ビクトリア79日目:寝正月。
2007年1月1日月曜日
皆様、新年明けましておめでとうございます。 今年もYouHaveControl.netをよろしくお願いいたします。
さて、元旦の今日は日本風に寝正月となりました(笑)。 昨日の夜は日付が変わる瞬間は外に出て、いろんなところから聞こえてくるロケット花火の音で新年を迎えました。 結局午前2時まで起きていたので、今朝はゆっくりとしたスタートでした。 ベッドに横たわったままテレビでやっていた映画を観ていました。 新年のスタートにこれではいけないと思い、シドニーのダウンタウン(Beacon Avenue)にあるSerious Coffeeという雰囲気がよさげなカフェに行きました。 正月だから休みかなとも思いましたが、この前のクリスマスの日でもスタバは開いていたので、カフェは正月でもやっているのではないかと思い、家を3時過ぎに出ました。 今日はあいにくの雨です。 それも比較的多めの雨が降っています。 METARを見てみますと、「SHRA」となっています。 SHはシャワー、RAは雨(rain)という意味です。 ここで注意しなければいけないのは、SHの前になにも付いていないことです。 弱い雨の時は「-SHRA」というふうに頭にマイナスが付きます。 マイナスはlightという意味です。 同じような感じで、強い雨の時は「+SHRA」となります。 なにもついていないときはmoderate rain showerというふうに解釈します。 つまり、弱いと強いの間の雨ということです。
カフェにつくと、やっぱりOPENとなっています。 よかった〜と思って中に入ると、人だらけです。 「貸し切りか?」と思わず思ってしまったくらい人がいます。 中はスタバなどとは違ってとても広く、ソファーがたくさんおいてあります。 ラテ(3.75ドル)を頼み、席を探します。 どこにも空いているテーブルはなかったので、おばあさんが1人で座っているテーブルに相席をさせてもらおうと思って、「その席空いてますか?」と聞くと、「友達がいたんだけど帰ったから空いてますよ」との返事が返って来ました。 あ〜よかった、と思い腰をかけます。 そのおばあさんはとても感じの良い人でずっとおしゃべりをしました。 彼女はもともとイギリス人で、カナダに兄弟が住んでいたから旅行で訪れたらカナダが好きになったのでそのまま移民したそうです。 今でもイギリスには2年に1回くらいは帰省するそうです。 今は僕の家の近くのResthaven Streetに住んでいるそうです。 彼女はコーヒーを飲みおえたらスーパーに行ってくるといって立ち去りました。 おしゃべりは楽しいひとときでした。 彼女が帰ったあとはいよいよ今日の目的である「ログブックの書き写し」を始めました。 今使っているログブックはサスカトゥーン時代に購入したカナダ式のログブックで、それに書いてある内容をすべて日本から持って来たJCAB(日本の航空局)が監修して発行されているログブックにずっと前から書き写したいと思っていたのです。 昨年やっておけばよかったのですが、結局今日になってしまいました。 日本のログブックは飛行時間を時間と分で書きます。 カナダのログブックは時間のみで書いています。 例えば、1時間30分のフライトは、日本のログブックでは「1時間30分」となりますが、カナダのログブックでは「1.5時間」となるわけです。 なので、すべて日本式に換算しながらログを付けて行きます。 それにしてもとても日本らしいログブックです。 毎回、フライトごとにインストラクターにサインを貰うようになっています。 離陸した時刻、着陸した時刻までこと細かに書くようになっています。 当然、今までそんな細かいログは付けていなかったので、そんなデータはありません。 ですから、データがないところは空白のままにしておくつもりです。 これから記入する箇所だけでもちゃんと書けばいいかなと思っています。 日本のログではPIC(Pilot-in-Command)時間の定義がカナダとは違うようです。 カナダでは、訓練中であってもソロフライトをしたらその時間はPIC時間となりますが、日本の場合はそれはSolo時間であって、PIC時間ではないようです。 僕の解釈が正しければ、PIC時間は免許を取得してからでないとログできないようです。 他には、「機長見習い時間」とかといった、カナダの場合には存在しない時間のカテゴリーがいくつか存在します。 ややこしいですね。 もう少し調べなければいけないかもしれませんが、カナダのログブックがある限り、日本のログブックに間違って記入していても後で訂正すればすむ話でしょうからあまり深く考えないようにしようと思います。 明日も雨のようですから、明日は今日記入した内容があっているかどうかを確認する作業をするつもりです。 今日の写真は、下が今まで使ってきたカナダのログブック、上が日本のログブックです。 よく見るとカナダのログブックのウイングのマークの中心はカナダらしくカエデになってますね(笑)。
昨日は去年を振り返りましたが、今日は今年の抱負を発表しようと思います。 今年はいよいよソロフライトの年となります。 事業用免許取得に必要な機長時間100時間を貯めるため、ソロで飛ぶことがほとんどになりそうです。 最初はトレーニングエリアに行くことから始め、トレーニングエリアでエアワークをすることに慣れ、そして近いところからクロスカントリーフライトに行けるようにするつもりです。 フライトテストまでには300海里(約540km)のクロスカントリーフライトもしなければ行けません。 あせることなく、自分の能力を客観的に見極めて、自分にぴったりかそれよりもちょっとチャレンジングなトレーニングを常に心がけて行こうと思っています。 苦手なことがあったり、自信がないこともたくさんあります。 でも、なるべく苦手意識を持たないようにポジティブに訓練を進めて行きたいです。 また、今年はいよいよグランドスクール(座学)のほうも始まります。 フライトに勉強にと忙しくなると思いますが、頑張りたいです。 また、4月頃にはカナダに入国して6ヶ月が過ぎます。 6ヶ月を過ぎると労働許可書(Work Permit)を申請することができ、法的に仕事をすることができるようになります。 僕はVFCでのラインクルーの仕事に申し込みたいと思っています。 ラインクルーは飛行機の給油や格納庫への格納、オフィスの掃除やライブラリの整頓などの雑務をする仕事です。 今働いているラインクルーは皆トレーニングを受けている学生です。 飛行機やパイロットの近くで仕事ができるようなので、空きがあればぜひ働かせてもらいたいと思っています。 空きがなければビクトリア空港のターミナルのほうでの仕事がないかを模索しようと思っています。 他には、アクロバット飛行のお試し版に挑戦したいと思っていますし、スカイダイビングもやってみたいと思っています。 「挑戦の年、2007年」ということで頑張りますので、今年もよろしくお願いいたします。
それではまた明日。
(つづく)
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ビクトリア80日目:ログブック完成。
2007年1月2日火曜日
今日も引き続き雨が降ったりやんだりの天気です。 今日も昨日行ったカフェに行きました。 昨日はラテを注文しましたが、今日はドリップコーヒーを注文しました。 昨日とはうってかわって全然混んでいませんでした。 僕の他にお客さんが3、4人いたくらいです。 今日は入り口近くにある低い感じの赤いソファーに腰をかけて作業を開始しました。 昨日書き終えた内容を確認してみると、ところどころ数字が合わない箇所があります(笑)。 んまあ、少しくらいはいいかな〜なんても思いましたが、これからも数字はどんどん増えて行くので、今のうちにしっかり帳尻があうようにしておかないと後で取り返しがつかないことになるかもと思って、どこで間違いをしたかをすべて確認しました。 1つ間違いを見つけて、「あ〜よかった」と思っていると、またどこかに間違いがあるようで、やはり計算があいません(汗)。 ということで、また細かく見ていくことに。 結局2時間近くかけてすべての計算をやり直し、数字を見直してようやく完成しました。 ログブックは間違いをしても修正液や修正テープの使用は禁止されているので、横棒を引いて訂正しなければいけません。 なんども間違えると面倒なことになります(写真参照)。 今日までで、僕の総飛行時間は91時間06分、ソロで飛んだ時間が16時間24分となっています。 事業用免許取得には総飛行時間が200時間、ソロ(PIC)時間が100時間必要ですから、少なくともこれから1人で84時間ほど飛ぶことになります。 1日1時間飛ぶと84日、つまり3ヶ月近くかかります。 当然毎日飛べることはないでしょうから、やっぱり4、5ヶ月はかかると思います。 目標は6月までに免許を取得することとなりそうです。 さて、どうなりますことやら。
今日はカフェの後はそのままジムに向かいました。 ジムは今日からオープンしています。 ジムにつくといつもよりやや人が多い気がします。 やっぱり皆さん休暇中に溜め込んだカロリーを消費しようと目論んでジムに来ているようです。 今日はスピニングマシーンを30分、その後、心拍が計れる歩行マシーンのようなもので心肺機能を高めるための運動を30分しました。 マニアックな話ですが、この歩行マシーンの心拍測定機能はPolar製です(分からない方は気にしないでください・・・)。 その後は上半身を鍛えるための器具のサーキットを行いました。 心地よい汗をながせましたが、お昼ご飯を食べていなかったのでふらふらになりました。 いわゆる「ハンガーノック」状態でした(汗)。
今夜はコロッケを作りました。 よく考えたら初めて作ったと思います。 もともと、小麦粉、卵、さらにはパン粉まで使うというのが面倒で、今まで一度も試したことがありませんでした。 時間がある今ならやれると思っての挑戦でした。 ジャガイモを蒸かして潰したり、ひき肉やタマネギを炒めるまではよかったのですが、油で揚げる段階でぐちゃぐちゃになりました(笑)。 どうもジャガイモがやらか過ぎたようです。 あと、油の中にフライ返しを入れていたら、プラスチックが溶けてふにゃふにゃになりました(涙)。 まさか熱に負けるとは・・・。 っということで、初めてのコロッケは見事失敗となりました。 味見をしたら味はそれほど悪くはなかったんですけどね。
さて、明日は少し晴れ間が出るかもしれませんので、そうであればソロフライトに行こうかと思っています。 ここで少しお勉強です。 下は今出ているビクトリア空港のTAFです。 内容を解読してみましょう。
TAF CYYJ 022338Z 030024 22012G22KT P6SM SCT030 SCT060 TEMPO 0024 P6SM
-SHRA BKN030
BECMG 0406 27010KT
RMK NXT FCST BY 06Z=
答え: 「CYYJのTAFです。 今月02日目の23:38時(GMT)発表、 03日目の00時から24時の予報です: 風向220度、風速12ノット、Gust 22ノット、視界6マイル以上、 雲:Scattered 3000ft, Scattered 6000ft, 一時的に00時から24時の間は視界6マイル以上、軽いシャワー(雨)で雲はBroken 3000ft。
04時から06時の間に風向270度 風速10ノットになるでしょう。
注意:次の予報は06時(GMT)までに発表します。」
ではまた明日!
(つづく)
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【編集後記】
今回の過去ログに出て来た日本式のJCABログブックですが、今はどこにいったか定かではありません。おそらく貴重品や書類が入った箱のどこかにあるとは思いますが、結局日本の航空会社に申し込む機会に恵まれなかったため、一度も陽の目を見ることはありませんでした。日本のログブックは押印が必要だったりして、なにかとお堅い印象です。一方、こちらで使うログブックはとてもシンプルです。最近では電子ログブックを使う人も多くなっていますし、僕自身も電子ログを利用していました。電子ログだと飛行時間の計算を自動でやってくれますし、印刷する必要がある場合でもいろいろなフォーマットで出力できるので便利です。ここで正直に告白しますが、ログブックはここしばらくつけていません。今の航空会社に入社して以来、これから転職するつもりもないのでログブックをつける習慣がだいぶなくなりました。いざ必要になればいつでも会社のウェブサイトやスケジュール用アプリなどから詳細なデータを入手できますので問題はありません。総飛行時間はおそらく7000〜8000時間の間なのではないかとは思いますが、正直わかりません。エアラインに入ってからは1年間にだいたい600〜700時間くらい飛んでいるのではないかと思います。ベテランの機長などでもログブックをつけるのをやめた人が多くいます。「飛行時間が1万時間以上あったら、それが1万2千なのか、1万5千なのかの違いはほぼないでしょ?」という人がいます(ごもっともだと思います)。ですが、中には今でも毎フライトごとにちっちゃいログブックに几帳面に記録する人も見かけます。「君の名前のスペルは?」って聞かれることがあります(ログブックに同乗者の名前を記録するからです)。そういうパイロットの自宅にはあのちっちゃいログブックが一体何冊積み上げられているんだろう?とふと思うことがあります。
(つづく)