トロント北部の町ではマスクをせずに商店を利用していた人に他の利用者がマスク装用を促したところ口論となり、死亡者が出る事件まで起きました。日本でもバス内で同様の事件が起きていますね。マスクをするのをなぜそこまで嫌がるのか。僕を含むアジア人はマスク装用に抵抗がありませんから疑問も持たないし、なんの違和感もないはずですが、そもそもマスクをする文化がない国の人々(例えば北米)は日本人の我々には理解のできないほどの違和感を持つようです。
友人が教えてくれたウェブ記事によれば、マスクをしないのは特にマッチョ精神を信じている男性に多いようです。マスクをする=弱々しい、といったイメージを持っているとか。男は黙って筋トレという文化で育った北米人男性達には道具を使って身を守るというのはどうしても解せないようです。そういう人に限って「マスクには有効性なし」「ウイルスはマスクのフィルターを簡単に通過する」「マスクをしていてもウイルス感染を100%防ぐことはできない」などの御託を並べて頑なにマスク装用を拒みます。実際、「マスクはしない」というプラカードや横断幕を持ってデモ活動をする動きまでカナダ国内でも起き始めています。アメリカのとある州ではマスク装用義務化を違憲と判断する州まで出てきています。
マスクをすればウイルス蔓延拡大を防げなくてもスローダウンさせることはできると思いますが、そういうことにも協力できない人々が世界中に確実に存在するということが今回のことでよく分かりました。こんな調子ですから、これからも長期間に渡ってウイルスとの闘いは続いていくと思います。
僕の最後のフライトからそろそろ4ヶ月ほどが経とうとしています。考えてみれば、2006年に飛行訓練を始めてから今日に至るまででこんなに長い間フライトしなかったことは一度もありません。我が社の経営陣も次から次へといろいろな策を講じています。カナダ政府は日本と違って、入国の際にPCR検査を義務化していません。その代わり、カナダ国民、永住者やその近親者以外の入国は認めないという姿勢です。そのため、我が社では独自に科学的根拠に基づいて検査をする仕組みを確立して政府に迫っていこうとしているように見受けられます。航空会社レベルでそのようなことをやってもあまり意味はなく、時間とお金の無駄のようにも思いますが、これが政府レベルに問いかけるきっかけになれば良いのではないかと思います。PCRを義務化することで旅行者には無言のプレッシャーをかけることができます。自国を出る段階で健康面に不安がある人は旅行先の国で最悪の場合隔離されたり強制送還されるリスクを冒してまで旅行に行こうとはしないでしょう。また、旅行予定者は旅行前に自国内で検査を受けてから海外旅行に行こうと考えるかもしれませんから、それが間接的に検査数を増やし、陽性者を早期発見することにも繋がります。よいアイデアだと思うんですけどね。ちなみに蔓延が収まらないアメリカとカナダの国境は閉じられたまま。最近になって少なくとも8月後半までは封鎖は解かれないということになりました。今の流れを見る限り、個人的には国境封鎖はさらに長引くことになると思います。
オールドポートで見る夜明け。
ここ最近雨が降る日もあります。
雨の中犬を散歩する人。犬用カッパが似合ってます。
(つづく)
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