2015-08-16

乳房雲。

 ここしばらく特に雷雨もなく、穏やかな気候になったな〜って思っていたら、やっぱり夏はまだまだ本番のようで、積雲やら積乱雲やらがカルガリー周辺に発生することが多々ありました。 

 昨日の最後のフライトで、エドモントンからカルガリーまでの便でのこと。 途中から雲の中に入り、外が見えない状態でフライトしていました。 予報ではちょうど我々が到着するころに30%の確率で積乱雲が発生するとなっていました。 当然ながら気象レーダーをONにし、前方に積乱雲らしい雲がないかに気を張りながらフライトしていました。 途中で雨が降ってきました。 でも、レーダーにはまったく反応がありません。 さほど水分を含まない雲なんだろうと思いながら飛行を続けました。 しばらくすると、どんどん乱気流が強くなってきました。 そしたらいつの間にかレーダーには真っ赤な雲のイメージが映し出されていました。 レーダーに映しだされるイメージは緑色(まあたいしたことはないけど、水分を含んだ雲)、黄色(そこそこ水分がある雲=揺れる、着氷の可能性もある)、そして赤(たっぷり水分を含んでいて、乱気流、着氷、その他もろもろあるので絶対避けたほうが良い雲)という風に色と形で雲の状況を表示するようになっています。 赤いレーダー反応があったので、急いで管制官に右方向に進路を変更する許可をもらい、進度を20度ほど右に降りました。 結構揺れたのでお客さん達も怖かったんじゃないかな〜と思います。 結局数分で雲を抜け、後ろのほうをみてみるとまあ立派な積乱雲がありました。 レーダーは便利だけど、たま〜にあてにならないこともあるんですよね。 一昨日のフライトでも積乱雲を避けてフライトしまして、それも結構揺れました。 

 カルガリーに到着後、空を見上げると乳房雲っぽい雲が出ていました。 英語では「mammatus(ママタス) cloud」という雲です。 ぼこぼことした「こぶ」のようなものが見える雲のことで、これが見えるときは乱気流などが起こりやすく、一般的には避けたほうが良い雲とされています。 僕が事業用操縦士の資格のための勉強をしていたときにこの雲のことを気象の授業で習った記憶があります。 Mammaっていうのがラテン語で「乳房」という意味らしく、こぶが乳房のようなのでその名が付いたそうです(ウィキペディアより)。 Googleで「乳房雲」と検索してもらうともっと凄い写真がいくつも見れると思います。


 昨日まで約2週間の連続勤務で、昨日の夕方に自宅のあるビクトリアに戻ってきました。 今日から5連休です。 キッチンのタイルの張替えなんかをしてみようかな〜なんて目論んでYouTubeを見ながら勉強しています。


(つづく)

2015-08-02

乾燥。

 一昨日まで約10日間の連勤でした。 勤務時間(duty time)には制限があるため、途中で1日だけ休みがありましたが、それ以外はずっと仕事でした。 僕はだいたい毎月、次月のスケジュールのリクエストを出す時には「長い期間連続勤務」をリクエストしています。 まだ今の会社で働き出して1年半弱ですが、セニオリティーがだいぶ上がってきたおかげか、リクエストしたらだいぶそれに近い内容のスケジュールがもらえるようになってきたように思います。 今月は12日間働いて5日間休み、それから5日間働いて7日間休みというスケジュールです。 そのため、今月は通勤するのは2往復で済みますからラッキーです。 しかも、仕事の途中でビクトリア泊が3日もあるので、長い間留守にはしますが、途中で家に帰ってこれるので悪くないと思います。 ただ、ビクトリア泊の日は午後1時過ぎに仕事が終わるのは良いのですが、次の日の朝は4時過ぎにチェックインしなければならず、空港までの運転時間も考慮すると朝3時起きになるので少々ツライです。

 カナダは夏真っ盛りという感じです。 最近は短パンTシャツという格好でも暑い日が続いています。 僕が住んでいるブリティッシュコロンビア州は今年はだいぶ乾燥していて、いたる所で山火事が起きています。 フライト中に見かけることも度々あります。 僕の元教え子で、現在山林火災専門の消防士をしている友人の話によれば、今年の山火事は過去最悪らしく、現在でも100箇所以上で火事が起きているんだそうです。 こちらの山火事の消火作業には通称「water bomber」と呼ばれる水陸両用の飛行機を使って、上空から一気に何千リットルという量の水や消火剤をばらまきます。 小規模な火事の場合にはヘリコプターも使いますが、たいていの場合は大きな飛行機で湖や海で水をすくって、それを落とすという感じのようです。 水不足も深刻化しているようで、バンクーバーのほうでは庭の芝生に水をやることが禁止されているそうです。 

 写真はバンクーバーからカムループスまでのデッドへットフライト中に撮影したものです。 もともとカムループス周辺は乾燥地帯で、木々がなかなか育たない土地らしいですが、それでも今年は幾分乾燥の度合いが進んでいるように見えます。 それでも、川沿いの耕地には青々とした穀物のようなものが育っているようにも見えます。 ちなみに全体的に暗いのは雲の影が写っているからです。


 明日からまた仕事です。 来月初旬にも1週間くらいのお休みがまとめてとれたなら、また日本に一時帰国しようかな〜と目論んでいます。


(つづく)