2015-03-27

樹氷。

 いつの間にかこのブログも月イチ更新になってしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 3月もあっという間に後半に入りました。 ここ最近はようやく春らしい天気になってきています。 ビクトリアは気温が10度以上になることが多くなりました。 今日は13度。 海岸線沿いをサイクリングするのが心地よい気候です。 仕事をしているアルバータ州もだいぶ気温が上がり、雪もほとんどないくらいになりました。 それでもまだ雪が降ることもありますし、朝のフライトではde-iceをしないといけないことも多くあります。 

 先日、カルガリーで濃霧が発生しました。 霧といえば西海岸のバンクーバーやビクトリアでは季節の変わり目に良く起きる現象ですが、空気が乾燥しているカルガリーでも起きるんですね〜。 ちょっとびっくりしました。

 しかも気温が氷点下前後で霧が発生したため、ただの霧ではなくfreezing fogという霧で、飛行機の機体表面に触るとたんに凍りつくという、結構質の悪い霧なんです。 その日は僕は4日間連勤の最終日で、朝にカルガリーに戻ってきて、2回ほどアプローチをしました。 2回ともILSで降りることができる高度(decision height)ぎりぎりでようやく滑走路のアプローチライトが見えるくらいで、結構視界が悪かったです。 幸い、機体に着氷することはなく、着陸をやり直しすることもありませんでした。 午前11時過ぎに仕事を終え、午後から興味本位でカルガリー空港の天気を確認してみたら、我々が降りるのに必要な視程(Runway Visual Range)以下まで視程が落ちていました。 後で同じクラッシュパッドに滞在しているCRJに乗っているパイロットに聞いた話では、CATIIIっていうアプローチができる飛行機以外はすべてホールド(上空待機)か、他の空港へダイバートさせられていたみたいです。 僕が乗務するDash-8はCATIとCATIIまでしかできないので、早く仕事が終わってラッキーでした(笑)。

 (上:樹氷)

 んで、霧は夕方頃にははれたんですが、翌朝外に出てみたら、街路樹に樹氷が着いていました。 初めてみました。 

 話しは変わりますが、先日一時帰国した際、父親の形見の腕時計をもらってきました。 1970年代に作られたオメガのシーマスターという機械式時計です。 父親が亡くなってから一度も使われることなく机の引き出しで眠っていた時計です。 僕は昔から機械式時計が好きで、父親のオメガがあったのを知っていたので、母親にことわりを入れてカナダに持ち帰ってきました。 時間の精度はめちゃくちゃだったので、ビクトリアにある宝石時計専門店に持ち込んでレストアしてもらいました。 


 そもそも、この時計が本物のオメガなのかすら怪しいところでした。 父親がそんなに高価な時計をしていたというのは考えにくいし、金属製ブレスレットには「メイド・イン・ホンコン」って書いてありましたので(笑)。  でも、時計屋の人は「これは間違いなく本物のオメガです」っていうので、オーバーホール・レストアをしてもらいました。 修理から戻ってきた時計を見てびっくり。 金屬本体はきれいに磨かれているし、文字盤も掃除してくれたみたいです。 機械はもちろんちゃんと正確に時を刻みます。 もう40年以上も前に作られた時計が、ちゃんと手間をかけて整備してあげればいまでもちゃんとこうして時を刻むということに驚かされました。 これから大事に使っていこうと思います。 あ、でも、仕事中にはぶつけたりしてキズが付いたりするのを恐れる必要がまったくないG-SHOCKを今後も使っていくつもりですけど(笑)。


(つづく)