷です(笑)。

 今日はようやく172でのフライトとなりました。 152との違いはまずシートが遠いこと。 明らかにアメリカ人向けに作られた飛行機です(笑)。 胴長短足の日本人体型のことなどまったく考えてないような飛行機です。 インストラクターが、「クッションいる?」と聞いてくれましたが、最初はシートを最前までスライドさせれば大丈夫だと感じていましたのでクッションは使いませんでした。 ところがrun-upのときにエンジンを1700rpm(そこそこのハイパワーです)に設定したとき、ブレーキを踏んでいたにも関わらず少しずつ前に進んでいました(汗)。 やっぱりシートがもっと前でないと踏ん張れないようです。 そこでインストラクターにコントロールをとってもらい、クッションを背もたれに1つ入れてようやく落ち着きました。 細かな違いを上げると、例えば152では燃料タンクはONかOFFしかありませんが、172では右タンクのみとか左タンクのみというふうに選択できるようです。 また、無線などのavionicsの電源を一括管理するavionics switchというトグルスイッチが付いています。 今日飛ばしたLJRにはADFもVORも付いていますので、そこも152とは違う点だと思います。 その他にはフラップが40度まで降りるとかの細かい違いはありましたが、飛ばし方はさほど違わないようです。

 離陸許可をもらって滑走路の進入してフルパワーにしますと、操縦桿が152よりも重く感じます。 そろそろ前輪を上げて離陸というときに操縦桿を引っ張ってもなかなか上がりません。 152に比べると結構な力がいるように感じました。 機体の癖というのもあるとは思いますが。 

 機体が少し大きいため、風に対する安定性は152よりはあるように感じました。 今日の風のコンディションであれば152でのフライトはかなり不快だったんじゃないかと思います。 風であっちこっちに振り回されてあまりトレーニングにならないんではないかと思います。

 今日は172のチェックライドということで、ローカルイーストに行ってまずはslow flightからスタートです。 チェックライドをするとは聞いてましたが、何をするかまでは聞いていなかったので、気持ちの準備が出来ていませんでした。 slow flightも1回目は不安定でしたが、2回目からは何をすればいいかを少しずつ思い出して来たので集中できました。 Slow flightの次は久々のストールです。 まずはpower-off stallから。 ここでも操縦桿が重くてなかなかストールしません。 かなり操縦桿を引っ張っているはずなのに、さらにそこから引きしろがある感じです。 ようやくストールさせ、ノーズを降ろしてフルパワーです。 Power-off stallのあとはpower-onストールやフルフラップでのストールなどをやりました。 ストールをやっているときはyaw(ヨー)という機体が右や左に自然と曲がろうとする力をラダーペダルを使ってコントロールしなければいけません。 失速間近で右とか左に曲がってしまうとスピンに陥ってしまいます。 久々のストールはスピンに入らないようにラダーで必死にyawをコントロールしました。 

 ストールとスローフライトの後は空港に戻りました。 今日のランディングはかなり大変でした。 風力も強く、クロスウィンド気味でした。 さらに、172は152よりもかなりの揚力を発生させるようで、グランドエフェクトに入ってもなかなか落ちて行こうとはしません。 その結果、風の力も加わってふわっとうきあがってしまいました。 パワーを足して再度落ち着かせて、っということを吹き荒れる風のなかでやりました。 インストラクターのヘルプがあったのでよかったです。 強風時のランディングの練習も必要だと思います。 172のランディングの癖にも慣れる必要があるようです。

 今日の天気は地上での風はひどい状態でしたが、一旦空に上がって2000フィートほどになると驚くほどスムーズでした。 風は強いものの、風力はコンスタントだったので飛びやすかったです。 自然って本当に不思議ですね(笑)。

 今日のフライトの後、部屋に戻って携帯を見たら、「Welcome to the US」というメールが携帯会社から自動で送られて来ていました。 「なんで今頃? 前のコロラドの旅行のメールの誤送信かなんかかな〜?」って思っていたら、よく考えたら今日のフライトはアメリカ上空で行っていたので、携帯が勝手に僕がアメリカに入った(んまあ、入ったんですけど・・・笑)と勘違いしていたようです。 またしても国境なんてないんだな〜って感じた出来事でした(笑)。 

 今夜はまた嵐が来ていて強風警報が出ているので明日はどうなるかわかりませんが、天気が許せばforced landing approach(不時着)とprecautionary landing(天候が悪化したときなどに近くのフィールドを選んで安全を確認して着陸すること)の練習を172で行います。 久々なのでこれまた復習が必要だと思います。 もともとあまり得意ではない項目なので、152でソロに出て練習を近いうちにする予定なので明日はあまり高い期待は持たないでおこうと思います。 これが終わればチェックライドは終了となるかと思います。 金曜日は久々に天気予報に晴れのマークが出ていますので、恐らくデュアルでアボツフォードとチリワックというカナダ本土にある空港に行くと思います。 久々のクロカンフライト、緊張しますが楽しもうと思います。 

 今日もフライトの後はジムで1時間汗を流しました。 その後はまたバナナブレッドを焼き、7時からのグランドスクールに行ってきました。 8人ほどの小さなクラスでしたが、教官の教え方がうまく、ユーモアも交えて教えてくれるので楽しく勉強できました。 ほとんどは既に知っている内容でしたが、忘れていたこともあったので、行ってよかったと思います。 来年1月の3日と7日にも今日と同じくナビゲーションの項目をカバーするグランドスクールがあるので、その2つにも参加の予定です。  

 明日は2時からのフライトです。 朝は洗濯をしなきゃ・・・。 今日のグランドスクールの帰りはgust37ktの中を雨に打たれながら、ヘッドウィンドを楽しみながら自転車で帰ってきましたので服が砂まみれのずぶぬれになりました(笑)。 ジムで使った服も洗濯しなきゃいけません。 パンも焼かないと食パンがないし・・・ 少しずつ忙しくなってきました!

 ではまた!

(つづく)

===============================

ビクトリア68日目:172チェックライド修了
2006年12月21日木曜日


 今日は天気予報(METARとTAF)を見たところTSの文字があります。 TSはThunder stormで嵐という意味です。 天気予報では正午頃TSが通過することになっていましたが、実際はそれほど天気は崩れませんでした。 

 朝は散歩をしにビーチに行きました。 遠くの沖にいつも数台のヨットが停泊していますが、そのうちの1台がどうやら転覆しているようです(笑)。 遠くだったのではっきりとは見えませんでしたが、眼鏡を斜めにして度を強くして見てみたところ、船体の後方部が水に沈んでいて、帆先だけが水面から顔を出している感じです。 この前の嵐のせいかもしれません。 そういえば、以前にこのブログで紹介した、空港で嵐に吹き飛ばされた飛行機ですが、どうやら保険には入っていなかったそうです。 かわいそう・・・

 さて、今日は2時からのフライトでした。 天気が崩れ始めたので今日も飛べないかなと思っていましたが、クラブに着いていつものNav Canadaのキオスク(PC)でMETARをチェックすると、意外にもシーリングは高いようです。 風も5ノットほどと問題なさげです。 インストラクターによれば、他のパイロットがローカルイーストに行ったら、とりあえずは飛べる状態だったそうです。 Bumpyだったという報告もありましたが、とりあえず出発する方向で用意をはじめました。 いつものようにコードをもらうために電話をします。 今日のコードは「5555」。 ゴーゴーゴーゴー!っと、なかなか勢いがある番号です(笑)。 今日の機体はFMEKという172P型機です。 昨日飛ばした172Nよりもシートがしっかりとしていて厚みがありました。 そのお陰で今日はクッションなしでも十分ラダーペダルを踏み込むことができました。 

 久しぶりに27からテイクオフし、まずは1500ftまでクリアされます。 他のトラフィックがいなくなったところで2000ftまでクリアされ、そこでまた他のトラフィックとのコンフリクトがなくなり、コントロールゾーンを抜けた辺りでようやく2500ftまで上がれました。 気流のコンディションもややバンピーではありましたが、とりあえずはコントロールできる範囲内です。 まずはアメリカのFriday Harbourの近くでforced landing approach(不時着)の練習です。 インストラクターが「Sorry!」といってパワーを引っこ抜きます(アイドルになります)。 172は65ktでグライドしますので、65ktにセットアップし、エンジン停止の理由を探すcause checkをします。 マスタースウィッチ、プライマー、カーブヒート、オイル温度&圧、燃料、ミクスチャなどを確認し、エンジンを再始動する真似をします。 それでもダメということでengine failureを想定します。 ちょうど前方右下あたりにある、もう使用されていないエアストリップ(細くて短い滑走路)に降りる用意をします。 乗客への説明、MAYDAYコール、着陸前チェックなどを行ってフィールドに到達できたことを確認してオーバーシュートという流れです。 今日はばっちりできました。 少し高度が高かったですが、低いよりはましということで、合格点だったようです。

 そのあとはsteep turnと呼ばれる急な角度でのターンを練習です。 180度ターンを2回やりました。 どちらも高度をちゃんと保てたと思います。 インストラクターは特に言うことはないというふうに言ってくれたのでご満悦です。 その後は久しぶりにフードを付けての計器飛行です。 それをしながら空港に戻ります。 空港に戻ると我々の他に3機ほど飛行機が空港に向かって来ているような感じでした。 1回目は滑走路27のファイナルアプローチまで進入したものの、ちょうど正反対の09からDash-8が着陸するところだったため、タワーに「MEK, Pick up and go around」(上昇して着陸をやり直してください)と言われます。 仕方なくフルパワーでオーバーシュートです。 サーキットを1周してきて今度こそ降りれると思ったら、今度も他のトラフィックのおかげで着陸できませんでした。 今度は20のダウンウィンドに行けと言われ、その手順を確認していたら、またそのまま27の上をまっすぐ飛べと言われます(怒)。 そうこうしているうちにようやく着陸できました。 最初はサーキットを何回かしてからフルストップにする予定でしたが、結局1回だけタッチアンドゴーをして終了となりました。 2回の着陸は横風で少し流されたものの、グランドエフェクトでしっかりレベルを保ったので、きれいに着陸できたと思います。 僕的には満足な着陸でした。

 フライト後、インストラクターには「もうソロで行ってもらっていいと思います」と言ってもらえましたので、172のチェックライドは修了となりました。 これで1人でも172と152を飛ばすことができます。 少し大人になった気がします(笑)。 172は乗客を3人のせれるので遊覧飛行などには良いと思います。  

 明日は朝10時にクラブに行ってフライトプランを立てます。 その後、本土へのクロスカントリーフライトとなる予定です。 天気が予報通りよくなってもらえるとうれしいのですが。

 今日はフライトのあと、またパンを焼いています。 今オーブンの中で焼かれているところです。 今回はどうなることやら。 うまく焼けたら明日のブログの写真で紹介できるでしょう! 

 今日の写真はこの前ビクトリアのダウンタウンに行ったときにハーバーで見かけたフロート機です。 シドニー上空をよく飛んでいるのですが、間近で見たのはこのときが初めてでした。 フロートプレーンの離着陸シーンは迫力があって面白いのですが、今回はまだ見ていません。 もう少し暖かくなったら飛行機ウォッチングを兼ねてダウンタウンまでサイクリングしたいと思っています。

 ではまた! 

(つづく)

===============================

【編集後記】

今から10年以上前はインターネットに繋がったコンピュータがクラブにあって、それを使って気象条件を確認したりしていましたが、今では誰もそんなことはせず、おそらくはスマホでささっと天気を確認すると思います。便利なアプリがたくさんありますし、なんならフライトプランもネットで提出できるようにもなりました。地図もタブレットで見れるし、GPSが搭載されているから自分の居場所もわかります。僕が訓練していた時にもこんなガジェットがあったらきっと便利だったと思います。僕はハイキング用のGPSを買ってクロスカントリーの時には持って言っていました。なかにはテクノロジーを利用するのはだめだとか、万が一それが壊れたらどうする?っていう人もいて、昔ながらの地図を見ながら飛ぶことにこだわる人もいます。それはそれで学ぶ必要があるのも理解できますが、信頼度の高いツールはどんどん使っていけば良いと個人的には思います。


(つづく)