2015-01-31

一時帰国。

 今月の20日から29日まで、1年8ヶ月ぶりに日本に一時帰国しました。 今回は妻も一緒で、務めている航空会社の社員割を使わせてもらってバンクーバーから成田まで行きました。

 バンクーバー発成田行きは最新鋭のB787・ドリームライナー! しかも乗っているお客さんは80人ほどで、行きは超楽でした。 がら空きだったので横に慣れたし、窮屈な思いは一切せず済みました。 
 
 
 (上:B787の顔つきはなんだか愛嬌があります)


 (上:各席にタッチスクリーンのディスプレイ付き。 マップなども見やすく扱いやすい)

(上:B787機内)

 (上:時間などに応じて変わる照明)

 それにしてもドリームライナーは素晴らしいです。 他のワイドボディ機に比べとても静かでした。 最後尾に座っていたんですけど、全然エンジン音が苦になりませんでした。 最新鋭はやっぱり凄い!

 日本ではまず東京・上野周辺に数日滞在しました。 アメ横、上野公園、靖国神社、渋谷、東京駅などなど、いろんなところに行きました。 

(上:靖国神社)

 (上:渋谷)

(上:上野駅周辺)

 それから福井にある実家に数日間滞在しました。 国内でも社員割で飛べるので、電車や新幹線で行くよりも飛んだほうが安上がりなのです(時間も短いですし)。 なので、羽田空港から石川県の小松空港まで全日空で飛びました。 機種はB767。 わずか1時間弱の距離をB767で、しかも低い高度を飛ぶというのはカナダではあまり考えられないような気がします。 定刻通りのプッシュバック。 さすが日本(笑)。 機長さんは40歳くらいの方みたいでしたね。 若〜い(笑)。
 
 (上:乗った飛行機ではありませんが、国内にはB787がゴロゴロいました<笑>)

 実家では母親に甘えさせてもらい、だらだらさせてもらいました。 あいにく兄の娘がインフルエンザにかかっていたため、一緒に遊ぶことはあまりできませんでしたし、僕の妻も前日に食べた焼き肉ホルモン(笑)でお腹を壊してしまったので結構ローテンションで時間を過ごしました。 それでも久しぶりの実家は楽しかったです。 体調が治ったときには親戚一同に嫁を紹介しました。 これも楽しい経験でした。 地元丸岡では町内を散策しました。

 (上:日本最古の天守閣・丸岡城)

 福井での楽しい時間もあっという間に過ぎ、今度は小松空港・羽田空港経由で東京に戻り、最後の3日間を浅草周辺で過ごしました。
 
 (上:下町から見えるスカイツリー)

 (上:ホテルから徒歩30秒にあった雷門・浅草寺)

 (上:食後のデザートのたい焼き)

 (上:ホテルから徒歩でスカイツリーへ。 アサヒビールの建物の前を通って)

 
(上:夜のスカイツリー)

 浅草ではラーメンを食べたり、天丼を食べたり、たい焼き、回転寿司を食べたりと、日本ならではのことを堪能しました。 スカイツリーがどこからでも見えるというのが気に入りました。 適度に便利だし、観光地で趣があるし、若者ばかりではなくてお年寄りも多いし(笑)、外国人観光客も多くいて、なにかと楽しい場所だったというのが浅草周辺の印象です。

 最終日は成田空港からバンクーバーへ、これまたB787ドリームライナーで飛びました。 今回は残念ながら空席があまりなく、しかも修学旅行生のグループと同じ便になってしまい、あまり快適ではありませんでした。 しかも、アンカレッジ周辺の航空管制がダウンしていて、しかもカムチャツカ半島周辺の火山が噴火していたらしく、予定のルートとはだいぶ違うルートを飛ぶことになってしまい、カナダには予定よりも遅れて到着しました。 機内に乗り込んでいくときに機長さんがバタバタと走り回っていました。 きっとディスパッチと連絡を取ったり、新しい飛行計画書を受け取ったりしていたんでしょうね。 お疲れ様でした。 

 カナダ到着後、入国審査などはスムーズにいったのですが、乗り継ぎの際の安全検査に時間がかかり、結局予定の便には乗れず、次の便に回されてしまいました(我々の前に車いすホッケーかなにかの韓国チームがいて、車いすの方々が10名近くいて、彼らの検査に通常以上の時間がかかっていたみたいです。 いろいろありましたが、予定よりちょっと遅れただけで無事ビクトリアに戻ってこれました。

  今回は友達に会う時間が限られていたので一人しか会えませんでしたが、次回帰国するときにはもっと友達に会う時間を持ちたいものです。


(つづく)





2015-01-06

年末から年始にかけての仕事。

 あっという間に2015年になってしまいました。 明けましておめでとうございます。 今年も超不定期ですが、時々ブログを書き続けようと思いますのでどうぞよろしくおねがいします。

 昨年末はクリスマス当日から仕事でした。 幸いイブの日までは自宅だったんですが、そこからしばらく仕事でした。 僕みたいに新人で、セニオリティーの低いパイロットは他の人が休んでいるときにお休みを貰えるということはあんまりないみたいです。 でも、そういう感じのスケジュールでここ数年仕事をしてきたので、苦にはなりませんでした。

 
 (上:クリスマス当日のエドモントン市内。誰も歩いてません。)

 クリスマスの日から始まったペアリングが今までで一番大変なペアリングになりました。 初日は特に問題なく進んだのですが、2日目にはバンクーバーを出発してキャスガー空港まで向かっている途中、機長側のEFIS(飛行機の姿勢や進路を示す「電子飛行計器システム」)が故障。 この日のキャスガーは天気が悪く、雲の中を下降してアプローチをしなければいけない状況でした。 しかもこの空港、4方を山に囲まれた谷底にあるような空港です。 万が一、雲の中を谷底に向けて下降している途中に副操縦士側の計器表示まで壊れてしまった場合、その時点で我々の位置がわからなくなり、ものすごく怖い状況に陥ります・・・。 そこで、無線を使って会社の運行管理者とメンテナンスの部署の人と協議した結果、着陸は試みず、バンクーバーに引き返すことになりました。 

 バンクーバーに到着後、別の飛行機にすぐに乗り換え、荷物、お客さんも乗り換えてもらい、再び離陸。 ところが!今度はキャスガー空港の天候悪化のため、アプローチは試みたものの、降りれる一番低い高度(minimum descent altitude 通称MDA)まで行っても空港が見えなかったため、着陸やり直し(missed approach)、再び上昇、そして燃料も余分に搭載していなかったため、すぐにそのままバンクーバーに引き返しました。

 再びバンクーバーに到着し、今度はカムループス空港行きの便を運航しました。 カムループスまではバンクーバーから一時間弱です。 空港近くに差し掛かると、カムループス空港の視程が雪のため悪く、我々が法的にアプローチを試みても良い視程が得られない状況(approach ban)でした。 そのため、滑走路の延長線上のローカライザーの上でぐるぐると上空待機(ホールド)。 30分ほどホールドして天候回復を待ちましたが、結局視程は回復せず、燃料もバンクーバーに引き返すのに必要な最低限の燃料量近くまで減ってしまったので、仕方なくバンクーバーに引き返しました。 バンクーバーで燃料を補給し、再度出発! 今回カムループスに差し掛かるころには幸い視程も回復していて、なんとか着陸できました。 これでこの日は終了。 今までで一番長く感じた一日でした。

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 12月31日からまた別の4日間のペアリングがスタートしました。 初日はビクトリア泊だったので、日付が変わる前に自宅に戻ってくることができました。 そして元日の朝は嫁さんとおせちとお雑煮を食べてから仕事に向かいました。 

 1月2日にはBC州の北西にあるテラスというところまでフライトしました。 この日もBC州の天候は荒れ模様で、テラス空港に着陸できるかどうか微妙でした。 テラスまではバンクーバーから片道およそ2時間の、我々リージョナルエアラインパイロットにとっては長時間のフライトです。 頻繁に変わる天気の情報をその都度確認しながら、暗闇の中を飛行し続けました。 天気が悪かったのと、夜間のフライトということもあって外の景色は見えませんが、山岳地帯の上空を飛ぶルートです。 そろそろアプローチを開始するために降下を始めようとしたところで最新の天気情報がとどきました。 風が予想・予報以上に強くなり、風速20ノット、ガスト35ノットという状態でした。 しかも降りる予定の滑走路とは180度違う方向から風が吹いていて、雲底も低いという状況。 今回もmissed approachになるかもと思いながらもアプローチを開始。 グライドスロープに乗って約3.5度の進入角で降下を続けていると、その間も風は約40ノットの追い風。 結局、着陸するか着陸をやり直すかを決めなければならないdecision height (DH)に到達しても地面が見えなかったので、またもやmissed approach、着陸をやり直すために再び上昇しました。 テラス空港も4方を山に囲まれている空港です。 暗闇と強風の中のmissed approachはかなり緊張します。 こういう経験は、ジェット旅客機などでILSからILSに飛んでいるパイロット達は恐らく経験することがないのではないでしょうか。 エキサイティングといえばそうですが、とても気を使います。 そういうときに限ってFMSとオートパイロットが変なことをしでかしたりするので、気を抜くことができません。  

 結局、バンクーバーからテラス、テラスから引き返してバンクーバーに到着しました。 これだけで約4時間のフライトになりました。 この後、また別のクルーがテラス空港への着陸を試みましたが、彼らも結局降りれず、この日はテラスに着陸できたのは朝の一便だけだったそうです。 この時期のBCの山岳地帯にある空港へのフライトは気象条件が悪く、なかなか降りれない日が多いようです。 仮に降りれても、今度は離陸に必要な気象条件が揃わず、そのまま地上で待機を強いられるケースもあるみたいです。

 これらの他にも、オートパイロットがうまく動作せず、久しぶりに1時間ほどのフライトをすべて手動で飛んだりした日もあったりしましたが、話が長くなるのでこの辺でやめておきます(笑)。

 といった感じで、なにかと忙しく2015年がスタートしました。 今年も安全に仕事ができるように日々精進しようと思います。 



 (今年もつづく )