2020-09-22

過去ログ:2006年12月29日〜2006年12月31日

ビクトリア76日目:ビクトリアに行きました。
2006年12月29日金曜日


 今日は一日お休みでした。 朝は昨日にも増して気温が下がりました。 昨晩は部屋の温度設定を上げすぎて、夜中の3時頃に寝汗をかいて起きてしまい、そのままなかなか寝付けませんでした。 僕の部屋には壁にサーモスタットがあるのですが、15度に設定するとなぜか室温が20度くらいになります(笑)。 狭い部屋なので、サーモスタットのそばを通るときに体が触れてしまって温度設定が上がってしまったようです・・・。 

 今日は午前中にビクトリアにあるMayfair Shopping Centreというところに行きました。 お目当ては腕時計です。 いえいえ、誰かへのプレゼントではなくて、僕自身へのプレゼントです(笑)。 僕がモノに対するこだわりを持っていることは皆さんご存知でしょうか・・・(知るわけね〜よ!っていう方もいらっしゃると思いますが)。 今使っている腕時計はデジタル時計で、2つの時間帯を表示できるので、1つはローカル時間、もう1つはZulu(GMT)時間に合わせています。 それはそれでいいのですが、クロカンフライトなどのときに時間の計算を飛行中にすることがあるのですが、デジタル時計ではちょっとやり難いと感じています。 というのも、針がないので、例えば「午後5時39分の47分後」といった計算になってしまうと数字に弱い僕はちょっと焦ってしまいます。 そりゃ、冷静なときは、「47なら、50足して3引けばいいやん」ということになるのは十分承知していますが、それがなかなかできないもんなんですよ〜。 っというのが時計が欲しい言い訳です。 なれれば時計なんてなんでもいいようです。 僕のサスカトゥーン時代のチーフインストラクターはG-SHOCKを使ってましたし(笑)。 でも今の僕は視認性に優れたアナログ時計があればコクピット内での時間の計算が楽にできると思っています。 「力が及ばないところは道具でごまかせ」っというのがサイクリングから学んだ鉄則です(笑)。 北米にしか売っていないシチズンのNighthawkという時計を見たかったので今日はショッピングセンターに行ったというわけです。

 いつもはダウンタウンまで70番のバスに乗りますが、今日はその途中でMayfair Shopping Centreが見えたところで下車しました。 想像していたよりも大きなショッピングセンターでした。 モノがあまりないカナダで、しかもオールドタウンのビクトリアであれだけのサイズがあれば十分でしょう(笑)。 いくつか宝石店のようなところで時計を扱っているところをぐるぐると回ってようやく僕が見たかった時計を扱っている宝石店を見つけました。 さっそく店員のお姉さんに試着させてもらいました。 サイズはちょうど良いと思ったのですが、思ったよりもごちゃごちゃしすぎていて、文字盤が見づらいです。 「パイロットウォッチ」というとすぐに計算尺がついている時計を連想すると思いますが、果たしてその計算尺を活用している人はどれくらいいるでしょうか・・・。 しかも、揺れるコクピットの中であんなに小さな文字を見ながら計算を出来る人はかなりの視力の持ち主だと思います(笑)。 計算はフライトコンピュータがベストです! ということで、せっかく30%オフセールをやっていましたが購入はあきらめました。 その代わりにアメリカのお店からネット通販でTorgoenという会社のZulu Timeという時計を購入しようかな〜なんて考えています。 かなりマニアックなメーカーで、情報があまりない時計ですが、よさげです。 パイロットの道具選びは実用性が最優先です(笑)。 時計を見た後はGAPなどのお店でのセールをのぞきましたが、きゃしゃな僕に合うサイズなんて多分ないから時間の無駄だと思って早々に立ち去りました。

 さて、今日の写真はMayfairからビクトリアのダウンタウンに向かって歩いている途中で見つけたサインです。 これを見ると僕はすぐにヘリポートと思ってしまいます。 でも本当はホスピタルなんですよね・・・ 変な職業病のような癖がついてしまっているようです(笑)。 そういえば、以前夜中に航空無線を聞いていたら「Medevac」という言葉をコールサインの後につけているヘリコプターのパイロットからの交信を聞いたことがあります。 そのヘリのルートをマップで追っかけてみた(マニアックですね)ところ、ビクトリアのジェネラルホスピタルのヘリポートに向かっているとのことでした。 MedevacはMedical Evacuationの略で、臓器を運んだり、急患を運ぶAir Ambulance flightに使われるコールサインのようです。 真夜中に急患の患者をヘリで運搬するというのは体力的にも精神的にも大変な仕事だと想像できます。 ヘリの女性パイロットさん、お疲れさまでした。 

 ビクトリアから戻って来てからジムに行きました。 今日もスピニングマシーンを30分ほどこぎました。 最後の3分ほどで左足のふくらはぎが思いっきりつりました(涙)。 今日は少し激しいペダリングをしたり抵抗を上げて漕いだからだと思いますが、なかなか痛みが収まらなくてびっくりしました。 ペダルから足を外すことすらできないまま30秒ほど立ち尽くしてしまいました。 僕の脚はまだまだハードなライディングには耐えられないようです(落胆)。

 今晩は豚肉と野菜の炒め物とこの前作ったみそとダシベースの水餃子を食べました。 デザートはまたもやバナナブレッドを温めて、それに缶入りホイップクリームをたっぷりかけて食べました。 ホイップクリームが缶に入っていて、スプレーのように圧縮ガスの力で出てくるというところが北米らしいところですね。 サラダ油がスプレー缶に入っているものもあります(しかも、普通のサラダ油よりも少ない量で調理ができるのでヘルシーだとか)。 ちょっと抵抗を感じてしまいますね。

 さて、明日は本土へのナイトクロスカントリーフライトです。 天気予報はちょっと微妙です。 夜は昼よりも天気にシビアになりますから、今の予報が的中すれば明日はちょっと無理かもしれません。 とりあえずは明日の朝の天気次第ということになると思います。 明日は午前中にだいたいのプランニングを終わらせ、午後4時過ぎにクラブに行ってプランニングを完成させ、午後6時(外は真っ暗)にビクトリア国際空港を離陸の予定です。 明日もセスナ172を使う予定です。 すべてのルートを合計すると飛行時間は3時間弱です。

 ではまた明日! 


(つづく)

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ビクトリア77日目:霧のため飛べず。
2006年12月30日土曜日


 今日は朝起きて、今年最後の買い物に行きました。 今日も年の瀬ということをまったく感じさせない雰囲気のシドニーです。 この前食べたリプトンのアルフレッドというパルメザンチーズベースのホワイトソースのパスタがとてもおいしかったので、今度はそいつを作ってやろうと思ってチーズやフェットチーニパスタ(平べったいやつ)などを買いました。 その他にはおいしそうだったオーストラリア産のビスケットなども購入しました(後で食べたらおいしかったです)。 

 今日は午後6時からの夜間フライトの予定だったので、それまではリラックスして過ごしました。 午後4時頃にクラブに向けて家を出ました。 クラブにつくとすぐにインストラクターが寄って来て、「ちょうど携帯に電話をしようと思ってたところ」と言います。 天気予報はさほど悪くなかったのでなぜかと尋ねたら、他のベテランインストラクターが今日は霧が出るから止めた方がいいよとアドバイスしてくれたそうです。 暗くなりかけの外を見渡すと、確かにいつもは見える山のあたりが霧っぽくなってきて視界が落ちて来ています。 っということで、今日はフライトできないことになりました。 さっさと終わらせてしまいたかったので少し残念です。 さて、仕方がないから帰ろうかと思っていると、インストラクターはその後ナイトフライトの学生と飛ぶというではないですか。 どの飛行機を使うかを聞いたらC-172ということだったので、「それじゃ後ろに乗せてもらおう!」と思って、その学生が来るのを待ちました。 ジェレミーという、恐らく35歳前後の男の人が現れて、ディスパッチャーのブライアンが、「後ろに乗っけてあげてくれない?」とジェレミーに聞いてくれました。 「おお、全然いいよ」という快い返事が返って来たので、お言葉に甘えて後部座席に座って夜間飛行を乗客として楽しませてもらうことになりました。 ジェレミーは僕と同じく夜間証明の訓練を受けているそうで、あと1時間ちょっとで証明に必要な時間がすべて満たされるということだそうです。 必要な時間を稼ぐためにまずはビクトリア市上空へ向かいます。 今日の写真は後部座席から撮ったビクトリアの夜景です。 まさか無料で遊覧飛行が出来るとは思っていなかったのでカメラを持って行ってはいませんでした。 そのため、携帯のカメラで写真をぱしゃぱしゃ撮った中で、今日の写真がベストでした。 右上の明るいエリアが州議事堂やEmpress Hotelなどがあるダウンタウンの中心部です。 上の黒いところは海で、その向こう側は米国・ワシントン州です。 遊覧飛行は20分ほどで終了し、その後は空港に戻ってサーキットです。 タッチアンドゴーを5、6回はやったでしょうか。 ジェレミーは経験が豊かなのか、とても落ち着いていて、着陸もとても上手でした。 乗っていて安心してフライトを楽しむことができました。 彼のやり方を見ることはとても勉強になりました。 同時に、「飛行機って飛ばすのも、乗客として乗るのも楽しいな〜」と思いました。 サーキットを終えて、インストラクターが「次はfull stopで」という指示を出し、着陸してクラブに戻ると、ジェレミーが必要な飛行時間に0.1時間(つまり6分)だけ足りないということが判明(笑)。 そこで、またもやタクシーし、もう一回だけサーキットをやることになりました。 なんやかんやあって、結局ジェレミーが必要だった時間よりもほんのちょっと超えたところで無事クラブに戻って来ました。 ジェレミーにお礼を行って、「着陸うまかったよ」と伝えると、「うれしいこと言ってくれるなぁ〜!」っと喜んでいました。 今度また一緒にフライトしようよと話して今日は別れました。 僕の夜間飛行は結局明日の午後6時に延期となりました。 今のところ天気予報は微妙です。 果たして年内にナイトクロカンを終わらせることができるか?! 

 家に戻って来て夕食を作った後、散髪をしました。 今回も前回と同じ位の長さにするつもりが、今日もバリカンのアタッチメントの長さを間違えたのか、前回よりも短くなりました(笑)。 んまあ、いいかと思っていると、こめかみ辺りの長さが長いので、そこを短くしようと思ったら、今度はそこだけ異常に短くなりました(汗)。 っということで、全体の長さをさらに短くして調整することに。 結局、高校野球の選手よりも短い、たわしのような頭に仕上がりました(笑)。 今回は風邪をひかないように、さっそくニットキャップをかぶってます。

 明日はフライトで今年を締めくくりたいと思いますがどうなりますやら。 フライトできない場合はビクトリアのダウンタウンで以前に教会で知り合ったワーキングホリデーでビクトリアに来ている子達と年越しパーティーとなるかもしれませんが、できればフライトで締めくくりたいものです。
 

 ではまた明日! 日本の皆さんはよいお年をお迎えください!

  

(つづく)

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ビクトリア78日目:2006年最後の日。
2006年12月31日日曜日


 今日は自分なりに2006年を振り返ることから始めようと思います。 2006年は僕にとって一生涯忘れることがないであろう思い出深い年となりました。 生まれて初めての辞表を出したのも今年で、約10年住んだ大阪を離れたのも今年です。 多くの人に別れを伝えたのも今年で、新しい知り合いや友人ができたのも今年です。 子供の頃から夢見ていたパイロットの道を再び歩みだしたのも今年で、パイロットトレーニングの真の大変さを感じ始めたのも今年です。 カナダでの暮らしが再び始まったのも今年、2006年でした。 今後、僕の人生がどういう方向に進むにせよ、2006年に経験したことは一生忘れることがないと思います。 僕が老人になったときに、「2006年は一番エキサイティングな年だった!」と思うことはほぼ間違いないでしょう(これからの人生でよほどエキサイティングなことがなければですが・・・笑)。 多くの方々に支えてもらってここまで来れたこと、また、今でもメールやウェブのコメントなどを通して励ましてくださる方々には本当に感謝しています。 月並みな言い方かもしれませんが、人間は1人では生きて行けないということが海外にいると特に実感できます。 僕が今できることはパイロットトレーニングを引き続き真剣に受け、少しでも多くのことを吸収できるように努力すること、そして少しでも早く免許を取得することだと思います。 また、それと同時に、僕が経験していることを少しでも多くの人に知ってもらい、僕と同じような道を進みたい方々の道しるべとなる情報を提供することも僕に与えられた使命だと思っています。 2007年も本サイトを通して有益な情報を提供していきたいと思っています。   

 さて、2006年最後の日となった今日ですが、結局ナイトクロスカントリーフライトは達成できませんでした。 正午頃からプランニングを始め、いつでも出れる用意はしていたのですが、今日もシーリングが低く、結局飛べずに終わりました。 シーリングが低いとはいっても普通の訓練であれば問題なくできる程度です。 ただ、夜で、しかも海を超えて本土に飛ぶフライトということでどうしても慎重になってしまいます。 ということで、ナイトクロスカントリーフライトは来年に持ち越しとなりました。 

 今日はシナモンロールを作りました。 日本でも一時的に流行ったあれです。 こちらではスーパーに行くと既にこねてある生地を紙の筒に入れてあるものが売られています。 今回初めて買ったのですが、なかなか面白いです。 筒の外紙を破ると、なにやら変な指示が書かれています。 「expose line」とかなんとかと書かれています。 いったいどういう意味だろうと思いながらミシン目が入った部分を折ってみると、「ぽん!」っといって筒が破れ、中の生地が顔を出します。 どうやら筒の中は真空かなにかだったようで、中からはイーストがちょうどいい具合に発酵した感じの生地が出て来ました。 ご丁寧にアイシング(シナモンロールの上にかける砂糖の液」まで同封されています。 オーブンで10分焼けばおいしいシナモンロールの出来上がり! シナボンという専門店のシナモンロールに比べればややおいしさは落ちるものの、十分おいしい味です。 これで数日間の朝ご飯を確保できました・・・笑。

 夜はアルフレッドソースのパスタを作りました。 アルフレッドソースはパルメザンチーズとクリームを混ぜてつくるパスタソースです。 材料は削ったパルメザン、ヘビークリーム(または牛乳)、バター、塩、コショウ、小麦粉、フェットチーニパスタです。 フライパンにバターを入れて溶かし、そこに小麦粉(スプーン1杯くらい)と牛乳を入れて温めます。 すべてがうまく混ざったところでパルメザンチーズ(1/2カップ〜1カップ)を入れて溶かします。 あとは塩コショウで味付けをすれば出来上がりです。 フェットチーニを入れて召し上がれ! 上質のパルメザンがあればおいしく出来上がると思います。 あとは適宜他種類のチーズを入れてもおいしいと思います。 年越しそばならぬ、「年越しパスタ」となりました(笑)。 

 こちらは今午後11時で、今年も残すところあと1時間となりました。 日本は既に2007年ですね。 来年は日本で年越しをしたいものです。 

 今日の写真は先日の嵐の雨の合間に数分間だけ現れた虹です。 ちょうど僕が住んでいる家にかかっているような形で現れました。 綺麗だったのでパシャリとやりました。 メルヘンな家と虹のバランスが素敵でしょ?(笑)。 なんだか良い運をもたらしてくれそうな気がしたので、この写真を2006年最後の写真に選びました。 来年も良い年になってほしいものです。

 それでは皆さん、2006年はどうもお世話になりました。 来年も引き続きよろしくお願いいたします。


 ではまた明日。

 

(2007年もつづく)

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【編集後記】

 というわけで、この投稿が2006年最後の投稿だったようです。書いてある通り、2006年は記憶に深く残る一年になりました。今でもよく懐かしく思って思い出します。「思えば遠くへ来たもんだ」なんていう古い歌がありましたが、その歌のように知らぬ間に本当に遠くに来てしまったものだと思うことがあります。人生って面白いですね。

 12月のビクトリアはやはり天気がよくない日が実に多いのがよくわかります。飛びたくても飛べないことが多かったことを自分の過去エントリーを読み返してみて改めてわかりました。僕は長期プランで渡航していたし、それも想定内だったので特に苦になったとは覚えていませんが、短期渡航だったらかなり悲惨なことになっていたように思います。

 腕時計のことを最初に書きましたが、正直なところ、時計なんてなんだっていいんです(笑)。パイロットだからいわゆるパイロットウォッチをしている人なんてごく少数です。パイロットウォッチはあくまでスタイルで、計算尺なんて使い方を知らない人がほとんどでしょうし、実際のパイロットでも滅多に使わないと思います。スマホで計算したほうが速いでしょう。

 ブログ中にも書いたとおり、僕のブログが海外でパイロットを目指す方になにか有益な情報を提供できていたら幸いですが、それにしても昔の僕のブログは幼稚な内容ばかりですね。お恥ずかしい。


(つづく)

 

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