サンホゼは現地滞在が10時間と超短時間のレイオーバーです。 残念ながらホテルと空港以外はなにも見る時間がありません。 それでも1日目は夕方からのフライトで現地到着は午後10時過ぎ、翌朝には現地を出発して午後3時過ぎにトロントに戻ってくるというなかなか効率の良いペアリングです。 僕は嫌いではないです。
レイオーバーは長いものでは2日、長いものでは4日とかなんていうのもあります。 長いレイオーバーは楽しそうではあるのですが、現地滞在中はお給料も発生しませんので効率的ではありません。 毎月飛ばなければならない時間が決められているので、レイオーバーが長ければ長いほどその月の拘束日数が増える(=お休みが減る)ことになります。 僕はお休みを最大限長くしたいので、そういう人にとっては長いレイオーバーはあまり意味がありません。 イタリア・ベニスで4日間レイオーバー、アフリカ北部で4日間レイオーバー、またはラスベガスで2日間、なんていうとなかなかエキゾチックで楽しそうに思われるかもしれませんが、その間はホテル住まいですし、ましてや既に行ったことがある都市の場合はあまり長いレイオーバーは楽しくないというのが本音です。 なかには長いレイオーバーに家族や恋人を連れてくる人もいます。 僕はレイオーバーは短くて良いから効率的に仕事をし、代わりにお休みをなるべく長くもらえるようなスケジュールをリクエストすることがほとんどです。
サンホゼ空港の側には活火山があります。 先日サンホゼからの離陸時には火山からの噴煙が見えました。 火山灰はジェットエンジンの大敵で、噴煙がエンジン内に入るといろんな問題を引き起こします。 この日も火山灰と思われる煙が目視できたため、なるべく上昇角を高めて火山灰に入らないように気をつけました。
(写真上:サンホゼ空港側にあるピアス火山。)
先週末はボゴタに行って来ました。 トロントを出発後はほぼまっすぐ南下します。 フロリダ周辺を通過し、バハマとキューバ周辺を通過します。 バハマのフリーポート周辺を通過する頃には日が沈み、綺麗な夕日が見えました。
ボゴタ空港は南米大陸にあります。 カリブ海を抜け南米大陸に上陸するとコロンビア北部のバランキーヤという市の上を通過します。 ここを超えてしばらくすると標高の高い山々の側をフライトします。 このあたりは赤道に近く、また温かい海水にも近いので頻繁に積乱雲や雷雲が発生します。 しかもこの辺りに差し掛かるころには日もすっかり暮れ、外はほとんど見えません。 雷雲の位置を把握するために気象レーダーを使いますが、レーダーは地上の勾配にも反応してしまうため、レーダー画面に写っているものが果たして山脈なのか、それとも本当に雷雲のリターンなのかがわかりにくいことがよくあります。 満月の夜であれば雲の位置を目視確認できることもありますが、そうでない場合にはなかなか見えません。 間違って雷雲に入ってしまうと乱気流に遭遇することも考えられるのでかなり神経を尖らせてフライトします。 それでもアプローチ中には比較的小さめの雷雲をつっきらざるを得ないこともあります。 ボゴタ空港はなかなかチャレンジングな空港です。
この日は降下中に一度だけ嵐を避けましたが、それ以外は安定したフライトになりました。 クルーもいい人ばかりで楽しいフライトでした。
滞在中は日曜日だったので蚤の市が出ていたので見て回りました。 また、初めてホテルから離れた場所にも散歩してきました。 ほんの2時間ほどの散歩でしたが、日が出ていたこともあり、かなり日焼けしました。 紫外線が強いんですね。 それでも初夏のような陽気はとても心地よく、冬の間にこんな気候を楽しめるのはパイロットの醍醐味のように思いました。
(写真上:ホテルからの眺め)
(写真上:音楽を演奏している人も多くいて良い雰囲気。)
(写真上:結構人が多いです。)
(写真上:こういう貨物トラックが南米っぽい。)
(写真上:信号待ちの車の間を物売りが歩き回るのも南米っぽい。)
(写真上:この日のお昼ご飯「バンデハパイサ」。 コロンビアの定番料理だそうです。 アボカドがめちゃくちゃおいしかったです。)
(写真上:トロントへの帰り道に見えた大きな雷雲。)
今回も高山病に軽くかかりましたが、それなりに楽しいレイオーバーとなりました。 なんだか手足が腫れぼったくなります。 あと、ちょっと動いただけで心拍が上がります。 標高2500メートルほどですので、どうしても体が反応してしまいます。 眠る時間になっても標高の影響か心拍数が高いままのこともあり、そうなると体と脳がなかなか落ち着かず、深い眠りにつくのが難しいこともあります。
昨日はART (Annual Recurrent Training=年一回の講習)もありました。 今日から3連休で、またボゴタに2回行きます。
(つづく)