2014-08-28

またまた東海岸でのフライト。

 前回の更新からしばらく経ちますが、その間にまた東海岸へ行って来ました。 今月2回めです。 初日はカルガリーからトロントまでデッドヘッドで移動し、そこからSault Ste Marieというところまで行きました。 ソルト・ステ・マリーって書きますが、「スーサンマリー」って発音するんだそうです。 現地の人や、ATCの人は略して「ザ・スー」って言ってました。 Saultはフランス語でFall、SteはSaintの女性形、Marieは名前で、セントマリーフォールっていうのが英語訳になるみたいです。 

 このスー、アメリカとカナダの国境にある市で、アプローチ中にアメリカ側から入ってきて、カナダ側に着陸するというユニークな空港です。 アメリカ側にもスーっていう都市があるらしく、ATC Clearanceでは「Cleared to Canadian Soo」とかっていうこともあるんだそうです。 間違ってアメリカに降りちゃったら大変ですからね(笑)。 この日は1フライト飛んだだけで終了。 楽っていえば楽だったんですが、カルガリーとスーサンマリーの時差は2時間。 ビクトリアからだと3時間です。 しかもDHフライトは約4時間で、カルガリー時間の朝5時過ぎにはクラッシュパッドを出発したので結構疲れちゃいました。 その日はホテルで一泊。 ホテルはウォータータワーが目印の、その名もThe Water Tower Inn。 ローカル色丸出しって感じです(苦笑)。 大学が近くにあって、少しだけ歩きましたが、なかなかゆったりと時間が流れている感じの街のように感じました。 住みたいか?と聞かれると答えはNOですけど(笑)。


 次の日はスーサンマリー→トロント→スーサンマリー→トロント→サドベリーというフライトでした。 さすがにトロントも2回目だったので、だいぶ慣れました。 相変わらずカルガリーやバンクーバーと比べるとタクシーが面倒だし、無線も早いし、周波数をしょっちゅう変えないといけないので忙しかったです。 この日はサドベリー泊。

 サドベリーはニッケルや銅の鉱山で潤っている街だそうです。  なんでも、大昔に隕石が衝突して大きなクレーターが形成されたのがこのサドベリーだったとか・・・。 そのせいでか、地下資源が豊からしく、そこにいろんなところから労働者が集まっているそうです。 ちょうど、僕が以前働いていたフォートマクマレーと同じような感じの街で、独特の雰囲気が漂っていました。 ホームレスの人とか、怪しい感じの人がそこら中にいて、正直街を散歩していても気持ちのよいところではなかったです。 

 3日目は前回のペアリング同様、アメリカへのフライトでした。 サドベリー→トロント→クリーブランド→トロント→ボルティモアという感じです。 前回、アメリカへの入国審査のときに審査官の女性が、 「これがあればパスポートにいちいちスタンプを押さなくてよくなるから、パスポートのページを無駄に消費しなくて済むからね」って言って僕のパスポートに紙切れを一枚、ホッチキスで留めてくれました。 これのおかげでアメリカ入国のときには審査官がスタンプを押す変わりにペンでさらさら〜っとなにか書いてくれておしまいです。 この紙1枚でアメリカ入国30回分くらいはいけそうなので、パスポートのページ追加とかを申請しなくて済みます。 思うんですが、パイロットの制服を着ていると、アメリカもカナダも入国審査官がとてもフレンドリーです。 乗客として入ってくると超渋い顔で笑顔すら見せないのに、僕がパイロットだと超やさしいです。 なんだかへんな感じです・・。 今回はクリーブランドからトロントに戻ってきてボルティモアに行くまでに2時間以上カナダ側での待機時間があったため、ルール上、一旦カナダに入国しなければいけませんでした。 なので、一旦カナダに帰国、そしてまた1時間後くらいにカナダを出国してアメリカへ入国っていう感じでした。 1日にアメリカに2回入国したのは今回が初めての経験で、島国の日本育ちの僕としてはなんだか不思議な感じがしました。
 


 アメリカはやっぱり飛行機大国で、ランプに停っている飛行機の多くはジェットです。 ターボプロップ機はあんまり見かけませんでした。 

 今回は一緒に飛んだ機長もカルガリーベースのキャプテンで、以前に一緒に飛んだことがあるということもあってとてもリラックスして、楽しい4日間のペアリングになりました。 FAさんもモントリオールの男性で、無口だけど口を開くと面白いことをいう人で、一緒に仕事していて気持ちがよかったです。 特に大きな問題も起きなかったので、スムーズに仕事ができました。 今回はハードランディングもしなかったし(笑)、なかなか満足の行く仕事ができました。 今後も月に1回か、2ヶ月に1回くらいのペースで東海岸のペアリングをやれたら仕事のバラエティが増えて楽しいかな〜と思っています。 でも、慣れたカルガリーやBC側でのフライトのほうが頭を使わなくていいので楽っていえば楽なんですけどね(笑)。


(つづく)

2014-08-20

行って来ました、カナダ東海岸。

 先日、カナダ東海岸での仕事がありました。 僕のベース空港はカルガリー。 西海岸です(「海岸」って言っても海はないですけど・・・)。 でも、乗務するのは東海岸っていう不思議なスケジュールでした。 4日間連続勤務の4-day pairingで、一日目はカルガリーからエアカナダのオタワ行きの飛行機に乗り込んで乗客としての移動でした。 これを"Deadhead(デッドヘッド)"といいます。 日本語訳すると「無賃乗客」ってなるみたいですが、これだとなんだか聞こえが悪いですよね(笑)。 オタワまでは約4時間のフライト。 長い・・・。 以前にもこのブログで書いたかも知れませんが、僕は飛行機は好きですが、乗客としてフライトするのはかなり苦手です。 デッドヘッドの時は空席があればビジネスクラスに座らせてもらえることもあるのですが、この日はあいにく満席。 乗務前にエコノミークラスで4時間のフライトはなかなか身体に応えます(笑)。

 オタワ到着後、4日間一緒に飛ぶ機長と合流。 フライトアテンダントはトロントベースの若い女性のFAさんで、最初の二日間だけ一緒に働きました。 その日はオタワからフレデリクトンまでのフライト。 この日はいつもカルガリーで飛ばしているDash8-300シリーズではなく、ちょっと短めで座席数の少ない100シリーズで、システムとか出力の設定なんかが微妙に違います。 僕がシミュレーターで訓練をしたときはこの100シリーズだったんですが、実際の乗務はこれまで100%、300シリーズだったので、このときが100シリーズに乗る初めての日になりました。 

 フレデリクトンはいかにも東海岸だな〜っていう雰囲気でした。 以前にアメリカの東海岸に行ったことが何回かあるんですが、住宅様式とかがアメリカ東海岸で見たものと良く似ていました。 17世紀にフランス植民地の拠点になった街の一つらしく、今でも当時の軍関係の建物とかがそのまま残されています。 

 確か市役所

 以前は線路がかかっていたみたいです

 泊まったホテルもなんだかアンティークな感じ

 軍関係の建物

 軍の倉庫・宿舎?

 今は改装されて、商店などがテナントとして使っているみたいでした


 二日目はこれまたトロント空港までデッドヘッド。 1時間半ほどのフライトでした。 そしてそこからティミンズ空港への乗務でした。 トロント空港はカナダ最大の国際空港です。 滑走路は5本(?)あるし、誘導路も複雑なので、ゲートから滑走路までのタクシーがなかなか大変でした。 とにかく飛行機の数が多くて、最初の離陸のときなんかは出発の順番が11番目とかでした。 僕らは結局10分程度ブリティッシュ・エアウェイズのB787の後ろで離陸順番待ちをしました。 トロント空港は大きな空港ですが、離陸してしまえばあとはカルガリーやバンクーバーと特に変わりもなく、いつもどおりのフライトっていう感じになりました。 途中、モントリオールの上空を通過しました。 すべてが初めてだったので、フライト中はコクピットの窓から見える景色を楽しませてもらいました。

 あとの2日はアメリカのクリーブランドとボルチモアに行きました。 これについてはまた次回。

 今回の東海岸でのペアリングをやってみて、エアラインは本当にすごいな〜と改めて思いました。 今まで一度も行ったことがないところに、初めて一緒に仕事をするクルー達と一緒に飛んで行くんです。 「初めまして」と言って握手をして、そこから皆がマニュアル通り・訓練通りにいつもと同じ仕事をし、乗客の皆さんを安全に目的地まで送り届けます。 そして仕事が終わると、また握手をして「一緒に働けて楽しかったよ」といってクルーたちとはお別れします。 またどこかで一緒に飛ぶことになるかも知れないし、もしかしたらもう二度と一緒に飛ぶことはないかも知れません。 そういうのは当たり前のことなのかも知れないけど、僕にはすべてがとても新鮮でドラマチックに思え、特別な経験のように感じました。 そんなプロフェッショナルなエアラインで働けていることが改めてとても幸せに感じました。 

 そんな特別な経験を東海岸でさせてもらったような気がします。


(つづく)

2014-07-18

ホテル暮らし。

 って書くと、なんだか芸能人とか物書きの人たちが集中して作品を仕上げるためにホテルに缶詰になるように聞こえてしまいますが、エアラインパイロットの生活も概ねホテル暮らしが多いです。 

 実は、僕はエアラインパイロットになるまではホテル暮らしになることについては特に気にもかけていませんでした。 今でも特に苦にはなっていませんし、むしろちょっと楽しいくらいです。 いつも部屋は整頓されているし、ベッドシーツもパリ〜っとしていますし。 でも、やっぱり自分の家にかえってくつろぐのとは少し勝手が違いますね。

 滞在するホテルは会社が選んだホテルで、各都市に一つ、または二つあることもあります。 詳しいことは知りませんが、クルーが利用するホテルとして選ばれるには有る一定の条件をクリアしないといけないようです。 例えば、「ホテルの周りで工事をしていないこと」とか。 騒音が多いと必要な休息が十分に取れず、それが次の日の安全運行に支障をきたす可能性があるからのようです。 他には、「部屋の中に冷蔵庫があること」とか。 クルーの多くは何らかの食料品を持ち歩いて仕事をしているので、ホテル滞在の間は食品を冷蔵庫にいれておきたいからのようです。 そんなこんなの条件をすべてクリアしたホテルのみがエアラインクルーの滞在先に選ばれるんですって。 なかなか面白いです。

 そのおかげで、だいたいのホテルはとても快適です。 そこそこ綺麗だし、中にはリゾートホテル?って思ってしまうくらいモダンなものもあります。 都市のダウンタウンに近いホテルなんかはふらっと散歩がてらダウンタウンを歩くこともできます。 フィットネスルームはどのホテルにもあるので、時間があるときは運動をするように心がけています。 

 そのホテルでどうも許せないことがいくつかあります。

 その1。 ベッドに余計な飾りがあること。 これです↓



正式な名前は知りませんが、多分飾りですよね? もしくは、靴を履いたままベッドに上がった時にシーツが靴で汚れないようにするもの? 朝起きるころにはべろ〜んってなって床に落ちてます。 超無意味。 やめて欲しいです。

 その2。 枕が多すぎ。 これです↓


 1ベッドに枕が6個位あって、しかもそれぞれが超分厚い枕なことが多いです。 さらに、北米特有の「使わない、ベッド装飾用のクッション」がベッドにあるときなんかは最悪です(笑)。 使う枕はせいぜい1つか2つなので、残りの4つは床に置くか、隣の空いているベッドに放り投げることになります。 これまた超無意味だと思います。 (どちらの写真も朝起きてから撮影したもので、見苦しくてすみません)

 どこのホテルでも石鹸やシャンプー、リンスなどを当たり前のように使いますが、どれもちょっと使って、あとは残してしまうことになり、それらはきっと廃棄されているんだと思うので、ちょっとこころが痛みます。 でも、だからといってマイシャンプーとか、マイ石鹸をバッグにいれて持ち運ぼうと思うほどエコな人間でもありませんから、これはこれで仕方がないですね。 でも、タオルとかはなるべく少ない枚数を使って、洗濯される枚数を減らすことに協力しているつもりです。 せめてものエコです。


(つづく)

2014-07-03

クラッシュパッド。

 僕のベースはカルガリー国際空港(CYYC)です。 エアラインパイロットは皆、どこかのベース空港に所属していて、そこから仕事(ペアリング)を開始し、どこかへ飛んでいきます。 カナダの航空会社のベース空港の多くはバンクーバー、カルガリー、トロント、モントリオールといったところだと思います。 当然ながら、自宅とは全然違う都市のベース空港に配属になることもあります。 例えば、僕のトレーニングパートナーだったフランス系カナダ人のパイロットは、ケベック(東海岸)出身なのに、西海岸寄りのカルガリーベースに配属になりました。 大手航空会社のいいところは、自宅がある都市に比較的近いベース空港への配属を希望することができるところです。 そうでない航空会社の場合はベース空港が限られていて、その都市への引っ越しを余儀なくされることもあります。  僕の友人の独身パイロットの場合には「引っ越しはむしろ楽しみ♪」なんていう強者もいますが、家族やお子さんがいるパイロットにとっては引っ越しは楽ではないと思います。

 僕は引っ越しはせず、ビクトリアからカルガリーに通うコミューター(通勤組)です。 ビクトリアには1ヶ月に数回、計10日ほど帰ることができます。 この点は以前のmedevacの仕事の時とそんなに変わらないので、それほど苦にはなりません。 カルガリーにいる間はなるべく生活費を抑えたいので、アパートを借りたりはせず、クラッシュパッド(crashpad)に滞在しています。

 クラッシュパッドというのは、“ベッドに倒れこむ(crashする)”ためだけの滞在先のことです。 詳しくはわかりませんが、きっとエアライン業界独特の仕組みじゃないでしょうか。 クラッシュパッドは一軒家のベッドルームに相当な数のシングルベッドを入れて、多くのパイロットで家をシェアするという形態が多いようです。 よくあるのはひとつのベッドルームに二段ベッドを2つ入れ、そんな部屋が2〜3部屋くらいあって、計8〜12人のパイロットが一度に滞在できるようになっているみたいです。 もちろん、トイレ・バス、キッチンなどはすべて共有です。 そんなかんじなので、家賃はアパートを借りるよりもかなり格安です。 

 僕のクラッシュパッドは空港から10分ほどのところにあり、近くにスーパーやカフェ、酒屋などの生活に必要なものがすべて揃った、立地条件のとても良い閑静な住宅街にある一軒家です。 下がその写真です。

 クラッシュパッド外観

 キッチン・ダイニング・リビングルーム

 ベッドルーム

 このクラッシュパッドのオーナーは僕が働く航空会社の機長さんです。 とてもいい人で、line indoc中に一緒にフライトしたキャプテンです。 さすが自身もパイロットということもあって、クラッシュパッドはパイロットがステイする間になるべくストレスがたまらないような工夫がされていて、一般的なクラッシュパッドに比べたら質が高く、とても快適です。 二段ベッドは上(または下)にいる人に気を使うことになるだろうから、っていうことで、ここのクラッシュパッドの場合にはシングルベッドを採用し、ベッドの間にはクローゼットを置いて簡易的な壁になっていて、ある程度のプライバシーが保てるようになっています。 ベッド・マットレスもすべて新品で、各自ベッドが充てがわれているので、他の人とベッドをシェアするということはありません。 衛生的です。

 このクラッシュパッドには8人のパイロットが滞在しています。 「8人と暮らす」と聞くと「え〜っ、まじで〜!?」って感じですが、クラッシュパッドを利用する人は皆、通勤組なので、ほとんどの場合はペアリングでどこかの都市のホテルに滞在しているか、もしくは自宅に帰っています。 ペアリングが早朝出発の場合で前日にカルガリー入りしないといけないときや、ペアリング終了後に自宅に戻るための最終フライトに乗り損なった場合などに仮眠を取るためにクラッシュパッドを利用します。 なので、8人全員がここに滞在するということはほぼ100%ないみたいです。 実際、僕が今まで他の人と鉢合わせたのは数日しかなく、最高でも僕以外にもう一人のパイロットがいる(一軒家にパイロットが計2名のみ)っていうくらいです。 なので想像以上に超快適です(笑)。 

 そして驚きのお家賃は・・・・$250/月! カルガリーで部屋を間借りしようとしても最低でも600ドルくらいはかかるみたいなので、この家賃は格安です。 これで通勤の費用も抑えられます。 

 それにしてもカルガリーは新興都市なので、住宅がどれもおんなじに見えます。 英語でクッキーカッターハウス(cookie cutter house=クッキー型で切り抜かれたみたいにどれもおんなじに見える家々)という表現がありますが、まさにそんな感じです。 やっぱりビクトリアみたいに歴史がある都市のほうが散歩中のお宅ウォッチングは楽しいです。 


カルガリーらしい住宅街、そしてピックアップトラック(笑)



(つづく)

2014-06-27

ジャンプシート。

 エアラインパイロットになってよかったな〜と思うことの一つは、「ジャンプシート」っていうのを使って旅行ができることです。 僕が働いている航空会社と相互ジャンプシートの取り決めに合意をしている他の航空会社なら、このジャンプシート制度を使って飛行機に乗れます。 以前フォートマクマレーで働いていたころは、毎月ビクトリアに戻るために自腹で航空券を買っていました。 毎月5〜6万円の出費でした! あれは本当に痛かった。 でも、フォートマクマレーに休みの間ずっといてもすることがないし、毎月バケーションのつもりで、と自分に言い聞かせて毎月それだけのお金を使っていました。 今はジャンプシートのおかげでだいぶ安く飛行機に乗れます。 詳細な額は話してはいけないことになっているので言えませんし、聞かないでください(笑)。 

 このジャンプシートというのはもともとはコクピット内にある補助席のことで、監査官が座ってパイロットの仕事ぶりや技量を観察したりするときのための席のことです。 航空会社によっては自社パイロットならコクピット内のジャンプシートに座らせてもよかったりします。 僕がいつも利用しているWestjetはコクピット内ではなく、普通に乗客としてキャビン内に座ります。 カウンターのおねえさんの機嫌が良くて、僕も丁寧に笑顔で対応して、それで席に余裕があるとキャビン内の席を用意してくれます。 満席だったり、空席があっても他の僕よりもシニアなパイロットが同じ便に乗ろうとしていたりすると僕はbumped out、つまり、弾き出されちゃいます。 そうなると次の便まで待たなければいけません。 ジャンプシートはスタンバイベースなので、空きがある時のみ乗れるんです。 そりゃそうですよね、エアラインにしてみれば大して利益を生まない僕なんかを乗せるよりは、チケットを購入してくれる乗客の皆さんを乗せたいでしょうから。 

 ジャンプシートに乗るためにはいろいろマナーがあるらしいんです。 例えば、飛行機に乗り込むのはなるべく他の運賃を払っている乗客の皆さんが乗り終えたあとからとか、降りる時は今度は逆に最後まで待つとか。 他にも、操縦しているパイロット達に挨拶をしてお礼を言うとか。 たしかに安価でフライトできているし、あくまでもジャンプシートは「権利」ではなくて「特権」なので、そういうことはわかってはいるんですが、これが結構面倒くさい! 一度コクピットに挨拶にいったら、スナックを食べているときかなにかで、すご〜く面倒くさそうな対応をされましたし、そもそも降機するのを最後まで待っていたりするとフライトアテンダントの人たちが客室内の掃除をしたりするのの邪魔になります。 乗り込むときもそう。 最後まで待つとバッグを入れるスペースがオーバーヘッドビンになかったりして着席するのに時間がかかるし、窓側の席を与えられたりしたら最後、すでに座っている人たちに立ってもらわないといけません。 マナーも大事だけど、オペレーションに支障が出ない程度でやろうと、勝手に決めました(笑)。

 そんな面倒なこともあるジャンプシートですが、ようやく使い方にも慣れて、快適に通勤できています。 ジャンプシートを利用すれば日本にも帰れるそう。 ただ、カナダに戻ってくるときにスタンバイだと乗れるかどうかでハラハラしそうなので、よほど時間に余裕がある時以外は難しいかな?とも思います。

 今日の写真はカルガリー空港です。 仕事が終わって、クラッシュパッドに戻る前にレストラン街で食事をしていたときに突然人の波がどわっと現れました。 「団体客かな?」って思っていたんですが、近くにいた地上係員の人に聞いたら、空港ターミナル内で停電があって、セキュリティーチェックの安全検査場の一つがダウンしてしまったらしく、そこで並んでいた乗客の人たち全員が他の検査場に回されたということでした。 オイル・ガスで潤っているカルガリーなのに停電だなんて・・・(笑)。 検査場の入り口はこの写真の人の列の一番前(黄色のバナーの下)よりもさらに奥です。 そして最後尾はこの列と同じくらいの長さで写真の後ろ側につづいていました。 フライトに乗り遅れた乗客とかがいたんじゃないかな〜?




(つづく)

2014-06-12

Line check終了!

 エアラインパイロットのスケジュールは僕が働いている会社では「pairing=ペアリング」って呼ばれています(他の会社でもきっと同じだと思います)。 ペアリングの中には1-day pairing(1日で仕事が終了するシフト)から、4-day pairing(4日間に渡って基本的に同じクルーと一緒にフライトするシフト)まで、いろいろなものがあります。 Line indocが始まって、僕の最初のペアリングは3-dayで、次が4-day、そして昨日までが2-dayペアリングで仕事をしてきました。 

 ペアリング中は仕事が終わったらホテルにチェックインして、次の日の仕事が始まるまで休息の時間となります。 今回のペアリングではほとんどがエドモントン泊で、エドモントンのダウンタウンにあるホテルと、エドモントン空港の近くにあるホテルに泊まりました。 朝が早くて、4時起きとかっていうのが多かったです。 さすがリージョナルエアラインの朝は早いです。 でも、仕事が終わるのも早くて、正午過ぎとか午後2時位までには仕事終了っていう感じが多かったかなと思います。 ホテルにチェックインした後は天気が良ければホテルの周りを歩いたり、朝食を買いにスーパーに行ったりして、リラックスして時間を過ごせました。 パイロットの中には運動靴をいつもかばんに忍ばせていて、滞在先のホテルのジムで毎日運動をする強者もいるらしいです。 僕も見習ってこれからはランニングシューズを持ち運んで運動不足を解消しようと思っています。 毎日のように外食せざるを得ないので、運動は必須のようです・・・。

 さて、訓練が始まっていよいよエアラインパイロットになったな〜と思うシチュエーションが多々ありました。 搭乗ゲートから乗客の皆さんがぞくぞくと飛行機に向かって歩いてくる姿を見ていると緊張感が高まります。 コクピットのドアはフライト前は当然開いているので、チラッと後ろを振り返ると着席した50名近い乗客の目がこちらを見ているのに気が付きます。 バッグの数、追加された燃料、乗客の数などをFMS(Flight Management System=飛行管理装置)と呼ばれるコンピューターに打ち込んでいざ出発!っていう感じです。 

 そのFMSっていうのは、こんな感じのキーパッド付きの原始的なシステムです。

 
(写真はwebより拝借)

  これで燃料のモニタリングからナビゲーションからアプローチまでいろんなことをやっちゃいます。 これの操作が慣れないうちは大変で、やりたいことがなかなかできないんです。 特にACARS(Automatic Communications Addressing and Reporting System=エイカーズ)っていうシステムは訓練中に使っていたシミュレーターにはない仕組みなので、line indocが始まって「はい、どうぞ! これがエイカーズですよ〜!」って紹介された感じで、いきなり実戦で学ぶ羽目になりました(笑)。 幸い、最初に飛んだトレーニングキャプテンがめちゃくちゃいい人で、すべてを手取り足取り教えて下さいました。 2日目からはFMS, ACARSのデータ入力も慣れてきて、今ではとりあえず扱えるようになってきました。 

 訓練で習ったことと実際のラインフライングはいろいろ違うことがあって戸惑うこともありますが、だいたいの流れがつかめてきて、ようやく楽しいと思えるようになってきました。 スケジュール通りに出発・到着できたときにはちょっとした満足感がありますし、お客さんにありがとうと言われるとうれしくなります。 機長たちも皆さん「プロ中のプロ」って感じで、マニュアルを熟知していて、会社のSOPs(Standard Operating Procedures)を忠実に守って安全に飛行しています。 前の会社ではSOP以外のことを機長の度量で自由にやっていたところも多くて、飛ぶ機長によって飛び方が違ったりして紛らわしかったのであまり好きじゃなかったので、エアラインの「100%マニュアル通りのオペレーション」っていうのはいいな〜と思っています。 

 そんなこんなで一昨日、line checkが行われ、無事に合格しました。 いろいろ細かなミスも相変わらずしていますが、ミスから学んで次のフライトで直す!っていう感じで毎日のフライトをこなしています。 まだまだ慣れるのには時間がかかりそうです。 これで一応は副操縦士として正式デビューっていうことだと思いますが、試用期間が1年間あるので、それが終わるまでは下手なことはできません(笑)。 まぁ、ちゃんとやっていれば問題はないとは思うんですけどね。 とりあえずエアラインパイロットとしてなんとか一歩を踏み出せたことには満足しています。


(つづく)
 


 

2014-05-26

“とりあえず”エアラインパイロットになりました。

 昨日、フライトテスト(とはいっても、シミュレーターでのテストですが)に無事合格して、晴れてエアラインパイロットの端くれになりました。 4月上旬に訓練を開始して、5月下旬に一応の訓練が終了ということなので、まるまる2ヶ月間に渡って訓練していたことになります。 いや〜長い道のりだったな〜っていうのが率直な感想ですが、同時に結構早かったな〜とも思います。 ただ言えることは、「我ながらよく勉強した!」っていうことですかね(笑)。 それでもまだまだ知らないことが山のようにあるというのがなによりも恐ろしいです・・・。 今月下旬からカルガリーで通常の運行ルートをお客さんを乗せて飛びながら訓練をする「Line indoc」が始まり、その後の「Line check」に合格したらやっと一人前の副操縦士ということになります。 なので、まだまだリラックスできないのですが、とりあえずはひとつの関門をクリアしたということでちょっと安心しています。

 



 これが訓練で使ったシミュレーターです。 Level Dシミュレーターという種類で、実機を飛ばすことなく旅客機の操縦に必要な資格を取得できるというすぐれものです。 中は実機とまったく同じコクピットのレイアウトで、景色がプロジェクターを通して映しだされます。 これが結構リアルで、しばらく飛んでいると現実と仮想の境目が曖昧になってきます(笑)。 油圧式のアームみたいなのがコクピットがある箱(?)の下についていて、飛行機の姿勢の変化や加速・減速などに合わせて動きます。 ディズニーランドとかUSJとかにある仮想系の乗り物と同じような原理なんでしょうけど、これはもっと正確です。 噂では1時間あたりの使用料はかなりな額だそうです・・・(もちろん会社負担です!)。

 僕が飛ばす飛行機はDash-8っていう飛行機です。 詳しくはこちらを御覧ください。 残念ながら多くの一般の人に言わせると「小さい飛行機」に分類される飛行機です(笑)。 ターボプロップ機で、ジェット機ではありません。 地方路線を飛ぶために作られた飛行機で、僕が飛ぶのも地方路線です。 日本でも飛ばしている会社がいくつかあるみたいで、僕が訓練をしていたバンクーバーのエアカナダの施設には日本人のパイロットの方々が数名来ていました。 少し話をしたかったんですが、時間がなくて出来ませんでした。 シミュレーターは数が少ないので予約がみっちり入っていて、朝4時からとか、夜中の12時から訓練を始めるっていうクルーも結構いるみたいです。 そういう時間じゃないとシミュレーターが空いていないからだそうです。 僕とトレーニングパートナーは幸い遅くても夕方5時スタートで、11時過ぎには訓練が終了していました。 他の同僚達は早朝スタートが多かったみたいです。  

 今回の訓練は東部の都市トロントで始まり、トロントのホテルに約1ヶ月間滞在しました。 それからちょっと休みがあったのでビクトリアに戻ってきて、そのあとは今滞在しているバンクーバーに来ました。 ホテル暮らしっていうのも悪くはないですね。 コーヒーはあるし、部屋の掃除もしなくていいし(笑)。 でも、やっぱり家に帰ってくつろぎたいものです。 今日、ビクトリアに戻って、数日間休みで、その後はカルガリーに移動します。 僕のベースがカルガリー空港に決まったので、これからしばらくはまた通勤生活が始まります。 「ジャンプシート」と呼ばれる仕組みがあって、同じ組合に加盟している航空会社間なら無料または格安でお互いの航空便を乗客として利用できるという制度があるので、僕はそれを使ってビクトリアからカルガリーまで通います。 通うとはいっても毎日ではなく、最初のうちは月に1〜2回帰ってこれればいいほうだと思います。 前の仕事のときは10日間連続休みがあったのでよかったですが、今回の仕事はそういう感じになるのにはしばらく時間がかかりそうです。 いずれはビクトリアに近いバンクーバーのベースになりたいな〜とは思いますが、いろいろと大変な面もありそうなので、とりあえずはカルガリー空港ベースでがんばるつもりです。

 昨日は試験終了後に試験官と僕のトレーニングパートナーの3人でホテル近くのパブに行ってお祝いしました。 試験官には「よく出来た!」と褒められました。 今は朝の5時。 どうやらアドレナリンが出すぎてあまり眠れなくて起きてしまったのでこれを書いています。 ホテルを出るまであとちょっと時間があるので、そろそろベッドに戻ろうと思います。


(つづく)