2020-05-30

税金の無駄遣い?

 東京上空をブルーインパルスが飛行したそうですね。 医療従事者への感謝を表すためのフライトということで、東京上空を3周くらいしたんだとか。 いいですね〜。 

 こちらカナダでも、カナダ軍のアクロバットチーム・スノーバーズがカナダ主要都市上空を飛行するツアーをちょっと前に行いました。 作戦名は「Operation Inspiration」というもので、カナダ東部から始まって西海岸まで飛んでいくというものでした。 モントリオール上空にもくるという情報をSNSでキャッチしたので、当日は自宅マンションの屋上でスタンバイしていました。 

 予定ではモントリオール対岸の南東部からジャックカルティエ橋付近を飛行してモントリオール島に入るということでしたが、当日はあいにく北西から比較的低い雲が流れ込んで来ていたため、どうやら当日に飛行ルートを少し変更したようでした。 それでも屋上から少しだけスノーバーズの姿を見ることができました。





 日本のニュースでも今回のデモンストレーション飛行は人々に感動を与えたと報道されていますね。 僕自身はもともと飛行機好きなのでこういうのは好きなのは当たり前かもしれませんが、飛行機に興味がない人でもアクロバット編隊が青空に白い線を描いて飛ぶ姿を見るとなぜか感動するようです。 特に今のような、あまり良いニュースがほとんどない毎日の中で見る白いスモークは心を打つものがあるのかもしれません。 医療従事者への感謝を表すという目的がこのフライトに盛り込まれていると知るとなおさらだと思います。 飛行機で人々に感動を与えられるのは素晴らしい。 飛行機にはそういう不思議な力があるように思います。 こういう状況だとこのことを再確認させられます。

 ところが、こういうことをすると必ず「税金の無駄遣い」という人が出て来ます。 そんなお金があるなら保証に回せ、という気持ちもわからなくもありません。 でも、SNSを見ていても人々に感動を与えたことは間違いがなく、そういうことに使うお金なら悪くないと思います。 外出自粛で家に篭ってみなさんはなにをしていますか? Netflix, Youtube, 漫画にアニメ、その他諸々のいわゆる「芸術・アート」にかなり助けられているはずです。 そういう分野の発展に使われる税金などにもケチをつける人がいますが、そういう人も実は芸術・アートのお世話に多大になっているわけですから、なんでも「無駄遣い」でくくるのは間違っているようにも思います。 

 今回のブルーインパルスのフライトを見た医療従事者の方々が全国民からの感謝の気持ちを受け止め、少しでも心が安らいだことで今後もコロナとの戦いに尽力していただけるのであれば、今回の税金の使い方は正しかったと言えると思います。



(つづく)




2020-05-27

新機種発表。

 先日機材ビッドの結果が発表になりました。 結果は・・・。


























 エアバスA320!

(写真:ブリタニカ百科事典オンラインより)

 ということで、ベースは変わらずモントリオールで、乗務するのはエアバス・A320/A321という結果が出ました。 

 今回のビッドはいろいろ考えるところがあったのですが、結局は想像していたよりもセニオリティ的に良い位置につけることができたので比較的満足しています。 

 ビッド期間の最初のころは最新機種であるエアバスA220(旧ボンバルディアCS100/300シリーズ)に移行しようと考えていました。 最新機種だし、もっともセニオリティ的に低い機種だったのでシニアになるのには一番近道であるとも考えました。 であれば機長昇格にも近くし、そもそも最新機種だからしばらくは我が社もこの機種を手放すことはなかろうと考え、長いキャリアプランで考えた時にはこのA220がもっとも良いと考えたのです。 

 しかし、いろいろなシナリオを考え始めると、A220よりもA320のほうが良いのでは、と考えるようになりました。 そもそもA220はボンバルディア製であることを考えれば僕は既にボンバルディアの飛行機の操縦経験があります(Dash-8, CRJ200/900)。 A220もきっとデザインフィロソフィーは似ているはずであることから、キャリア育成の観点からはメリットが少ない。 一方のエアバスは今まで操縦したことがありませんのでこちらのほうが魅力的です。 また、エアバスA320型機は世界中で運航されている超ベストセラーのナローボディ機です。 ボーイング737と肩を並べて人気な機種ですが、ヨーロッパやアジアを見る限りではエアバス > ボーイングという構図のような気がします。 また、エアバスの良いところは、320が操縦できれば330, 340(もうほとんど存在しませんが)、350、380と、ほとんどの機種の操縦方法やデザインフィロソフィーなどはとても似ているという点です。 我が社でも319/320/321以外にワイドボディ機の330を、以前は340も運航していました。 将来的にまたワイドボディで海外フライトをしたくなった場合には330があるし、その移行はスムーズに進むはず。 エアバスは320や330に最新のエンジンを載せたneo(new engine option)シリーズ機でも勢いを増していますし、737Maxの件でダメージを受けているボーイングよりも好調な印象を受けます。 さらに320でしばらく乗務したあとは機長昇格へのチャレンジも同じ機種でできる。 そう考えるとA220よりもA320のほうがメリットが多いと判断しました。

 A320は今まで飛ばして来たボーイング767よりも小さく、巡航速度も遅いです。 乗客数も半数近く。 飛ぶルートも国内、北米、カリブ海あたりが主かと思われます。 もうヨーロッパや南米にはいけませんが、その分時差ボケに悩まされることも少なくなるでしょうし、どちらかと言えば以前リージョナルで飛んでいた感じのスケジュールに戻るのではないかと思っています。 それは楽しみ。 セニオリティ的にもFOリストの中でちょうど真ん中(50%)なので、僕よりも下に20名近いパイロットがいるため、おそらくリザーブにはならないのではないかと思いますが、昨今の情勢に影響を多大に受けるので、実際にどうなるかはわかりません。

 早速A320のオペレーションマニュアルを読み始めましたが、なかなか面白い飛行機です。 767とはそもそもデザインの構想がまったく違うようなのでとても新鮮です。


(つづく)

2020-05-26

マスク made in ケベック。

 本日(5月25日)から、こちらモントリオール市内でも一部の商店が営業再開を許可されることになりました。 モントリオール郊外では既に許可されていたのですが、なにせモントリオール市内はカナダでもっともコロナウイルス感染者数が多いため、他地域よりも2週間近く営業再開が遅らされました。 今日から営業再開が許可されるのは路面店で、独自の入り口を持つ店舗のみとのこと。 つまり、ショッピングモールのような大規模営業店は営業再開されず、比較的小規模のお店のみとなるようです。 今日はまだ外に出ていないのでどういう感じかわかりませんが、ここモントリオールではマスクをしない人が圧倒的大多数なため、やや不安です。 また、日本人のようにお上の指示を真面目に聞く人種ではそもそもないようなので、外出制限が緩められた直後から集会・パーティーなどを始めるような方々です。 経済が停滞することに不満を漏らすくせに自分の行動は咎めない、なんともお気楽な方々です。 日本では自粛警察などが問題になっているようですね。 その行動自体はどうかと思いますが、「出る杭は打たれる」の精神が骨の髄まで染み込んでいる日本人はこういう国民全員に自粛が求められるような事態になると強いなぁとつくづく思います。 当然、良し悪しがあるのも理解はできます。

 こちらはほんの数週間前までは雪がちらつく日もあったのに、今ではあっという間に夏のような気候です。 気温も20度を超え、今週中には30度を超える日も出てくるようです。 街は人出が増えて来ました。 それでも、お店などではソーシャルディスタンスを守っている模様です。 街を歩く人々の中にはそんなのかんけーねぇーといった感じの集まりも見かけますが、どこにでもそういうやつらはいます。

緑と日差しがきれいな時期になってきました。

 こちらでもようやく薬局などでマスクを買うことができるようになりました。 使い捨てのサージカルマスク(白や青)を先日買いました。 簡素な袋で包装されていて価格も日本での倍近くすると思いますが、あるに越したことはないということで購入。 品質タグにはもろに中国語。 QRコードがそれっぽく印刷されていますが、読み取るとWeChatのアプリダウンロードページになぜか飛びます(笑)。 洗って繰り返し使えるものもあったので買いましたが、これがひどい品質。 ザ・カナダ製って感じのクオリティーです(笑)。 生地は、例えるなら靴袋を切って縫製したようなものでごわごわです。 いったいどこの会社が作ってやがるんでぃと思って調べて見ると、ここケベック州で文房具を作っている会社でした。 よくもまぁこんな質のものを売ってお金を取ろうと思ったね、と驚きを隠しきれません。
 
薬局の入り口でもアルコール消毒をしたり入場制限をしています。


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 仕事のほうはまだ特に動きがありません。 機材ビッドは先日締め切られ、今週中に結果発表があるという話です。 おそらくこの機種になるだろうなぁというのはわかっているので、また少しずつ勉強を始めています。 詳しい勉強内容は次回書いてみます。


(つづく)

 

2020-05-20

「ご自分で判断してください」。

こんな記事を最近読みました↓


 国際航空運送協会(IATA)が今後の航空業界の需要回復の予測を発表とのこと。 昨年2019年度の水準に戻るのは、国内線で2022年、国際線で2024年、とのこと。

 ちなみにこのIATA、そして国際民間航空機関(ICAO)はどちらも本部がここモントリオールにあります!(っと、つい最近知りました・・・笑)


 しかも、場所は道を挟んで真向かいにあります。 以前、街の中を散歩していたら、見覚えのあるICAOのロゴがついた旗が掲げられているビルを発見してようやく知りました。 ICAOは日本やヨーロッパでは「イカオ」、北米英語圏では「アイカオ」と発音します。

 話を戻しますが、IATAは航空需要が戻るには2年ほどはかかるという見通しを示しているようです。 

 航空需要が戻るには各国の都市封鎖や国境封鎖が部分的にでも解除されることが条件になります。 記事によると、IATAは国内線であれば7~9月に再開するという想定での予測だそうです。 今のヨーロッパ諸国や自分のいるカナダ、北米やアジア方面の動向を見ていると、7~9月で妥当なような気もします。 台湾は今秋から海外からの観光客の受け入れを再開するとも言っていますね。 やはり秋口までは今のように人々の動きが滞った時間が続くような勢いです。

 このように、今後の見通しが不透明なため、僕自身もこれからこの業界や旅行業界がどうなるかはまったくわかりません。 そんななか、これからパイロットを目指すつもり(または、つもりでいた)の方々からメールやFBで問い合わせをもらっています。 質問の内容は「昨今の状況を鑑みて、パイロットを目指すか、それとも他の道を進むか、どちらが良いと思いますか」というものです。

 ごめんなさい、僕にはわかりません。 

 理想論・精神論で言えば、

 「パイロットになるのが夢ならば、なにがなんでも突き進んでいってください!」

 と言いたいところもあります。 今まで通りの景気や流れであればこういうことを言っていましたが、今の状況を見るとそう簡単にこういうことをいうのはあまりにも無責任とも感じます。 

 ということで、今、僕にこういう質問をされても、

 「ご自分で判断してください」

 としかいうことができません。 ごめんなさい m(._.)m  こんな状況であってもパイロットを目指して訓練を始めないと一生パイロットにはなれません。 やらなければいけないことを粛々とこなし、タイミングが回ってくるのを待つことはできますし、そうすればパイロットにはなれます。 ただ、そのタイミングがいつになるかはわかりませんので、長い間待つことになる可能性が高いです。 ただし、そのタイミングが来てから訓練を開始するのでは時差が生まれるため、雇用の波を逃す可能性もありますね。 

 今のうちに準備をして、待ち続ける精神的・金銭的余裕をお持ちであれば、パイロットの道を進めば良いでしょう。 不安がどうしても多く、自分は安定した生活が欲しいという方はやめておいたほうが無難かも。 パイロットに一旦なれたとしても、また10年後にはこのようなパンデミックが起こり、職を失う可能性がありますからね。 歴史を見るとそういう感じになっています。 とはいえ、どんな職種であっても影響を受けるのは変わりませんから、自分のやりたいことを10年間やって、パンデミックが来たらその時を耐え忍ぶ準備をするのもありかな? 

 ん〜、なかなか難しいですね(汗)。



(つづく)


2020-05-14

機材入札 その2

 僕がパイロットになる前は、大手エアラインに入るには長い下積みを余儀なくされ、大手航空会社に履歴書を見てもらえるようになるには飛行時間が7,000時間くらいはあるのが当たり前という時代だったそうです(北米の話です)。 ところがここ数年は2,000時間もあれば大手に引き抜かれるというようなバブリーな時代になっていました。 以前はワイドボディ機のFOに昇格するには、まずはナローボディ機に乗って経験を積み、ナローの機長として飛んでやっとワイドのFOに上がれるという時代だったそうです。 さらにその前にRP(リリーフパイロット)としての乗務が必要だった人も多いようです。 要約すると、以前の昇進モデルで定番だったのはこんな感じだったようです(必ずしもこうだったというわけではありませんが)↓↓↓

   ①ワイドのRP↓
   ②ナローのFO↓
   ③ナローのCA↓
   ④ワイドのFO↓
   ⑤ワイドのCA 
   ⑥幸せな定年退職

 ①で数年、②に上がって数年、③に上がるころには勤続年数が10年前後だったという話を聞くことが多いように感じます。 

 ところが、僕が知っている限り、最近ではいきなり②か、僕のように④からスタートということもよく起こっていました。 入社1年目でボーイング777(もっとも大型機)のFO④になる、なんていうこともありました。 前代未聞の事態だったそうです。 とはいえ、④から⑤に入社数年目で行くことなんていうのはありません。 そこにはお給料やセニオリティが絡んで来ますから、そう簡単に⑤にはいけません。 ところが、③には比較的簡単にいけるような状況がここ数年起きていました。 入社2年ほどで③に進むパイロットが出て来ました。 これも前代未聞だったそうです。 

 ところが、今回のビッドを見る限り、今までの流れは淡く儚い夢のような日々だったように見受けられます。 

 例えば僕のケース。 今日現在、モントリオールベースで僕のセニオリティ番号で選択できる(「ホールド」できる)のは②です。 ③も機種によってはぎりぎり食い込めるか?という感じです。 ですが、FOリストのなかでもっともジュニアなパイロットになると生活の質がかなり落ちますので躊躇します。 例えるなら、進学校の成績最下位よりも一般校の成績上位のほうが気分が良いのと似ています(笑)。 それでも中には「俺は一番でかい飛行機に乗りたい」とか、「私はとにかく早く出世街道を進むんだ」という人もいるので、ポジションのビッド方法は千差万別です。

 僕は②で進むつもりでいます。 ここで厄介なのが自分よりシニアな人たちの動向です。 シニアな人の中にはCAもFOもホールドできる人がいます。 ところが前述のとおり全体で下のほうのポジションになると毎月のスケジュールや休暇申請の際に回ってくる順番などの面で不利益を被る可能性があるので、ジュニアなCAよりもシニアなFOを選ぶ人も出て来ます。 特に今のような経済低迷期にはそういう選択をする人も出て来て当然だと思います。 

 なんて言っていますが、今回レイオフされたパイロットも数多くいますし、僕は幸いにして、今の所は、仕事を失っていませんから、飛べる可能性があることに感謝してビッドしようと思います。 どの機種に移っても良い点・悪い点が必ずありますから、なるべくポジティブに考えようと思います。 


(つづく)

2020-05-12

機材入札(Equipment Bid) その1

 前回の記事にも書いたとおり、この度の大規模な事業規模縮小により、多くの飛行機が今後の運航プランから外されました。 その結果、乗務する飛行機がなくなったパイロットは他の機種への異動を余儀なくされることになります。

 そもそも、今回のような事業縮小などがなくても、うちの会社の場合は数ヶ月に一度、「機材入札(equipment bid)」というものが実施されます。 2ヶ月ごとに今後の事業拡大プランや景気情勢などを総合的に判断し、パイロットの数を増やすか減らすか、飛行機の数を増やすか減らすか、またはその飛行機をどこの空港所属として配置するかなどを検討します。 ただし、特に変更が必要ない場合や、以前の計画がうまく行っていたりすると人員異動がそもそも必要なくなるので、equipment bidはキャンセル・次回に持ち越しということになることもあります。 うちだけに限らず、他の会社でも似たような仕組みのequipment bidがあります。 僕が以前働いていたリージョナル航空会社の場合だと1年に2回だったと記憶しています。

 ビッドが始まるとまずは会社から向こうしばらくの人材プランを提示され、それに基づいて今後どのくらいのパイロットポジションが必要になるのかが発表されます。 例えば、今日現在4000名のパイロットがいるところ、会社が提示して来たプランではパイロット数を4200名に増やすということになれば、今後200名のパイロットを新規採用するということになります。 これまでは毎回こんな感じで、どんどんパイロットの数は増えて来ました。 これまでは商売大繁盛だったんでしょうね(笑)。 僕が入社したとき、僕は一番下のセニオリティ番号でした。 それが確か3774番。 つまり、僕が入社した時点ではパイロット総数は3774名だったわけです。 それが今回の大規模人員削減直前にはパイロット総数が4900名近くにまで膨れ上がっていました。 ちょっとしたバブルです(笑)。 入社して3年ちょっとですから、1年間に約400名のパイロットが次から次へと採用され、僕の下に入って来たということになります。 定年退職者の増加、事業規模拡大、新機種導入、新fatigue rulesなどなどによりそれだけのパイロットが必要になってきたわけです。 ちなみに、自分よりも先輩のパイロットはシニア(senior)、後輩はジュニア(junior)というふうに呼びます。 例えば、「Are you junior to me?」(君は僕よりも後輩だっけ?)というような感じです。 

“パイロットにとってもっとも重要な数字はVスピードではない。 セニオリティナンバーだ。”


なんていう人もいるとか(笑)。

 今回の人員削減・機種数削減により、かなり大規模な人員異動が起きる見込みです。 今まで乗務していた機種がなくなるパイロットは他機種に変更になりますし、今まで機長だった人も機長のポジションが減ったことで機長のランクを保持できず、いやが応でも副操縦士に降格となる人も多くいます。 少数ですが、現在のベースの空港でのポジションを確保できず、他空港ベースに異動となる人も出てくるようで、そういう人たちは引っ越し、またはコミュート(通勤)を余儀なくされます。 機種毎、ポジション毎にお給料のベースとなる時給(hourly rate)が変わりますので、今後の月収・年収も変わります。 とにかくいろんなことに大きな影響を及ぼすのが今回のequipment bidです。 そんなビッドは10日間ほど開催され、その間はネットの専用Webページで自分の希望を出すことができます。 例えば、

 希望1:YUL 777 FO (モントリオールの777副操縦士)
 希望2:YYZ 320 CA (トロントの320機長)
 希望3:YVR 787 FO (バンクーバーの787副操縦士)

のような感じです。 結果が出るまであと数日。 ハラハラドキドキです。 ビッドするときに検討する項目についてはまた次回。

 今回のコロナが「神の見えざる手」であるというような考え方があるようですが、航空業界に及ぼされた影響もそれに似ているのかもしれません。 つまり、ここ数年間はあまりにも航空業界の景気が良すぎて、航空会社は事業規模を広げすぎた、っと。 株価や物価などと同じで、一度高くなりすぎたものはどこかで知らないうちに価格を低く戻そうという力がかかり、自然と本来あるべきバランスを取り戻す、というものです。 それが正しいかどうかは僕にはわかりませんが、今の現状を見ると強ち間違いでもない考え方だなとも思えます。


(つづく)

2020-05-10

余剰航空機のゆくえ。

 コロナの影響が出始めてから、多くの航空会社は減便や欠航をはじめました。 英語では「grounded」という表現をしますが、文字通り、地上(グラウンド)に飛行機を駐機しておくことを指します。 きっとみなさんも新聞やネットで多くの飛行機が空港の誘導路や閉鎖された滑走路にずら〜っと駐機されている姿を見かけたことがあるのではないでしょうか。
 
 とはいえ、航空会社が所有する航空機の数は膨大です。 我が社で300機弱(でした)。 アメリカの大手ともなると1000機に限りなく近い数の航空機を運航しています。 それほど大量の飛行機がgroundedとなると、どこに駐機するのか。 気になりませんか。

 我が社の場合、大規模欠航が始まってからも飛行機が飛ぶことがありましたが、それの多くは駐機スペースがある空港への片道フライトでした。 行き先は様々ですが、多くはアメリカのアリゾナやカンザスシティなどの駐機場だったようです。 いろんな条件があるとは思うのですが、気候が良く、乾燥しているところが多いのが普通で、アリゾナなどはまさにそれにぴったりな場所です。 長期間ドアを閉めたまま、エンジンを切ったままにしておくとなると、湿気がある場所では機械にとっては悪環境となります。 また、駐機代(1機あたり一月20~30万円という情報も)も関係してくるので、大都市部というよりは、やや離れた場所にあるところを選ぶようです。 詳しくはわかりませんが、今回のように大量の航空機を駐機する必要が出る場合に結成される斡旋企業なんかが存在するんでしょうね。 誰かが損失を被れば誰かが甘い蜜を吸うという感じでしょうか。 

 SNSを見ていたら興味深い記事を発見しました。


 とある写真家がヘリコプターに乗り込み、2週間かけてアメリカ中の空港に駐機された航空機の写真を撮り回ったという記事です。

 ここで僕が乗務した飛行機の写真も発見!


 良く見ると767以外にも787も駐機されているようですね。 これはミズーリ州のカンザス・シティ空港だそうです。 

 
 こちらはアリゾナのピナル・エアパーク空港。 主にエアバス機が多いようです。(写真:@brianlosito インスタグラムより)
 
 これらの飛行機の中には、今後再び乗客を乗せて飛ぶことは2度とない機体も含まれているので、なんとも寂しい気持ちになります。 

 航空会社が運航する飛行機には主に「リース」と「所有」という違う形態が存在しています。 このうち、リースの場合はリース会社が所有する飛行機を航空会社が借りて運航しているわけで、そういう飛行機はリース会社に返却されると思います。 一方、「所有」している機体は航空機製造会社(ボーイング、エアバス等)を通して売却したり、他社に売却したり、いろいろな形で処分されるそうです。 こうやって飛行機は生涯いろんな会社を渡り歩いたりするわけです。 古い機体の場合は次の運航会社が決まらず、ボーンヤードと呼ばれる飛行機の墓場に送られ、使えそうな部品だけを抜き取られ、残ったものはスクラップされるそうです。 そして、そういう機体の胴体からキーチェーンを作る会社なんていうのも存在します↓↓↓
2018年に退役したエアカナダの767(登録番号C-FCAG)の胴体部を使って作られたキーチェーン(Aviationtagより)

 こうやってマニアの方や実際に操縦したパイロットに形を変えてでも覚えていてもらえるだけ、飛行機にとってはましなのかもしれませんね・・・。 いや〜、それでもやっぱり寂しい。

 なんか暗いニュースばっかりで疲れますね(苦笑)。



(つづく)