先日久しぶりにラスベガスまで行ってきました。
この日に飛んだ機長は恐らくまだ30代前半。
「明日のフライトで一緒だけど、当日は搭乗ゲートで落ち合おうね。それと、レイオーバー中にチャールストン山にハイキングに行くけどよかったら一緒にどう?ちょっと難しいハイクで、約8時間、30キロ弱歩くけど」
いやいやいやいや、そんなハイキングは僕には無理です。一応元山岳部ではありますが、そもそも今のラスベガスの天気ってこんなんですよ↓
ここしばらくのラスベガスは日中は気温が40度を超える酷暑のようです。あとで聞いた話では山のほうにいけば気温は幾分下がるようで、山頂付近では20度を下回るんだとか。とはいえ、8時間歩く元気は僕にはないので丁重にお断りしました。
フライトは行きが僕担当、帰りが機長の操縦担当となりました。だいたいの場合は「行きと帰りどっちがいい?」と聞かれることが多いです。僕はどっちでもいいんですが、ラスベガスは久しぶりだったので行きの操縦をやらせてもらいました。ちなみにどちらも「どっちでもいい」ということになった場合、いろんな方法で誰が先に飛ぶかを決めます。コクピット内の高度セレクターのノブをテキトウに回して出た高度が奇数だったら機長、偶数だったら副操縦士とか、加圧装置のどちらがアクティブになっているかで決めるとか(システム1だったら機長、システム2だったら副操縦士)。なかには「じゃあ君が先ね」って言ってくる人もいますし、なにも聞かずに最初のレッグをかっさらっていく機長もいます。
ラスベガスまでの途中でロッキー山脈を越えるのですが、ちょうどそのあたりで雷雲が発生していたのでなんどか迂回を強いられましたが、それ以外はいたってスムーズなフライトでした。久しぶりにRNAV Visual 19Lというアプローチで目抜き通りに平行に着陸しました。いつもなら真っ暗な中をアプローチするのですが、今回はまだ明るかったこともあり、いつもと違ってなんだか新鮮に感じました。 着陸後、お客さん達にお別れをいっていたら、高齢の女性から「いままでの着陸で一番スムーズだったわよ!」といわれました。僕的にはいつも通りの、特にスムーズでもハードでもない着陸だったと思っていたのですが。あとで客室乗務員の子に言われたのはこの女性はイギリスからのお客さんだったそうです。イギリス人パイロット、どんだけいつもハードに着陸してるんやろ?と思ってしまいました(笑)。
普段と違ってまだ時間は早いこともあったのでホテル到着後に早速お散歩に出かけました。この時で気温はまだ40度弱。夜になれば下がるかなと思いましたが、結局30度を下回ることはなかったです。ラスベガスの夜は本当に人が多く、コロナなんて過去の話さバリに誰もマスクなんかしません。さすがにちょっと怖い感じになってきたので早めに散歩を切り上げ、人気の少ない通りを通ってホテルに戻りました。
翌日は1日お休みだったのでいつものとおり街を歩き回りました。気温は40度を超えましたが、意外と慣れるものです。ただ、水分補給だけはまめにやりました。
3日目は朝早くにホテルを出発。とはいえ、モントリオール時間でいえば午前9時過ぎなので体への負担も少なく楽チンでした。帰りはお天気もよく、本当に順調なフライトで退屈すぎるくらいでした。フライト中にフライトアテンダントの女の子と話をしましたが、どうやら彼女はパイロット志望のよう。結構FAさんでパイロットになりたいという人は多いんです。ただ大変なのはそういう人たちは既に僕らパイロット側の生活がどういう感じなのか(客室乗務員よりは生活の質が高いことが多いこと)を知っているので、そこにたどり着くまでにどうしても経験しなければならない下積み生活をする根性がなかったり、夢見がちなところがあることです。今までにもパイロットになりたいFAさんとたくさん話をしましたが、実際に訓練を始めるに至るのは本当に数少ない印象です。それでもちゃんと計画をねって行動に移す人もいるのも事実。先日、モントリオール空港でデッドヘッド便の搭乗待ちをしていたところ、以前のリージョナル時代に一緒に飛んだことがあるFAだった男の子がパイロットの制服を来て歩いているのを遠くから見かけました。「あ〜、彼の夢がかなったんだなぁ〜!」と思ってちょっと嬉しくなりました。やればできる、でも、最初の一歩を踏み出すのは歳を重ねるごとに難しくなるのも事実です。
モントリオールに着陸すると気温は13度。実に30度ほども差があります。体調管理には気をつけなければと思います。
(つづく)
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