ビクトリア53日目:ローカルウエスト
2006年12月6日水曜日
今日は久しぶりにローカルウエストと呼ばれるエリアへのフライトでした。 ビクトリア空港を離陸し、「カウチン」というエリアの上空を飛んで西へ抜ける「cowichan departure」を管制塔から指示されました。 ビクトリア空港の周辺には16個のdepartureとarrivalポイントがあり、ほとんどは島の名前や湖の名前をとって名付けられたポイントです。 カウチンは滑走路27を離陸してほぼまっすぐ進んで行くと到達する入り江(Cowichan Bay)の名前です。 カウチンを通過してしばらくするまではフードを付けないで有視界飛行をしました。 次回のソロはローカルウエスト方面に飛んでいくつかエアワークをする予定なので、地理の特徴を覚えておく必要があるからです。 ローカルイーストとちがって、ウエストは地理を理解するのがとても簡単です。 万が一迷ったとしても、海岸沿いを飛んで行けばビクトリア空港、または西にあるナナイモ空港に辿り着くからです。 一方のイーストは小さい島がたくさんありますし、ほとんどは洋上なので、なかなか大変です(汗)。
訓練エリアに到達したら、今日もフードを付けての計器飛行です。 今日もrate 1 turnを利用して、万が一バキュームを利用した計器(Attitude Indicator, Directional Gyro)が故障したときのためのフライト手順を練習しました。 いつもはヘディング(飛んでいる方向)を変更するときはDirectional Gyro(通称D.G.)を多用しますので、DGが使えないとなると一瞬パニックになります(笑)。 DGとAIを使わない計器飛行をpartial panelと呼びます。 partial panelのときは、計器盤にゴム板を貼付けて、本当に見えなくしてしまいます(笑)。 深呼吸をして落ち着いて、「XX度ターンするから、XXを3(3°/秒)で割って・・・」という感じで計算をします。 計算をしたら、果たして右にターンするのか、それとも左にターンするのかを考えます。 方角がincrease(増える)場合は右、decrease(減る)場合は左にターンです。 例えば、今のヘディングは090(東向き)で180(真南)にターンをする場合は、90°ターンですから、90÷3で30秒となります。 090から180は方角が増える(increase)なので、右にターンするということになります。 50°ターンなんて言われると、「50って3で割り切れないじゃ〜〜〜ん!」っていう具合に高度2500フィートでプチ混乱を起こします(笑)。
エアワークが終了したら、空港に戻ります。 まずは119.1でouter towerというタワーにコンタクトします。 outer towerは高度1500ft以上の場合にコンタクトする周波数です。 1500ft以下に降りるには、outer towerからクリアランスを受ける必要があります。 今日はouter towerにコンタクトしたら、「2000ft以上を保持して、カウチン上空で119.7Mhzにレポートしてください」と言われました。 Instructionなのでそのままリードバックします。 昨日も今日も無線は快調です(笑)。 だいたいなにを言うのかが分かって来たので心に余裕が出て来たような気がします。 でも油断は禁物です。 指示されたとおりカウチン上空で周波数をinner towerに切り替えてレポートします。 「Tower, Zulu Sierra Charlie is over Cowichan at 2.1」(タワー、ZSCはカウチン上空を2100ftで通過中です)っと言いました。 すると、「ZSC, cleared right downwind 27, descend is at your discretion」と言われました。 どういうことかというと、「滑走路27のダウンウィンド(右)まで進入を許可します。 降下はあなたにお任せします」ということです。 空港周辺に他の飛行機がいたりする場合は「maintain 2000」とかというふうに高度を指示されるときがあります。 一方、descend (またはaltitude) is your descretionと言われるときには好きなときにサーキット高度(1000ft AGL)に降りることができるというわけです。 なお、discretionはディスクレッションと発音します。 僕がこの言葉を初めて聞いたときは「ディスカッション」って言われたと思って、「なるほど、自分自身で討議して決めろって意味なんだな」っと間違って理解したことを覚えています(笑)。 コントロールゾーン内でのフライトではよく聞く単語の一つだと思います。
サーキットに戻って来てからタッチアンドゴーを1回しました。 今日もsoft field landingの練習です。 まだまだ下手ですが、怖じ気づかずに引き続き挑戦していこうと思います。
さて、今日の写真はハウスメートのロブのペットの熱帯魚(ベタ)です。 今日からロブはプエルトリコに休暇に出かけました。 休暇中にペットの魚にえさをあげてほしいと頼まれました。 えさをあげる代償として、ビール12本を受け取りました(笑)。 さらに、今朝冷蔵庫を開けたら、僕の棚にヨーグルト、リンゴ、アスパラ、その他もろもろが入っていました。 どうやらロブが休暇に入るまでに処理できなかった食料品を僕にくれたようです。 ありがたい限りです(笑)。 っということで、しっかりペットの魚にはえさをあげようと思います。
昨日は一日休養をとったためブログを更新しませんでした。 ごめんなさい。 体調はたいしたことはないのですが、少し頭が重いような感じなので、大事を取って明日も休みにしました。 ということで、明日も更新できないかもしれませんのでご了承ください。 よく考えてみれば、長い髪の毛を10数年も保って来たのに、今になって突然坊主になったから体が変な反応をしてしまっているのかもしれません。 段階的に坊主にすればよかったかな〜って思っても今更どうしようもありません。 とりあえず体調が完治するまではフライトはお預けです。
ではまた!
(つづく)
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ビクトリア56日目:引き続きダウン中。
2006年12月9日土曜日
どうもご無沙汰中です。 相変わらず風邪気味でフライトできていません。 風邪とはいっても高熱があるわけでもないですし、間接が痛むわけでもありません。 なんだか頭がぼーっとしてて、頭が重く感じる状態です。 とりあえずは日本から持って来た風邪薬とこちらで買った薬を服用していますが、あまり症状改善は見られません。 今日、日本にいるS先生から「Advil Cold & Sinusが効くかも」と教えていただいたので、早速購入してきました。 写真の右の箱がそれです。 なんだか効きそうな色です(笑)。 Sinusは洞という意味だそうで、鼻の奥にある空間のことを指すようです。 そこが炎症を起こすと鼻水が出たりタンが出たり、頭が重く感じたりする症状を引き起こすそうです。 ということで、今夜からはAdvil Cold & Sinusを使ってみるつもりです。 でもカフェインが入っているということで、これを飲んだらちゃんと眠れるかが不安です・・・(笑)。 その場合はテレビで映画でも見ようかなと思っています。
アメリカ人は風邪をひくとキャンベルスープのチキンスープを飲んで、7upとかスプライトとかのソーダの炭酸が抜けきったヤツを飲むそうです。 日本ではお粥に梅干し、生姜湯っていうところでしょうか。 ネットでいろいろ調べてみると、いろんな民間療法があるみたいです。 ドイツではビールを暖めて飲む「ホットビール」が風邪に聞くと信じられているそうです。 フランスでは「ホットワイン」(ワインにコショウを混ぜる?)が良いとされているそうです。 カナダではなになんだろうと思ってネットで調べると、ペパーミントティーというのが載っていました。 あとは、Echinacea(エキナシア)というハーブの一種が殺菌力があって免疫力を高めるとされているらしく、のど飴などに入っています。 これのおかげかどうかわかりませんが、のどの痛みはエキナシア入りののど飴をなめたら1日で治りました。
僕の風邪ストーリーばかり書いても仕方ないので、もう少し実用的なお話を。 カナダやアメリカではホームドクターという仕組みが普及しています。 かかりつけのお医者さんということですね。 なにかあればそのお医者さんにまず相談をするという仕組みになっています。 日本ではまだまだこのような仕組みはないですよね。 では、僕のような外国人の場合は誰に見てもらえばいいんでしょう? そういう人たちのためにwalk-in clinicというクリニックがあります。 その名の通り、歩いて入るクリニックで、予約は必要ありません。 日本の病院に近い感じですね。 そこのお医者さんの診察を受け、もし専門医による診断が必要となれば、そのwalk-in clinicのお医者さんが紹介状を書いてくれます。 薬が必要な場合は処方箋(prescription)も書いてくれます。 っということで、僕は症状があと2日以内に改善されない場合はシドニーにあるwalk-in clinicに行くつもりです。 日本で入って来た海外旅行傷害保険が適用できると思いますので、医療費はかからないはずです。 ただ、書類を送ったりしなければいけないので面倒ですが。 海外で暮らす上で万が一のことを考えて海外旅行傷害保険に加入することはとても重要ですね。 なお、クレジットカードなどに付帯している海外旅行傷害保険などには補償額に限度があったり、条件をクリアしないと保険金が支払われないなどといった場合があるので、あまりあてにしないほうがよいと思います。 僕が加入したAIU保険などの場合は日本語でのアシスタントもあるようですし、海外に慣れていない方にとっては心強いと思います。 っということで、海外でフライトトレーニングを受ける方は予算を考える際に海外旅行傷害保険代も必ず含めるようにしましょう。 1ヶ月あたり5000~10000円程度だと思います(保証内容などによって変動します)。
風邪が治ったらいよいよnight flyingを開始するようです。 夜に飛ぶわけですが、果たしてどうやって?という疑問がわきます。 楽しみなような、怖いような。 ナイトフライングを開始するにあたって、質問が書かれたシートを渡されました。 それに答えるために勉強をしていたときに知ったのですが、ビクトリア空港は夜になるとARCAL(Aircraft Radio Control Aerodrome Lighting)というのがあって、無線機でkey-in(発話ボタンを押すこと)すると滑走路灯や進入灯などを15分間点灯できるそうです。 さらに、5秒間の間に何回発話ボタンをクリックするかによって光の強さ(超明るいー明るいー薄明るい)をコントロールできるそうです。 こりゃすごい!(笑)。 ぜひすべての明るさを試してみたいと思います。
っということで、今回はここまで。 またベッドに戻ります。 その前に腹ごしらえをしなければ・・・ メニューは前回作ったカレーの残り物です。
ではまた!
(つづく)
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ビクトリア57日目:教会に行きました。
2006年12月10日日曜日
昨夜はよく眠れました。 カフェインが入っている薬を飲んだにも関わらずぐっすり安眠できました。 おかげで今朝は今までで一番気分よく起床できました。 朝は調子を見る目的も兼ねていままでどおり近所を散歩しました。 やっぱり少し頭は重いものの、気分も悪くないし調子はだいぶ本調子に戻って来たようです。 明後日の火曜日からまたフライトを開始する予定です。
今日は日系教会で行われたクリスマスイベントにお邪魔しました。 僕はクリスチャンではありません。 むしろ仏教徒です(笑)。 なぜクリスチャンのイベントに行ったかをお話すると、先月アメリカに行ったときにフェリー乗り場で知り合いになったバレリーさん(日本生まれの女性)が通う教会でクリスマスのイベントがあるからおいでと誘われたからです。 本来はあまり宗教関連の集まりには参加しないのですが、バレリーさんに会ってこの前のお礼を言いたかったというのもありますし、日本人教会というのに漠然とした興味があったからです。 イベントの後はポットラックパーティー(食べ物持ち込みのパーティー)があるということでそれも楽しみにして行きました。
教会はビクトリアのダウンタウンにありました。 Google Mapsで場所を確認し、久しぶりにバスのスケジュールとビクトリアの地図を取り出して出かけました。 ポットラックには鶏肉のさっぱり煮を作りました。
ここで突然ですが、鶏肉のさっぱり煮の作り方を説明しますのでメモのご用意を(笑)。 [1] 水1/2カップ、醤油1カップ、お酢1カップ、砂糖大さじ6杯、[2] ショウガ20グラム、ニンニク2、3かけ、[3] 鶏肉(手羽元)を14〜16本用意します。 鍋に[1]を入れて煮立てます。 [2]のショウガは皮付きのまま薄切りにします。 ニンニクは軽くつぶしておきます。 鶏肉は水分を拭き取っておきます。 煮立った[1]に[2]と[3]を入れます。 あとは煮るだけ。 お酢の酸味が食欲をそそります。 お好みでゆで卵を入れたり、色合いでブロッコリーの塩ゆでを添えるとなおよしです。 なお、これはミツカンのウェブサイトから学んだレシピです。 日本にいたときからよく作っていました。 一度お試しください。
さて、教会には時間通りにつきました。 バレリーさんには体調が悪いからもしかしたら行けないかもしれない旨を伝えていたので、教会であったときは「来れたのね〜」っと歓迎してもらいました。 ご主人のデビッドさんとバレリーさんのお父さんお母さんにもお会いしました。 お父さんお母さんはご高齢です。 日本で教会を開いたそうです。 宣教師家族なんですね。 サービス(礼拝)が始まると日本語と英語でサービスが行われました。 今まで英語のみのサービスには1、2回いったことがありますが、バイリンガルのサービスは始めてでした。 牧師さんは日本人の方で、その方の言葉をバレリーさんが英語に訳します。 「お父様」(英語でいうfather=神、God)という節には最初は抵抗がありましたが、和訳すればそりゃそうかと思いました(笑)。 それにしてもクリスチャンの方々は歌(賛美歌)を歌うのが好きですね。 僕が知らない歌ばっかりでした。
サービスの後は教会の日本人の方々に紹介してもらったり、ワーホリでビクトリアに来ているという日本人の方々と少し話しをしました。 教会の半分は日本人、あとの半分は現地の方々という感じでした。 なかには僕みたいにクリスチャンではないけど誘われて参加したという方がいました。 なんでもその人はナイアガラからワーホリを開始して、どんどん西に移動してビクトリアに到達したそうです。 仕事はせずに完全に休暇を取っているそうです。 日本では保育士をしていたとか。 面白い女性でした(笑)。 他にも3ヶ月福井に住んでいた女性にあったり、英語を勉強しに来ている女性にも会いました。
っということで、とても楽しい時間を過ごすことができました。 行ってよかったと思います。 毎回思いますが、クリスチャンの人たちはとてもフレンドリーで親切な人が多いので個人的には好きです。 ただ、僕が仏教徒なのは変わりありませんが(笑)。
さて、明日はもし体調が完治しなければwalk-in clinicに行くつもりです。 あとは今日僕の部屋の電球が切れたので、それを直そうかと・・・
そういえば今日の教会で中古車販売をしている日本人の紳士にお会いしました。 なんでも2000ドル(20万円)以下の車もあるとか・・・(興奮)。 最近ずっと考えているのですが、車を持とうか迷っています。 ただ、予算に組み込んでいなかったので、どうやって資金を捻出するかを検討しているところです。 車がなくても困りはしないのですが、北米での生活には車があれば便利なのはいうまでもありません。 趣味の自転車に乗るためにトレイルがあるところまで車で移動できたら便利だな〜と思うし、ビクトリア近郊のホールセールストア(コストコなど)に行けたら倹約できるな〜とか思ったり。 今後引っ越しをすることになれば車があればアパートを選ぶエリアが広がるし、引っ越しも自分で出来るし。 さらには車があれば友人が来たときにも便利だとも思います。 ここBC州ではBC州が直営しているAutoplanという保険会社から任意保険を購入しないと車を持てない仕組みになっているようなので、今度Autoplanのブローカーのオフィスにいって見積もりだけでももらってみようと思います。 それがあまりにも高額であればきっぱりとあきらめがつきますし、もし予算の目処がつきそうなら車購入を検討しようかと思います。 僕はあまりメカに詳しくはありません。 日本で車を持っていたときも、ボンネットをあけてもワイパー液を入れるくらいで、メカメカしいことには一切ノータッチでした。 パイロットは飛行機を飛ばすことが仕事ですが、飛行機の仕組みを理解することもとても大切です。 飛行機の仕組みは車の仕組みととても似ているようですし、飛行機はいじれなくても車なら自分でいじることができます。 っということで、中古車を購入して車のベーシックな仕組みを理解しておくとなにかと役立つのではないかと思っています。 車を買うなら1980年代のトヨタ車などを買って、簡単な故障は自分で直せるように学習したいと思っています。 こういう目的で車を持つのは贅沢でしょうか?(笑)。
今日の写真はいつもいくThrifty(スリフティー)というスーパーマーケットの外で売られているもみの木です。 値段を聞いたら29.99ドル(約3000円)ということでした。 クリスマスが近くなるにつれてもみの木を車の上に積んでいる人々を頻繁に見るようになりました。
ではまた!
(つづく)
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僕は決して体が鋼のように強いということはなく、風邪を引くこともあります。特に時差ぼけにやられると一気に免疫力が低下して体調を崩します。初めてアメリカに行った時も確か時差ぼけで風邪を引きました。今回のビクトリアでも恐らくは時差ぼけの残りと、アメリカに旅行に行ったときの疲れやらが残っていたのではないかと思います。海外で病気になるのは楽しくありません。日本のように病院で処方薬をもらうということはありません。基本的には「風邪くらい自力で治せ」というスタンスなので、風邪を引いただけで医者に行くというのはまずありません。今はコロナの影響があるのでまた状況が違うかもしれませんが。
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