ビクトリア47日目:ひさびさのフライト
2006年11月30日木曜日
さて、今日の写真はインパクトが強すぎると思うのでまずはこの説明から。 昨日宣言したとおり、今日頭を丸めました(笑)。 ドラッグストアで購入した3000円のバリカンで頭をガンガン刈りました。 今思えば小学生の中学年くらいからずっと長髪(ロン毛ではありません)だったように思います。 今回丸刈りにしようと思ったのにはいくつか理由がありますが、実用的な理由は、僕がアメリカに留学していたときに行った散髪屋さんで、僕がお願いしたのとはまったく違う髪型にされたという悲しい経験をしたことがあるからです。 決して安い散髪屋ではなく、高級ヘアサロンにいったのに・・・ その名も「Miracles(奇跡)」。 皮肉もいいところです(笑)。 ということで、今回は自分で散髪することにしました。 トイレの洗面台に新聞紙を敷き詰めてうぃぃぃ〜んと刈り込みました。 バリカンには髪の長さを調整するアタッチメントがついていたのですが、刈って行くうちにどの長さを使っていたのか分からなくなりました(笑)。 その結果、写真の長さで落ち着きました。 サイトに自分の写真を上げるというのは少し抵抗があるので、今回の写真が僕の最初で最後の写真になるかと思います! 正面からの写真をご希望の方はメールをください(笑)。
さて、髪の毛のことはこれくらいにして、フライトのことについて。 今日は引き続き計器飛行の練習です。 今日はVORというナビゲーションエイドを使ってのフライトの練習をしました。 正直、チンプンカンプンでした。 頭ではちゃんと理解しているのですが、実際にコクピットの中で機体をコントロールしながらVORをいじるというのは今の僕には至難の業です。 しかも、教則本に書いてある使い方とは少し違うことを、僕は既にチンプンカンプンでいっぱいいっぱいなのに、教官は次から次へと指示を出してきます(涙)。 飛んでいるエリアの地理すらあまりわからないのに、VORをいじらなければいけないわ、機体をコントロールしなきゃいけないわ、さらには地理も学習しなければいけないという超マルチタスクをこなすことになりました。 結論からいえば、今日のフライトはめちゃくちゃでした。 コントロールのコーディネーションがまったく出来ていませんでした。 今日は久しぶりにへこみました。 もう少しVORの勉強をしようと思います。
今日はこの前購入してアメリカから持ち帰って来たヘッドセットを初めて使用しました。 David Clarkという会社のH20-10(stereo)というヘッドセットです。 価格は3万円ちょっとというところでしょうか。 カナダで購入すると軽く4万円を超える代物です。 アメリカで購入できてよかったです。 ところがトラブルが一つ発生。 コクピットでヘッドセットのプラグを差し込んでみると、なぜか片方からしか音が出てきません。 エンジンもかかっちゃったし、今更どうしようもないのでとりあえずは今日は片側からの音だけでフライトしました。 フライト終了後にディスパッチャーのブライアンに聞いてみたら、「ステレオのヘッドセットは機体によってはうまく作動しないときがあるよ」とのこと。 なんでもプラグのセパレーターにあるスイッチを切り替えればモノラルに切り替わって両耳から音がでるとのこと。 ブライアンにスイッチのありかを教えてもらい、モノラルに切り替えたらちゃんと両方から音が出ました(笑)。 返品しなくて済んでよかったです。
明日は1日休みを取りました。 今日のフライトが正直結構体力的にも精神的にもこたえましたし、明後日になれば雪もある程度解けるとおもうので。 明後日にまたフライトをして、それからソロフライトにも出ようと思います。 大変なことは相変わらず多いですが、弱音をはかないように頑張ろうと思います! 髪の毛も切ってリフレッシュしたところで気持ちをリセットし直そうと思います。
今日、コロラドでの写真をPhotosのセクションにアップしましたのでご覧ください。
ではまた!
(つづく)
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ビクトリア48日目:VOR徹底研究!
2006年12月1日金曜日
昨日のVOR訓練の悪夢から一夜が明け、今日は一日VORの勉強をしました。 VORというのはVHF Omnirange Navigation Systemの略で、VHF周波数を使って飛行機がVORステーションからみてどの位置にいるかを見つけ出すための計器です。 分かりやすくイメージするには、自転車の車輪を思い出してもらえばいいと思います。 車輪の中心のハブがVORで、その周りに360本スポークが張られていると思ってください。 1°ごとに1本のスポークがあります。 それぞれがradial(ラジアル)と呼ばれるもので、数字で表されます。 例えば、中心(VOR)から真北に出ているスポーク(ラジアル)は360(または000)、真南に出ているスポークは180ということになります。 この仕組みを利用して、自分が今どのラジアル上にいるのかを見つけ出すことができるというのがVORの基本です。 270であればVORから西に、090であればVORから東に出ているラジアル上ということになります。 実際にはこれよりも高度な仕組みを利用してラジアルをintercept(インターセプト)してラジアル上をVORステーションに向かって、またはVORステーションから遠ざかって飛んだりします。 頭では分かってもなかなか難しい! 今日は教則本とシミュレーター(http://www.aerotraining.com/nav/navindex.htm)を利用して何度もイメトレをしました。 このシミュレーターはなかなか役に立ちます。 VORを移動して、飛行機も移動して、画面をハンカチで覆ってVORのセクションだけを見ながらVORに向かって、またはVORから遠ざかって飛ぶ練習をします。 果たしてこの成果が明日のフライトにいかされるのか?!?! 乞うご期待です(笑)。
今日はVORのこと以外には本当になにもしていません。 唯一したのは今月の家賃を払うために小切手を書いて大家のブライアンに渡したくらいです。 あ、VORのやり方をまとめた書類を作成して、それをプリントするために図書館に行きました。 丸坊主にして初めての外出で、しかも夕暮れ後だったので結構頭が冷えました。 ニットキャップが手放せなくなりそうです(笑)。
キャップといえば、今日の写真はボンバルディアのリアジェットのロゴが入った帽子とリアジェットシリーズのカタログです。 コロラドに旅行に行ったときにボンバルディア社でリアジェットのセールスディレクターをしている方に会う機会があり、その方がお土産にとくれました。 ボンバルディアというのはカナダの会社で、たしかもともとは電車を作っていた会社じゃなかったかと思います。 今ではCRJシリーズやQシリーズ、リアジェットなどの小型ジェット機の分野で大きなシェアをしめていると思われる航空機メーカーです。 僕の友人のお子さんの同級生のお父さんがセールスディレクターの方で、一緒にランチを食べながら彼の航空遍歴、飛行訓練のアドバイス、パイロットとしての職業や今後の可能性などについていろいろ教えてもらいました。 彼自身も事業用パイロットだったのですが、最近はずっとグライダーばかり乗っているそうです(グライダーだけで2500時間以上の飛行時間があるそうです)。 その方にあったときに写真のキャップをいただきました。 一番安いものでも1機20億円以上はするというジェット機を販売するというのは凄い仕事だと思います。 飛行機販売についての話も聞きましたが、なかなか奥が深くて面白そうでした。 飛行機に関する職業といっても、パイロットという職業もあれば飛行機を売るという職業もあるんですね。 そういえばその方には「さっさと計器飛行の証明を取れ!」と言われました。 う〜〜ん、そのつもりはなかったんですが、計器飛行を今のうちから訓練に組み込んで事業用免許の訓練と平行して行うということもできると教えてもらいました。 今度スクールでマネージャーに相談してみようと思います。 やっぱりそのためには今のうちにVORをマスターしなきゃいけないみたいです!(汗)。
さて、明日は正午頃からフライトです。 その後、管制塔にお邪魔することになっています。 以前にサーキットの方向を間違って飛ぶという失態をしているので、そのことをからかわれるんじゃないかと思います(笑)。 写真が取れればぜひ写真を撮らせてもらおうと思っています。
ではまた!
(つづく)
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ビクトリア49日目:タワー訪問。
2006年12月2日土曜日
今日は昨日よりも気温が高かったように思います。 12時からのフライトに合わせて家を出て、徒歩で空港に向かいました。 自転車ででもいけないことはなかったんでしょうが、タイヤから跳ね上げられる泥水で顔が汚れるのが嫌だったので徒歩で行くことにしました。 以前、飛び越えようとして深みに足を取られてびしょぬれになった小川は今日は水かさが低かったのですんなり渡ることができました。 滑走路周辺にさしかかるとクラブ所有のセスナ172が頭上をかすめて着陸していきます。 地上に雪があってそれが日光を照り返しているので白い機体がいつもよりもより一段と白く、綺麗に見えます。
フライトの前にVORの復習をしようと思ってライブラリー(2階)に上がると、ナンシーという女性が勉強をしていました。 彼女はプライベートパイロットライセンス取得に向けて頑張っているそうです。 ここVFCでは女性のパイロットや学生パイロットが多いように思います。 カナダ人の女性はパイロットになりたい人が多いんでしょうか。 ビクトリアに飛んでくるエアラインのパイロットも女性が多いように思います。 無線を聞いているとよく女性の声を耳にします。 日本男児も負けていられません(笑)。 ナンシーとしばらくおしゃべりを楽しんだおかげで復習はほとんどできないままフライトの時間となりました(笑)。
今日も引き続き計器飛行の練習です。 VORの練習もする予定でしたが、僕はまだよくVORの実践的使用の手順を理解していなかったので不安でした。 そしたら、今日使った機体のVORの調子がよくなかったらしく、結局VORはほとんど利用しませんでした(笑)。 また明日以降トライすることになると思います。 今日はその代わりフードを利用して視界を遮ってのフライトをしました。 以前よりはだいぶましになったとは思いますが、上昇や下降がなかなか上手にできません。 今日はrate 1 turn (1分で180°旋回するターン)を利用して、何度ターンするには何秒ターンするとかという即席計算をしなければならない練習をたくさんやりました。 まずは180°ターン(1分間)をして1分後に水平飛行に戻したあとに方位磁針を見ると180°ではなく170°のターンだったりします。 っということは、予定の方向には10°足りませんから、あと約3秒ターンする(rate 1 turnは1分で180°ですから、1秒に3°ターンすることになります)とかといったことをやりました。飛行機をコントロールしながら計算をするっていうのは結構大変です。 「あああああああああああああ〜〜〜!」ってな感じで投げ出したくなることも数回ありました(笑)。 これも練習ですね。
今日はフライトの後、管制塔を訪問しました。 インストラクターが管制官の1人と立ち話をしたらしく、「管制塔においで」と誘ってもらったそうで、僕もついて行くことになりました。 管制塔というと、薄暗い部屋で皆真剣な顔つきでレーダー画面に向き合っているのかと思いきや、談笑はするわ、コーヒーは飲むは、ふらふら歩き回るわで、ぜんぜん想像とは違っていました。 管制塔にはClearance Delivery, Ground, Inner Tower, Outer Towerの計4人が待機しています。 忙しくないときはDeliveryとOuter Towerがいなくて、計2名で担当しているそうです。 管制官の1人のジャックという人がいろいろ教えてくれました。 モニター上にどういうふうに航空機が表示されるか、トランスポンダーの情報が画面上にどういうふうに表示されるかなど、とても親切に教えてくれました。 「僕たちはパイロット達が思うほど怖い人たちじゃないから、無線の指示内容がわからなかったら気兼ねなく聞いてくれればいいんだよ」とアドバイスしてくれました。 どんな人たちと無線で話をしているかを知っているとこれからの無線会話が少しは楽になりそうです。 写真は管制塔の内部の写真ですが、ベースボールキャップをかぶった若い男性が管制官をやってたりします。 とても意外でした。
帰って来てからVORを再度復習。 わからなかった部分が今夜午後8時頃にようやく分かるようになりました(笑)。 これで明日からはVORを利用できると思います。 あとは練習あるのみです。
今日はその他にカナダの健康保険の掛け金を支払いました。 BC州の住民は法律でMSP(Medical Services Plan)への加入が義務づけられています。 今、僕は来年の1月15日までAIUの海外旅行傷害保険に加入していますが、その後はこのMSPに加入することになります。 掛け金は月54ドルです。 これに入っていれば、病気で病院や医者に行かなければいけない場合は無料で治療を受けることができるそうです。 ただし、歯科や健康診断などはカバーされません。 また、処方箋の薬もカバーされないそうです。 特に病気になるとは思いませんが、月54ドルで万が一に備えることができるのであれば安いと思います。 AIU保険はもっと高額だと思います。
今日も一日疲れましたのでそろそろシャワーをして眠ることにします。 明日も12時からフライトです。
ではまた〜!
(つづく)
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【編集後記】
丸坊主はいかがでしたか。北米で髪を切るのは実はかなりのチャレンジです。海外生活経験者(特に北米)の方はきっと頷かれると思います。日本人の髪質は北米の白人のそれとはだいぶ違うため、北米人の髪を切る感覚で日本人の髪を切ると仕上がりが全然違うようです。幸い、今ではどこにいってもだいたいの都市には日本人のヘアスタイリストさんがいるので、僕はそういうところで切ってもらっています。といいながら、実はそろそろまた丸坊主にしようかと思っています。写真でわかる通り、僕は若い頃はピアスをしていました。これは日本での仕事を辞めた後、すぐにやったことの一つです。せっかく日本の社会を離れるのだから、日本ではやりにくいことや今までできなかったことはすべてやろうと思ってやったことの第一号がピアスでした。大阪の病院(?)で開けてもらったのですが、針が通った瞬間に血の気が引き、しばらく腰掛けていたのを覚えています。肝っ玉が小さいんです。ちなみに今は流石にピアスはしません。教官になったあたりで辞めたんだと思います。
VORには結構苦しめられたようですね。実はそんなに難しいことはないんですが、頭でしっかり理解するのが最初は難しかったんだと思います。今はGPSやFMSを使っての航行が多いので、VORの信号を受信して飛行するということはあまりやりませんが、それでも位置情報の確認方法の一つとして使われていたりはします。フードをつけての計器飛行の訓練でも苦戦したようですが、すべては慣れです。今では問題なくできます(えっへん)。
(つづく)
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