その訓練、想像していたよりも楽しい経験となりました。そもそも副操縦士x2名での訓練は正直ちょっと面倒くさいと思っていました。というのも、副操縦士2人だと、1人が審査を受けている間はもう1人は機長席に座って機長の乗務業務をこなす必要があるからです。僕は副操縦士ですが、当然ながら機長が普段何をしているのかは理解しています。ただ、実際には自分ではやらないことを機長はやっているわけで、しかもいつもなら右にあるものが左にあったり、左手で操作するものを右手でやったりしなきゃいけないわけです。怠け者の僕はそういうのが億劫に感じていたというわけです。
ところが、実際に機長席に座るとこれが結構楽しいんです笑 普段やってないことを思う存分やれるし、自分が機長になった感覚で偉そうに指示を出すこともできます(笑)。幸い、パートナーだった副操縦士の子はとてもお利口さんだったので、お互いにスムーズに訓練が進みました。シミュレーター審査が終わった後審査官からお褒めの言葉ももらえましたし、とても良い経験になりました。これならまた次回も副操縦士とペアでもいいかなって思ったりもして。
訓練が終わってからはバタバタと忙しく飛んでいます。飛ぶ時間数はパンデミック前に匹敵します。行き先は相変わらずラスベガスに行くことが多いです。ラスベガス空港は我々が到着する時間帯は大体西からの風の場合が多く、滑走路26Lに着陸することが多いです。時たま19Rという滑走路に降りることもあるのですが、この場合はラスベガスの目抜き通りである「ストリップ」と呼ばれる通りに並行する感じで着陸します。
その場合は前を見ると結構暗い(滑走路ライトくらいしかない)ですが、ちょっと目線を右にずらすとイルミネーションが煌々としていて眩しいくらいです。当然ながら、アプローチ中は前に集中していますからご安心を。
今週は明日と明明後日に仕事が入っていますが、明明後日のフライトが先週キャンセルになりました。そのため、明日仕事に行くと今月の仕事はこれにて終了となるかもしれません。そうなると明日のフライトを最後にしばらく飛ばなくなります。実は来月からしばらくお休みすることにしているのです。その理由はまたいずれ。
今日は3月20日ということで、「エアバスA320型機の日」ということらしいです(?) 僕が現在乗務しているエアバス320型機。見た目は昔の新幹線(ひかりとかこだま)のように団子鼻の面構えをしていてとても愛嬌があります。個人的にはボーイング737型機のようなちょっと尖った鼻の飛行機よりも可愛らしいと思っています。
(つづく)