2015-05-13

訓練終了。

先週、バンクーバーにある訓練施設で半年に一度の訓練を受けてきました。 Line Oriented Flight Training(略してLOFT=ロフト)という訓練です。 その名の通り、実際の運航に準じた訓練で、普段通りの運航をそっくりそのままシミュレーターをつかってやるような感じの訓練で、目的地に向かってフライトしている途中でいろいろなことが起こります。 システムの不具合や火災、エンジン停止などです。 それらを機長、客室乗務員(教官が客室乗務員に扮していて、実際には客室乗務員はいません)と協力して解決し、救難信号を出したりし、代替空港へ無事に着陸するというものです。 途中で酸素マスクやゴーグルを装着したりするので、なかなかエキサイティングです。 とはいえ、実際にはこういうことは起きてはならないことですし、起きてほしくはないですが、万が一そういうことになってもちゃんと対応できるように訓練をしています。 


 バンクーバーで二日間に渡って行われた訓練は無事に終了し、これでまた半年間飛べることになりました。 訓練が終わってバンクーバーからカルガリーに戻り、そこからまた数日間仕事でした。 今回は訓練などの影響で自宅を10日ほど留守にしました。 それでもペアリングは比較的楽で、天気も良く、楽しく仕事ができました。 訓練が終わってホッとしたからっていうのもあると思います。 下の写真はカルガリーに戻る途中のデッドヘッドの機内から。 まだ山には少し雪が残っていますね。


 昨日まで二日間のペアリングで、オーバーナイトはエドモントンでの宿泊でした。 エドモントンはアルバータ州の州都で、市内には州議事堂があります。 下がその写真。 ホテル近くのレストランで朝食を食べた後、天気も良かったのでふらっと散歩してきました。 丸いドーム型の屋根が印象的で、見栄えのする建物です。 


 昨日の夜、仕事を終えてビクトリアに戻ってきました。 今日から4日間休みです。 今日はいろいろな雑用をこなしました。 天気がよく、もう上着を羽織らなくても良い気温になってきました。 日本はもう気温が25度以上とか・・・。 今月末に日本に帰ろうと思っているので、今のうちから心配です。


(つづく)

2015-05-02

休暇終了と読書。

 今日で今月の休暇が終わります。 長かったような、短かったような。 最初のうちはいろいろと約束事があったり、人と会ったり、ちょくちょく出かけていましたが、最後の1週間ほどは本当に特に大したこともせず、ゆっくりまったりと過ごしました。 だいたい毎日、「今日は〇〇をする」っていう課題を決めて、それに取り組みました。 例えば「掃除」、「靴磨き」、「料理」、「読書」、など。 きっと定年後の人生ってこういう感じだろうなって思いました。 特にやることもなく、時間だけはたっぷりあるっというか、ありすぎて困るっていう感じ。 体にそれほどガタが来てなければきっと定年後の生活って楽しいだろうなと思いました。 

 読書ですが、ここ最近になって本を読むようになりました。 面白いですね〜、本。 今までは本当に本が嫌いで、じっと座って活字だらけの本を読むという行為ができなかったんです。 本を読めたらいいのになとはずっと思っていましたし、読もうと思えば読むことはもちろんできたでしょう。 でも、読もうという気力がなかったというか、きっかけがなかったのだと思います。 ビクトリアにある市立図書館には日本語の本が少しだけあります。 僕の勝手な想像ですが、日本から来た留学生とか会社員とその家族の方々が日本から持ってきたか、または、日本から取り寄せて読んだ本を図書館に寄贈したのではないでしょうか。 文庫本やらハウツー本、カナダに関する本やワーホリの本など、それこそいろんなジャンルの本がそこそこ揃っています。 僕は嫁さんの影響で村上春樹と吉本ばななの本から読み始めました。 昨日、「ノルウェイの森」を読み終えました。 本を読むのが苦だったころは今読んでいるページのページ数(右下か左下に印字されている数字)にしょっちゅう意識がいって、「まだ〇〇ページかよ」とがっかりすることが多かったのですが、今はそのむしろ逆で、「もう〇〇ページしかないの?」とがっかりすることのほうが多くなりました。 日本を離れて日本語の活字に飢えているのでこういうことになっているのかも知れません。 もともとエッセイのような現実や実体験に基づいた話が中心の本は好きだったように思いますが、特に小説のような物語系が以前は苦手でした。 「他人の作った想像のお話に付き合ってられない」なんて小生意気なことを思っていましたから。 でも、ストーリーによっては入りこみやすいものと入りこみづらいものがあるということを実感できるようになりました。 僕も少し大人になったんでしょうか。 本を読んでいると他のことを気にしなくて良いし、自分だけの世界に入れるので時間つぶしには最適というのが本当の理由かも知れません。 特に今回のような目的も特に持たない長い休暇の時間つぶしにはもってこいだったように思います。

 今日の夕方からまたカルガリーで、明日から仕事再開です。 今月の仕事のスケジュールは結構めちゃくちゃで、ビクトリアにはなかなか戻ってこれそうにありません。 残念ですが、今月は半年に一度の訓練もあるし、月末にまた10日ほど休暇があるし、そういった理由で普段はやらないようなペアリングにあてがわれています。 しっかりリフレッシュできたので、しっかり働こうと思います。 今回の休暇の間にどれだけ飛行機を飛ばす感覚が鈍ったかが少し気になりますが(苦笑)。

 写真は先日釣りに行った時に見つけた、恐らく鹿の骨です。




(つづく)