2021-01-16

2021年スタート、A320訓練修了。


  皆さま、遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。本年も本ブログにお付き合いください。

 さて、昨年10月からエアバス320型機への移行訓練が始まり、前回のブログにも書きました通り、いろいろなコロナ絡みの理由で訓練が長引いていましたが、先日ようやく最終の路線審査に合格しまして、晴れてエアバス320パイロットとして独り立ちできました。訓練開始から修了まで実に3ヶ月ほどかかりました。今まで経験した訓練の中でもっとも長い訓練になりました。

 路線審査は審査官の資格を持つ自社の機長と通常のフライトをこなしながら実施されます。今までの経験では審査官によってはフライト中にいろいろとオペレーションや飛行機についての質問をする人もいますし、どちらかといえばなにも言わずに普段通りのフライトを問題なくこなせるかをチェックする人もいます。今回の審査官はそのちょうど真ん中くらいだった印象です。途中でいくつか質問をされましたが、特にひっかけ問題などを聞かれることもなく、今まで学んできたことをフライトにぶつけたらちゃんと合格がもらえたという感じでした。

 路線審査は最初の予定ではカンクンへの往復フライトということだったのが、それはキャンセルになり、代わりにアルバータ州のエドモントンとブリティッシュコロンビア州のバンクーバーの往復フライトを2日間行うというペアリングになりました。



 ペアリング1日目はモントリオールからエドモントンまでの移動のみです。移動で乗った飛行機はエアバスA220。最新の飛行機なので内装がとても綺麗ですし、席も座り心地が良いです。映画などが見れるスクリーンも大きくていいのですが、この日はあいにくシステムが不調だったようで映画は見れませんでした。コロナの影響で乗客はとても少ないです。ビジネスクラスには僕以外に老夫婦が一組みのみ。これでは採算は取れないですよね・・・。今日の写真はモントリオール空港の滑走路24Lを出発してエドモントン方面にターンをしたときのものです。左後ろに見えるのが我がベース空港であるモントリオール空港(YUL)。エンジンの内側にエメラルドグリーンのバンドがあるのがA220のエンジンの特徴です。かなり燃費が良いそうですよ。エドモントン到着後は空港内のホテルへ。ここで翌日まで待機です。時間があったのでターミナル内や空港周辺を散歩しました。あいにく気温が低すぎることはなかったので気持ちがよかったです。

 そして翌日の夕方から路線審査フライトの1日目で、エドモントンからバンクーバーまでの往復です。当日はジェット気流がロッキー山脈上空に吹いていたこともあって、通常の高度はかなりのタービュランスが報告されていたため、24,000フィートという低めの高度でタービュランスを避けて飛ぶことになりました。それでも最初の30分ほどはそこそこ揺れましたが、一旦ロッキー山脈を越えればスムーズになりました。ロッキーを超えるのは久しぶりだったので、いい景色が見れるかと楽しみにしていたのですが、フライトの時間が遅く、冬ということもあって、山はまったく見えませんでした。

 バンクーバーはあいにくの雨。冬のBC州らしい天気です。それでも気温は+8~10Cほど。やっぱり暖かいです。この季節はカナダの大半の都市では気温が0度以下になるため、アプローチの際の高度を修正する必要があります("cold temperature correction"といいますが、詳細は割愛します)。ちょっとしたことですが、アプローチの準備の手順が一つ増えるので厄介ですが、バンクーバーへのアプローチではそれが不要です。やっぱりBCはいいな〜なんて思っちゃいます。

 最初のレグは僕がPilot Flying。1週間ぶりのフライトでしたが落ち着いてこなすことができ、審査官機長にもお褒めの言葉をいただきました。まだまだエアバスのシステム操作に戸惑うこともありますが、少しずつ慣れてきているのは確かで、心の余裕が生まれてきている実感があります。 2レグ目はPilot Monitoring。Pilot Flyingの飛行をモニターするのと同時に、無線やフライトマネジメントコンピューターのプログラミング、天気のチェックや着陸に必要な距離の計算などを担当します。エアバスのコンピューター(FMGCと呼びます)はボーイングのそれとは結構違っていて、それを覚えるのが最初は大変です。見たい画面にたどり着くまでに他のページに飛んでしまったり、なんどもボタンを押してようやくたどり着くということが時々あります。ただ、これは今まで飛んできた飛行機の場合でも同じでした。いずれ慣れてくるとボタンを押して画面が切り替わる前に次のページに行くボタンをぽんぽんと押し進んでいけるようになります。エアバスのFMGCはボーイング767のFMCよりもラグがある感覚ですが、表示される情報はボーイングのそれよりもわかりやすくて詳細です。どちらも一長一短という感じです。

 翌日はエドモントンからバンクーバーまでのフライトでした。前日と同じなので気持ち的にはかなり楽でしたが、この日は夕方になって駐機中の機体の翼に霜が降り始めたため、出発前にde-iceすることになりました。飛行機が変わるとde-iceの手順もちょっと変わりますが、基本的概念は同じです。チェックリストにしたがって着々と手順を踏んでいくという感じです。この日もロッキー上空は気流が荒れ気味でした。お客さんは全体の1/3ほど。満席には程遠いです。

 バンクーバーに到着したところで「路線審査合格だよ、おめでとう」と機長に言われてやっと気持ちが楽になりました。まあ、特に大きなミスもしなかったし、聞かれた質問の答えもわかっていたから失格にはならないとは思っていましたが、それでも「合格」の言葉を聞くまでは気が抜けません。一緒に飛んだ機長はとても良い人で、楽しいペアリングになりました。気のせいかもしれませんが、ナローボディ機(通路が1つしかない飛行機=A320など)の機長はワイドボディ機(通路が2つ以上の飛行機=B767など)の機長と比べるとセニオリティ的にはジュニアで、変なプライドみたいなものを持っていない人が多いように感じます。ワイドボディの機長の中には「わっはっは、俺はワイドボディ機の機長だぞ〜!敬え〜!」というふうな態度の人もいました。航空会社ではワイドボディのキャプテンは花形のポジションですし、お給料もワイドボディのパイロットのほうが高いのでそういうふうな自意識が過剰気味な人もいるのが事実です。320の機長たちはどうなのか、これから飛べば少しずつわかってくるでしょう(笑)。

 バンクーバーではホテルに1泊し、翌日にモントリオールまでデッドヘット移動ということでした。バンクーバーに滞在するのは本当に久しぶりでした。久しぶりに好きなラーメン屋さんにも行けた(最後に行ったのは恐らく1年半ほど前)し、ウォーターフロントを少しの時間でしたが散歩できたので楽しかったです。バンクーバーでは今でもレストラン内で食事ができます。トロント・モントリオールではだいぶ前からテイクアウトのみの営業が許可されているので、店内で食事する人を見たときはかなりの違和感を感じました。やっぱりいずれはバンクーバーに住みたいなぁとぼんやりと思いました。

 モントリオールには夜9時前に戻ってきました。今、モントリオールは午後8時から翌日午前5時まで外出禁止令が出ています。そのため、自宅までのドライブ中に警察に止められるのではないかと思っていたのですが、あっさりと自宅まで着いてしまいました。パイロットはessential workersというカテゴリわけがされているので、外出禁止の時間帯であっても仕事のためであれば外出が許可されています。そういうことが書かれた書類を会社が発行してくれたので、それを車に常備しています。

 というわけで、訓練がやっと終わって気持ちが楽になりました。今月いっぱいはリザーブ勤務になるので、電話がかかってきたら飛びに行くという感じです。約4年前にもリザーブを1年ほどやったのでなんとなく覚えていますが、リザーブは楽しくありません。僕はどこに、いつ、誰と飛ぶのかを前もって知っておきたいので、それがわからないリザーブは好きではありません。また、リザーブだと会社に航空法の規定ギリギリまでこき使われることもあるので、あまりいい気はしません。来月からは前もってフライトの予定が入るのではないかと思っていますが、昨今の情勢ではなにがどうなるか全くもって予測不可能です。

 

(つづく)




 


2020-12-31

2020年のまとめ。

 カナダでは今日は12月30日で、明日が大晦日です。ここカナダでは正月ではなくクリスマスが年末最大のイベントなので、クリスマス・ボクシングデーを過ぎるとそこから正月まではなんだかよくわからないグダグダした感じの日々が続きます。

 今年もモントリオールは昨年同様雪は降りますが、極端に積もることは今の所ありません。また、気温もそれほど下がりません。ちょっと前に数日間マイナス15度ほどが続きましたが、最近は下がってもマイナス10度前後。ただ、風が出ると体感温度はマイナス15度以下にまで下がります。

 この時期、雪や気温よりも鬱陶しいのは日が落ちるのが極端に早いことです。午後4時過ぎには暗くなり始め、午後5時までにはあたりは真っ暗。朝も日が昇って明るくなるのは7時過ぎくらいです。今までこんなに自宅にいることはなかったので気がつかなかっただけだとは思うのですが、この時期は日照時間が本当に短いです。

 さて、2020年はエラい年になってしまいましたね。「コロナウイルス」という言葉を聞かない日はありませんでした。皆さんもそうだと思いますが、僕も多大なる影響を受けました。もういっそのこと、2020年はなかったものとしてカウントしてもらいたい。今年は得るものがほとんどなかったというのが正直な印象です。

 仕事の面では、3月までは順調に仕事をしていましたが、3月下旬からフライトがなくなり、10月中旬からエアバス320型機の訓練が始まるまでの間、半年ほどはフライトがありませんでした。ふと気になってログブックを確認してみたところ、今年のフライト時間は以下のような感じです:

   1月ー58.7時間
   2月ー56.4時間
   3月ー80.8時間
 12月ー27.1時間
---------------------------
    計: 223時間

 飛行時間が300時間にも満たなかったのはメディバックパイロット時代以来ではないかと思います。エアラインに進んでからは初めてです。

 乗務する機種もボーイング767型機からエアバス320型機に変更になりましたし、そのために2ヶ月ほどの訓練も受けました。これは前回までに書いた通りです。

 その320型機の訓練ですが、12月上旬に3つのペアリングで乗務開始となりました。実機での路線訓練では学ぶことが多く、充実した時間を過ごせました。一方で、こちらもコロナの影響をもろに受けており、予定通りの訓練が行えない状態になっています。予定では12月中旬には路線審査を受けて晴れてエアバスパイロットとして独り立ちすることになっていましたが、会社に予定を変更され、予定されていたペアリングが幾度となくキャンセルになり、未だに審査を受けれていません。今日現在の予定では来年1月上旬に復習の意味を込めたペアリングで乗務してから路線審査を受ける予定ですが、これも予定変更になる可能性が非常に高いです。時期が時期ということもあって予定通り行かないのは仕方ないとも思いますが、予定が長引けば長引くほどモチベーションを保持するのが難しいと感じます。せっかく12月上旬の路線訓練で学んだこともうっすらとうろ覚えになり始めていたり・・・。今まで受けた新機種訓練の中で最も長引いた訓練となってしまいました。早く訓練を修了させたいものです。

 今年は本当に自宅にいた時間が長かったです。僕は無い物ねだりな性格なので、忙しいと休みが欲しいと思いますし、逆に今年のように休みが多過ぎると忙しくしたいと思うようになります。世界中で航空会社の経営不振が続いている中、仕事をせずとも職を失わずにお給料をもらっているということに罪悪感を感じるところもあります。

 今までは毎月ヨーロッパや日本に自由に行き来できていたのに、それがまったくできない1年になりました。月の半分は一生懸命仕事をし、残りの半分でプライベートを充実させる生活をここ数年やってきましたので、今の生活は本当にメリハリがなく、味気ないものになっています。家族やパートナーに会えないのは寂しいですし、きっと僕と同じような境遇の人も世界中にたくさんいると思います。それでも生活に困っていないのは幸せなのはわかっています。それでも、このままの生活を続けていくことが果たして僕がやりたかったことなのか、人生の意味ってなんだろうと、これまで普通に思ってきたことの多くに少しずつ疑問を抱くようになっているのも正直なところです。

 2020年に結構時間をかけたことは写真撮影でした。散歩がてら写真を撮る楽しみを覚えました。インスタグラムに写真を上げることもなかなか楽しいと感じるようになりました。いずれは写真集でも出してみたいものです(半分は冗談です)。インスタでは「今年のベスト9枚」というのが今流行っているみたいです。その流行に乗っかって、僕のインスタグラムで人気があった9枚をまとめたもの(下の写真)をシェアさせてください。



 2021年は良い年になってもらいたいですね。皆さま良いお年をお迎えください。



(2021年もつづく)

 

2020-11-25

エアバス訓練後半戦終了 → 型式証明取得しました。

 前回の書き込みの後でトロントに戻り、フルモーションシミュレーターでの訓練が始まりました。計7回のセッションがあり、その後で3回の審査を受けました。訓練は前回書いたとおり朝早い時間のスタートが何回かあったため夜はなかなか眠れず、慣れたタイムゾーンを出ていないにもかかわらず時差ボケをしているような感覚になりましたが、なんとか乗り切りました。

 シミュレーターは最初の数回はエアバスのシステムに慣れるためのセッションが続きましたが、シミュレーター訓練が進んでくると毎回システムが故障した場合の手順を学ぶことが主になりました。なんども書いているかと思いますが、エアバスは自動化が進んだなかなかのハイテク機で、すべてが正常に機能している限りはとても飛ばしやすい飛行機だという印象です。ただ、なにかが故障するとすべてのプロテクションが解除され、いきなりすべて手動操作のような感じになることがあります。この状態での操縦はなかなか難しいと思いましたが、実際にはこういう最悪の場合になることは極めて稀だと思います。でも、そういう場合に備えて訓練をしておくことは大事です。

 訓練は本来であれば1週間早く終わる予定でした。最終審査の1日目が始まる前日、シミュレーター訓練のプランを立てる担当者からメールで、「審査官が病欠のため、明日からの3日間の審査はすべて一旦キャンセルになります」と連絡が入りました。せっかく勉強もしっかりして準備万端だと思っていたのにがっかりでした。その後、予定が決まるのに数日かかると言われ、その間はとりあえずトロントのホテルで待機したのですが、結局は一旦モントリオールに戻ってと言われ、仕方なく自宅に2日間だけ戻ってきました。そしてまたトロントに戻り、ようやく審査を受けることができました。

(写真上:一時帰宅した際のフライトはエアバスでした)

 昨日の最終審査終了後、審査官が僕のライセンスにサインをしてくれ、エアバスA320シリーズ(A319/320/321)の型式証明(タイプレーティング)を発行してもらいました。今回でタイプレーティングを取得したのは5機種目となりますが、ライセンスに新しい機種のタイプレーティングが加わる瞬間は何度目であっても嬉しいものです。
 
 振り返ってみると、今回の訓練が始まったのは10月上旬でしたので、今回の訓練は2ヶ月弱だったということになるかと思います。3月からフライトがなく、自宅待機が長く続いた後での訓練はなかなか刺激的でした。半年以上もフライトしていないと忘れてしまっていることも多かったです。普段のフライトで当たり前にやっていたことがすっかり頭から消え去っていたりもし、そういうことを復習する良い機会にもなりました。それと同時に、脳のどこかには昔の記憶がしっかりと残っていることを思い知らされる機会も多くありました。エアバスの操縦中に767の操縦で行うことや口にするフレーズがふとした時に出てくることもあります。これはこれからもしばらくは続くと思います。

 今回の訓練は僕にとって初めての機長・副操縦士ペアでの訓練となりました。これには良い点・悪い点があるように感じました。良い点は、僕は副操縦士としての操作に集中することができましたので、学習速度が速かったように思います。当然ながら機長が行う操作も頭には入っていますが、それを副操縦士としてオブザーブするのと実際に自分がやるのはまた違ったものです。また、パートナーだった機長は機長経験が豊富で常に状況を冷静に判断する目を持っています。今までの訓練ではいつも副操縦士2名での訓練だったため、一人が機長役をやることになり、あまり効率の良い訓練では必ずしもないということもありました。こういった良い点があった一方、機長(特にベテラン)との訓練ではあまりよろしくないこともあるえるなと感じました。一つだけ挙げるとすれば、ベテランであればあるほど、過去に乗務してきた様々な乗務経験が新しい機種の操縦学習の邪魔をすることがあるということです。「767ではこうやっていた」とか、「3年前まではこうやって飛ばしていた」という言葉がなんどもパートナー機長の口から出てきました。パイロットという仕事は常に日々変わる法律、会社のポリシーやSOP、導入される最新テクノロジーへの対応が求められる仕事です。過去にとらわれているとあっという間に取り残されてしまいます。定年間近になればなるほど仕事に対するモチベーションが下がることもあるでしょうし、過去の知識が邪魔をすることもあると思います。今回の訓練ではそういうことを考えさせられました。

 今日、訓練中の食事手当の申請をするためにホテル滞在期間を数えてみたら、30日を軽く超えていました。今回は2つのホテルに滞在しましたが、どちらもコロナ禍ということもあって、とても空いていました。滞在中に隣の部屋に誰かが泊まっていたのは1日だけで、あとはとても静かでリラックスした時間を過ごせました。一つのホテルはコロナ対策がしっかりされていたようで、ちゃんと消毒済みというステッカーが貼られていましたが、もう一つはそういう対策は一切ないようでした。そのため、自分で買ってきたアルコール消毒布でスイッチやドアノブなどをすべて消毒しました。ちょっとやりすぎでないかとも思いましたが、コロナに罹って訓練が中断するのは嫌でしたし、パートナーやインストラクターなどに迷惑をかけたくもなかったので徹底しました。トロント滞在中にはほとんど人と会うこともなかったので残念でしたが、今は仕方がありません。食事の多くがUber Eatsの出前でした。皿洗いをしなくてよかったので楽でしたが、栄養バランスはあまり取れていなかったように思います。


 訓練最終週に入ってトロントは雪が降りました。一日中降って結構積もりました。またこの季節がやってきましたね。これから始まる(であろう)路線訓練もおそらくはde-icingをしないといけない日もあると思います。なにかと面倒な時期です。

 その路線訓練(line indoc)ですが、まだ予定は未定です。いつになったら実機で飛べるのか。とりあえずは長い訓練が終わったので、モントリオールの自宅でのまったり時間を少しだけ楽しもうと思います。


(つづく)

2020-11-02

エアバス訓練後半戦スタートへ。

 訓練前半が終わってモントリオールに戻ってきてから早くも1週間近く経ちました。やっぱり休みはいいですね。だらだらと終わりがない休みが続くのは精神的に辛いものですが、仕事(訓練)があっての休みなのでメリハリがつき、とても満喫できました。とはいえ、自宅に戻ってきたからなにか特別なことをしたというわけではないのですが、やっぱり心の余裕を取り戻すのにはやはり自宅が一番です。

 休みの間は久しぶりにオールドモントリオール(旧市街地)に散歩に行ったり、今季初の鍋を作ったりしてまったりと時間を過ごしました。ほんの2週間留守にしていた間に街はあっという間にクリスマスの雰囲気に包まれています。街路樹は葉がほとんど落ちてしまって、紅葉ももう終盤という感じがします。モントリオールの季節の移り変わり(秋→冬)はとても早く感じます。また、気温がグッと下がってきまして、既に夜間は氷点下の時もあります。明日は降雪の予報が出ています。




 さて、明日からまたトロントに行きます。火曜日からFFS(シミュレーター)を使っての訓練が始まります。IPTでは操縦桿などの操作はありませんでしたし、スイッチ類のほとんども画面上でのタッチ操作でしたが、シミュレーターの場合はすべてが実機そのもので、また、操縦桿を使っての操縦も行います(=フルモーション)。IPTではあまり現実味のなかった訓練項目(例えば急減圧の際の急降下)はシミュレーターでやることによってかなり現実と近い状態で再現することができます。また、これからは離陸直前にエンジンが停止したり火災が起きたりする、もっとも危険な緊急事態の再現もでき、その手順も練習できます。今回が初めて航空機をサイドスティックを使って操縦することになるので、今までの操縦桿を使っての操作とどのくらい違いがあるのかを体験できることが楽しみです。

 一方で、ホテルにまた2週間住むことになるので、その点はあまり楽しみではありません。ただ、今回のホテルは前回のホテルよりもちょっと格が上がるようですし、キッチン付きの部屋らしいので、前回よりはUber Eatsを使わなくても健康的な食事ができるのではないかと思うので、その点は楽しみです。

 明日、正午のフライトでトロントに移動し、ホテル到着後はスーパーにいって食材を購入する予定です。それからは勉強を少しして、IPTで習ったことを復習する予定です(自宅滞在中も少しは勉強をしていて、大切な項目を完全に忘れないように努めてはいました)。

 今回の訓練のもっとも大変であろうこと。それは「早起き」。シミュレーターパートナーは睡眠障害・無呼吸症候群を患っているのです。そのため、本来は夜の訓練が続くスケジュールだったのですが、「俺はその時間帯は生理的に機能できない」と会社に言って、訓練スケジュールを変更してもらったのです。その結果、ほぼ全てのシミュレーター訓練が超早朝スタートとなっています。朝4時前からブリーフィングって考えられますか?(笑)。このパートナーとは767時代に一緒に仕事したことも何度もあるんですが、睡眠障害がありながら深夜のヨーロッパ便とかどうやって飛んでたの?って思ってしまいます。まあ、僕は朝方の人間なので、最初の数日を乗り越えれば問題ないとは思うのですが、なんだか解せません(笑)。結局のところ、言ったもん勝ち的な雰囲気です(爆笑)。



 それではまた。


(つづく)

2020-10-28

エアバス訓練前半戦終了。

 昨日、トロントでのエアバス型式証明取得訓練の前半部分であるIPT訓練を終え、2週間ぶりにモントリオールに戻ってきました。今回は今の会社での2回目の型式証明取得訓練になるので、その過程と感じたことをまとめようと思います。

 そもそもですが、パイロットのライセンスはそれ自体では飛ばせる飛行機が限られていて、旅客機クラスになると機種ごと(例えばボーイング777, エアバス350等)に操縦資格が必要になります。その資格のことをtype rating(型式証明)と呼びます。

 前回、ボーイング767の型式証明を取得するために訓練を受けたのが2017年のこと。その時は会社のマニュアルなどの勉強のために最初のしばらくはトロントでの座学があり、その座学が終わるちょっと前に乗務する機材が発表になりました。座学が終わると機種ごとの訓練に入るという形で、僕の767訓練のすべてがバンクーバーの訓練施設で行われました。今回と同様、まずはIPTでの訓練、それが終わるとIPT訓練で学んだことをちゃんとできるかを確認するためのテストがありました。それに合格するとフルモーションフライトシミュレーターでの訓練に入りました。それが2週間ほどあり、また確認のテストがありました。それに合格して、いよいよ実機での実地訓練(line indoc)に入っていき、最終的にはline checkというテストのようなものがあって、それに合格して晴れて型式証明を取得という流れになります。

 ということで、乗務する機種が変わると僕の会社の場合は4つのステップを経て資格を取得します。

     1. System knowledge(自宅での勉強期間)-> テスト
     2. IPT -> テスト
     3. Simulator -> テスト
     4. Line indoc -> テスト(ラインチェック)

 今の僕はステップ2のIPTを終了したところです。なのでちょうど折り返し地点というところでしょうか。

 今日はIPT終了までの経緯と感じたことなどについて書きます。

 IPT訓練が始まる前日にトロント入りしました。モントリオールからトロントまでは飛行機で一時間ほど。飛行機に乗ったのは半年ぶりでした。空港は閑散としていて、人はほとんどいませんでした。フライトは新型機であるエアバスA220-300(旧ボンバルディアCS300)。主にビジネスジェットやリージョナル機を製造しているボンバルディアがデザインしたとは思えないほど機内は広く、スクリーンや窓も近代的なサイズで快適な旅となりました。コロナの影響でマスク着用が義務付けられていて、機内アナウンスもマスクやCOVID19についてのことが繰り返し説明されます。やややりすぎでないかい?とも思いましたが、時期が時期なので仕方ないでしょう。いつもは機内持ち込みバッグのみで旅行することがほとんどですが、今回は2週間滞在で服や持ち物も多くなるので大きめのスーツケースを持っていくことにしました。空港ではタッチレスで荷物タグを発行でき、自分でバッグのドロップオフエリアに持っていきます。手順がシンプルでいいです。



(モントリオールを離陸してすぐの景色。空港が左上に見えます。)

 ホテルは空港側のホテルでした。おかしな話ですが、仕事をしているときにレイオーバーで泊まるホテルは結構格が高いホテルが多いのですが、訓練期間は2流以下のホテルです。そこはケチっているのか、なんなのか。部屋は狭いし、ベッドもなんだかなぁ〜という感じ。半年ぶりに自宅以外で時間を過ごすことが予想以上にストレスに感じました。っと同時に、モントリオールの自宅がいかに快適だったかということを再確認させられました(やっぱり自宅が一番)。このような感じでホテル滞在初日は不満がありましたが、自分の適応能力はこれまた予想以上に高かったようで、二日目以降は特に不満もなく、快適に過ごすことができました(改善できる点はたくさんありましたが・・・)。

 僕の訓練パートナー、そして同時期に訓練を開始する別のペアは全員モントリオールベースのパイロットで、彼らはモントリオールから車で約五時間かけてやってきました。トロント滞在中に車があることはかなり便利なのでそうしたのだと思います。僕も考えましたが、これから天候が悪くなることもありますし、実は訓練開始前に腰を痛めてしまったこともあって、五時間の運転は腰に悪いと思って素直に飛行機で移動してきました。パートナーの車があったおかげで毎日の訓練所までの行き来は彼の車でできたので楽でした(本来であればクルー用タクシーを毎回呼ばなければならず、待ち時間などが無駄になります)。


 訓練は毎日正午から、ブリーフィングから始まりました。ブリーフィングはだいたい1.5~2時間ほど。その日に学ぶことの詳細や知っておかなければならない手順についての説明があります。僕たちのインストラクターは自社で働いたことはなく、グループ系列のリージョナルで働いた経験やチャーター会社で働いたことがある契約インストラクターでした。ブリーフィングは2ペア同時に行い、IPT訓練ではまずは最初のペア(ペア1)が訓練を受けます。その間、ペア2の二人は後ろで観察するという形が我が社のIPT訓練では普通になっています。IPT訓練は各ペア2時間ほどです。

 IPTはこんな感じです↓



 真ん中にある出力をコントロールするスラストレバーのブロック以外は複数の大きなタッチスクリーンで構成されています。スイッチをON/OFFするときは画面上をタッチするとスイッチの動きを擬似再現できます。これがかなり繊細かつ不正確で、ONにしたいのにOFFになったり、真ん中の位置に移動させたいのに上にいったり下にいったりと、なかなかイライラする精度です(笑)。

 エアバスA320は古い機体なのでIPT自体も古いものです。もっと新しい飛行機のIPTはテクノロジーが発達しているので、もはやシミュレーターじゃね?と言いたくなるほど進化しています。

 ボーイング787ドリームライナーのIPTはこんな感じ↓


操縦桿、ラダーペダル、スラストレバーに座席などは本物、さらにはHUDを再現した画面などが備え付けられています。


HUD/外の景色の画面ではマーシャラーまで見えます(笑)


 そしてエアバスA220-300のIPTはこんな感じ↓


こちらは通称ペデスタルと呼ばれる機長席と副操縦士席の間のスイッチ類やスラストレバー等はすべて実機通りです。


サイドスティックもラダーペダルも当然完備。ここまでくるとモーションのないシミュレーターです。

 ということで、A320のIPTは他の最新鋭機と比べると見た目はかなり乏しいですが、ちゃんと機能します。ときどきエラーが出てコンピューターを再起動しなければいけないなんてこともあります。

 このIPTを使って一通りの訓練を行いました。最初の日は僕と機長ペアがグループ1。そして翌日は我々がグループ2という風に交代して訓練を受けます。グループ2はグループ1が終わるまで待たなければいけないので、訓練が全て終わるのは日が暮れた時間帯になります。

 IPT訓練はここ6ヶ月の自習のおかげで予想以上にスムーズに進みました。本で学んだことを実際にIPTでやることでカラダで覚えることができます。また、間違いや失敗をすることで、そこから学ぶこともできます。習うより慣れろという感じで、なかなか楽しい訓練となりました。

 今回の訓練中で一番大変だったのは毎日の食事です。ホテル暮らし、かつ今はコロナウイルスの影響もあり、トロントのレストランはすべて持ち帰りのみとなっています。そのため、今回の滞在中の夕食の多くはUber Eats(出前)を利用しました。本当に便利でよかったのですが、手数料や配達料がバカにならないし、当然ながら栄養が偏った食事になってしまいます。2週間の間、栄養バランスの悪いものを食べても死ぬわけではないでしょうが、今までずっと自宅でバランスの良い食べ物を食べていたのに、ここにきていきなり脂っこいものや塩分の高いものを食べると体がなかなか受け付けませんでした。それも最初の週が終わるころにはすっかりなれ、「料理しなくていいし、皿洗いもしなくていいから楽やなぁ〜」と前向きに考えるまでになりましたが(笑)。

 このような感じで2週間の訓練はあっという間に終了。毎日部屋からトロント空港に到着したり出発していくフライトを見ながら過ごしました。


部屋からの眺めはこんな感じ。滑走路がすぐそこにあります。

 今回初めてエアバスの操縦を習っているのですが、今のところとても楽しんでいます。ボーイングやボンバルディア機とはかなり違う航空機で、戸惑うところもありますが、今のところの感想はこんな感じです:

 オートメーションがすばらしい
 操縦(オートパイロットの扱い)はわかりやすい
 767と比べると速度が遅いし、速度を速やかに落とせる
 767と比べて上昇能力がかなり低い(高度を稼ぐのに時間がかかる)
 とはいえ、767に似ているところも多い(結局、飛行機はどれも似ている)
 FMS(FMGS)はかなり違って使いにくい(慣れるのには時間が必要)
 操縦の「フロー」はわかりやすい&覚えやすい(そもそもスイッチ類が少ない)
 コクピット内のスイッチの位置が理にかなっている(80年代の設計とは思えない)
 コンピューターが飛行制御することが多く、なにやっているかわからなくなることがある
 緊急時の手順がECAMという画面に表示されるので、それに従えばよく、かなり楽チン

 という感じです。ちょっとマニアックな内容ですが、総合的に言えば「楽な飛行機」という印象です。楽ということは安全ということ。今まで操縦してきた飛行機の中でもっともわかりやすい飛行機というか、理にかなったデザインの航空機という好印象です。これがシミュレーター訓練が始まっても同じような印象かどうかが楽しみです。

 11月2日にまたトロントに行き、翌日3日からシミュレーター訓練が始まります。今度は実際にサイドスティックを操作して操縦する手順なども学ぶ機会があるのでとても楽しみです。


(つづく)













2020-10-10

過去ログ:2007年1月3日〜2007年1月4日

ビクトリア81日目:飛び初め。
2007年1月3日水曜日

 今日は今年初のフライトとなりました。 天気はあまり良くないかと思いきや、結構雲も開けて来ているようです。 ということでディスパッチャーに電話をして12時からソロフライトに行くことにしました。 

 12時ちょっと前にクラブに着き、セスナ152のZSCの鍵と書類等が入った書類ケースを受け取ります。 書類ケースの中には保険に加入している証明、ウェイトアンドバランスの情報、飛行機の登録の証明、耐空証明など、いろんな書類が入っています。 パイロットは飛行前にこれらの書類を確認して、飛行機が飛べる状態であることを確認する必要があります。 とはいっても、クラブ所有機の場合は特に問題はないでしょうから、いつもはジャーニーログブックを確認して、今までのフライトで問題がなかったなどを確認する程度です。 神経質な人はすべて念入りに確認してもいいんでしょうけどね。 ちなみにサスカトゥーン時代はこれらの書類を確認したことは確か1回くらいしかなかったと思います。 それでも大丈夫だったサスカトゥーン、恐るべしです(笑)。 

 今日は久々のソロフライト。 今年初めてのフライトをソロフライトで迎えられるのは気分もいいですし、今年のやる気を象徴しているようで心地よいです。 機体は久しぶりに152で、ウォークアラウンドをしているときに、「小さっ!」っと思いました。 やっぱり172と比べるとかなり小さく感じます。 プロペラも薄くて短いです。 でも、こじんまりしていて僕は好きですけど。 コクピットに入って用意をすると、タコメーターの位置が違うのでちょっとやり難いです。 152では右席の前、172では左席についています。 ですから、172の感覚で正面を見ても計器がなく、あれれ?っとなってしまうわけです(笑)。 それでも、最初の10分くらいで慣れましたが。 離陸のときから思いましたが、やっぱりパワーが少ないです。 152で110馬力、172で160馬力ほどだったと思いますから、結構パワーの違いは大きく、離陸後の上昇速度などはかなり違いを感じました。

 今日はローカルウエスト側から天気が崩れているようだったので、ローカルイーストに行きました。 いつものSan Juan Islandという島(ワシントン州)の辺りを飛行します。 なにをしようかな〜っと思っていたのですが、とりあえずは不時着の練習をしました。 San Juan島の南東のほうに今はもう使われていない滑走路があります。 その滑走路を着陸ポイントと見立ててエンジンが停まった場合にどうするかという手順のおさらいです。 1回目はフィールドと高度の関係で位置関係がうまく掴めませんでしたが、2回目にはうまくいきました。 その後はPrecautionary landingという手順をおさらいしました。 これもそれなりにうまく行きました。  その後はPower-off stallというエンジンをアイドルにして飛行機を失速させて、そこからの回復の練習をしました。 1人で聞くストールホーンの音といったらとても不気味です(笑)。 そして最後にスティープターンを1回して空港に帰りました。 1人で飛ぶと時間が経つのが遅く感じます。 結局今日はかなり飛んだつもりでしたが、0.9時間の飛行でした。 ローカルイーストが空港から近いというのも要因かもしれません。 今日のソロはなかなか落ち着いてフライトできたので満足しています。 無線も難しいことは言われなかったですし、着陸もやや横風に流され気味ではあったものの、それなりに綺麗に降りれたと思います。 

 今日の写真というか動画は滑走路09からの離陸待ちの時に撮りました。 離陸準備ができたら、「ready for take-off」と管制塔に告げますが、他の飛行機が着陸してくるときは「Hold short」(待機せよ)と言われます。 待機している間は特にすることがなく、今日はカメラを持って行っていましたので、その間に撮影しました。 なお、着陸してくる飛行機が通り過ぎたらすぐに「Taxi into the position」(滑走路内に進入せよ)という指示が出たのですぐにカメラを畳んだために最後は慌ただしく写っています(笑)。 他にも今日はムービーを撮りました。 ご心配なく、落ち着いた気流で、安全なときにしか撮影はしていませんから。 危険なときに撮影をするほどの根性と腕はありません(笑)。

 今日は夜はグランドスクールに参加しました。 前回の続きでナビゲーションのやり方です。 実際にルートを決めてプランニングをするという内容です。 今日の内容もほとんど既に知っているものばかりでしたが、それでもいくつか知っておいて損のない内容がありましたので、今日も行ってよかったと思います。 次回は6日で、それでナビゲーションはすべてカバーしたことになるようです。 それが僕の無料グランドスクールの最後のセッションとなりそうです。

 明日の天気も微妙です。 夜は風が強くなる予報が出ているので、明日もナイトクロスカントリーフライトは無理かもしれません。 日中の天気が良ければまたトレーニングエリアに行こうと思います。 次はストールを数回やって、スピンでもやってやろうかと思います。 1人のスピンは怖いですが、慣れないといけませんから。 

 最後に、日本にいるパイロット仲間のために152の計器パネルの写真(高画質)を撮影しました。 ここから観れます(サイズ:約2.5MB)ので、イメトレなどにご利用ください。

 

 ではまた明日!

 

(つづく)
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ビクトリア82日目:天気の勉強。
2007年1月4日木曜日

 今日のトップ動画は昨日のソロフライト時の映像です。 見えている島々はすべてアメリカです。 空港を離陸して10分も経たない間にアメリカに入ります。 繰り返しますが、安全を確認して撮影していますのでご心配なく。 良い子は真似しないでください・・・ 途中でおかしな音が入りますが、これは編集の時に入った音です。 なんでこうなったかはわかりません。 ご容赦ください。

 さて、今日は天気はそこそこよかったものの、やはり雲が低く、クロカンフライトとはなりませんでした。 いい加減、このことを書くのも嫌になってきました。 明日からは書きませんから、クロカンのことが書かれていなかったら、「あ、今日も無理やったんや」と推測してください(笑)。  せめてソロフライトに行こうかとは思いましたが、METARにはgustの文字があったり、SN(雪)の文字があったりして、さらにGFAを見たらTS(雷)という文字までありましたので、今日はおとなしくしておこうと思いました。 Gustくらいなら経験を積めばある程度は問題なく飛べるとは思いますが、雷雨が相手ではどうしようもありません。 マイクロバースト、マクロバーストと呼ばれる突風に巻き込まれたら軽飛行機なんかあっという間に吹き飛ばされてしまうそうです。 機体がばらばらになっちゃったりもするそうです。 西の空を見ると大きくて黒い雲(CB=Cumulonimbus)が出ていて、METARによればTCU(Towering Cumulous)が隠れているようです。 ということで、今日は僕の技量ではどうしようもないと判断してフライトしないことにしました。 自分の能力をよく理解して、飛ばない決断をすることも重要です。

 天気のせいで飛べないことを嘆いても仕方ないので、この機会に天気の勉強を再度おさらいしました。 まずはトランスポートカナダのサイトにあるビデオクリップをすべて観ました。 ここからアクセスできます。 「Weather to fly」と題されたショートムービーが26個あります。 どれも単純な内容ですが、注意を喚起する内容で為になりました。 それをすべて見た後は教則本である「From the Ground Up」を持ってカフェに行きました。 今日は昨日、おとといと行ったSerious Coffeeの横にあるカフェに行きました。 2軒のカフェが隣同士にあります。 競争はあるのかどうかという余計なことを気にしながらカフェに入りました。 Serious Coffeeとは違ってサンドイッチやサラダなどがあるどちらかというとデリに近い感じのおしゃれなカフェです。 昼ご飯は食べてから家を出たのでカプチーノだけを注文しました。 テーブルに持って来てくれたカプチーノには花のシンボルがミルクで描かれていました。 「うぉお〜!」っと感動したのもほんの数秒間で、すぐにすすってやりました(笑)。 味はまあまあ。 おいしいのはおいしいですが、特に驚きはありません。 もともと僕は食べ物に対するリアクションが小さいほうなので・・・ リアクションがないということはおいしいということです。 まずいときは大げさにまずいと言いますから。

 カフェではFrom the Ground Upの天気のセクションを読み直しました。 なかなかためになります。 前線のこと、水が凝固したり気化したりするときの現象や特徴について、空気の流れや風の仕組みなど、パイロット以外の人でも知っておくと便利な内容ばかりです。 小一時間本を読んでカフェを後にしました。

 その後はジムに行きました。 今日はスピニングマシーンを30分、トレッドミルを30分、ウェイトトレーニングを30分ほどしました。 いつものとおりいい汗を流しました。 iPod Shuffleにはアンジェラ・アキの曲なんかを入れてみました。 彼女の声はいいですね。 ハーフの顔と徳島弁のミスマッチも面白いですし(笑)。 皆さんのお勧めの音楽などがあれば教えてください。 

 今夜の食事はこの前にも1回作ったアルフレッドソースのフェットチーニです。 今回はチーズの量を減らし、さらにパルメザンとアジアーゴという種類のチーズを混ぜてみました。 さらに牛乳の量を多くし、パスタはアルデンテよりも固い段階でお湯きりをして、沸騰した牛乳とバターの中で最後の茹で上げをしました。 そしてチーズを投入。 黒こしょうをいっぱいいれて、マッシュルームとベーコンのみじん切りを入れればできあがり。 今日のはおいしかったです(自己評価:94点)。 スープで茹で上げるというのがポイントです。 ぜひお試しください。 

 明日も天気は悪いみたいです。 晴れ間が出ればソロに行きたいです。 雨なら、From the Ground Upを読んだり、チャートを読んだり、Canada Flight Supplementを読んだりする予定です。 時間はあっても、やることはいくらでもあることに気がつきました。 しっかり勉強しようと思います。 明日は違うカフェに行こうかな〜。

 

 ではまた明日。

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【編集後記】

今回は写真がなくてすみません。当時の動画はどこにいったのかわかりませんのでお蔵入りです。当時はコンデジの動画機能を使って撮影していました。今のようにGoProのようなアクションカムはまだ発明されていなかったので、画角は狭かったですし、ひどい時にはカメラを口にくわえて撮影したこともあってブレブレだったります。 今だったら絶対アクションカムを2個ほど機内にマウントして撮影すると思います。自分の操縦を客観的に見ればミスをしたところも上手くできたところも見れて、予習復習に最適だと思います。

今、自分が新しい飛行機の操縦を勉強するにあたって、文字で説明されるよりも実際の映像を動画で観た方が圧倒的に記憶に残りやすいと思っています。うちの会社のトレーニング部門が訓練ビデオをいくつか公開しています。イメージを掴むという目的では良い動画ですが、やっている内容も編集もなんだかいまいち・・・。また、運航手順(SOPs)は比較的よく変わるので、その度にビデオを撮り直すというのもきっと面倒なんだとは思います。

 

(つづく)


2020-10-07

覚書可決と自習期間開始。

  前回書きました覚書ですが、いろいろな憶測を裏切り、圧倒的多数に可決される運びとなりました。これで向こう半年間はパイロットの解雇はなくなり、さらにはお給料も少し改善されることになりました。失職する可能性がとりあえず6ヶ月間はなくなったので生活の安定という意味ではよかったよかったとなりますが、一方で既に解雇されてしまったパイロットたちに対する手当などはなく、なんとなく腑に落ちない内容となりました。

 この覚書が可決されたことと同時に会社は僕が以前所属していたLCC部門の再開を発表しました。その部門はパンデミック発生直後に一旦運行停止状態になっていました。そんな中でequipment bidが行われ、LCC部門のポジションは一時的に消滅しました。ところが今回のLCC再開の発表を受けてLCC部門のパイロットが再度必要になったため、またもや今月equipment bidが行われています。僕は前回同様エアバスA320のポジションに残りたいと思っていますが、モントリオールベースにもともとあったメインラインのA320ポジションはすべて消滅してLCC部門のA320に取って代わられることになったため、そのままLCCのA320ポジションに移動できるようにビッドしています。訓練が今月13日から開始される(予定)ため、今の段階で他機種に移動したいとも思いませんし、長期的キャリア計画の観点から鑑みても今はエアバスのナローボディーに移動するのが引き続き最善の策と考えています。これでLCC部門の勤務条件やスケジュール等が元どおりになればうれしい限りですが、向こう6ヶ月は覚書に基づいてLCC部門であってもメインラインと同じ勤務条件・お給料ということになっています。

 今日はエアバス訓練開始日からちょうど1週間前になり、今日から5日間の「self-study days」が始まりました。我が社では機種変更トレーニングの場合はまずは5日間の自習期間から訓練が始まります。この期間に最低限暗記しなければならない緊急時の手順と、飛行機のシステムを学ぶためのモジュールをこなすことになっています。1日に5~6項目のシステムを勉強し、最終的に試験に合格する必要があります。勉強時間は1日6~7時間ほどです。

 とはいうものの、実際にはこのモジュールや勉強カリキュラムには訓練開始よりもだいぶ前にアクセスできます。そのため、なるべく早く暗記ものは暗記してしまうのが訓練をスムーズに進めるための秘訣だと思います。このブログでもなんども書いているとおり、航空会社の訓練は「Drinking out of a fire hose(消火ホースから吹き出す水を飲む)」という表現で比喩されるとおり、一旦訓練が始まると毎日次から次へと勉強しなければいけないことを否応無しにどんどん与えられます。ゆっくりと立ち止まって消化する余裕はなく、そのペースに食らいついていかなければなりません。僕は今まで航空会社での訓練を3回経験しています(Dash-8, CRJ, B767の訓練です)が、どれもこの比喩通りのハイペースでの訓練だったように記憶しています。そのため、今回もなるべく早い段階でエアバスの仕組みや操縦手順を学習するように努力してきました。それでも訓練が始まると頭が真っ白になることが多々あるはずです。あのストレスは何回訓練を受けても慣れません。とはいえ、訓練が終わってしばらくするとちゃんと飛べるようになっていますから、訓練カリキュラムはちゃんと機能するように計算されているんですね。

 モントリオールはどんどん秋が深まって来ました。市内にあるモンロワイヤル山には紅葉を楽しむために多くの人が訪れています。残念ながらマスクを装用する人の数は少なく、その影響もあってかモントリオールは現在Red alertが発せられていて、レストランやバーなどはテイクアウト以外は閉鎖されています。それでもマスクをしようとしない人がいるのは理解に苦しみます。今日はそんな紅葉の写真と、マスクをしない人がいることに絡んでフェイスブックで見かけた写真をシェアします。

(和訳)コロナウイルスの教訓

 この写真は第二次世界大戦中にロバを担いでいる兵隊の写真です。なにもこの兵隊はロバが好きというわけではありません。この野原には地雷が埋められているため、ロバを自由に歩かせるとおそらく地雷を踏んでしまって部隊の全員が死んでしまうためロバを担いでいるわけです。つまり、パンデミックのような非常事態に直面した際、危機の深刻さが理解できないおバカさんたちをまずはコントロールしなければならないのです。




(つづく)