2020-06-07

進路を悩む若者への新たなアドバイス。

  モントリオールを流れるセントローレンス川。 大西洋からは何百キロも離れたここまでクジラが上って来て話題になっています。


 以前からクジラがセントローレンス川を遡上することは知られていましたが、多くの場合はケベックシティー(モントリオールよりも200kmほど下流)のあたりで目撃されることがほとんどなんだそう。 ザトウクジラらしいのですが、クジラがモントリオールで見られたのは歴史上初めてのことだそうです。 インスタグラムなどで検索しても多くの写真やビデオが出て来ます。 上の写真は僕が撮ったものですが、このようにときおり水面近くでジャンプする姿も観れました。 よく考えれば僕自身もクジラをこんなに近くで観たのは初めてです。 ここまで上がって来た理由ははっきりとはしていませんが、研究者たちは「コロナ禍で船の往来が減ったため」だったり、「海洋環境が変化して餌や住みやすい場所を求めて移動してきた」などと推測しているようです。 ここまで上がってくると海水ではなく淡水なのですが、クジラは淡水でもしばらくの間は問題なく生活できるそうです。 

 コロナの影響は相変わらずで、モントリオールでは商店などは再開しはじめましたが、特に僕の仕事に影響を与えるような大きな動きはまだ出て来ていません。 アメリカ・カナダの国境封鎖は今月中旬まで延長されましたので、これがどうなるかがこれからの動きに大きな影響を与えると思いますので注視する必要があります。 黒人差別に対するデモや暴動で揺れるアメリカですし、カナダでも都市によっては緊急事態宣言がまだ解除されていないところもあるため、先行きは不透明です。

 ここ最近、コロナの影響が将来に与える影響を危惧する若者が増えて来たのが顕著に観て取れます。 仕事がないのにパイロットを目指す意味はあるのか。 なかなか難しい決断だと思います。 この質問には正解がありません。 目指したければ目指せばよいし、いやならやめておけば良い。 こういうと簡単ですが、これではアドバイスにはなりませんね。 FBグループメンバーのお一人がかかれていた返答が印象的だったのでシェアさせてもらいます。

 内容はだいたいこんな感じ↓↓

 とりあえず自費訓練の道ではなく、自社養成や自衛隊など、訓練を受けさせてくれるところすべてにトライする。 それがダメだったらパイロットの道は諦める。 または、それでも飛びたいというなら自費で。

 僕はそもそも海外で自費訓練を受けてパイロットになった人間なので、「だめだったら諦めれば?」と言うことにはやや抵抗があります。 そこには、「やればできる」という精神論があるからだと思います。 でも、それは今の若者世代には押し付けることができませんし、理解もしてもらえないかもしれません。 

 まだ大学生くらいの方でしたら、とりあえずこの方法でも良いと思います。 お金を払って海外に出て、それで仕事の保証がないって、かなりMな方か、超楽観主義の方でないと楽しめないかもしれませんね(笑)。 運良く自社養成や自衛隊に合格したら一生懸命やってパイロットになれば良いでしょう。 あいにく不合格になった場合には他の職種に進んで他の目標を作るのもまた人生です。 それも悪くはありません、きっと。 どうしても空を飛びたかったらそれこそ海外で自家用操縦士資格を取り、日本のそれに書き換えをし、国内で月一ででも飛べればいいのではないでしょうか。 

 僕の場合は「パイロットになる」のが夢だったので、もしカナダに来てエアラインパイロットになれていなかったとしても、ライセンスが取れたということでそれはそれである程度満足して日本に帰国して次の人生を歩んでいたのではないかと思います。 日本でグライダーを飛ばすなり、セスナを飛ばすなりしても、それはそれで十分楽しそうです。 実際、カナダで訓練をされたあと、日本に帰国して飛んでいる方も知っています。 FBやブログで飛んでいる景色などを拝見すると、そういうスタイルも素敵だと思います。

 逆に、プロになれなければ意味がないという人もなかにはいます。 そういう方で、パイロットになれる保証がない、昨今の情勢がパイロット採用に与える影響に不安を感じる、という方々は、やはり僕には言いにくいのですが、やめておいたほうが良いかもしれません。 国内・海外を問わず自費訓練をすることはそもそも仕事の保証などどこにもない難しい道なのですから。 


(つづく)



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