2008-01-31

ビクトリア471日目:休日&ショッピング。



 今日はお休みでした。 朝はゆっくりと起床して、午前中にビクトリアに行きました。 今日は主に仕事用の靴と、お米を買おうと思って出かけました。

 まずは靴を見にMayfair Mallというショッピングモールへ。 今回はクラークスというイギリスの靴を買おうと思って出かけたのですが、いいのがなかったのですぐさまモールを後にしました。 今日は朝からしとしとと雨が降っていました。 一時強く、みぞれのようなものが降りましたが、しばらくしたら止みました。

 次に、僕がよく行くMECというアウトドアのお店へ。 ここでは水筒を買いました。 クラブにはウォータークーラー(飲料用の水が入った機械)があって、自由に水を飲むことができます。 ウォータークーラーが置いてあるのにはちゃんとした意味があります。 空を飛んでいるときはエンジンの熱で暖められた空気をコクピット内に取り込んで暖房として利用します。 暖かく乾いた空気を吸っていると当然喉が渇きます。 また、高度を上げれば気圧が変り空気中に存在する水分の量も変りますので、それも喉が乾く原因になります。 ということで、パイロットや生徒がフライトで乾いた喉を潤すことができるようにというクラブの配慮でウォータークーラーが置いてあります。 北米ではオフィスや待合室などによくウォータークーラーが置いてあるのを見かけます。 話をもとに戻すと、そのウォータークーラーには紙コップが備え付けられているのですが、毎回コップを捨てるのはもったいないし、環境にもよくありません。 さらには紙コップがきれていると水が飲めないということもあります。 ということで、僕はいつもボトルを持参して、それに水を入れて飲んでいるのですが、最近になってプラスチック製のボトルはプラスチックの成分が水に溶け出し、それが人体に悪影響を与えるという調査結果があるそうです。 ということで、今まで使っていたNalgeneのボトル(プラ)はもう使わないようにしようと思い、今日は人体に害を及ぼさないステンレス製のボトルを買いに行きました。 結局、MECには使いやすそうなのがなかったので、ダウンタウン内の他のアウトドアショップで買いました。 水筒って結構高いんですね・・・。 20ドルもしました。 ただの筒なのに・・・(笑)。

 水筒をゲットして、それからもう一つのショッピングモールへ行きました。 でも、そこにもお目当ての靴はなかったので、またダウンタウンに戻ってきました。 以前ブーツを買った、ファンタンアレーのお店にも行きましたが良さげなのはなく、結局ダウンタウンのど真ん中にあるベイセンターの中の靴屋さんで靴を買いました。 ちょうどセールをやっていて、2/3くらいの価格になっていました。 本当は僕が欲しかったスタイルではないんですが、また靴探しのためだけにビクトリアに行くのも億劫だったので勢いで買ってしまいました。 店員さんも感じがよかったし、いいかな〜と思いまして(笑)。 ちょっとカジュアルすぎたかな?とも思いますが、今履いている靴よりはましかと思っています。

 今日はお米を買うためにFujiyaという日本食料品店にも行きました。 ひとめぼれを買いました。 多分日本産です。 でも梱包はカリフォルニアと書かれていました・・・。 どんな味がするか楽しみです。 いつも食べているアメリカ米よりはおいしいことを願います! お昼ご飯にここでカリフォルニアロールを買って食べましたが、とてもおいしかったです。 

 ビクトリアからの帰りに日本人教官のMさんのお宅によって、余った調味料などをいただきました。 Mさんは今月いっぱいでクラブの教官を辞められ、次のステップに進むためにカナダを去られます。 R君もいなくなるし、日本人は僕一人のような感じになってしまいます。 ちょっと寂しいです。 いただいた調味料は大切に使わせていただきます!

 そんなこんなで今日は忙しく飛び回っていました。 結局グランドスクールの用意は全然できていません(汗)。 明日もフライトの予定がないので、明日は早起きしてグランドスクールの用意を終わらせます。 とりあえずクラブには行くつもりですが、フライトがないのにふらふら時間つぶしをするのも時間の無駄だし、そもそも座る場所がないので、結局自分の部屋で仕事をすることになりそうです。 フライトが続くのも大変だけど、フライトがないのはそれはそれで困ります! 僕が担当するCPL学生の予定をよく考えて、僕がどんどん予定を入れていけばいいそうですが、まだその勝手がつかめていないので、明日じっくり考えようと思います。 グランドスクールの用意は日本からの帰り道に飛行機の中で殆ど終わらせてあるので、あとは授業をどういう流れで進めるかとか、なにを話すかを考えるだけなので、実際はそんなに用意に時間はかからないはずです。

 今日の写真は僕のマグライト(懐中電灯)です。 今日、MECでLEDキットを入手しました。 今までの赤茶色の光から青白い色の光になりました。 電球をLED電球に替えるだけで消費電力が1/4になり、バッテリーが4倍長持ちするそうです。 これから夜間フライトをすることも増えてので、そのための準備です。 このマグライトは僕が高校生のときに山岳部に入ったときからずっと使っています。 このライトは僕と一緒に結構な高度差を旅行しています。 最高で9000ft(3000m)以上まで上がったことがあります。 

 ではまた明日。


(つづく)

2008-01-30

ビクトリア470日目:クリス。



 今日は午前中にずっと前からやろうやろうと思って来てなかなか時間が見つけられずにいたMSPという国民健康保険の加入手続きを済ませました。 以前はこの保険に入っていたんですが、学生ビザが切れてから、カナダに滞在する根拠となる書類がなかったので、延長手続きができずにいました。 おそらく説明をすれば延長はできていたんでしょうが、そもそもワークパーミットがとれるかどうかもわからないのに保険料を支払うのもあほらしかったし、どうせ一時帰国も近かったので手続きを引き延ばしていました。 僕が大学で働いていたときは留学する学生全員に「ちゃんと保険に加入するように」、「未加入の期間がないようにしなさい!」と厳しく指導していたんですが・・・(笑)。 それもこれも悪いのは僕ではなくてカナダ政府です、と他人のせいにしてみました(笑)。

 今日は午後1時から昨日と同じくラインクルーの真似事でクラブに手伝いをしにいってきました。 今日から新しい、「本物」のラインクルーが入りました。 名前はクリス。 とてもごつい男です。 お父さんがエアカナダジャズでDash-8のキャプテンをしているそうです。 彼はクラブでPPL訓練を間もなく終えるという感じの若者です。 なんでも飲み込みがよく、しっかりしていそうでラインの仕事を教えるのはとても楽でした。 ここ最近になって新しいラインクルーが2名入りました。 僕をはじめ、最近教官になったジェフ、他にも現在ラインクルーをしている連中もどんどんラインの仕事を辞めていくので、新しいラインクルーを育成していくところです。 それにしてもカナダの若者には「クリス」という名前の男が異常に多いです! 今日入ったラインクルーもクリス、前からラインクルーをやっているのもクリス、先日初フライトをした生徒もクリス、この前一緒にフライトに行った人もクリス。 こんなに同じファーストネームがたくさんいたら日常会話でこんがらがらないのか不思議でなりません。

 そういえば、今日外でセスナ172に燃料を給油していたら、カナダ軍の空母艦載機が1機、突然現れました。 昨年の夏にアメリカやカナダの合同訓練があったときによく目にしたバイキングという飛行機にそっくりでしたが、クリス曰く、バイキングとはすこし違った飛行機だそうです(名前は忘れました)。 滑走路の100 ftほど上空を高速で飛びながら左右に90度機体をロールさせてかっとんで行きました。 「えらいすごい角度で侵入してくるな〜」と思ってみていたら軍の飛行機でした。 あれがもしクラブのPPL生徒の飛び方だったら、チーフから即フライト禁止令がでると思います(笑)。

 明日はやっと1日お休みです。 ビクトリアにちょっと買い物をしに行く予定です。 それが終わったらグランドスクールの準備をするつもりです。 普段は日中はフライトなどで忙しくて、家に帰って来てからグランドスクールの準備をする余裕はまったくないので、時間があるときに準備をやってしまおうと思っています。

 今日の写真は福井を出る電車の中で食べたソースカツ丼です。 駅前の小川家というところで買いました。 買ってからしばらくしてから食べたので汗をかいてしまっていましたが、それでもおいしかったです。 あ〜、また食べたいです。


 ではまた明日。


(つづく)

2008-01-29

ビクトリア469日目:ラインクルーの真似ごと。



 タイトルのとおり、今日はラインクルーの真似事をやってきました。 昨晩は久しぶりに深夜12時までリラックスした時間を過ごして、今朝はだらだらと寝るつもりだったのですが、今日もまたクラブからの電話で目が覚めました。 本当は正午からラインクルーの手伝いをしに来てほしいといわれていたのですが、今日の午前中にラインクルーとして働いていた教官・ジェフが急遽ディスカバリーフライトに出かけないといけなくなったので、それで僕に予定より早く来てラインクルーの仕事を代わってほしいといわれ、イエスマンの僕は今日もNOとは言えず、結局ばたばたと支度をして家を出かけることになりました・・・。 とはいえ、今までよりはぐっすりと眠ることができたので体力はばっちり回復してきましたので問題ありませんでした。

 ラインクルーの仕事は久しぶりだったので、やらなければいけないことを忘れてしまっているかな?とも思いましたが、意外とすんなりとやれました。 ただ、小さな問題が一つ。 僕は教官としてワークパーミットを取得しているので、ラインクルーとしてはお給料がもらえません。 ということで、言ってみればただ働き(?)のような感じになってしまいました。 まあ、仕方ないでしょう。 お世話になっているのでそのくらいは当然かなと思います。 ラインクルーのお給料をもらえるかどうかをマネージャーがCICカナダの人に確認してくれています。 もしOKならラッキー、NGならすんなりあきらめるつもりです。 どうせ他にすることもないし、ジムで筋トレをしていると思えばいいかなと気楽に考えています。 約1トンもあるウェイト(セスナ172の場合)を使ってしかも無料で筋トレできるんだからある意味ラッキーです(笑)。 

 今日はチーフに、日本から飛行訓練に来る生徒がいる場合の扱いについていくつか質問しました。 特に気になっていたのが言語能力(Language Proficiency)証明テストについてです。 今度の3月から、世界民間航空機構(ICAO)の決定に基づいた言語能力証明試験がパイロットに課せられるようになります。 これは過去にパイロットの英語能力不足が原因で起きた航空事故がかなりあるそうで、今後の空の安全を考えて主に国際線を飛ばすパイロットには英語の能力があることを証明するためのテストを受けさせた方がよいのでは?ということになったそうです。 カナダではすべてのパイロットにこの言語能力証明試験が課せられます(ネイティブスピーカーにもこの試験が課せられるという話です)。 詳しい内容については近日リニューアル公開予定のYouHaveControl.netのサイトに掲載するつもりですので、興味がある方はそちらを参考にしてください。 近日中にビクトリアフライングクラブで訓練を開始する予定の方には僕の方から直接メールにて案内させてもらうつもりです。 
 
 今日の写真は携帯のカメラで撮ったので恐ろしい画質ですが、これはPTRの写真です。 VFCでは、担当教官ごとに写真のように色がついたテープを貼ります。 今日、僕の色が決まりました。 僕の色は「青・緑」です。 僕が担当する生徒のPTRにはこの色のテープが貼付けられます。 今はまだ3名ほどしかいませんが、近いうちにもっと多くなっていくようです。 楽しみなような、怖いような・・・(笑)。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-01-28

ビクトリア468日目:初レッスンプラン。



 ここ最近は朝の気温が氷点下に下がることが多くて、朝は車の窓ガラスなんかはバリバリに凍っています。 最近になって、窓ガラスをほんのちょっとだけ開けておくと僕の車の内側の窓ガラスは凍らないということに気がつきました。 きっとどこかから水分が入り込んでいるんでしょうが、こうやって外気温と車内温度を一緒にすることで結露は起きず、氷も張りません。 貧乏人の知恵です(笑)。

 さて、今朝は朝8時から1本目のフライトに出かけました。 まずは、昨日も飛んだ、CPLのフライトテスト前の生徒です。 昨日うまく行かなかったprecautionary landingやforced landingなどを主に練習しました。 昨日のアドバイスが効いた(?)のか、今日は見違えるほど上手にできていました。 こういうのが教官冥利に尽きるというやつかも知れません。 彼とあと何回飛ぶかわかりませんが、きっと問題ないと思います。

 今日は1本目と2本目のフライトの間に2時間ほどの空きがあったので、家に戻って来て4日ぶりに昼ご飯を食べました(笑)。 食事の後は少しだけくつろいで、それからまたすぐにクラブに戻りました。

 2本目のフライトはまだ10代の男の子とのフライトで、彼は今日が初めての訓練でした。 でも、既にグライダーを飛ばしているようで、知識はかなりある様子。 僕にとっては初めてレッスンプランを実際に使って行うブリーフィングだったのですが、この生徒は僕が1尋ねると10答えてくれるような感じの子で、ブリーフィングはあっという間に終わってしまいました(笑)。 ウォークアラウンドやウェイトアンドバランス、ディスパッチシートやジャーニーログブックの記入の仕方なんかをじっくり説明して、1時間ほどのフライトに出かけました。 ちょっと緊張はしたものの、訓練で教わったとおり教えることができたと思います。 生徒の飲み込みも早いし、今後が楽しみです。 唯一の不安は、心配性そうな母親が訓練にくっついてきていることです(笑)。 

 そして3本目はインド人の生徒と飛んできました。 彼はPPLをつい数日前に終えたばかりの生徒で、今日から僕と飛ぶことになりました。 ナイトレーティングのための計器飛行をちょっとと、あとはCPL訓練をかねてForced landingやslow flightなどのおさらいをしました。 いくつか問題はあったものの、そんなに大変そうでもないので安心しました。 なにより、安全に飛べていたことがよかったです。 やっぱり安全が一番ですから。 

 今日も3本のフライトをこなし、午後5時過ぎに帰宅しました。 家にいるのは朝と晩だけなのが昔の仕事をしていたときと同じなので、やっと働いているという実感が湧いてきました(笑)。

 明日は久しぶりにラインクルーのまねごとみたいなことをやるようにアシスタントチーフから指示されているので、それを主にやる予定で、特に今のところは飛ぶ予定は入っていません。 正午まで出勤しなくていいので、久しぶりに今夜はだらだらとして、明日は遅くまで寝てやろうかと思います。 

 他の教官と話をすると、「教官になってから50時間くらい飛ぶと体がペースに慣れてくる」とか、「すべてのレッスンプランを一通りやるとだいぶ落ち着く」とか、「最初の1ヶ月は大変」とかという話を聞きます。 今はまだなにもわからず、手探り状態なので、体力をかなり消耗してしまっているように感じます。


 今日の写真は昨日の丸岡城がある公園から見た地元の山側の風景です。 この辺りを子供の頃は自転車で毎日のように飛び回っていました。 実家に戻ったときはほぼ毎回この公園に出向いています。 この公園でもたくさん遊んだので懐かしいです。

 既にお気づきの方も多いでしょうが、しばらくはたいした写真はありませんのでご勘弁ください(笑)。 せっかく新しいデジカメをゲットしたのですが、教官になってしまうとあんまりふらふらとフライト中に写真を撮ってばかりいるわけにもいきませんし、そもそも写真を撮っている時間があまりないもので(笑)。 もうしばらくしたら文字だけのブログになってしまうんじゃないかと思っています。 

 ではまた明日。


(つづく)

2008-01-27

ビクトリア467日目:フライト3本。



 
 昨晩になって時差ぼけの影響が出てきたのか、なかなか寝つくことができませんでした。 そのせいで夜中に空腹になってしまって、それでますます寝れないような状態になりました。 今年はやめようと心に誓っていた「寝る前ポテチ」をかなり悩んだ末にまたやってしまいました。 後悔の念から、残ったポテチは捨てました(笑)。

 今日はお昼からフライトの予定が入っていたので、朝は久しぶりにゆっくり起きようと思っていたら、8時前にクラブからの電話で叩き起こされました。 「今日の10時から生徒と飛ぶ予定だったインストラクターが体調不良で飛べないから、替わりに飛んでくれないか」ということでした。 NOという言葉を知らない僕は少し戸惑いましたが、あっさりとYESと答えました(笑)。 それからすぐに支度をし、急遽やらなければいけなくなったレッスンプランの見直しをし、すぐにクラブに向かいました。

 朝1本目のフライトはまだまだあどけない感じの10代の男の子とのフライトでした。 今日はストールの練習をする日だったので、グランドインストラクションを30分ほどやり、ウォークアラウンドを一緒にやり、1時間ちょっとのフライトをしてきました。 正式にレッスンプランをやったのは今日が初めてだったのですが、やや緊張はしたものの、重要な点はしっかり押さえることができたように思います。 フライト自体はまずまずでした。 

 2本目はその後すぐで、今度はおじいさんパイロットのannual check(1年に1回クラブメンバーがやらなければいけないチェックフライト)でした。 結構荒かったですが、まあまあ悪くない感じでした。 いくつか気になる点があったのでアシスタントチーフに相談したら、「それならsatisfactory(満足)という決定にしてよい」ということだったので、再チェックなどはなしで一発合格にしました。 

 3本目はCPLフライトテスト間近の生徒と飛びました。 天気がだいぶ悪くなってきて、視界が悪い中でのフライトでしたが、問題なく安全に飛べました。 雪が降っていたようで、雲底もかなり低くなってきてはいましたが、とりあえずはVFRだったように思います。 このフライトで空港を離陸して、高度300mくらいまで上がって来たところで、緑色の、糸がついた風船が飛んでいるのを発見しました。 鳥はよく見ますが、風船を見たのは初めてです。

 今日も昼ご飯を食べる時間がありませんでした・・・。 これからは昼の時間は予約を入れられないように工夫しようかと思います。 これでは体が持ちません。 こちらに戻って来てからばたばたとしているのでここらでちょっと休憩をしたいのですが、月曜まで予定が入っているので、休みにできそうなのは早くて火曜日になりそうです。 休みにしても、結局はグランドスクールの準備で一日終わるとは思うのですが。 インストラクターは予定をある程度自由に決めれるので、その点はサラリーマンや他の仕事の人よりも融通が効くのでいいかなと思います。 その代わり、週末は休めないのが難点です。

 
 今日の写真は地元福井の丸岡城です。 日本最古の天守閣ですが、知っている人はあんまりいないと思います。 

 ではまた明日。


(つづく)

2008-01-26

ビクトリア466日目:チェックアウトフライト。



 今日は僕の教官人生二人目の生徒さんとフライトしてきました。 生徒とはいっても、以前クラブで訓練を受けていたR君で、久しぶりにカナダに来て、172Rを飛ばしたいということで今日は彼のチェックアウトをやってきました。 既に腕前を知っているし、安全に飛ばせるパイロットということを理解しているので、楽しいフライトになりました。 

 まったく飛んだことがない人と飛ぶときはやっぱり少しだけ身構えてしまいます。 他の教官がとある生徒のPTR(Pilot Training Recordという訓練記録日誌)に書いてあるコメントを読んでいたら、「失速からの回復で機首を60度落とした」と書かれていました。 60度ということは、感覚的にはほぼ垂直に落下するくらい飛行機の機首を落としたことになると思います。 人は時として想像しがたいことをするものです。 こう書いている僕自身、生徒として飛んでいたころにはいろんなことをして教官を驚かせました(笑)。 でも、飛行機の操縦はそうやって学んでいくものだと思いますし、そういうときのために教官が隣にいるんだから、生徒は間違いを恐れずにどんどん練習すればいいと思います。 ただし、同じことを2度,3度と繰り返してはいけませんけどね。

 教官としてフライトすると、PTRやチェックアウトレポートなどの書類にコメントを書いたりすることがありますが、それにどうやって書けばいいのか少し戸惑ってしまいます。 手書きだから汚い筆跡がばれてしまうし、英語でどうやって表現したら良いかがわからないときが時々あって、ひやひやものです(笑)。 これから何回も書いていけばよく書くコメントのパターンは覚えるんだと思いますが、今はまだまだ勝手がつかめません。 

 そんなこんなで1日はあっという間に終わり、家に帰ってくるとぐったりとしてしまいます。 時差ぼけが関係しているせいもあるとは思います。 ここ二日とも昼ご飯を食べる時間がなくて、食事を抜いてしまっています。 「パイロットは食事をスキップ(抜く)ことで有名」という話をよく聞きますが、本当にそうなんだなと実感しています。 

 日本にいた間は食事はいつも外食か、実家では母親の手料理を食べていたので、自分で料理をする習慣がすっかり抜けてしまって、かなりずぼらになってしまって困っています。 料理をする気がまったく起きません・・・(苦笑)。 パン、ピザ生地、チーズケーキなんかを毎日焼いていた頃の僕のやる気はどこへ行ってしまったのやら。 自炊を本格的に開始するにはもう少し時間が必要だと思います。 まずは仕事のリズムに慣れないといけないと思います。


 今日の写真は先日行った温泉のもう1枚の写真です。 こちらは屋内の湯船です。 海がどのくらい近いかに注目してください!


 それではまた明日。


(つづく)

2008-01-25

ビクトリア465日目:教官としての初フライト。



 昨晩は、夜中になんどか目覚めはしたものの、しっかりと睡眠をとれました。 

 今日は朝からクラブに行きました。 久しぶりのクラブでしたが、そんなに変化もなかったようでした。 みんなに暖かく迎えてもらいました。 帰国の日に関空まで見送りに来てくれた後輩の子と一緒に行った関西空港の展望台にあったパイロットグッズを集めたお土産屋さんでマネージャーやチーフにお土産を買って来てあったので、それを渡したらとても喜んでもらえました。 他の教官達には関空オリジナルのクッキーを買って来たのですが、そのクッキーにプリント(?)されていた飛行機の絵が見本の絵のようにきれいではなく、とても不細工だったのにはかなりがっかりしました(笑)。
 
 今日は特に飛ぶ予定は入れられていなかったので、クラブのオフィス内のキャビネットを開けて、書類などの場所を確認したり、どんな書類があるのかを確認したりしました。 それにしてもいろんな書類があります。 すべてを覚えるのには少し時間がかかりそうです。

 クラブのオフィス内は教官用のデスクというのはほとんどないに等しい状態です(チーフやマネージャーはちゃんと専用のデスクがあります)。 他の「平教官」達が待機したりするのは基本的には立ち話をしながら待つか、空いたデスクや椅子を取り合うような感じです(笑)。 僕は今日はラウンジのソファーで書類に目を通していました。 ちょうどお昼時で、アシスタントチーフは僕の横でランチを食べていました。

 すると、そこに教官のうちの一人と、年配の男性がアシスタントチーフを尋ねてやってきました。 なんだろう?と思って見ていると、どうやらその男性と教官が172Rのチェックアウトフライト前にやるType Test(小テスト)の答えを巡って口論になっているようでした。 さすがは経験豊富なアシスタントチーフ、その年配の男性に上手に、丁寧に説明をしたところ、怒りは一旦収まりました。 その男性はアシスタントチーフに、「あの教官とは飛びたくない! 彼の態度が気に食わない!」と憤慨していました。 そこでアシスタントチーフは、「他の教官で誰か空いている人がいないかを確認してくるから」といってその男性をラウンジに残したままオフィスに戻りました。 

 その男性、なんでも英語を教えるチューターをしていたことがあるということで、僕はちょっと面白いなと思ったので声をかけて話を始めました。 たしかにちょっと気難しい感じはしますが、悪い人ではないようでした。 思ったよりも会話は弾んで、「どこから来たの?」とか、「カナダは長いの?」ということを聞かれました。

 そうこうしていると、屋内アナウンスで、「コイディー、電話です。オフィスまで。」というアナウンスが流れました。 それを聞いたとたん、その後なにが起きるかを瞬時に察しました・・・。 

 ちなみに、僕はクラブでは「コイディー」と呼ばれています。 名字が「小出(こいで)」で、大学で働いていたときはずっと外国人の先生からも「コイデ」と呼ばれていたので、こちらでもファーストネームではなく、ラストネーム(名字)で呼んでもらっています。 僕にはそのほうが自然に聞こえます。 どうもファーストネームや、ファーストネームの省略形で呼ばれるのは苦手なので(笑)。

 電話なんか僕にかけてくる人はいないのにな〜と思いながらオフィスに向かうと、廊下でアシスタントチーフに捕まりました。

 「彼と飛んでこい。

 そう指示されました(笑)。 んまあ、本当は、「飛ぶか?」と聞かれましたが、選択肢はなかったのが正直なところです。

 飛ぶ前にいろいろとその男性についての情報を聞きました。 既に免許を持っていて、結構な飛行経験をお持ちのようです。 172Rのチェックアウトをしにクラブに来たということでした。

 改めて自己紹介をし、まずは問題になっていたType Testと呼ばれるクイズを一緒に見直しました。 たしかに気難しくて、僕の言っていることなどおかまいなしに話し続けたりもしましたが、要点はちゃんと聞いてくれるし、ユーモアもあるし、「な〜んだ、たいしたことないじゃないか」というのが率直な感想でした。

 クイズに1時間以上かけ、ウォークアラウンドやウェイトアンドバランスの計算、離陸前の準備などにも1時間近くかけました。 なんせかなりお年の方だったのでなにをするにも時間がかかりますし、探究心が強いみたいで、いろんなことについて質問をしてこられました。 そういうのにつき合っていたら、クイズの見直しを始めてから離陸までに2時間半ほどかかりました(普通の訓練フライトなら、2時間ですべてが終了することが殆どです)。

 チェックアウトフライトそのものはいたってスムーズで、スティープターンやスローフライト、サーキットなどを一通りやりましたが、ほぼ安全に飛ばせていました。 無線なんかはボーイング747の機長みたいにかっこよくしゃべっていました(笑)。 いくつか直さなければいけないこともあったのはあったのですが、ちゃんと指摘をすると直せていたし、PPLレベルの基準には適合していたと判断できたので、1.3時間ほどのフライトでチェックアウトを終了しました。

 クラブに戻ると、チーフやマネージャーが、「大丈夫だったか?」と聞いてくるので、「特に問題なかったです」と報告しました。 結局のところ、パイロットとしては普通の腕前でした。 強いて言えば性格面で最初に飛ぶ予定だった教官とうまく行かなかったのが原因だったのではないかと僕には思われました。 

 フライト後のディブリーフィングをしていると、「君はどのくらいここ(VFC)で教えているんだ?」と聞かれました。 さすがに、「今日が教官としての第一日目です」というのも申し訳なく思ってしまったので、「かなり最近です」と答えました。 結局はそれからも追求され、「実はあなたが僕の最初の生徒です」と言わざるを得ない雰囲気になってしまったのですが、「本当?」と驚いていました。 彼は僕のことを「公平な教官だ」と褒めてくれました。 素直にうれしかったです。 でも、多分それは僕がその男性の話に嫌な顔せずにつき合ったからだと思います。 この男性とはまた今度、今度はセスナ152のチェックアウトフライトをやることになりました。  

 なんでもそうですが、感情が入ると人間関係はおろか、いろんなことがスムーズに行かないことが多々あります。 逆に、人間関係をうまく築くと、スムーズにいかなさそうなことが案外スムーズに行くことがあるものです。 今日の体験でそれを学びました。 人は誰でも「それは間違っている」とストレートに言われると嫌な気持ちになるものです。 そこで、「あなたの考え方はわかったけど、正解はそうではない」とワンクッションいれて間違いを指摘すると、指摘される側も嫌な気がしません。 「褒めて育てる」。 それがパイロットトレーニングの根本だと僕は思いますし、僕はチーフにそう教えるように教えてもらいました。 チーフの教え方は正しいと今日の体験を通して再確認しました。 

 なにはともあれ、初めての生徒に、時差ぼけのまま、昼食も摂らずに、4時間以上もかけてレッスンをしたらふらふらになりました。 今は眠気と格闘の真っ最中です。

 教官としての初フライトがうまくいったのでかなり安心しました。 明日からちょこちょこと飛ぶことが増えてくるような感じなので、この調子で頑張っていきたいと思います。


 今日の写真はエアカナダのボーイング767のエコノミークラスにあったパーソナルモニターです。 タッチスクリーンになっていて、映画をはじめ、ドラマ、ニュース、音楽などを楽しむことができます。 唯一機に食わなかったのは、飛行機の現在地を示すマップの機能が切られていたこと。 映画なんかよりもマップのほうが僕にとっては大事なのになぁ〜と一人で愚痴っていました(笑)。

 全然関係ないのですが、やっぱりiPod Touchが欲しいなぁと思う今日この頃です(笑)。

 それではまた明日。


(つづく)

2008-01-24

ビクトリア464日目:無事ビクトリアに戻ってきました。



 2週間の「本物の休暇」を終え、無事にカナダに戻ってきました。 関空からの便は予定よりも1時間半近く遅れて関空を離陸しましたが、パイロットの努力のおかげ(?)か、到着予定時刻よりちょっと遅れただけでバンクーバーに到着しました。

 帰りのフライトは今まで乗った旅客機でのフライトの中で一番揺れました。 離陸してから到着するまでずっと揺れ続けていたように思います。 パイロットが一生懸命高度を変えているのが感じ取れましたが、それでもやっぱり揺れていました。 乗客の中には気分が悪くなる人もいたみたいです。 僕は「もっと揺れろ!」と祈っていたのですが、僕をあっと言わせるような揺れは残念ながらありませんでした(笑)。

 行きも帰りも隣の席が空いてラッキーでした! おかげでエコノミークラスでもかなり快適な空の旅を楽しむことができました。 2週間日本にいた間にグランドスクールの準備は殆どできなかったので、帰りの飛行機の中で必死にやりました(笑)。 機内でした準備の時間のほうが、日本滞在中にした準備時間の合計よりも圧倒的に長かったと思います。 復路の機内で見れた映画が往路の映画と全く同じで、興味がなかったおかげもあってか、かなり集中してできました。 最近は各シートにコンピュータ用のコンセントが付いているので本当に便利です。 iPod充電用と思われるUSBポートも完備されています。 XMのサテライトラジオも聞けるし、一昔前と比べたらかなり快適になったと思います。

 バンクーバーに近づくと、外は快晴で雲一つないような天気でした。 コクピットの機長から、「現在パウウェルリバー方面に高度を下げています。 もう間もなくすると2010年に冬季オリンピックが行われるウィスラー辺りの上空を通過します」というアナウンスがありました。 今日の写真はちょうどその頃の写真です(クリックして大きな写真をご覧ください)。 なるほど、窓の外を見ているとなんとな〜くどの辺りにいるのかがわかりました。 パイロットは機嫌がよかったのか、「右手にマウントベーカー、左下にバンクーバーのダウンタウンが見えます」という案内までしてくれました。 最後はビジュアルで着陸させたっぽかったです(違うかもしれませんが)。

 バンクーバーに着いたのが午後1時半頃。 それから荷物をピックアップし、またもや移民局に立ち寄るように入国審査官にいわれ、結局自分の番が来るまで1時間半ほど待ちました(汗)。 カナダの洗礼を受けた感じです。 でも、入国拒否されることもなく、無事に入国できました。 入国審査では、僕の記録を見た担当官が、「一回ワークパーミットの申請を却下されたみたいだけど、これはどういうこと?」と聞いてきました。 「お前らが一番良く知ってるだろ〜が〜!」と言いたかったですが、ぐっと堪えて親切に説明してあげました(笑)。




 バンクーバー空港からバスに乗り、フェリー乗り場まで行き、フェリーに1時間半揺られてビクトリアに戻ってきました。 今日の2枚目の写真はフェリーからの夕焼けです。 やっぱりこういう風景はカナダのほうがきれいに見えます。 飛行機から見えた雪を冠った山々もやっぱり美しかったです。

 久しぶりに戻った部屋・・・。 やっぱり小さな世界(笑)。 でも、意外とすんなりとカナダの生活に再順応できるように感じました。 エンジンがかかるか不安だった僕の愛車もブルル〜ンと元気にエンジンがかかってくれたので安心しました。 窓ガラスが内側から凍結していたのにはちょっとびびりましたが(笑)。

 早速荷物を片付けました。 ズボンをたくさん持って帰って来れたのがちょっとうれしいのです。 カナダでは上着は買えてもズボンはあまり買えません(サイズやスタイルがあいません)。 今までは少ない数のズボンをローテーションしていたのでかなりうれしいです。 狭いクローゼットがパンパンになって、ささやかな幸せを感じています(笑)。


 今回の一時帰国で思ったのが、意外と驚くことがなかったということでした。 「携帯の技術が格段に進歩!」とか、「顔も知らない芸能人が大勢テレビで活躍している!」とか、「聞いたことない流行語が大ブーム!」とか、そういうのがあんまりなかったな〜と思います。 きっとインターネットで新聞やニュースを日々チェックしているからだと思いますが、それにしても驚きが少なくて、大阪で電車に乗っていても、つい昨日まで大阪で暮らしていたような錯覚にさえ陥るほどでした。 僕が留学をしたときは1年後に日本に帰国したらかなり日本が変わっていたように感じたものでした。 これもすべてインターネットのおかげのように思います。 ビクトリアに戻って来てからも同じで、「なつかし〜」というのがあんまりありません。 まあ、たった2週間ではそんなになにも変わらないからでしょうけど(笑)。

 なにはともあれ、日本では会いたい人に会えたし、食べたいものを食べることができたし、日本のおいしいビールも飲めたし、欲しいものを入手できたし、お風呂に好きなだけ入れたし、大大満足です。 僕と会うために時間を割いてくださった皆さん、本当にありがとうございました。 また来年お会いしましょう! って、また1年間会いたい人にあえず、食べたいものを食べれず、おいしいビールも飲めず、欲しいものも買えず、お風呂にも入れないと考えるとちょっとブルーになります(笑)。 とはいえ、これは自分で選んだ道なので、我慢我慢。

 楽しい時間の後は現実に直面しないといけません。 明日からはまたクラブに行きます。 おそらくすぐに飛べとは言われないと思いますが、とりあえず顔見せだけでもと思っています。 失敗をたくさんして、恥ずかしい思いをたくさんして、一人前の教官になれるように精進しようと思います。

 今夜は時差ぼけと格闘することになると思います。 今、こちらは間もなく午後10時です。 日本は間もなく午後3時。 少しずつ胃の調子が狂って来ているように感じます(笑)。 早速日本で調達した胃薬を一包飲もうかと思います・・・。

 それでは、またこれからはカナダから近況を報告しますのでお楽しみに!



(つづく) 

2008-01-17

番外編:日本から。



 皆さん、こんばんは。 日本に戻って来てから初めての投稿です。 今日は、帰国から今日までの日本でのことを少しだけ書こうかと思います。 パイロットとは特に関係のない内容なので、興味がない方は無視していただいて結構です(笑)。

 まずは帰国の日。 朝6時過ぎにシドニーの家を出て、バスに乗ってフェリー乗り場まで行きました。 外はまだ真っ暗。 バスは予定よりも20分ほど遅れて来たので、せっかちな僕はちょっとだけ焦りました。 フェリーの中で、バンクーバー国際空港行きのバスに乗るためのチケットを購入しました。 1時間半のフェリーの旅のあと、バスに乗り込んでバンクーバー空港まで行きました。

 空港に着いたのがフライトの4時間前でした。 さ〜なにをしよう?と思ったら、バンクーバー空港内はWi-Fiが完備されていることを発見しました。 おかげで無料でインターネットが使えました。 こうなれば時間潰しは簡単です(笑)。 インターネットからバンクーバー空港のATC(航空管制)を聞けるRealPlayerのファイルをダウンロードし、滑走路が見える位置に席を陣取り、Flightaware.comを見ながら、バンクーバー空港に到着する飛行機の様子を、まるで管制官のように、見ていました。 マニアックではありますが、パイロットとして正しい時間の使い方をしたように思います(笑)。

 フライトは予定の時間通り搭乗開始になりました。 ですが、明らかに乗客は少なかったです。 乗ってみたら、がら空きでした。 窓側の席なんかはいっぱいなのに、中央部分の席はほとんどだれも座っていません。 カナダ人と思われる人が「席を変わってもいい?」とキャビンアテンダントに聞くと、「ウェイト&バランスに影響を及ぼすので、巡航高度に到達するまでお待ちください」と説明しています。 これってたまに聞きますが、本当なんでしょうか? フライト中は常にウェイト&バランス(荷物や燃料を搭載する場所や重さの計算)はとても重要であるはずのに、なんで離陸の時だけ気にするんでしょう? ちょっと不思議です。

 突然ですが、日本について感じたこと・ベスト3!

  1. 食べ物がおいしい!
  2. テレビが面白い!
  3. 何はともあれ便利! 
 簡単にいえば、やっぱり日本は最高です。 なにを食べてもおいしく感じます。 テレビはたとえCMでも面白く感じます。 おかげで日本に戻って来てからはYouTubeやニコニコ動画なんて全然観ていません(笑) 公共の交通機関は電車やバス、なにをとっても便利です。 やっぱりいい国です、日本は。

 その一方、嫌なこともあります。 例えばタバコ。 学生時代タバコを吸っていた僕が言うのもなんですが、日本ではどこにいってもタバコのにおいがどこかからしてきて、すぐに気分が悪くなります。 カナダでは公共の場ではタバコは吸えませんし、レストランでも喫煙席はありません。 レストランによくあるパティオ(外の席)でもタバコが吸えなくなったという話も聞きますし、車の中でも18歳以下が同乗のときには喫煙禁止という法律まで制定されるとか。 文化の違いですね。

 もう一つ嫌なこと、というか、大変だと感じたこと。 それは、人が多くて歩きにくい!ということです。 人が多いのはまあ仕方ないとしても、日本では四方八方から人が歩いてくるので人にぶつかりそうになります。 右に避けようとすると相手も右に来るし、左にいけば左に来るしでイライラ度が頂点に達します(笑)。 カナダ(特にシドニー)は人が少ないし、人が歩いているとほぼ間違いなく右側通行が暗黙の了解になっているので、人とすれ違うのは簡単です。

 さて、不満はこのくらいにして。 日本では、9日から14日までの間に大阪でたくさんの友達や前の職場の方々と再会できました。 おいしいものを食べながら楽しい話をたくさんして、1年ちょっとの間に起こったことについてお互い報告したり、昔話もたくさんしました。 今まであまり話す機会がなかった方々とじっくりと話しをする機会もありました。 10年来の友達と再会し、食事をしながら「お互い年をとったな〜」なんて話をしたり、大阪で遊んだりして楽しい時間を過ごせました。 後輩の子とはおいしいものを食べたりカラオケに行ったりもしました。 大阪滞在中に僕の相手をしてくれた皆さん、どうもありがとうございました。 来年の今くらいの時期にまた会いましょう! カナダに来てくれる方はビクトリアで首を長くして待ってます!

 14日からは福井の実家に戻って来ています。 自炊をしなくてもおいしいものが出てくるので楽で楽で(笑)。 今日は、伯父と伯母と母親とで越前海岸のほうの温泉に行きました。 次々と消波ブロックにぶつかる冬の日本海の波を見ながら、小雪が舞う中で入る露天風呂は最高でした! 今日の写真はそのお風呂です(こっそり撮影しました・・・笑)。 お風呂のあとは蟹のフルコースをご馳走になりました。 いや〜、最高においしかったです。 蟹と言えば越前ガニ。 っと、福井の自慢をしてみました(笑)。 福井県は特に有名なものはなく、どちらかというと質素で素朴な県ですが、福井には日本の良いところがまだまだ残っているように思います。 ぜひ皆さんも福井県へお越し下さい、なんちゃって。

 福井に戻って来てからだらだらとさせてもらったので、明日から少しずつ勉強やら仕事やらを始めようと思っています。 毎日ぐーたらばかりしているわけにもいきませんから。 他にもカナダに戻る前にやらなきゃいけないことがいくつかあるので、それをこなしていこうと思います。

 次回の投稿は23日以降、カナダに戻ってからにしようと思っています。 


 それではまた。


(つづく)

2008-01-08

ビクトリア449日目:パッキング終了。



 今日は午前中に洗濯をして、日本に帰るための準備をしました。 今朝になって、今までずっとベッドの下に片付けておいたバックパックを取り出したら、ホコリにまみれていました。 よく考えたら、最後にこのバックパックを使ったのは2006年の年末にアメリカに行ったときです。 それ以来ずっとベッドの下にほったらかしにしておいたので、えらい状態でした。 
 
 いつもパッキングをすると、あれもこれもと余計なものを入れてしまいます。 今回は本当に必要なものだけを入れました。 実家に戻れば少しは服がおいてあるからそんなにたくさん持って帰る必要もないと思ってのことです。 

 午後からはクラブに行き、マイクとセスナ172Rのチェックアウトフライトに行ってきました。 この172Rは「wet wing」と呼ばれ、燃料が翼の中に直に入っています。 他の172や152は翼の中に燃料タンクが入っていて、その中に燃料が入っています。 なんでも、このウェットウィングを採用した当初は、構造上の理由で翼の中にある不純物が見つけにくかったらしく、それが原因で事故が起きたそうです。 裁判沙汰などに今後ならないようにと、不純物を確認するための「ドレイン」と呼ばれる燃料のサンプルをとる穴が翼の下と胴体の下に計13個もあります(笑)。 他の172や152には基本的に3つしかドレインはありません。 ウォークアラウンドではこの穴すべてから燃料を少量取って、燃料の色や不純物の有無を確認します。

 今日はビクトリアを離陸して、ローカルエリアでスローフライトやストール、スティープターンを少しやり、その後でダンカン空港に行ってサーキットをやりました。 最初の着陸ではおそらく3回くらい接地したと思います。 機体の重さや操縦の感覚、フレアのタイミングなどがうまくいかなかったので、バウンスしました(笑)。 あんなにひどい着陸はかなり久しぶりでした。 ちょっとショック・・・(笑)。 途中でマイクと操縦を交代し、マイクも練習をしました。 二人で1時間ちょっとの楽しいフライトができました。 

 今日の写真が172Rのコクピットの写真です。 写真の真ん中の上のほうにアナウンシエーターパネルが見えます。 ここに警告メッセージがでます。 今日は「fuel low」という警告が出ていました(実際には燃料は十分あったのですが)。 とても快適で、静かで、速く飛べる良い飛行機だと思いましたが、操縦桿は他の172よりもかなり重く感じました。 減速させるのも結構大変だと感じました。 燃料のブーストポンプを使ってプライムしたりする独特の手順でしたが、予想したよりも簡単でした。 最後の着陸はまあまあうまくできたので、あと1,2回乗れば慣れると思います。 計器もラジオもきれいだし、少しだけプロフェッショナルパイロットになったような錯覚に陥りました(笑)。

 さて、明日は午前7時のフェリーでビクトリアを後にします。 午後1時半発のエアカナダで日本に帰ります。 日本にいる間はあまりブログを更新できないかもしれませんが、できる限り時間があるときに更新しようと思います。

 それではまた。



(つづく)

2008-01-07

ビクトリア448日目:急遽、山へ。



 今朝はチーフに新人教官研修を受けました。 VFCの教官として知っておかなければいけないことをいろいろと説明してもらいました。 生徒をフライトに送り出すときのディスパッチシートの書き方、注意すべき点など、既に知っていることも含め、いろんなことを教えてもらいました。 今日は写真のようなクラブでの様々な事柄の処理方法やクラブの方針が書かれた冊子を渡されました。 暗記しろとまではいわれませんでしたが、質問を受けた時にどこを見れば答えが書いてあるかがすぐに分かるように勉強しておくように言われました。 今晩、早速読んでみましたが、そんなには難しくなかったのでちょっと安心しました。
 
 今日のオリエンテーションが一段落したとき、教官のブラッドが、「今日はなんか予定あるの?」と聞いてきました。 「このオリエンくらいだけど?」というと、「それじゃにいくから一緒にくる?」と誘ってくれました。 CPLの訓練を始めた、僕と一緒にラインクルーをしていたクリスがマウンテンチェックライドのためにホープ・リロエット方面に行くというのです。 僕は最近鼻づまりがひどくて、それが高度をあげて飛ぶと頭痛などにつながることがあるので、大丈夫かな〜とも思ったのですが、せっかくの機会だし、鼻も今朝の段階ではす〜す〜と通りがよかったので、同行させてもらうことにしました。 チーフも、「ブラッドの教え方を見学してくるといいよ」と言って快く送り出してくれました。

 僕はあくまでブラッドの教え方を見せてもらうつもりだったので、フライトそのものにはいっさい口を挟まずに後ろに座っていたのですが、窓から見えた今日の天気は山に行くような天気ではなかったと思いました。 南ジョージア海峡を超えるときでも、向こう岸にたどり着くまでに雲の下まで高度を落とさざるをえなかったので、一時海の上で1000フィートほどまで高度を下げました。 「おまえはちゃんと泳げるか?」と冗談で聞かれましたが、エンジンが止まった場合のことを考えると、1000フィートで海の上を飛ぶというのはできれば避けたいものです。 さらに、本土に上陸したあとも、せいぜい1500フィートまでしか上がず、次第に視界も悪くなってきました。 チリワックの南側でぐるぐると上昇旋回しながら高度を9500フィート付近まであげ、ホープまで行けるかどうかをみてみましたが、やっぱり無理でした。 結局チリワックに着陸し、アボツフォードでタッチアンドゴーをしてビクトリアに戻ってきました。 今日のフライトで天気を読むことの難しさや、悪い天気に遭遇した場合にできる対処法のオプションなどについていろいろと再確認することができました。 ブラッドはどんなときでも冷静で、常にジョークを飛ばすような気さくな教官です。 僕もあんなに落ち着いて指示を出せるような教官に早くなりたいものです。

 日本帰国まであと二日となりました。 今日、ようやく帰りの準備を少しだけ始めました。 でも、服とかはまだなんにもパッキングしていません。 明日は朝から洗濯をして、服をバックパックにつめる予定です。 火曜の朝にバンクーバー空港になるべく早く着くようにするために、当日の朝は午前7時発のフェリーに乗って空港に向かう予定です。 そのためのバスの予約をすべきか、それともフェリーの中でバスに乗るという方法でいくべきか。 どっちにしようかまだ迷っています。 明日の午後からは今度こそ172Rのチェックライドをする予定です。


 ではまた明日。


(つづく)

2008-01-06

ビクトリア447日目:初出勤。



 今日、初めて制服を着てクラブに出勤しました。 実に約1年3ヶ月ぶりにネクタイをしめました。 ネクタイをすると気分が引き締まるので元々ネクタイをするのは嫌いではありません。 クラブに支給されたネクタイはクリップでぱちっ!と留める簡単なやつです(笑)。 クラブの教官の制服は、濃紺のシャツに黒(または濃紺)のネクタイとなっています。 なぜこの色の組み合わせになったかには諸説あるそうですが、このシャツになる前はポロシャツだったそうです。 それから比べればだいぶプロフェッショナルに見えるのではないかと思います。 パイロットシャツというと必ず肩に肩章(と呼ぶんでしょうか)がついています。 ここに何本線があるかで副操縦士(3本線)なのか機長(4本線)なのかが分かるようになっています(この他、色も関係があるそうです)。 僕のシャツにも肩章をつけるためのフラップはついていますが、特に線はありません! ズボンはジーンズ以外であれば何を着てもよいことになっています。 僕はなるべく綺麗めなチノパンを履くことにしました。 日本に帰ったら仕事着に出来る服を入手しなきゃいけないなといろいろ考えています。
 
 今日は昨日の書き込みに書いたとおり、セスナ172R型機のチェックアウトのための小テストをやりました。 他の172や152とは微妙にスピードの数値が異なります。 3種類の飛行機のスピードの規定値を全て覚えるのは結構大変です(笑)。 絶対に知っておかなければいけないのは失速速度やBest rate/angle of climbのスピードなどです。 172NやPのスピードとほぼ同じですが、微妙に違うところがあります。 一番違うのはエンジンRPMの設定だと思います。 172NやPでは2,300回転/分付近で巡航しますが、172Rでは2100回転/分ほどで巡航します。 それでいて巡航速度は他の172よりも速いそうです。 3つの車輪がすべてウィールパンツというカバーで覆われているので、それだけでスピードが数ノット速くなります。

 172Rにはアナウンシエーターパネルというパネルがあって、燃料ポンプやバキュームポンプといった主要コンポーネントに異常が生じるとパネルにカラフルな警告灯が表示され、パイロットの注意を引く仕組みになっています。 また、オートパイロット機能が備わっているので、手を離しても同じ方角に飛行機が自動で飛ぶようになっています。 こういう点がたとえセスナ172であっても最近の旅客機に少しだけ似ていて、パイロットの興味をおおいにそそってくれます。

 さ〜飛ばしに行こう!と思ったら、誰かがオンラインで172Rを予約してしまったので、結局今日は飛ばさずに終わりました(笑)。 ということで、明日のチーフとのオリエンテーションが終わってから飛ばすか、または日本から戻って来てから飛ばすことになりそうです。 

 今日の写真は僕が2006年の10月15日に日本を発った時に乗って来たエアカナダのボーイング767型機です。 今回も767のようです。 まったく同じ機体になる確立は1/31のようです。 席はもちろん窓側です(笑)。 残念ながらエンジンの後ろ側の席なので、若干エンジン音でうるさいとは思いますが、中央席よりはましかなと思っています。

 明日はクラブでチーフから書類や様々な手続きなどについてのオリエンテーションを受けてきます。 それが終わったらそろそろ帰国の準備を始めます。 

 ではまた明日。


(つづく)

2008-01-05

ビクトリア446日目:療養中。




 ビザの件が解決したと思ったら、とたんに体調を崩しました(笑)。 とはいえ、喉が少しだけ痛むのと、鼻が詰まっているくらいのもんです。 日本には這ってでも帰りますから、日本の皆様ご安心を(笑)。

 ここ最近、強風警報が発令されることがとても多いです。 僕はメールを環境庁のサービスに登録してあるので、警報が発令されるとすぐにメールが届くようになっています。 今日もその警報関係のメールがたくさん届きました。 ほとんどはバンクーバー島の最北端あたりで風が風速100キロ/時くらいになっているというものが多いです。 僕はいったことがないですが、この島の端は結構天気がめまぐるしく変わるエリアのようです。 今日は一日中風が強くて、夕方でガストが28ノットほど出ていました。 これを秒速に直すと、秒速14メートルくらいになるかと思います(間違ってたらごめんなさい)。 ノットで言われてもあんまりしっくりきませんが、秒速14メートルとなると結構強い風だというのが分かってもらえるかと思います。 

 どうやらかなり勢力の強い低気圧が近くにあるようで、今日ATISを聞いてみたら、「Altimeter 28.67. I say again, 28.67」と録音されていました。 28.67という数字は気圧の高さを表す数字ですが、普段は29台から30台が多いです。 28台まで落ちたのは初めて見たかも知れません。 ヘクトパスカルに直すと970ヘクトパスカルとなりますから、結構な勢力であることがわかると思います。 「I say again, 28.67」というのが面白いな〜と思いました。 普段はこんなフレーズはATISには録音されませんから。 28.67と聞いてパイロットが「29.67の間違いだろう?」と勘違いしないようにするために強調したのだと思います。 29.67と28.67では高度計に気圧をそれぞれセットすると1,000 ftの誤差が発生してしまいます。 

 明日も予報では風が強い一日になるようのでどうなるかわかりませんが、予定ではマイクとセスナ172Rのチェックアウトライド兼スキルアップフライトに出かける予定です。 セスナ172Rはクラブ所有の他のセスナ172型機(NとP)とは少し仕組みが違います。 1990年代後期に製造された172Rは、1970年代後半から80年代に製造されたNやPよりも計器類は綺麗だし、シートもふかふかだし、シートベルトも車のシートベルトみたいなリール式のものが付いています。 エンジンがフュールインジェクションタイプで、キャブ仕様ではないのがもっとも大きな違いです。 172Rはレンタル代がNやPよりも1時間あたり10ドルほど高いし、教官になれば無料でチェックアウトさせてくれるというのを聞いていたので、今まで一度も飛ばす機会がありませんでした。 教官になったからにはクラブの飛行機はすべて飛ばせないといけないので、そのためのチェックアウトフライトをする予定です。 チェックアウトをうけるには簡単な筆記試験を受ける必要もあります。 クイズ程度なので簡単ですが、それでもちょっとだけ勉強しなければいけません。 まずはそれを朝に済ませようと思っています。 明日からはいよいよ制服を着てクラブに出かけます。 初出勤という感じです。

 今日の写真はターン中の1枚です。 明日もこんな感じでぐるぐる回ります。 この写真ではバンク角は45度よりもちょっと浅いかなという感じに見えますね。

 ではまた明日。


(つづく)

2008-01-04

ビクトリア445日目:SINナンバー。



 今日からは今までの堕落した生活を改め、早起きをすることにしました。 

 今朝はビクトリアにあるService Canadaというカナダ政府のオフィスに行ってきました。 カナダで働くにはSocial Insurance Number(SINナンバー)という社会保障番号が必要になります。 僕はこの番号をラインクルーをするために取得していたのですが、学生ビザが切れると同時にSINナンバーカードも失効してしまったので、今日はそのカードの更新をしてきました。

 カナダは公用語が英語とフランス語と決められているので、政府の機関では必ずどちらでもサービスが提供できるようになっています。 Service Canadaの受付でも、「Hello, Bonjour, how can I help you?」と言われます。 こういうのを聞くと自分はアメリカではなくてカナダにいるんだということを実感します。 カードの更新をしてもらうまでに約1時間ほど待ちましたが、名前を呼ばれたあとは5分ほどで更新の手続きが完了しました。 これでSINナンバーはばっちりです。

 パーキングメーターにお金を入れすぎて時間があまったので、近くにあるMECというアウトドアショップに日本の家族に持って帰るお土産を買いにいきました。 ここは環境対策に力をいれているお店なので、いつも「袋は要りますか?」とレジで聞かれます。 暗に、「袋はいらないよね?」という感じで聞いてきます(笑)。 いつもはいらないと言うのですが、今日はお土産ということもあって、「ください」とお願いしました。 なぜか罪悪感を感じずにはいられませんでした・・・(笑)。

 MECの次はすぐ側のGAPに行って仕事着用のベルトを買いました。 セールでなんと3ドルでした(笑)。 家に帰って来て気がつきましたが、元値は25ドルとなっていました。 こんなに割引するなんて、どんだけ人気がない商品なんだろうとちょっと思ってしまいました。 GAPでいくつかズボンを試着しましたが、どれもなんとなくしっくりこないし、なんせべらぼうに高い。 仕方ないので日本にはぼろぼろのズボンで帰ります。 どうか皆さん笑わないで優しく迎えてください(笑)。

 今日は日本から送っていただいた差し入れが届きました。 懐かしい日本の味に感激の連続でした。 今日の写真は送っていただいた品のうちの一つのクローズアップです。 何の変哲もないこのパッケージ。 カナダではこういうものは滅多に見ません。 カナダの製品は開封のための切り込みがないものが多いし、あってもしょぼい。 チャック付きのものもとても少ないです。 缶詰なんかは未だに缶切りがないとあけられないものが主流です。 日本では当たり前の切り込みやチャックやプルタブはこちらでは需要がないようです。 というか、そういう便利なものが存在することを知らないのか、それとも、それらが日用品に使われることを人々が求めないのか。 なんでこんな簡単なことができないのだろうといつも思ってしまいます。 やっぱり日本はすごい!

 どうも風邪気味っぽいので、今夜は早めに寝ようと思います。 ビザの一件が解決して気が抜けたからかな?なんて思います。 朝から鼻水が出るし、喉が若干痛くて困っています。 日本に帰るまでになんとか治さないとと思い、ビタミンCたっぷりのジュースやらグレープフルーツやらを摂取しまくっています。 

 明日は一日、勉強やグランドスクールの準備などをしようと思います。 

 それではまた明日。


(つづく)

2008-01-03

ビクトリア444日目:最高のスタート(その2)。

 

 やっと皆さんにうれしい報告が出来る日がきました。 今日、ワークパーミットが届きまし た!

 今朝9時頃、クラブのジェリーから電話がありました。 なんでも、CICのお偉いさんとジェリーが話をすることができたそうで、僕のアプリ ケーションのステータスはどうなっているかを聞いたところ、「あなた(ジェリー)に教えることはできないが、彼(僕のこと)にCICコールセンターに自分 で電話をするように伝えてください。 きっと彼(僕のこと)は喜ぶでしょうから」と言われたそうです。 これを聞き、ジェリーとの電話を切ったあとすぐに CICに電話をしました。 長い音声案内に従ってクライアントID番号や生年月日をダイヤルし、ようやくたどり着いた音声案内を聞いたところ、「あなたの 申請は許可されました。 ワークパーミットは12月21日に発行されました」と言うではないですか。 これを聞いた後、すぐにクラブに行ってジェリーに報告をし ました。 これでもうワークパーミットの発行は問題ないということでみんなが喜んでくれました。 

 その後、お昼過ぎに郵便が届き、その中に見覚えのあるCICカナダの封筒が混じっていました。 思い起こせばちょうど1ヶ月ほど前、同じ様式の封筒が郵便物に入っていて、CIC Canadaの文字を見て喜び勇んで開封したら手紙には「reject」の文字がありました。 あの時のショックはとても大きかったです。 今日の郵便にはワークパーミットが入っている確信がありましたから、落ち着いて封を開けました。 中には僕がずっと待っていたワークパーミットが入っていました。 フライトテストが終わってから2ヶ月とちょっと経った今日、ようやくカナダで教官として働く権利を得ました。 封筒の中には「今回はこちらのミスで処理に時間がかかってしまってどうもすみませんでした」という手紙の一通でも入っているかと思いきや、そこはクールな政府機関。 そんなものは一切なしでした(笑)。 ワークパーミットがぺらっと入っていただけ。 結局、1年間有効なワークパーミットがおりました。 これで、もし半年間しか有効でないワークパーミットが発行されていたなら、アルバータ州のCICカナダのオフィスまで出向いて文句を言ってやるところでした(笑)。

 クラブからの帰り道に、今回の件でお世話になったMP(政治家)の事務所にお礼を言いに行きました。 車を降りたらちょうどスタッフの人が道を歩いていたので、そのまま立ち話になってしまいましたが、ワークパーミットが届いたことを報告したら、「あらそう、よかったわね〜!」と喜んでくれました。 果たしてどれだけその政治家の方や彼のスタッフが今回の僕のケースのために力を貸してくださったのかはまったく分かりませんが、僕のことを心配してくれて、時間を割いてくれたことには変わりありません。

 今回の件ではいろんな人に助けられました。 たくさん励ましのメールもいただきました。 今日、ようやくこうして僕の「ビザ取り物語」はハッピーエンドで幕を閉じることとなりました。 クラブのマネージャーやチーフは今回の件で政府機関のずさんさに怒りをあらわにしていますが、僕はパーミットをもらえたので結果オーライだと思っています(今だからこう思えるんだと思います)。 今回の件があったからいろんな人々のやさしさを知ることもできました。 特に、カナダの人は優しいなぁと改めて思いました。 もちろん全員が全員そうというわけではもちろんないでしょうが、少なくとも僕の周りにいるカナダ人達は間違いなく優しい人ばかりです。 人の優しさにふれることができたのが今回の最大の収穫だったのかもしれません。 改めまして、皆さんどうもありがとうございました。 そしてご心配をおかけしてすみませんでした。

 ということで、ワークパーミットの件は片付いたので、ようやく日本に帰る準備を進められます。 早速帰りのフライトを予約しました。 1月8日のお昼にバンクーバーを発ち、9日の夕方に関空に到着します。 最初の3、4日は大阪に滞在し、友達や前の職場の人達にあったりする予定です。 その後、実家の福井に帰ります。 23日にはまたカナダに戻ってきます。 24日からはすぐに働く予定です。 

 これから日本帰国までは生徒を教えるための準備と復習をし、クラブの飛行機のうち唯一飛ばしたことがまだないセスナ172Rのチェックアウトフライトをし、チーフフライトインストラクターのグラムから様々な書類の書き方や手続きの方法に関するオリエンテーションを受けます。 他にも社会保障番号の延長申請、グランドスクールの準備、日本に帰るための準備など、たくさんやることがあります。 長かった2ヶ月間の「休暇」も終わり、明日からはまた忙しくなりそうです。 今までさんざんだらけてしまったので、気を引き締めてがんばろうと思います。

 明日からはまたブログの更新をなるべく毎日するようにしようと思います。 ブログを書くことが僕の1日の締めくくりになっているので、これをしないとどんどんだらけて、締まりがない一日になってしまうことに気がつきました。 ということで、時間つぶしにでもまたブログを読んでいただければと思います。

 それではまた。



(つづく)

 

ビクトリア444日目:最高のスタート(その1)。



 皆様、明けましておめでとうございます。 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 僕は12月31日にバンクーバーに行ってきました。 この前の投稿でも書いた通り、バンクーバーのパイロット仲間のYさんのところにお邪魔して、一緒に年越しをさせていただきました。 31日はシドニーからフェリー乗り場までバスで向かったのですが、年末年始の運行スケジュールになっていたせいかバスの本数が少なかった上、路面が凍結していたこともあり、バスが来るまで気温0度の中を30分ほど待つことになりました。 久しぶりに乗ったフェリーは意外にもあまり混んではいなかったので快適な1時間半のクルーズを楽しみむことができました。 天気は時折青空が見えるような感じで、フェリーからはバンクーバーハーバーに向かう水上飛行機が見えたりしました。 バンクーバーのTsawwassen(最初のTはほとんど発音せず、「スワッセン」と発音するそうです)に着くと、Yさんと、ピットメドウズでPPLを取得したN君が迎えに来てくれていました。 久しぶりの再会を果たした後、Yさんの車で韓国食材スーパーやスウェーデンの家具屋・IKEAに立ち寄ってからYさんのアパートに向かいました。
 アパートのドアを開けた途端、なんとも懐かしい椎茸の匂いがしてきました。 今回も前回お邪魔したときと同様、Yさんの奥様が手料理を振る舞ってくださいました。 いなり寿司、唐揚げ、トンカツ、年越し蕎麦と、本当に美味しい食べ物を腹一杯ご馳走になりました。 3人もパイロットが集まると自然と会話のネタは飛行機のことに。 Yさんの飛行機DVDコレクションを見ながらおしゃべりをして楽しい時間を過ごしました。 飛行機のDVDには今まであまり興味がなかったのですが、侮る事なかれ、とてもいいモチベーションアップにつながりました! 「教官もいいけど、やっぱり飛ぶならエアラインかな?」なんて思ってみたりもしました(笑)。 昨年のものではありますが、モノマネ王座決定戦や紅白歌合戦、ゆく年くる年のビデオも観ました。 やっぱり日本風の年越しが自分にはあっていると実感しました。
 年が明け、元旦の朝はお雑煮をご馳走になって、それからバンクーバー空港に「初日の出」ならぬ「初テイクオフ」を見にいきました(笑)。 バンクーバー国際空港の飛行機ウォッチングスポットに行っていろんな種類の飛行機が離着陸するのを見ることができました。 今日の写真はそのうちの一枚です。 バンクーバー空港の管制塔と、後ろに雪化粧をした山々が見えます。 混雑している時間帯ではなかったことと、国際線が到着するターミナルとは反対側だったこともあって、想像していたよりは規模が小さく見えましたが、実際にはとても大きい空港です。 日本行きのJALのボーイング747が離陸していく姿を見ながら日本のことを思い出しました。 飛行機ウォッチングのあと、またスワッセンのフェリーターミナルまで送っていただいて、フェリーに乗ってビクトリアに戻ってきました。 とても楽しく2008年をスタートできたことがとてもうれしかったです。 Yさん、N君、どうもありがとうございました。 

 2008年は最高のスタートが切れたので、今年は昨年以上に頑張れそうです。 今年も実り多い年にできるように頑張ろうと思います。



 (その2につづく)