2007-10-31

ビクトリア380日目:久しぶりのフライト。



 今日は朝からバイトでした。 今朝の気温は2度。 車の窓ガラスは凍り付いていて、ワイパーを動かしてもうんともすんともいいませんでした。 でも、僕と同じ時間に家を出た同居人のベンはエンジンをかけるなりすぐに走り去ってしまいました。 これが古い車と新車の違いか?!と思いつつ、家に戻ってペットボトルに温い水を入れ、それを窓ガラスにかけて氷を溶かしました。 あんまり熱いお湯をかけるとガラスが割れてしまうこともあるらしいので注意が必要です。
 僕の車でこんな状態なら飛行機にはきっとびっちりと氷が張っているであろうと思って空港に着くと、案の定固い氷が張っていました。 まずはどの飛行機が朝一番に飛ぶのかを確認し、その飛行機達をハンガーに入れたり、de-icing fluidという氷点を下げる液体を霧吹きの化け物のような道具を使って振りかけました。 4機ほどをのぞいてほとんどの飛行機はハンガーに格納されていたので、それらを慎重にすべてランプに出す作業もしました。 ハンガーに入っていた飛行機には氷は張っていませんでしたが、ランプに出して30分ほどで薄い氷が張り始めたのには驚きました。 この時期の朝は寒いし、やることは多くて忙しいしで、時給9ドルでは割にあいません(笑)。
 今日のバイトはなにかとばたばたと忙しく、暇がなかったでのかえって楽でした。 バイトの後は家に戻ってきて昼ご飯を食べ、午後4時からはインド人のバルテージのフライトに付き合ってきました。 よく考えたら今日のフライトがフライトテスト後初のフライトでした。 今日のフライトでこの前行ったシュメイナス付近のフィールドを使って不時着の練習をしました。 「そうそう、あそこに車を止めて見上げてたんだ」と思い出してちょっとおもしろかったです。 今日はバルテージの練習を見て午後6時頃に戻ってきました。 
 
明日も今日と同じようなスケジュールです。 朝はバイト、午後からは明日こそサイクリングに行こうかと思います。 あとはCICカナダに電話をしてビザの件で進展があったかを確認しようかとも思っています。 
 今日の写真はファンタンアレーです。 チャイナタウンにある脇道で、そこだけ不思議な時間が流れているような空間です。 ちょっとサイケな感じのお店が数軒立ち並んでいます。 僕がブーツを買ったお店はこの通りにありました。

 ではまた明日。


(つづく)

2007-10-30

ビクトリア379日目:がっかり。



 今日は午前中にコンピューターをいじっていたらあっという間にお昼になってしまいました。 お昼過ぎからは大家のブライアンがビクトリアまでボートのトレーラーを見に行くから一緒に来ないかと誘われて出かけました。 ちょうど出かける前にブライアンが「お前が待ちかねていたもの(つまりビザ)が届いたぞ!」というので封筒を受け取ってみてみたらビザではなくてトランスポートカナダから届いたライセンスでした(笑)。 それが今日の写真です。 本当ならもちろんうれしいのですが、今欲しいのは新しいライセンスでなくてビザです! ということで、ちょっとがっかりしましたが、ライセンスに「Class 4 Instructor Rating」という言葉が入ったのがちょっとだけうれしいです。 今回の免許から「Language Proficiency - English(言語運用能力ー英語)」という言葉が入るようになったことに気がつきました。 近いうちに外国人パイロットには英語能力試験の受験が義務づけられるという話をだいぶ前から聞いていますが、その影響でこの文言が追加されたんだと思います。 既にライセンスを保持している人は英語能力があると見なされるのだと思います。 実際にどのような試験が課されるのか興味があります。
 ビクトリアでボートのトレーラーを見てから、ダウンタウンで下ろしてもらいました。 久しぶりにビクトリアのカフェにいったり、MEC(アウトドアストア)にいったりしました。 以前に行ったファンタンアレー(チャイナタウンにある狭い通り)にも行ってきました。 写真を撮ったので明日にでも載せるつもりです。 結局なにも買いませんでしたが、よい気分転換になりました。 久しぶりにバスに乗って帰ってきました。 ビクトリアは本当に若者が多くてびっくりです(笑)。 いつも平均年齢が高いシドニーの町に住んでいるからそう思います。

 明日は朝はバイトで、午後からは自転車に乗ろうかと思っています。 今週末の本土旅行に向けていろんな方にメール連絡をさせてもらっています。 なるべく多くの方々とお会いしたいと思っています。 今のところ、金曜日に出発し、本土のモーテルまたは車中で一泊、その後チリワック・ホープ方面に向かい、フレーザー川を北上して以前行ったリロエットまで行き、そこから西に向かってスクウォミッシュ、ウィスラー、ハウサウンド方面に抜けてバンクーバーに戻ってくるつもりです。 車はすこぶる快調なので長いドライブが楽しみです。

 ではまた明日。


(つづく)

2007-10-29

ビクトリア378日目:ご指名。



 今日はラインのバイトに行ってきました。 先日飛行機に氷が張ったので、これからは午後のシフトのクルーがバイト終了時までに飛行機をすべてハンガーに入れることになりました。 毎年この時期になるとそうしているようです。 今日は僕が午後のシフトだったので初めて飛行機をハンガーに入れましたが頭を使います。 飛行機は独特の形をしていますから、上手にスペースを使わないとハンガーの中にすべての飛行機を納めることは不可能です。 今日はナイトフライトをしていた生徒がいたので3機ほどランプに残したまま帰ってきましたが、他の10機近くはハンガーに入れました。 主翼や尾翼などをぶつけないようにそ〜っと、そ〜っとハンガーに入れました。 気を使いますし、足も使います(少し動かしてチェック、また動かしてチェックの繰り返しです)。
 今日のバイト中、僕宛に電話があったとディスパッチャーに言われました。 ジェフという人からだったのですが、「はて?どのジェフだ?」と思ったら、クラブで見かけると時々話をする、ビクトリア大学の教授をしているジェフからでした。 電話をかけると、「教官の資格とれたんでしょ? 君とCPLの訓練フライトをしたいんだけど予定はどう?」と言われました。 おっと、初めてのご指名です(笑)。 僕はビザの問題があるのですぐには無理と伝えると、そのほうが好都合だったようで、「それじゃこれから連絡を取り合って、準備ができたらお願いするね」ということで話がまとまりました。 外国人で、経験も浅い僕なんかと飛びたいと言ってくれる人がいるなんて驚きましたし、ありがたいな〜とも思いました。 期待に答えれるよう一生懸命やる覚悟です。
 教官資格を取得してから免許取得に関する質問のメールを多くいただくようになりました。 少しずつですがすべてのメールにお返事しますのでしばらくお待ちください。 一番多い質問は英語力に関することと仕事に関することです。 これらは僕のサイトの航空留学の準備に関するページを見ていただければある程度現状をわかってもらえると思いますが、メールで質問をいただいた場合は個別にお答えしています。 皆さんいろんな考えをお持ちのようで、メールを拝見していてなかなか楽しいです。 近いうちにメインサイトのほうも更新しようと思っています。 もっと具体的な情報やクラブでの訓練に関することをアップする予定にしています。

 今日の写真はシュメイナスのフィールドにアプローチしてきていたクラブのC-172です。 これで500ftほどでしょうか。 機体登録番号が肉眼で見えるほどの距離まで下りてきていました。

 明日は一日オフなのでなにをしようか考え中です。 今日、航空無線の勉強のためのマテリアル作成を開始しました。 まずはコースの骨組みについて構想中です。 これを明日以降時間があるときに少しずつ進めていくつもりです。

 ではまた明日。


(つづく)

2007-10-28

ビクトリア377日目:チューンアップ。



 今日は午前中に大家のブライアンにくっついてカナディアンタイヤ(ホームセンター)に行ってきました。 その後で、僕の車のチューンアップの手伝いをしてもらうことになりました。 最近いろいろと不具合とは言えないほどのマイナーな気になる点がいくつか出てきていたので、ロードトリップに出る前にチューンアップをしておこうという魂胆です。 今日はスパークプラグ、ディストリビューター、ローター、エンジンオイル、ラジエーター液、アルティネーターベルトの交換などを一気にやりました。 おかげで丸一日かかってしまいました。 途中でちょっとしたトラブルはあったものの、これで車はちゃんと動くようになったので安心して旅行に出かけることができます。 なんやかんやで僕のぽんこつフォルクスワーゲンにちょっとずつ愛着がわいてきました。 プロにやってもらったら3、4万円はするというチューンアップ。 ブライアンはピザとビールでやってくれました(笑)。
 今日の写真は昨日の続きで、VFRコールアップポイントになっているサモナス湖のそばです。 遠くに見える山はセパレーションポイントがある山です。 この上空をセスナ機が頻繁に飛び交っていました。 でも、結構高い高度に見えて、音はほとんど聞こえないくらいでした。 

 明日は午後からバイトです。 午前中は車の掃除と洗車でもしようかと思っています。 

 そういえば、ここ最近僕にメールを送ってくださった方の中で、まだ僕から返事を受け取っていない方がいらっしゃいましたらご面倒ですがメールの再送をお願いします。 コンピュータートラブルでメールが消えてしまっている場合があります。 よろしくお願いします。

 ではまた明日。


(つづく)

2007-10-27

ビクトリア375&376日目:お世話になった「あの場所」へ。



 コンピュータが壊れていたときの癖が抜けず、昨日はブログの更新をすっかり忘れてしまいました(笑)。 フライトテストが終わって完全にダラケてしまっています。 昨日もこのブログを訪問してくださった皆さん、ごめんなさい。
 昨日はCICカナダに電話をしました。 僕の学生ビザの延長申請は8月31日に受理されていたようですが、それでも実際に審査が始まったのは9月12日だそうです。 CICカナダのウェブサイトでは申請の処理に27日かかると書かれていますが、1ヶ月以上も経った今でも審査の結果は出ていないそうです。 Post-graduation work permitという就労ビザの申請についてもいろいろ質問をしたところ、アメリカのシアトルで申請ができるそうです。 シアトルの領事館の連絡先を教えてもらい、昨日早速メールを送ったらすぐに返事がきました。 「シアトルで申請することは可能ですし、そのほうが郵送での申請よりも断然早く処理できます」と書かれていました。 これでちょっと安心しました。 ということで、学生ビザの延長が終わり、手元に新しいビザが届いたらすぐにアメリカに行く予定です。 CICカナダや政府関連の事務所の人は人によっていうことが違うので、念のため再度メールで確認していますが、シアトルでビザ申請が可能となれば、予想していたよりも早く教官の仕事を始めることができそうです。 クラブのブッキングシステムにいよいよ僕の名前が教官として入りました。 こういうのを見ると自分が本当に教官になるんだという実感がわいてきます。 
 さて、日が変わって今日はクラブに行って再度CICカナダに電話をしてビザの処理具合に進展があったかを聞きましたが、当然変化はありませんでした(笑)。 電話の後、クラブにいたマネージャーのジェリーや教官達、パイロット仲間達に「これからの時間を利用して行っておくべき&見ておくべき場所」を聞きまくりました。 山に登ってこいとか、ビーチまで行ってこいとか、いろんな意見をもらいました。 本土への旅行では以前に行ったリロエットまで行きたいと思っています。 途中で今まで訪問した空港(バウンダリーベイ、ピットメドウズ、ラングリー、チリワック、ホープなど)を訪れ、さらには本土で頑張ってらっしゃる先輩の日本人教官やパイロットの方達を訪ねたいとも思っています。 予定では一泊二日程度で行く予定で、出発は来週末のつもりでいます。
 今日はクラブで用事を済ませた後、前から行きたいと思っていた場所を目指して車を走らせました。 今日の写真がその場所です。 ビクトリアでフライトしたことがある方で勘が良い人ならこの写真がどこなのかわかるかも知れません・・・。 正解は、訓練空域である通称「ローカルウエスト」にある牧場です。 ちょうどクロフトンのパルプ工場とシュメイナスの町の間くらいにある広い牧場です。 この牧場のなにが特別かというと、ここは訓練でForced landing approach (不時着)の練習をするときなどによく利用するフィールドの一つです。 訓練空域にはこういった訓練で利用する目立つフィールドが3つほどありますが、このフィールドは綺麗な長方形で、とても目立つので訓練では誰でも何回か使ったことがあると思います。 前々から、「一度でいいから滑空してくる飛行機を地上から観てみたい!」と思っていて、今日、その夢が叶いました(笑)。 クラブで今日の3時頃に不時着の訓練をする教官と学生がいることを確認してから出発し、フィールドをGPSで探し出してなんとかたどり着きました。 下で待っていること10分ほど・・・。 早速1機目が現れました。 VFCの機体ではありませんでしたが、どうやらprecautionary landingをやっていたようです。 そしてそれからさらに10分ほど。 今度はクラブのZXP(C-172)が現れました! 途中で1000フィートごとにエンジンを暖めるためにフルパワーにする音が聞こえてきました(笑)。 最後のオーバーシュートをしていたときには機体の登録番号がはっきりと確認できるくらいまで下りてきていました。 でも、想像していたよりはうるさくなかったので、近隣の住民や家畜たちはそんなに驚いてはいないと思います。 このフィールドは上空から見る限りは水平で固そうな地面のように見えますが、実は草の丈が結構高く、でこぼこしていて、斜面もあったりしました。 実際に着陸したら結構はねるんだろうな〜と思いました。 今日は他にも2機ほど飛行機が飛んでいるのが見えました。 地上から見ると2500ftを飛んでいる飛行機は米粒くらいにしか見えないことがわかりました。 しかも移動速度が結構速いことに驚きました。
 今日は帰り道にウォルマートでエンジンオイル、オイルフィルター、ラジエーター液を購入してきました。 明日は車のケアをして、サイクリングにでも行こうかと思っています。 今のうちに今までやりたかったこと、仕事が始まったらなかなかできないであろうということをすべてやってしまおうと思います。

 それではまた明日。


(つづく)

2007-10-25

ビクトリア374日目:逆向き。



 昨晩はビールを飲み過ぎたので今朝はちょっとだけ頭痛がしました(笑)。 ビールといえば、こちらにはいろんな種類のビールがありますが、まだ僕が一番好きなキリン一番搾りを超えるビールには出会っていません。 余談ですが・・・。
 昨晩の間に多くのメールやコメントをいただきました。 今朝はそれらすべてと、試験前に受け取っていたメールに返信をしました。 すべてに返事をするのに2時間ほどかかりました。 いろんな方から祝福のお言葉を頂戴しました。 本当にありがたいことです。
 メールの処理が終わってから車のタイヤ交換に行ってきました。 KAL TIREというタイヤ専門店です。 店員さんの対応もよく、1時間ほどでタイヤ交換をしてもらいました。 一番安いタイヤですが、明らかにハンドリングがよくなったので満足していたのですが、帰り道のハイウェイで異変に気がつきました。 「なんか、右に曲がる傾向があるぞ・・・」 家に着いてタイヤを見たら、ローテーション方向の矢印が右側だけになっているではありませんか。 今日の夕方にもう一度お店に行ったら、「このタイプのタイヤは今までは方向は関係ないタイプのトレッドパターンだったんだけどね〜」と言われました。 ということで、明日またお店に行ってタイヤの向きをあわせてもらうことになります。 んもう、もうちょっと慎重にやってよ〜というのが本音です。
 お昼からクラブに行って、クラブの電話を借りてCICカナダに電話をしました。 CICカナダというのはカナダの移民局です。 僕の学生ビザの延長申請がどうなっているのかを聞いたら、9月12日に受け付けられて、未だに審査中だということこでした・・・(呆)。 CICカナダのサイトを見ると、今は審査終了までに27日ほどかかっていると書かれているので、もうすぐ結果が出て郵送されてきてもいいはずです。 本当にスローで困ってしまいます。 仕事をするために必要なwork permitについても質問しました。 僕は可能であればアメリカ・シアトルのカナダ大使館でpost-graduation work permitの申請をしようかと考えています。 これができると早くて当日にwork permitが発行されるそうです。 これが可能なのかを電話で聞いたら「できる」と言われました。 でも、できないということも聞いたことがあります。 なので、教えてもらったシアトルのカナダ大使館にメールを送っておきました。 1、2日して返事がなければ電話をするつもりです。 どうせ学生ビザが手元にこないことにはワークビザの申請はできないので、気長にやろうかと思います。 郵送であれば今のうちに申請をしてもかまわないと言われましたが、CICのコールセンターは電話をするたびに違う答えを出すことでちょっと有名なので、また明日にでも電話してみようかと思います。 なんでこんなことをしなきゃいけないんだろうとちょっと腹立たしくも思いますが・・・。

 明日はラインのバイトで朝7時から働きます。 その後は特に予定はないのですが、これからの予定をたてたりしようかと思います。 少しだけ遊んで、あとは無線の勉強のマテリアル作成やグランドスクールのレッスンプランを作成し始めようかと思っています。 本土への旅行のプランもねらなければいけません。 本土ではどこにいこうかな〜と地球の歩き方でも見てみようかと思います。 結局、本土の空港巡りとかになってしまいそうな気がします(笑)。

 今日の写真はセスナ152のエアフィルターです。 このフィルターで不純物が取り除かれ、空気のみがキャブレターに流れていきます。 昨日のフライトテストで飛行開始前の口頭質問でこのフィルターについて質問されました。 このフィルターの裏側にはなにがあるか?とか、キャブレターはどこについているかという質問でした。 僕はバイト中にハンガー内でメカニック達がいじっている飛行機のエンジン部分を頻繁に覗き込んでいたおかげで問題なく、自信をもって答えることができました。 こうしたちょっとした経験が知識につながるんだと思います。

 ではまた明日。


(つづく)

2007-10-24

ビクトリア373日目(その2):フライトテスト。



 おかげさまで教官証明のフライトテストに無事合格しました。 今日、教官になるという夢をようやく達成しました。 ここまでの道のりは長かったですが、振り返ってみるとあっという間だったという気もします。 ここに来るまでにはいろんな壁がありましたが、母親や友人、前の職場の方々、VFCの教官の方々やパイロット仲間からの励ましに支えられてなんとか目標に到達できました。 本当にありがとうございました。
 
 フライトテストですが、試験開始直前にいくつかのハプニングがありました。 まず、今日来る予定だった試験官が来れないという電話連絡が試験開始予定の10時にクラブに入りました。 そして、「ジムという別の教官を派遣するからね」ということになりました。 さらにその30分後、また電話が入りました。 「ビクトリアに行くための飛行機がないからビクトリアには行けない」という連絡でした(汗・焦)。 「バウンダリーベイまで来れればフライトテストをやってあげるけど」ということでした。 バウンダリーベイはカナダ本土の空港です。 どうしても今日フライトテストをやってしまいたかったので、本当はいやではありましたがバウンダリーベイに行くことにしました。 急いでフライトテストに必要な小道具などを掻き集め、鞄に押し込んでバウンダリーベイ行きの用意を始めました。 慣れない空港や空域での試験は本当はさけたかったですし、ずっとビクトリアで試験ができると聞いていたのでバウンダリーベイ周辺のエリアの下調べは一切していませんでした。 急いでチャートを見て、CFSを見て、チーフインストラクターのグラムから30秒ほどで空域について教えてもらい、他の教官たちにもいろいろと空域についてのアドバイスをもらいました。 燃料を多めに積み、フライトプランをファイルし、いざ出発となりました。 
 今日のお天気は最高でした。 久しぶりに青い空と高い雲が見えました。 海を超えているときに、「果たして帰り道は笑顔でフライトしているか、それとも悔し涙を浮かべてフライトしているか、どっちになるだろう?」なんてことを考えながらバウンダリーベイに向かいました。
 バウンダリーベイに着陸し、Pacific Flying Clubというところに向かうと、ちょうど電話がなりました。 留守電があって、それを聞いたらクラブの教官からで、「ジム(試験官)がお前を待っているぞ!」という伝言がありました。 それを聞きながら歩いていたら目の前にジムが現れました。 そこそこ年配の、一見愛想がない感じの男性でした。 挨拶を軽くし、すぐに教室に入りました。
 まずは書類を検査し、すべてに問題がないことを確認してからフライトテストの流れの説明に入りました そしていくつか口頭質問がありました。 なかなか答えにくい質問を出してきました。 やや焦り気味ではありましたが、もっている知識をすべて出して答えきりました。 そして肝心のブリーフィングの内容は「Deversion」を教えろということでした。 ディバージョンとは、天候悪化などの場合に目的地とは違う空港に向かう手順のことです。 これには焦りました。 なんせ、まさかdiversionなんていわれると思っていませんでしたから(汗)。 ストールやスローフライト、range and endurance等の、もっと初歩的で“重要”な内容を教えるように指示されると勝手に思っていたので、ディバージョンといわれたときにはかなりびっくりしました。 ジムは教室を後にして、15分後にもどってきました。 僕はその15分でレッスンの準備をしました。 この段階で、「やばい、落ちるかも」という悪いアイデアが頭に浮かびましたが、なんとか集中することができました。 ブリーフィングではジムは嫌な学生の役を演じてくれました(笑)。 レッスンにあまり集中していないような態度だったり、「どうしてそんなことするの?」とか、「こっちのほうが簡単でしょ?」とかという質問を投げかけてきました。 それをなんとか押さえながらブリーフィングは終了。 それからフライトが始まりました。
 フライトでは空港を出発して東のほうに向かいました。 まあ空域の忙しいこと。 あちらこちらに小型機やヘリ、遠くにはバンクーバーに着陸する旅客機などが飛び交っています。 試験を行う空域に到着後、まずはStraight-and-level flightを教え、ディバージョンをやり、そして最後に恐怖のスティープターンをやりました。 途中でジムいろんなことを試験官として教えてくれました。 僕がうまくやらなかった内容についてはこうするともっといいだろう?というふうに、どちらかといえば教官のように教えてくれたりもしました。 
 1時間半ほどのフライトを終え、バウンダリーベイ空港に戻ってきました。 Pacific Flying Clubの横に駐機し、飛行機を出ました。 そこからジムは、「教官として働くにはビザがいるのか?」とか、「これからはVFCで働くのか?」という質問をしてきました。 「ん?もしかして合格?」と思いながらも、「合格」という言葉を聞くまでは安心できませんでした。 なんせ、今日のフライトのできにはあまり満足していなかったので、不合格といわれても甘んじて受ける覚悟ができていたからです。 教室に入り、「それじゃ君に教官の資格をあげるよ」と言ってもらったときには、「ん、マジですか?」と聞き返してしまいました(笑)。 それから今日のフライトの復習をし、間違っていた点、直した方が良い点などをこと細かに教えてもらいました。 今までジムについてのあまり良い噂は聞いていなかったのですが、テストが終わった後は笑顔で、とてもやさしい男性になっていました。 やっぱり嫌な試験官の役を意図的に演じてくれていたようです。 ライセンスに裏書きをもらい、これでクラス4インストラクターの資格を取得しました。 
 試験が終わってからクラブに電話をし、これから帰る旨を伝え、フライトプランをファイルしてビクトリアに戻りました。 クラブにつくと皆さんにおめでとうと祝福してもらいました。 チーフをはじめ、マネージャーのジェリー、パイロット仲間のみんなにもおめでとうと言ってもらいました。 そして、今日の写真のとおり、正式に仕事のオファーをもらうことができました。 ことが進むのは早いもので、制服ととりあえず使うネームタグ、そしてネクタイを支給されました。 今までずっとあこがれの目で見ていた制服が自分のものになったというのが言葉にできないほどうれしいです。 

 ということで、これからはビザの手続きを開始します。 早速明日にでも移民局に電話をして、なんとか早くビザがもらえないかを確認する予定です。 あとはフライトテストのリビューもしたいし、これからの時間を使って無線などの教材を作成したいと思っています。 ビザさえおりればすぐに仕事開始となりそうです。 今までもたくさん勉強してきましたが、チーフ曰く、「これからが本当の勉強の始まり」だそうです。 これからも謙虚な姿勢を保って吸収できるものはなんでも吸収していきたいと思います。

 とりあえずは今日は昼ご飯も食べずにフライトをしてかなり衰弱してしまったので、ビールを飲んで早く寝ます!

 それではまた明日。 応援メッセージをくださった皆さん、どうもありがとうございました!


(つづく)

2007-10-23

ビクトリア373日目:うっかり。

 昨晩はうっかりして投稿を忘れてしまいました。 しばらく投稿しない日々が続いていたのでその怠け癖がついてしまったようです(笑)。

 さて、これを書いているのはフライトテスト当日の朝です。 テスト前にこんなことしていていいのか〜!とも思いますが、ちゃんと投稿をしておかないと気持ち悪いので・・・。 天気は青空が見えますが、霧が出ていて、さらには霧雨が降っていて、視界は7時半現在で3/4マイルです。 VFRで飛ぶには最低3マイルの視界が必要です。 今日は予報では10時頃には霧は晴れてくるようなので、多分問題ないと思います。

 では行ってきます。 吉報をお伝えできるとように最善を尽くします。


(つづく)

2007-10-22

ビクトリア371日目:変な天気。

 
 今日は午前中にバイトに行ってきました。 今朝はそこそこ忙しかったのですが、結局10時過ぎ頃にはまた暇になってしまいました。 最近、メカニックの「長」的存在のランディーがスパークプラグの掃除方法を教えてくれました。 このブログでも以前に写真をのせたことがありますが、スパークプラグは鉛が溜まりやすく、時々掃除をしなければいけないようです。 細かい砂を吹き付けてスパークプラグを掃除するのですが、これが結構快感です(笑)。 鉛がこびりついていたり、錆び付き始めていても、サンドブラスターという機械で砂を吹き付けると元の金属の輝きを取り戻します。 これを使えば僕のちゃりんこパーツもピカピカになるんじゃないかななんて密かに企んでいたりします(笑)。 バイトの途中で時間を持て余しているときにスパークプラグの掃除をやっておくれと頼まれたのですが、あまりに楽しかったので、頼まれた当日にすべてのプラグを掃除してしまいました。 
 午後からフライトに出ようかと思いましたが、変な天気だったので止めておきました。 訓練空域に飛んでいった教官の話では天気はMETARで見るほど悪くはないということでしたが、高度がとれないとあまり満足な練習ができないと思ったので、結局今日は止めておいて、明日の午後から長いフライトをすることにしました。 明日のフライトですべての見直しをして、あさってのフライトテストに備える予定です。 
 結局午後からは仮眠をとり、スタバに行ってレッスンプランの見直しをしました。 これだけ見直しをしておけば当日は問題ないと思います。 あとは明日のin-flight instructionの見直しをしっかりやればこれでまた準備が整います。 あとは本番をがんばるのみです。 失敗してもこの世の終わりではないし、一発合格していない人も意外と多いみたいなので、あまりプレッシャーを感じないようにがんばろうとおもいます(とはいえ、プレッシャーは絶対感じますけど・・・笑)。

 今日は写真の代わりにYouTubeで見つけた感動クリップを載っけておきます。 僕はこれを見て感動しました。 ちょっと長い動画ですが、もしお時間があればどうぞ。 この歌のCDを買うと募金のような形になるようですが、残念ながらオンライン販売はないようです。 

 明日は午前中にカナディアンタイヤ(こちらのオートバックス兼ホームセンターのような店)でタイヤ交換をしてきます。 午後からはフライトをします。 

 ではまた明日。


(つづく)

2007-10-21

ビクトリア370日目:復旧しました。



 皆様どうもお騒がせいたしました。 ようやくマックのほうが復旧して手元に帰ってきました。 故障の原因は写真のハードディスクです。 記憶媒体が何らかの原因で吹っ飛んでしまいました。 最後にやっていたことといえばグーグル検索でした。 なんとも情けない最後でした(笑)。 結局、ビクトリアにあるマック専門店に持ち込んで、ハードディスクの交換になりました。 データは復旧できませんでした・・・。 幸いレッスンプランや写真、本当に必要なデータ等はDVDにバックアップを取ってあったのでさほど大きな影響は出ませんでしたが、音楽やムービー、今まで使っていたソフトウェアなどはすべて消えてしまいました。 メールもだいたいバックアップがあったので問題なかったですが、少し消えています。 僕にメールを送ってくださった方でまだ返事がない場合はそのメールが消えている場合がありますので、再送していただければと思います。 コンピューターを使っている皆さん、今のうちに外付けHDDなどにデータをバックアップしておくことをお勧めします!(僕は日本に帰ったら真っ先に電気屋でHDDを買うつもりです)。

 さて、このブログを更新できない間にいろいろなことがありました。 長く書くと面倒なので、羅列してみます。

  1. フライトテストの日は雨や視界の影響でテストがキャンセルになりました。 かなり凹みました(笑)。
  2. フライトテストがなくなったおかげで集中力が皆無になりました。 
  3. マックが壊れたおかげでネットから離れた生活を余儀なくされ、自分の生活がどれだけインターネットに影響を受けているのかがわかりました。
  4. ネットがない環境に耐えきれず、あやうく新しいiPod Touchを購入するところでした(約4万円)。
  5. 超がつくほど暇な日が数日続き、毎日カフェにいったり、ゴルフのうちっぱなしにいったり、意味もなくドライブに出かけて時間を持て余しました。

というのが僕の今週でした。 特に痛感しているのは上記3です。 新聞を読むのも、天気をみるのも、辞書を引くのも、地図を検索するのも、なにをするにも今はネットが必要です。 インターネットが使えないとコミュニケーションもできないし、なんだか社会から隔離されているような気すらしました。 自分だけはネット依存症にはなるまいと思っていましたが、知らぬ間にそれっぽくなっていたように思います(笑)。 iPod TouchにはWi-Fi機能があって、無線LANがあるところでインターネットが楽しめます。 iPodというよりはPDA的な位置づけで、コンピューターがないときの僕には喉から手が出るほど欲しいものでした・・・。 なんども電気屋で手に取って遊んでみましたが、結局なんとか物欲を押さえることができました。 

 さて、フライトテストは来週の火曜の午前10時に延期になりました。 今のところ週間天気予報では火曜日は晴れマークが出ています。 今日はお昼からフライトに行って、久しぶりに手順をすべて見直す予定です。 その後でインド人の学生と飛んで、「間違い探し」の練習をさせてもらいます(笑)。 その後はひたすらグランドブリーフィングの確認と、ハンガーフライトでin-flight instruction(「機内での指導」、とでも訳しますか?)のシミュレーションをします。 あとはフライトテストのスタンダードの見直しもしないといけません。 残りの数日で集中力を前回のように高めていく予定です。

 それではまた。 



(つづく)

2007-10-19

Flight test (zoku)

フライトテストの日程が23日(火曜日)に決まりました(天気がよければですが)。

ということで、これから23日まではまた集中力を高めて、レッスンプランの復習などに時間を費す予定です。

マックはまだ直っていません。 今は図書館から更新しています。 はたしてこの日本語はちゃんと表示できるかどうか。

ではまた。 とりあえず元気です。

2007-10-16

Flight test "enki"

Fllight wa tenki no eikyou de enki ni narimashita.... (namida).

2007-10-14

Mac ga...

Computer ga crash shitanode, shibaraku koushin wo miawasemasu. Flight test ga owattekara kangaemasu.

2007-10-13

ビクトリア362日目:CPLグランドスクール。



 今日は午前中に勉強をして、それからフライトに行ってきました。 今日は1.4時間の、そこそこ長いフライトになりました。 訓練空域から帰って来て1度だけサーキットをしました。 この前のフライトでチーフに教えてもらってテクニックを使ってPower-off 180 degree accuracyをやってみたところ、面白いように決まりました(笑)。 
 午後からはレッスンプランの見直しをしました。 どうしても納得がいかないプランがあるので、それだけ今から少し改良をする予定です。
 夕方からはCPLのグランドスクールに行ってきました。 CARs(航空法)だったので、あまりエキサイティングな内容ではなかったですが、よい勉強になりました。

 明日は午前中にカテゴリー1の航空身体検査の延長のための診断を受けます。 40歳以下の場合はカテゴリー1は1年だけ有効です。 身体検査のあとはレッスンプランの練習とハンガーフライトに時間を費やすつもりです。

 今日の写真はウォークアラウンドで見逃しがちな箇所です。 昇降舵(エレベーター)周辺を点検している学生を見ていると、大半の学生はエレベーターを上下させ、スムーズに動くことを確認したら次の箇所に移ってしまいます。 でも、エレベーターの下をのぞきこむとラダーのワイヤーがあったり、トリムのねじがあったりといろんな箇所が隠れています。 こういうところを確認することも実はとても大切です。

 今から晩ご飯です。 今週はほぼ毎日鍋を食べています。 日本にいる時からそうでしたが、この時期には一人鍋を継続する傾向にあります(笑)。 飽きるまで鍋です(笑)。

 ではまた明日。


(つづく)

2007-10-12

ビクトリア361日目:ドレッシー。



 今日は朝8時からフライトでした。 今日のフライトではサーキットを飛んで、主にPower-off 180 degree Accuracyと呼ばれるCPLレベルの飛び方の教え方やちょっとしたトリックについて教えてもらいました。 滑走路の真横(downwind leg)を飛んでいるときにエンジンが停まった場合を想定して滑走路のあらかじめ定めたポイントに着陸(接地)するというものです(許容範囲は+400ft/-50ftです)。 僕はいつもどちらかというと高めにアプローチしがちなのですが、そういう場合や、逆に低すぎる場合にどういうふうにしたらフィールドまでたどり着くことが出来るかということの見直しをやりました。CPLレベルでしかやらない手順をいくつかやりました。 今日のサーキットは忙しくて、離陸は滑走路09からで、そのあとで滑走路13に変更され、そして右サーキットから左サーキットに変更され、さらに滑走路20に変更され、さらに右から左へと変更され、ビクトリア空港のほぼすべてのサーキットパターンを飛んだような気がします(笑)。 最後のフルストップのときには滑走路13にアプローチをしていたら、滑走路上に他のセスナがいることが分かり、その飛行機は滑走路から出るかと思ったらまごついていて、すぐに管制塔から「Pick up and go-around(再度上昇して離陸をやり直しせよ)」という指示が出ました。 その時の管制官は僕が嫌いな、嫌みな管制官でした。 でも、彼は僕達に着陸許可を既に出していて、かなり遅くまでゴーアラウンドの指示を出さなかったので、僕たちが再度上昇しているときに「ごめんね〜」と無線でコールしてきました。 「なんだ、あいつでも謝ることあるんだ」なんて正直思いました(笑)。 チーフが、「問題ないです」と答えると、「ちょっとばたばたしててね〜」と返答が。 さらにチーフが、「ちょうど今日が(僕の)教官証明のフライトテスト前の最後のフライトだったので、良い練習になりました」と言うと、「そりゃよかった〜!」という返事が管制官から返ってきました(笑)。 本当は0.9時間でよかった飛行が、このゴーアラウンドのおかげで1.1時間にのびちゃいましたけど、よい思い出になりました。
 午後3時過ぎから、今度はソロで練習に言ってきました。 でも、あまり時間がなかったのと、燃料が少ない状態で離陸したこと、さらにはまた明日も練習できる時間があるので、結局1時間の短いフライトで終わらせました。 訓練エリアもそこそこ混んでいたので、あまり集中はできませんでした。
 夕方にはビクトリアのモールに買い物に行ってきました。 今日のフライトの後、ブリーフィングで主要なポイントの復習をしました。 最後に、「試験当日は綺麗な格好でおいで」と言われました。 PPLやCPLのフライトテストでは身なりまでは気にされないでしょうが、教官ともなるとプロフェッショナリズムが要求されるので、身なりもそこそこ注意しなければいけないそうです。 僕は日本から持って来た数少ない服を着回しているので、1年が経つ今頃は本当に酷い格好をしています(笑)。 なので、今日はモールで綺麗なボタンシャツと綺麗なチノパンを買ってきました。 チーフは「ドレッシーなシャツを着ろ」と言っていたので、ちょっとこぎれいなシャツを買いました。 これで当日の見た目の準備はばっちりです(笑)。

 今日の写真はこの前ハンガーにあったセスナ206についていたGarmin G1000のエンブレムです。 この前、セスナ206のG1000の使い方をチーフに少しだけ見せてもらいましたが、かなりすごいです。 あれを使いこなせたらフライトはかなり快適に、安全に、そして正確に行なうことができるんだと思います。 時代はGPS時代に変わりつつあります。

 明日は午前中にフライト、午後からはブリーフィングの練習、夕方からはCPLのグランドスクールを見学に行きます。 まだ後少し忙しい日々が続きます。


 ではまた明日。


(つづく)

2007-10-11

ビクトリア360日目:満足のいくフライト。



 今日も朝からフライトでした。 今日は訓練空域でForced landing (不時着)のデモとPrecautionary landing(天候が悪化した等の理由で空港外のフィールドへ着陸する、または、初めて行く空港などで滑走路のコンディションなどを上空から確認してから着陸するための手順)のデモをやりました。 どちらも満足の行く出来で、チーフには「You are ready(君はもう準備万端だ)」と太鼓判を押してもらうことができました。 自分的にもだいぶこころに余裕を持ってフライトと指導を同時にできるようになってきているのでうれしいです。 今日のForced landingのデモのとき、チーフが、「I have control」といって操縦をとりました。 「フライト中に起こることでもっともuncomfortableなことといえばこれだよ」といいながら、なにをし始めるのかと思ったら、なんとエンジンを停止させてしまいました(怖)。 そしてそれからエンジンを再始動。 それまでの間、約10秒ほど。 エンジンがかからなかったらどうしようとか思わないのか不思議でなりません。 「生徒と一緒のときにこれをやっちゃだめだよ」と言われました(笑)。 これから教官になるということで、実際のエンジン停止がどういうものなのか、また再始動までにどれくらい時間がかかるのかということを見せてくれたのです。 これまでにもフライト中に突然ドアを開けるとかいろんな大胆な行動をいろいろ見せてくれましたが、今日のが一番効きました(笑)。 飛行中に目の前に停止したプロペラがあるというのはなんとも不思議な感覚でした。 やっぱりグラムはすごい人です。 あんなパイロット・教官になりたいです。
 今日は気分がよかったのと天気がよかったので午後から久しぶりにサイクリングに行ってきました。 1時間だけでしたが、気持ちよかったです。
 夕方からはクラブに戻ってブリーフィングルームにこもってブリーフィングの練習をしました。 レッスンプラン3つ分ほどを時間を計りながらやってみました。 早いもので20分ほど、長いものでは40分ほどかかりました。 まあ、こんなもんかなと思います。 

 明日は朝にフライトがあって、明日のフライトでようやくフライトテスト受験に必要な30時間(デュアル)が修了します。 そのフライトの後は少しブリーフィングをやるようです。 

 今日の写真は飛行機の胴体の前・左側にあるstatic portです。 写真の中の丸いパーツで、真ん中に小さな穴があいているのがそれです。 この穴から大気がシステム内に入り込み、その気圧の変化を高度計などが読み取ります。 とてもシンプルな仕組みです。 シンプルですが、GPSの高度計と比べてみても驚くほど正確です。 

 ではまた明日。


(つづく)

2007-10-10

ビクトリア359日目:良い一日。



 今日は朝8時からフライトでした。 今日のフライトは1.8時間のロングフライトで、そのフライトで殆どのマニューバーの教え方のリビューをしました。 今日のフライトでは、今までのイメトレやハンガーフライト、そしてここ数日の練習フライトの成果をしっかりと出すことができました。 おかげでチーフには、「これならフライトテストは全く問題ない!」とお褒めの言葉をもらいました。 もちろん、いくつか注意された点はありますが、今までに比べれば自分でもよく出来たほうだな〜と思います(笑)。 ちゃんと出来たことで少しではありますが自信がつきました。 自分で作成したフライト中の訓練の流れを書いたものをまとめたノートがチーフやマネージャーに大好評で、「Transport Canada(の人)もこれを見れば喜ぶぞ」と言っていました。 今まで僕は逆にそういうカンニングペーパーみたいなものはダメなのかな〜と思っていましたが、そういうものを使った方が訓練内容を飛ばしたりすることがないので逆に良いようです。 今日はフライト中にそれを使ったおかげで手順などを間違えることは皆無でした。 明日も10時からフライトで、明日はForced LandingやPrecautionary landingといったものの教え方をリビューします。 これらはちょっとイメトレ不足な項目なのでちょっとだけ心配がありますが、今夜と明日の朝でしっかり準備をする予定です。
 午後からはバイトでした。 比較的忙しい一日でした。 

 今日の写真は飛行機の速度を計るための「ピトー管」というものです。 この管の穴に風があたることで飛行機が空気中を移動している速度を速度計に表示します(本当はもうちょとややこしいですが、簡単に言うとこういうことです)。 佐賀空港かどこかで中国の飛行機がオーバーラン気味に離陸したというニュースをみましたが、それの原因はこの管の穴の中に虫が詰まっていたからだそうです。 大抵の場合は旅客機にはピトー管は予備も併せて数本備え付けられているはずですし、そもそも速度が上がってこなかったらそこで異常発生が確定するのだから、そういう場合は離陸を取り止めるべきではないのだろうかと不思議に思いながら記事を読みました。 ただ、会社のオペレーションマニュアルによる手順に従っていたのかもしれません。

 ではまた明日。


(つづく)

2007-10-09

ビクトリア358日目:3回。



 今日は朝早く起きて、少しだけ勉強をしました。 そして10時からフライトに出かけました。 今朝のビクトリア周辺は低い雲が流れ込んで来ていて、一時雲低は1500ftほどまで下がりました。 トレーニングエリアに向かう途中はいつもだと2500ftまで上がりますが、今日は雲を避けるために2000ftまで下がり、さらに1500ftまで下がって雲を避けるように飛びました。 訓練では、ようやくマスターし始めて来たスティープターンを重点的に練習し、あとは各マニューバーをやりながら口頭で説明を同時にする練習もやりました。 そこそこ言葉に口が慣れて来たように思います。 結局1時間ほどのフライトを終えて空港に戻りました。 それからR君と昼飯を食べ、1時からはそのR君のフライトに同乗させてもらいました。 途中でスティープターンをやらせてもらいましたが、まだ完璧には1回ではできませんでした。 隣に飛行のことを知っている人が乗っているとどこかでそれがプレッシャーになっているのかも知れません(笑)。 そのフライトを終えてから、また飛びに行きました。 今度は日本から来ているFさんを初めて乗せて飛んできました。 ここでのスティープターンはさほど悪くなかったように思います。 ようやくノーズのどこを見て飛べば良いかを体が覚えて来ているので、あとは数をこなして、どれだけ正確に、緊張せずに操縦できるかというところにかかっていると思います。 ということで、今日は3回のフライトをやりました。 正直、3回も飛ぶとくたくたになります。 空の上、ましてや飛行機の中は空気が乾燥しているので、とても喉が渇きます。 そのせいもあってか、体がぐったりとしてしまうのが辛いところです。
 フライトを終えてからはまだ勉強が足りなかったので、一人でセスナ152に乗り込んでハンガーフライトをやりました。 ハンガーフライトをやると動作の流れが身に付くのでお勧めです。 時々ではありますが、ハンガーフライトをやっている人を見かけます。 自分が教官なら生徒にはどんどんハンガーフライトをやらせるだろうと思います。 自分がやって役に立つことは生徒にもお勧めしたいと思います。
 
 明日は朝8時からチーフインストラクターとの訓練です。 午前中はすべて訓練のためにブッキングされています。 あと4時間のフライト時間が残っているので、それをすべて消化してしまう予定のようです。 レビューもまた始まりますので、集中して取り組みたいと思います。 そしてその後は午後からバイトという強行スケジュールです。 大事な時期なので、体を壊さない程度に頑張ります。

 今日の写真はIsland Viewという通りの小高い丘から見た農園の風景です。 今月末のハロウィンが迫って来ているため、農家はオレンジ色のカボチャの収穫に忙しいようです。 写真の真ん中左側にそのカボチャの畑が見えます。

 ではまた明日。


(つづく)

2007-10-08

ビクトリア357日目:今日もぐるぐる。



 今日は午前中はバイトにいってきました。 家を出る時は真っ暗で、一瞬朝なのか夜なのかが分からなくなるほどです。 今日も午前中は風が強く、雨が降ったり止んだりの状態でした。 おかげでバイト中はかなり暇で、仕方ないのでクラブの中の掃除をしたり、飛行機の中の掃除をしたりしました。 飛行機の中の掃除をすると、膨大な量のペン・鉛筆類が出てきます(笑)。 今日も数本見つかりました。 あとは、座席の後ろポケットにはいろんなゴミが入っています。 ナビゲーションのログやら、エチケット袋がくしゃくしゃになったものなど本当に様々です。 今日はその辺りを綺麗に整頓しました。
 午後からは家に戻って来て、30分だけ仮眠を取り、その後またクラブに戻ってフライトに出かけました。 午後からは風は強かったものの、空はなんとか晴れてきました。 今日もスティープターンを中心にいろいろなマニューバーの練習をしました。 スティープターンではず〜っとぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐると回ってきました。 おかげでようやく高度を保ったまま45度のバンク角でのターンが正確に出来るようになってきました。 不思議なもので、教官証明のトレーニングで教えてもらった「教え方」を忠実に再現すると、自分でもちゃんと飛べるようになります(笑)。 今日は自分で自分に教えるような感じで指示を口に出しながら飛んでみたら、コツが掴めてきました。 明日も飛ぶので、明日も練習をするつもりです。 これさえちゃんとできればあとはそんなに大きな問題になるようなポイントはないんではないかと思います。 あとは引き続きマニューバーをしながら喋る練習もしなければいけません。
 先日、日本から僕が大好きな味ぽんを送っていただきました(Tさん、どうもありがとうございます)。 今日はそれをふんだんに使い、今シーズン初のを作りました。 白菜、ソーセージ、しいたけの代わりの怪しいキノコ、鶏肉などを入れて作りました。 もちろん、その後の雑炊までやりました。 おかげで今は腹一杯です。 ということで、今日の写真はその味ポンです。 いや〜、やっぱりミツカンは世界一です。 ゆずの香りがたまりません。 

 今週カナダでは、アメリカより約1ヶ月早くThanksgiving Dayということで感謝祭で、明日月曜日は休日になっています。 それとはちょっと意味合いが違うかもしれませんが、僕がここビクトリアでこうして好き勝手できているのも多くの方々にいろいろな面で支えていただいているからだと思います。 この場を借りてお礼を言いたいと思います。 どうもありがとうございます。

 明日は午前中にフライトに出かけます。 その後は引き続き勉強をする予定です。 もしかしたら2回フライトするかも知れません。 残された時間を有効に使いたいと思います。 

 ではまた明日。


(つづく)

2007-10-07

ビクトリア356日目:知らず知らずに。



 今日は朝からあいにくの天気で、午前10時から予定していたR君とのフライトも、12時から予定していた自分自身のフライトもキャンセルとなりました。 今朝起きてすぐに聞いたATISでは雲低は5000ftはあり、視界もそれほど悪くなかったのですが、温暖前線が近づいて来ていて、教科書通りに次第に雲低が下がって来て、雨がしとしとと降り続くという天気になりました。
 今朝はまずレッスンプランのリビューを行ない、それから10時にクラブに行きました。 クラブでもとりあえずレビューをやって、それからはフライト中の指導の練習のために久しぶりにハンガーフライトを行ないました。 エンジンをかけない飛行機の中はさすがに少し寒かったですが、実際にスロットルやカーブ(キャブレター)ヒートのノブ、ミクスチャコントロールノブなどを操作して、操縦桿を触りながらイメトレを行なうと効率よく練習ができましたし、実際のフライトのような感じでシミュレーションできたので有意義でした。 
 昼ご飯はクラブ内のダコタカフェでR君と食事を食べました。 珍しく完食できませんでした。 体調が100%でないから食欲がいつもほどなかったのかも知れません。 食事の終わりくらいに、最近教官になったマイク、クラブのディスパッチャーのブライアン、そしてチーフインストラクターのグラムが次々とカフェにやってきました。 そこで僕が今までに間違って言った「英語の表現」についての話になりました。 教官の訓練では、正しい言葉使いまで学びます。 スラングや、間違った表現を使うと学生が混乱するからです。 僕は今までに6つの基本となる計器のことを「six packs」と表現したことがあります。 Six packsはこちらでは6本1組のビールのことを指します(他には6つに割れた腹筋のことも指します)。 あとは、フラップを下げることを「dump the flaps」と言ったこともあります。 dumpはダンプカーのダンプと同じ語源で、「落っことす」という意味のスラングに近い表現です。 どちらも僕がPPLをやっていた時の教官が言っていた表現で、知らない間にこういう言葉を彼から覚えてしまっていたようです。 今では笑い話のネタにされますが、Transport Canadaの試験官の前ではこういう表現は使うなよ!とチーフに注意されています(笑)。 よく、両親が使っている汚い言葉を知らず知らずのうちに子供が覚えてしまうという話がありますが、僕の場合もそれとまったく同じです。 無意識というのは怖いですね・・・。

食事の後もまたハンガーフライトをやりました。 途中でマイクによる邪魔が入りました(笑)。 突然機体が揺れ出すので、「突風でも吹いて来たのかな?」と思っていたら、飛行機の尾翼の下に隠れてマイクが飛行機を揺らしていました(笑)。 マイクがフライトテストを受けた時の話などをいろいろ教えてもらいました。 他にも、ボナンザを所有するジョンやラインクルーのジョージなどがこぞって邪魔をしに来ましたが、つまらない話のおかげでよい息抜きができました。 小休止のあとはまたコクピットに戻って、ぬるくなったコーヒーをすすりながらシミュレーションを行ないました。 コクピット内では一人で喋り続けながら操縦桿を押したりひいたりしていたので、意外と疲れました。
 
 明日は午前中にバイトがあります。 午後から天気が良ければフライトしてこようと思います。 すべてのマニューバーをある程度自信をもって行なうことができるようになるまで、残された時間を有効に使って練習に励む予定です。
 
 今日の写真は僕の家の前の風景です。 寒暖の差が大きくなってきて、紅葉が一気に進んだように思います。 枯葉が舞落ちる季節はマウンテンバイクでさくさく・ふわふわトレイルを駆け巡るのが最高に楽しいのですが、今はとりあえずそんな時間的・気持ち的余裕はありません(汗)。 日本のトレイルは今、最高のシーズンを迎えているはず・・・。

 ではまた明日。


(つづく)

2007-10-06

ビクトリア355日目:前倒し。



 昨日のフライトの終わりくらいから少し風邪気味です。 突然喉が痛くなってきて、なんだか熱っぽくなってきました。 季節の変わり目に風邪をひく、いつものパターンです。 ということで、今朝は少し長めに睡眠を取りました。 さらに頭痛がしたので風邪薬を買いに行ってきました。 今は重要な時期なので、あまり酷くならないで欲しいところです。
 今日は午前中に少しだけ勉強をして、午後からはバイトでした。 今日は久しぶりに気持ちよい青空が広がり、多くのクラブメンバーがフライトに出かけて行きました。 久しぶりにバイト中にどうやって時間を潰せばよいかを考えなくて済みました。 これが冬とかで、悪天候の日だったら本当に困るんだろうな〜と思います。
 今日のバイト中、チーフが近寄って来て、「フライトテストの日程だけど、1日早くしておいたから」と言いました。 な、なぜに?! んでも「嫌です」なんて言えるわけもなく、「分かりました」と承諾してしまいました(笑)。 ということで、再来週の月曜日がフライトテストになりそうです。 飛行機も既に予約してくれてありました。 こうなったらやるっきゃないとしか言いようがありません(笑)。 いろんな教官から、大変参考になる話をいろいろと教えてもらっています。 フライトテスト対策にどういうことをしただとか、実際の試験はどういう感じだったかという話を参考にさせてもらっています。 偶然にもフライトテストが行なわれる10月15日は僕がカナダにやって来た日と同じ日です。 ちょうど1年で教官証明が取れると気持ちいいと思うのですが、果たしてどうなることやら・・・(冷汗)。

 今日の写真は最近のバイト終了時刻近くのハンガーです。 こちらではこういう赤っぽい照明がよく使われます。 バイトが終わる8時頃にはもう周りは真っ暗です。 最近、空港の滑走路や誘導路のライトがLEDライトになったそうです。 そのせいでか、少しライトが明るくなったような気がします。

 今夜も早く寝て体調を整えようと思います。 明日の朝はその代わり早起きして勉強するつもりです。 そして10時からはR君のフライトに付き合い、その後は12時からは自分の練習フライトに出かけてきます。 天気が持ってくれればいいんですけど。 明日も忙しくなります。

 ではまた明日。


(つづく)

2007-10-05

ビクトリア354日目:ぐるぐる。



 今日は本来あるはずだった訓練がキャンセルになったので、8時から訓練空域でスローフライトやストール、スティープターンなどの練習をしてきました。 とりあえずはCPLレベルのフライトを右席から出来るようになるのが目標です。 スローフライトやストール、ショートフィールドテイクオフなどは問題なくできるというのが再確認できましたが、今までも苦手だったスティープターンはやっぱり右席からだとさらに酷くなる傾向にあるようです。 地平線の位置と飛行機のノーズの位置関係がどうも掴めていなかったので、そこを重点的に練習しました。 1回転で360度ですが、それを何回もぐるぐるぐるぐる〜と回ってみました。 今日初めて気がつきましたが、2回くらい旋回すると時々自分の飛行機が起こしたと思われる乱気流にぶつかることがありました。 もしかしたらただの気流の変化なのかも知れませんが、もしかしたらプロップウォッシュかなにかかも知れません。 とりあえずはまだこれからもソロで練習をする時間があるので、今日の練習はその第一段階というところで、まあ悪くないかなと思っています。 
 午後からはフライトのインストラクションの練習をしました。 まずは家でして、それから空港近くに車を停めて車の中でしました。 声に出してシミュレートするので、なるべく人気がないところでやりました(笑)。
 今日は積乱雲が発生するような大気が不安定な一日でした。 ここ数日そんな感じの日が続いているように思います。 雨が時々降るし、朝は気温が4度くらいまで下がるようになりました。 もう秋を通り越して冬が近づいているのかも知れません。

 明日は午後からバイトです。 午前中は勉強をします。

 ではまた明日。


(つづく)

2007-10-04

ビクトリア353日目:2週間。



 今日は朝8時からフライトでした。 今日は訓練のなかでも一番最初のレッスンで練習するattitudes and movementsのデモを行ないました。 出来はあまりよくありませんでした。 やっていることは間違ってはいないのですが、精度が低い感じで、チーフにちょこちょこと訂正をしてもらいました。 僕がボイスレコーダーを購入してからはすべてのフライト中の会話を録音してフライト後のレビューに役立てていますが、このattitudes and movementsを初めて教えてもらったときにはボイスレコーダーがまだなく、右側からのフライトでいっぱいいっぱいだったので、正直あまり細かいところまではフライト中にメモできていませんでした。 なので、出来がよくなかったのは当たり前といえば当たり前なんですが、このレッスンプランはとても重要な内容なので、今回の間違いをよく見直して、次回からはちゃんとできるようにしようと思います。
 今日の夕方前にクラブから電話がありました。 電話の主はチーフのグラムでした。 「フライトテストは16日になりそうだから」ということでした。 ちょうどあと2週間後です。 なんとかバウンダリーベイではなく、ビクトリアで試験を受けることができることになりそうです。 これで少し安心しました。 あとは残りの時間を無駄にすることなく、レッスンプランやフライト中の指導方法についての見直しを進めて行きたいと思います。 残りのデュアル時間は4時間ほどになったため、最後のレビューフライトは来週の火曜以降に再開することになりました。 なので、今週はいよいよソロフライトを始めようと思っています。 とりあえずは右席からのフライトでも左席からのCPLレベル以上のフライトが出来るようになることが目標です。 あとはフライトしながら説明とデモンストレーションをする練習もする予定です。

 今日の写真はセスナ152の尾翼です。 Vertical stabilizer、またはFinと呼ばれています。 この尾翼についているのがラダーです。 ラダーとはいっても、はしごのladderではなく、舵という意味のrudderです。 今日のフライトの前の点検で、この尾翼の1番上の後ろ側についているナビゲーションライト(写真の右上部)のバルブが切れているのを発見しました。 フライト前にジャーニーログブックに不備(defect)があったことを記入し、日中のVFRフライトには不要である旨の記入をしてからフライトに出かけました。 

 明日は朝8時からソロで練習の予定です。 その後はひたすら勉強です。 泣いても笑ってもあと2週間です。 いよいよ正念場です!

 ではまた明日。


(つづく)

2007-10-03

ビクトリア352日目:乱気流。



 今日は午前10時からフライトでした。 今日は久しぶりにセスナ172を使い、GPSとADFのナビゲーションについての訓練を受けました。 今朝はそこそこ風が強く、訓練空域は地形の変化によるタービュランスがそこかしこで起きていました。 タービュランス(乱気流)というと旅客機が乱気流に巻き込まれて怪我人が出た等のニュースを耳にすることがあるでしょうから怖いイメージがあるかもしれませんが、実は結構楽しいです(笑)。 ただ、進路や高度を一定に保つのにちょっと苦労するくらいで、フライトの安全性にはさほど問題がありません(軽度の乱気流の場合の話であって、当然、極度のタービュランスの場合は別です)。 今日はそんなコンディションの中でGPSを使ったフライトをやりました。 クラブのセスナ172の半数ほどにGPSが搭載されています。 GPSとはいっても、車のカーナビのようなものではなく、型が古く、文字が中心のGPSユニットです。 今日飛ばしたZXPにはGarmin 250XLというGPSが搭載されています。 使い方は基本的な利用であればさほど難しくないのですが、ボタンの意味や、トグルスイッチの使い方などの基本をある程度知っていないとなかなか実用的な運用はできません。 今日は出発前に簡単な説明を受け、あとはチーフに促されるままGPSからデータを引き出したりしました。 今日はディレクト・トゥーという機能(現在地から目的地までまっすぐ飛ぶナビゲーション)とルート作成(ビクトリアからナナイモまで、のような感じのルート)、ウェイポイントの作成(飛んでいる地点の緯度・経度をGPSに記憶させる方法)などを学びました。 正直、明日もう一回やれと言われて一人で出来る自信はありませんが、だいたいのイメージを掴むことが出来たので、今後時間があるときにもっと詳しい使い方をマスターしたいと思っています。 チーフには、「君が教官になったらGPSを学生に奨励してくれ」と言われました。 これからは絶対にGPSの知識が必要になってくるはずです。 今日は乱気流に振り回されながらだったので、押したいボタンに指をのばすのにかなり苦労しました(苦笑)。
 今日のフライト中、数回かなり激しいタービュランスに巻き込まれました。 僕もチーフも「ウウォアァァ〜」と思わず声を上げてしまいました。 でもなぜか2人とも笑っていました(笑)。 傍目から見たら明らかにおかしいです。 一度ストンと落ちるような感じになって、その瞬間ニーボードのチャート(航空図)が宙に舞いました。  
 今日は午後から最近教官証明の訓練を始めたジェフがRange and Endurance という項目のグランドブリーフィングを受けるということで、時間があれば一緒に参加しないかとチーフに誘われ、誘われるがままブリーフィングに参加してきました。 このブリーフィングを聞くのは恐らく3回目くらいだと思います。 それでも毎回新しい発見があります。 この項目はフライトテストで実際に教えるように指示される可能性が高い、結構重要なエクササイズの1つです。 
 
 明日も朝8時からフライトがあります。 明日からはいよいよ総まとめに入ります。 ランダムにエクササイズを指示されて、それを教えるということをやっていくようです。 どうなることやら・・・。

 今日の写真は昨日の写真と同じ飛行機ですが、この飛行機、前輪がありません。 果たしてどうやって駐機スペースまでタクシーしてきたのかな?と10分ほどいろいろと考えてみました。 エンジンがかかっているときはノーズを上げることができるのか、それともずるずると引きずりながらタクシーする機種なのか・・・。 いろいろ考えてから実機に近づいて機首の下を覗いたらちゃんと車輪がありました(笑)。 恐らく軽い機体なので、駐機するときは写真のように停めておくことで風などにあおられないで済むんではないかと勝手に想像しています。

 ではまた明日。


(つづく)

2007-10-02

ビクトリア351日目:久々のフライト。



 今日は久しぶりにデュアルフライトをしてきました。 今日はビクトリア上空で計器飛行の教え方のデモをやり、それからVORと呼ばれる無線ナビゲーションシステムの使い方の説明を受けました。 計器飛行のインストラクションのデモの準備をするように指示を受けていなかったのでちょっと焦りましたが、なんとか出来ました。 最近はチーフがフードと呼ばれる視界を遮る帽子のようなものを付けて学生役をよくやってくれます。 訓練が終わって空港に戻る時間になると、チーフはフードをかぶり、僕が飛ぶ方向を指示したり、上昇や降下を指示して空港まで導きます。 これが結構難しい・・・。 自分が操縦していたのであれば、ちょっとした方向の変更は無意識にやってしまいますが、口頭で指示するとなると的確な指示を出す必要があります。 今日は10日ぶりくらいのフライトということもあって少しぎこちない指導になったように思います。 明日は久しぶりにセスナ172を使ってADFとGPSを使ったナビゲーションの教え方を学ぶ予定です。 僕が嫌いなZXPというC-172です(笑)。
 午前中の訓練は10時頃に終わりました。 残りの午前中の時間はスターバックスに行き、すべてのレッスンプランの指導方法の見直し・暗記に時間を費やしました。 だいたいの流れを掴むことは出来て来ているので、あとはスムーズに口頭指示を出し、練習の順序を間違えなければ問題ないと思います。 
 午後からは指導内容をすべて文書にする作業を始めました。 英語で指示を出すにはある程度の言い回しを暗記しておく必要があると感じています。 言いたいことは分かっていても、それを英語で、かつ分かりやすく、さらにはそれをとっさに言うというのは時として難しいことがあります。 そのための、いわば「台本」のようなものを作ってみようかと思っています。 台詞を丸暗記してしまえば、あとはそれを状況に応じて的確に発言するだけになります。 果たしてこれが効果的なのかどうかは分かりませんが、今の僕には効果がありそうなものをすべて試してみるしかありません。 自分が英語を勉強しはじめた中学生のころのようにとりあえず同じ文章を繰り返し繰り返し音読してみるというプロセスで体に覚え込ませてしまおうかと思っています。

 今日の写真はクラブに停まっていた飛行機です。 へんてこな形です。 いわゆる「カナード」というスタイルの飛行機で、主翼が後ろについています。 プロペラも後ろにあり、セスナのような「トラクター(ひっぱる)型」ではなく、「プッシャー(押す)型」と呼ばれるスタイルです。 たしか桂文珍が所有する飛行機もこんな形だったように記憶しています。 

 明日も10時から訓練です。 ラインのバイトは週末までないのでこれからは訓練と勉強に集中できそうなのでちょっとうれしいです。

 ではまた明日。


(つづく)

2007-10-01

ビクトリア350日目:怠け癖。



 今日は朝からバイトでした。 昨日の夕方から強風警報が発令されていて、今朝も結構な突風が吹いていました。 朝仕事に行った時でガストが25ktほど出ていました。 おかげで誰もフライトには出かけなかったので、かなり暇な一日になりました。 ハンガーの掃除やクラブで貸し出しているヘッドセットのクリーニングなんかをして午前中を過ごしました。 日曜ということで若手の教官しか出勤してきていなかったので、しょうもないおしゃべりなんかもしたりして、それなりに楽しい午前中でした。
 昼ご飯はいつもは自炊するのですが、ここしばらくは勉強が忙しかったり、バイトで忙しかったりして、かなり手抜きになっています。 料理をする時間はなくても腹はちゃんと減りますから、結局外食かテイクアウトばかりです。 今日もサンドイッチを買ってきました。 これではいけない〜!と分かりながらもついつい怠けてしまいます。 今夜の晩ご飯は久しぶりに料理をしました。 手羽先を甘辛く焼いてみました。 予想以上においしくできました。 
 
 いよいよ明日からまた訓練再開です。 明日は恐らくナビゲーションのエクササイズでVORの使い方の教え方を学ぶと思います。 あと数時間すると一通りの訓練が終わり、それからはチーフがランダムに僕の教え方をサンプルするそうです。 いよいよ本格的にすべての総合的まとめをしなければいけなくなってきました。 少しずつ進めてはいますが、もうちょっとしっかり時間をかけてやりたいところです。 あとはフライトのスキルも向上させなければいけません・・・。 今の状態ではCPLレベルのフライトテストすら合格できないのでは?と思ってしまいます。 んまあ、右席からだからという言い訳はできますけど・・・(笑)。

 今日の写真は、かなり久しぶりに空に舞い戻ったクラブ所有のシタブリアです。 かなり長い間ハンガーに置きっぱなしにされていましたが、数日前にようやく修理後初のフライトに出かけていました。 操縦したチーフの話では、「ちょっとだけ調整がずれていて、まっすぐ飛ばない」ということでした。 そんなことが分かるというのがすごいです。 このシタブリアが離陸したときはメカニックの兄ちゃんはかなり興奮していました。 彼がした修理に関しては自信があったそうですが、そもそも1968年製の飛行機なので、飛行機そのものがフライトに耐えれるのか少し心配していたそうです。 この飛行機は買手が見つかり次第引き渡されるそうです。

 ではまた明日。


(つづく)