先月末に政府発表があり、4月末までのいわゆる『sun destinations』と呼ばれる主にカリブ海周辺の国々への渡航が原則禁止になりました。カナダの主要航空会社4社は政府からの依頼に応じる形でカリブ方面へのフライトをすべてキャンセルすることになりました。アメリカとの国境は今も封じられたまま、外国からのカナダ入国も原則的には禁止、さらに今回のカリブ海方面へのフライトもなくなったことでますます航空業界は勢いがなくなっています。
航空業界が苦しんでいるのはどこの国も同じですが、カナダはG7諸国の中で唯一、国から航空会社への経済的支援がない国です。昨年から再三にわたってさまざまな組合などを通して国にかけあっているようですが、今のところは直接の資金導入はゼロです。倒産する会社がまだ出ていないのが不思議なくらいです。
さらに今月に入り、カナダに入国する人にはカナダ到着前72時間以内のPCR陰性証明が必要なことに加え、カナダ入国後は指定のホテルで数日間待機後、再度PCRテストを受けることが義務付けられました。この2回目のPCRで陰性であればホテルから出ることが許されますが、その後も入国から合計14日間は自宅隔離の義務があり、違反をすると恐ろしいほど高額な罰金が課せられます。なお、ホテル滞在およびPCR検査はすべて実費で、合計2000ドル(約16万5千円)以上になるとの発表がありました。
カナダ政府がここまでやるのは、海外からの変異種をカナダ国内に持ち込むことを抑えることと、そもそもカナダ人がコロナ禍であってもバケーションなどでいろんなところに移動していたことが感染源になっているとの考え方のようで、徹底的に旅行に行きにくくなるような制限を課して人々の動きを止めて感染を食い止めることに躍起になっているようです。
こんな状態ですから僕の仕事にも当然影響が出てきています。今月もリザーブになりました。そもそも今月のモントリオールベースのエアバス320クルーに割り当てられたフライト数は極端に少なかったです。こればっかりは仕方がありません。今月果たして何フライトできるのか。微妙なところです。
前回の書き込みでお知らせしたとおり、エアバス移行訓練はすべて終わったのですが、訓練終了後ある一定期間に決められた飛行時間をこなさなければ行けないという決まりがあります。そのため、先月末はリザーブ中にペアリングをいくつか優先的に与えられました。主にアルバータ州のエドモントンまたはカルガリーとBC州のバンクーバーを行ったり来たりするフライトでした。1日に3フライトまたは4フライトする日もありました。767に乗っていた時は1日1フライトというのが多くて、特にヨーロッパ便の場合は1日目にカナダから飛び、2日目は現地でのレイオーバー、そして3日目にカナダに戻ってくるというパターンが多かったです。そのため、3日働いて自分が操縦するのは1回だけ(離着陸それぞれ1回ずつ)というのが多かったのです。慣れてくるとなんとも思わないのですが、767に乗務を始めたばかりのころは3日に1回の離着陸だったからなかなか慣れなくて、フライト中の手順に戸惑わなくなるまでには結構時間がかかりました。シミュレーターはいかに本物に近いとはいえ、実際のフライトは訓練とはまた別物です。今回のエアバス320の場合は1日に1回以上離着陸もできるし、PF(Pilot-Flying)/PM(Pilot-Monitoring)も両方経験できるので慣れるまでの時間がかなり短くなるように感じています。とはいえ、今のようなご時世ではフライトそのものがあまりないので大変ですけども。
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数日前にモントリオールは結構な量の雪が降りました。積雪当日は車の運転が結構大変です。坂があるところはなるべく避けたほうが無難ですし、そもそも車を運転しなくて済むならしないほうが良いと感じることが多いです。今回は20cm近く降ったと思うのですが、主要道路やハイウェイを走る分には問題ありませんが、ちょっとでも裏道に入るともうダメですね。ABSがガンガン作動しますし、スピン防止機能もしょっちゅう作動します。ケベック州は冬季間のスノータイヤ(スタッドレス)が義務化されています。今でも特に郊外に住んでいる人はスパイクタイヤを使う人もいます。
ケベック人は冬でもとてもアクティブです。モンロワイヤル山や近くの大きな公園ではクロスカントリースキーを楽しむ人がたくさんいます。スノーシュー(かんじき)で歩く人もいます。そして公園の多くにはこの時期アイスリンクが整備されていて、スケートを楽しむ人もいます(すべて無料です)。冬が長いから冬を楽しんじゃえということなのでしょう。今年はスキー一式を買い揃えたので無理ですが、来年はクロスカントリースキーを始めたいと思っています。
今朝の散歩で見かけたクロカンスキーヤー
(つづく)
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