2016-07-22

7連勤。

 昨日まで7日間連続で働いてきました。 今月は月の始めに長い休みがあったので、後半は結構長い連勤が続きます。 3日間のペアリングのあと、すぐに4日間のペアリングがあり、合計で7日間連続で働きました。 法律上はもっと長く連続勤務することもできますが、普段は7日以上の連続勤務のスケジュールになることは滅多にありません。

 最初の3日間はとても大変でした。 カルガリーの天気はここ最近あまりよくなく、冷夏とまではいきませんが比較的寒い日が多かったように思います。 毎日積乱雲が発生しまくり、午後には嵐が来て夕立があるというような日が毎日続きました。 こういう日に飛ぶのはとても大変です。

 二日目は特に大変でした。 我々が運航する予定の機体がヒューストンから20分遅れて到着しました。 その20分の遅れの間にカミナリ雲がカルガリー上空に次々と到達し、我々がプッシュバックするころにはあたりは真っ暗になってしまいました。

(ランプから見えるカルガリーのダウンタウン。 黒い雲が近づいてきています。)

 20分遅れて飛行機が到着し、さらにいろいろあって結局は40分くらい遅れてゲートを出発しました。 滑走路に向けてタクシーし、滑走路の端っこまで到着するころになると離陸待ちの飛行機が前に6機ほどいました。 どの飛行機も天候が悪すぎるので離陸するのを拒んでいる様子。 それもそのはず、そこら中に雷が落ちています。 滑走路脇のほんの1キロほど離れたところにある電波塔みたいなところにも稲妻が走っています。 やばいな〜って思いながら無線を聞いていると、ほとんどの飛行機がエンジンをシャットダウンしてしまって、天気回復まで待機することになった状態。 これが1時間近く続きました。 おかげでますます離陸が遅れました。 

 しばらくするとだいぶ雷雲が空港から離れていくのが分かりました。 レーダー画像を見てもカミナリ雲の中心は空港を通過して、空港の北に移動したのがわかりました。 落雷の頻度もだいぶ落ち、管制塔からの報告ではもっとも近い落雷は約7キロ北とのこと。 機長と相談の上、「これならいけるんじゃない?」ってことになりました。

 管制塔に離陸できるなら離陸したい旨を伝えました。 依然、我々の前に居るエアバスも、他の飛行機も離陸する様子はありません。 誰かが離陸するとそれに続いて離陸するというパターンです(笑)。 管制塔は我々の前にいて道を塞いでいたエアバスに「あんた達の後ろにいるCRJが離陸するって言ってるんだけど、エンジン始動して移動するまでに何分くらいかかります?」って聞きました。 「5分位」という返事があり、「じゃあ、エンジン始動して移動する用意をしてくださいね〜」っていうことになり、我々もエンジンをスタートして再度タクシーの準備をしました。

 近くにカミナリ雲があるので、離陸前に滑走路上でレーダーをつけて天気を確認したい旨を管制塔に伝えました。 さらに、離陸後、すぐに右旋回をして雲を避けることを許可してもらいました。 機長とは万が一wind shearに入った場合の事や、離陸後の進路についての再確認をし、いざ離陸となりました。

 そしていざ離陸開始です。 地上にいる多くの飛行機が見守る中、我々は滑走を始めました。 風は思ったよりもひどくなかったですが、離陸後は結構揺れました。 着氷はなく、ただただ揺れました。 でも、レーダー画像も悪くなかったし、想像していたよりは酷くなく、想定の範囲内の乱気流でした。 離陸後すぐに右旋回。 エアスピードが乱気流の影響であがったりさがったりしましたが、安全に上昇。 離陸後5分ほどで雲を抜け、真っ青な空に出ました。 この瞬間がたまりません(笑)。

 フライトの後、ホテルに向かっているシャトルの中で機長と話をしたら、彼が経験した天気のなかでも1,2を争う悪天候だったとのこと。 この機長、アメリカで戦闘機を操縦していた元軍人パイロットです。 いろいろな経験をされてきたと思いますが、そういう人がストレスフルなフライトだったというのですから、かなりのものだったと思います。 そういう経験が出来てよかったな〜と思いました。 

 こんな天気で飛んでいると神経をつかいますし、とても疲れます。 おかげでペアリングの最終日から次のペアリングが始まるまでの間はとても疲労していました。 今までエアラインで働いてきて一番つかれていたかもしれません。 それでも、残りの4日間は天気もよく、楽しいフライトができました。

 ということで7日間の仕事を終え、今日から3連休です。 最近また自転車に乗ることが多くなってきました。 今日もサイクリングに行って来ましたが、サイクリングロードにはポケモンGOをやっていると思われる人たちが多くいて、かなり奇妙でした(笑)。


(つづく)