2020-07-13

趣味 or 仕事。

 コロナによる外出規制が始まった頃に趣味として写真撮影を始めたというのは以前書いたとおりです。 今でもその熱は覚めず、ほぼ毎日カメラを持って外に出ています。 そもそも散歩が好きで、携帯のカメラでパシャパシャよく撮っていたというのもあり、今も特に以前と違ったことをしているという意識はありません。


 カメラというのは面白いです。 写真が趣味という人の中にはいろんな種類の人がいるようです。 カメラという機械がそもそも好きな人。 アート好きな人。 記録を残したい人。 人が好きで人物撮影が好きな人など。 カメラはそもそも身近なものですし、誰でも持っているスマホで写真はいくらでも撮れます。 でも、一度本格的なカメラを持つと、携帯のカメラで写真を撮ろうという気持ちには僕はなりません。 携帯のカメラの画質は一眼ミラーレスカメラのそれとは雲泥の差があるからです。 今ではAIなどを駆使したカメラが内蔵されたスマホもありますが、やはり写真を撮るために作られたカメラの吐き出す画像にはもう一歩かなわない印象です。 スマホのカメラと一眼カメラの性能の差は毎年少しずつ小さくなりつつあるのは間違いないとは思います。


 この、「写真を撮る」という行為はなかなか面白く、パイロットの道にも共通するものが多いなぁと感じています。 カメラは誰でも始められるし、持っている機材によってはプロの写真のような解像度の画を作ることがいとも簡単にできてしまいます。 でも、それをプロの域に昇華させるのは非常に難しい世界のようです。 そもそもアートというのは人には理解されるのに時間がかかったり、最悪の場合には理解させされない可能性すらある分野です。 これは北米でのパイロット訓練に似ているところがあります。 お金さえあれば誰でも飛行訓練を始められる。 でも、それを生業にするのは非常に難しいのです。 運や能力も必要ですし、タイミングも大事でしょう。 写真というのは最近ではYoutubeなどの動画に押され気味のメディアですので、カメラマンや写真家、フォトグラファーといった職業はこれから需要が減っていくであろう職種です。 パイロットも同様に今後は自動操縦やAIなどがパイロットのポジションに取って代わることも十分考えられます。 こういう分野で活躍しようと思うものはある程度覚悟を持って進んでいく必要がありますね。


 お金儲けをしようと思えばパイロットもカメラマンも大変な分野かもしれませんが、あくまでも趣味で楽しむ分にはとても奥の深い趣味になり得ます。 趣味で写真撮影をしても良いし、趣味で飛行機の操縦をしてもよい。 どちらも人生を豊かにしてくれるのは間違いないと思います。 ただし、どちらも気をつけなければいけないのはとてもお金のかかる趣味であることでしょうか(笑)。 でも、趣味はそもそもお金をかけるためのものですよね。  今回のコロナの影響でパイロットの道を諦めざるを得ない人々も少なからずいるはずです。 そんな人でも一度でもパイロットになることを夢見たのであれば、どういう形であってもよいのでいつかは空を飛んでもらいたいと思います。 趣味だっていいじゃないですか。 エアラインパイロットだけがパイロットではありません。 僕がプロじゃなかったら、グライダーとかでのんびりと静かなフライトを楽しみたいかなと思います。 グライダーであれば比較的安価に日本国内でも楽しめるようですし。 どうしてもこうでなければならないという凝り固まった考え方よりも、柔軟に考えて人生を有意義にしたほうがいいですよね。 


 え〜っと、なんでカメラの話からこんな話になったんでしょう?(笑)




(つづく)

 

2020-07-01

金で動く社会。

 ヨーロッパでは国境封鎖解除の動きが見えてきました。 EUは日本やカナダを含めた12カ国からの入国を許可することになりました。 残念ながら日本と同様カナダは今日現在(6月30日)海外に出ることは可能であっても、カナダに戻ってくると14日間の自宅待機が求められる状況に変わりはありません。 自宅待機をちゃんとやっているかを調べるために警察や保健所の担当官が実際に自宅などの待機場所まで赴いて確認しているそうです。 ルールを破って外出していることがわかると最高で750,000ドル(日本円で6000万円弱)の罰金というから恐ろしいです。 

 僕のトレーニングの日程がなんとなくわかってきました。 トレーニングコーディネーターによればおそらく9月中旬頃になるだろうとのこと。 現在でも訓練は行われていますが、そもそもパイロットが多く必要ない訳で、今訓練をしているのは最低限必要な人数を揃えるのが目的とのことで、ゼロから機種変更訓練が必要な僕の訓練の優先順位はかなり低いようです(汗)。 ということは9月中旬まではなにも予定がないということ。 それでもお給料が出るのはありがたいことですが、精神衛生上あまりよろしくありません。 なにもしていないことを純粋に楽しめるような性格ではないのが自分だということがよくわかってきました。 自分が悪い訳ではないのに感じる罪悪感。 嫌な感じです。 でも、レイオフされてもっと辛い人も多くいる訳で、僕なんかはラッキーな方です。 それはよくわかっているんですが、それでも、ねぇ。

 せっかく時間ができたので、ケベック州で無料で受けれるフランス語講座に登録しようとしましたが、夏季講習は全て受付が終わっている様子。 ここケベック州はフランス語が第一言語なため、外国からの移民には積極的にフランス語の勉強を推奨しています。 授業はフルタイムとパートタイムがあり、僕はパートタイムを受講したかったのですが。 授業料が無料なだけではなく、なんと1日15ドルのお手当が支給されるそうです(驚)。 さらにさらに、子供がいたりして託児所などに預けなければならない場合の手当てもあるよう。 そこまでしてフランス語を学ばせたいんでしょうね、ケベック政府は。 言語は文化の基本です。 なかなか面白い政策のように思います。

 話は戻り、今後の予定はというと、カナダ帰国後の14日間の自宅待機が不要になったらカナダを出ようかと模索中です。 9月中旬まで戻って来なくて良いので、会社支給のiPadさえ持っていれば訓練の勉強もできますし、会社との連絡も取れます。 日本に戻るとPCR検査を受けないといけないんですよね。 あれはできればやりたくないなぁ(笑)。

 明日7月1日はカナダデーです。 ところがここケベックでは建国記念日は一週間前でした。 ケベックでは独自の建国記念日を祝うのです。 そして、7月1日は「引っ越しデー」。 引越しをする多くの人は7月1日に大移動するのがここモントリオールの風物詩となっています。 そして、引越しの際にいろんなものを歩道に置きっぱなしにして行く人が多くいるので、明日は街中を歩くと粗大ゴミがあちらこちらに落ちているはず…。 楽しみなような、嫌なような(笑)。

 航空業会では、ボーイングが737Maxのテスト飛行を再開したとのこと。 良いニュースと喜んで良いのか複雑な気持ちです。 これに乗じてボーイングの株価やアメリカ市場全体が大反発だったそうです。 ゲンキンなものですね。 今回のコロナ禍でこの世がいかにお金で回らされているのかが浮き彫りになったように感じていて、あまり気持ちが良くありません。 自宅待機させたいけど保証はせず、経済を回さないといけないからロックダウンをやめる。 WHOは中国マネーの影響を多く受けているようですし、アメリカのパッパラパ〜大統領も目先の経済や金融市場のことばかり考えて軽率な決断ばかりしたおかげで今ではアメリカが世界で最も深刻な状況担っている。 お金がないと困るのは誰でもわかることだけど、もっと上手くやる方法もあったんじゃないの?と思わざるを得ません。 これ以上書くと愚痴が続くのでこの辺でやめておきます。

 カナダでは明日から飛行機の真ん中の座席を売り出すそうです。 今日まではソーシャルディスタンスを確保する観点からからミドルシートはブロックしていたのですが、明日からは隣に人がいるかもしれない状態での飛行機移動となるようです。 SNSでは多くの不満が出ているようですし、これが今後の第二波にどのような影響を及ぼすのか注視していく必要がありますね。

モンロワイヤル山にある十字架を早朝に撮影しました。

朝5時過ぎというのにそこそこの数の人が展望台に来ていました。 この日はやや靄っぽかったです。



(続く)

2020-06-21

トレーニングはまだ未定。

 先日、日本人パイロットのみなさんとのビデオチャットで教えてもらったのですが、うちの会社は毎週金曜日の夕方に「トレーニングレポート」という書類が社員向けウェブサイト内で公開されます。 これに、機種ごとのトレーニングプランが書かれていて、これを見れば自分の訓練がいつからいつまでなのか、どこで訓練をするのか、トレーニングパートナーは誰なのか、などなどの情報を入手できるものです。 そう言われて見れば僕もうちの会社に入社した直後は自分の訓練日程を見るためにこの書類に頻繁に目を通したことがあったのですが、なにせ3年間は機種変更がなかったため、トレーニングレポートを見ることがそもそもなく、そのためこの書類の存在をすっかり忘れていました。 

 昨日の金曜日にまた新たなトレーニングレポートが発行されていましたが、それには僕の名前はないわけで・・・。 ということで、未だに訓練日程は未定です。 この業界らしいといえばらしいです(苦笑)。 このままいくと、8月にはまたequipment bidがあるため、もしかしたらまたそのビッドで書類上の機種変更(実際には訓練が始まる前に機種が変更になること)になる可能性もありますし、もしくはレイオフの可能性も捨て切れません。 困ったものです。 せっかくこれまで楽しくエアバスの操縦手順などの勉強をしてきましたが、正直言ってモチベーションはだだ下がりです(笑)。 いざ訓練日程がわかればそこからフルスピードで勉強し直すようなことは過去にもあったのでなんとかなるとはわかっていますが、モチベーションが下がると罪悪感を感じざるを得ません。

 今回のコロナ禍で仕事を失った方や、目標が失われた方は多くいると思います。 僕もその一歩手前であることは間違いありません。 これからどちらに転ぶかは今後の国境封鎖解除、旅客数の回復などにかかっています。 第二波、第三波がやってきて、ワクチンの開発に遅れが出て来ると厳しいことになるでしょう。 そういう時のことも考えて、パイロット以外になにができるかをいろいろ考えてきました。 自分探しの旅(あくまで頭の中だけで)をしている感じです。 YouTuberデビューするか?なんていうのは冗談ですが、世の中のプロ・元プロがYouTubeデビューしているところを見ると、みなさん必死ですよね。 僕も、もしレイオフされればいずれは必死にならざるを得ないわけで、人ごとではないなと思いながら状況を見つめています。 ポジティブに考えれば、今まで自分のことを客観的に分析することはあまりしてこなかったため、良い機会ではあるかなと思います。

 それにしても、日本では自粛緩和が進んで多くのショッピング施設やレストランなどが再開されているそうです。 個人的には良い動きだと思っています。 日本はどこかの政治家が言っていたように「民度が高い」ので、ほとんどの方がマスク着用やソーシャルディスタンスなどをしっかり守りますね。 逆に守らないと周りから袋叩きにあう恐怖心があるでしょうから、ある程度第二波を抑えて営業再開できるのではないかと思っています。 一方、こちらカナダ。 日本の基準から見ると誤解を恐れずに言えば民度は日本ほど高くありません。 マスクはしない、距離も保たない。 なのに集まって騒ぐ。 それでも政府は経済を回していかないといけないから営業再開を許可し始めています。 やや怖いですが、こちらはこういう方針ですから、そこに外国人である僕がとやかく言ってもしかたないと思います。 自衛の精神でやっていくしかありません。

 そんな状況にあっても、モントリオールは夏が本格化してきてとても綺麗です(笑)。 写真をどうぞ。

 
前回の投稿に書いたF1サーキット。 このカーブを歴代有名ドライバーが通過したと思うとちょっと感動します。

平日は流石にサイクリストの数は多くないですが、週末などはめちゃくちゃ人が多いです。 しかも結構マジなサイクリストが多いです。

ダウンタウンの観光名所であるVieux Port (オールドポート)。 ここの観覧車の周りには池があり、これからの季節は足こぎボートのレンタルができるようです。 ちなみに、冬季は観覧車の後ろの池がアイスリンクになり、スケートができます。

観覧車がある小島では日光浴を楽しむ人々や家族連れが多く集まります。 とりあえずは三密は避けられている模様(笑)。

F1サーキットがあるジョン・ドラポー公園に行くにはジャック・カルティエ橋を渡ります。この橋は側道があり、徒歩・自転車でも渡れます。 

橋からの眺めはとてもよく、僕が好きなスポットの一つです。 橋からダウンタウン方面を眺めると近代的なビル群、古い協会、多くの緑など、いろいろなものが混在しているのがわかります。

ダウンタウンから少し北に行くとモン・ロワイヤルという小高い丘があります。 この丘があるおかげで特有の風景になるように思います。 ケベック州はブリティッシュコロンビア州やアルバータ州西部と比べると圧倒的に平らな土地ですが、モントリオール市内には少しだけこういった起伏がある場所もあって目に優しい風景になっています。

ジャック・カルティエ橋をさらに進むとセントローレンス川を渡ります。 ここからの眺めも素敵です。 時計塔がある港部分はガイドブックにもよく出て来るエリアです。 水の色と時計塔の白が良いコントラストになっています。 ここには先日初めてクジラが出現しました。 あいにくそのクジラは1週間後には死んでしまったようです。


モントリオールの朝焼けは美しいので、早起きをして写真を撮りたくなります。 遠くにはアメリカのバーモント州などにある山々がうっすら見えます。 日本の都市とは違い、比較的規模の大きい都市であっても緑や川がすぐ側にあります。 そういうところが住みやすさに繋がっているように思います。 日本でも郊外に出ればこういうところはありますよね。 なのに仕事や勉強のために東京や大阪の都心に住まざるを得ない方々が多いのではないでしょうか。 当然川や緑はあっても、人工的なものか、またはほんのちょっとだけという場合も多いのでは? 今、もし自分が日本で生活することになったら、都心にアクセスの良い郊外か田舎のほうを選ぶと思います。 昔はそんなことは考えもしませんでした。 大人になったんでしょうね(笑)。



(つづく)

2020-06-13

エアバスとボーイングとマーモット。

 ここ最近はほぼ毎日、同じようなスケジュールで生活しています。 朝起きて朝ごはん。 その後、エアバス320の運航手順の勉強。 お昼ご飯を食べてドラマや映画を観る。 その後散歩に出て写真を撮るか、サイクリングかジョギングに出かける。 夕ご飯のあとは適当にだらだら。 こんなに同じ生活パターンを繰り返すのは日本に住んでいた頃ぶりです。 これはこれで悪くないですね〜(笑)。 また早く飛びたい!と思う気持ちももちろんありますが、のんびりと規則正しい生活をするのも悪くはありません。 そのちょうど真ん中くらいの生活が理想的です。

 今後乗務する予定のエアバス320型機。 なかなか面白い飛行機です。 まだ操縦したことはありませんので実際の操縦感覚はどうなのかは一切わかりませんが、AOM(Aircraft Operating Manual)を読んでいるとなかなか興味深いことが多くあり、なかなか飽きません。

 エアバスはボーイングに比べるとオートメーション(自動化)がかなり多用されています。 ボーイング767では手動で操作していたことの多くがエアバスではオートで行われますので、AOMにも「◯◯◯◯ changes to △△△△ automatically」というような表現がよく出てきます。 一方、自動化が進んでいるせいで、システムの中には多くのコンピュータ装置が使われているようです。 それぞれに名前がつけられていて、当然のように略名で呼ばれます。 そのため、聞いたことがない言葉がいっぱい出てきて、その度に略語一覧を参照します。 わかりやすいものは簡単に暗記できますが、今まで見たことのないものや、エアバス独特の呼称などはなかなか頭に残りません。 略語リストには800近くあるようです(すでに知っているものや、一般的なものも含んでの数)。 

 ご存知の方も多いかもしれませんが、エアバスとボーイングは2大航空機製造メーカーで、競合相手です。 そのせいもあってか、エアバスとボーイングでは同じシステムであっても呼び方が違う場合が多々あります。 例えば、油圧系統システムをボーイングの場合はLeft, Center, Rightと呼びますが、エアバスの場合は色でGreen, Yellow, Blueと分けています。 航行などを司るコンピュータもボーイングではFMC(Flight Management Computer)と呼びますが、エアバスではFMGC(Flight Management and Guidance Computer)と呼び、ほんのちょっと違います。 スイッチ類もボーイングでは前(進行方向)に押し込むとONなのが、エアバスではこの動作ではOFFになります。 ボーイングが数字で1と呼ぶものはエアバスの場合はローマ字でAだったり、ほんとなにからなにまでちょっと違う(笑)。 なかなか面白いですね。

 訓練日程がまだ出ていないのでなかなかやる気が続きませんが、訓練が始まる前に勉強できることはなるべくやっておくつもりです。

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 僕の住んでいるエリアから橋を渡ってすぐにあるジョン・ドラポー公園。 モントリオールF1グランプリで使われるジル・ヴィルヌーヴサーキットがあるところです。 そこをサイクリングしていると、よく茶色の物体がごそごそ動くのを目にします。 ビーバーかな?と思っていたのですが、先日写真を撮ってネットで調べて見たらマーモットであることが判明しました。 なかなか可愛いやつらです。 ビーバーも見たことがあるのですが、今回は目撃しませんでした。 カナダは都市部であっても野生動物がすぐそこに共存しているのが面白いです。 僕のマンションのバルコニーから今までにリス、たぬき、フクロウ、鷹、などを見たことがあります。 





 
(つづく)

2020-06-07

進路を悩む若者への新たなアドバイス。

  モントリオールを流れるセントローレンス川。 大西洋からは何百キロも離れたここまでクジラが上って来て話題になっています。


 以前からクジラがセントローレンス川を遡上することは知られていましたが、多くの場合はケベックシティー(モントリオールよりも200kmほど下流)のあたりで目撃されることがほとんどなんだそう。 ザトウクジラらしいのですが、クジラがモントリオールで見られたのは歴史上初めてのことだそうです。 インスタグラムなどで検索しても多くの写真やビデオが出て来ます。 上の写真は僕が撮ったものですが、このようにときおり水面近くでジャンプする姿も観れました。 よく考えれば僕自身もクジラをこんなに近くで観たのは初めてです。 ここまで上がって来た理由ははっきりとはしていませんが、研究者たちは「コロナ禍で船の往来が減ったため」だったり、「海洋環境が変化して餌や住みやすい場所を求めて移動してきた」などと推測しているようです。 ここまで上がってくると海水ではなく淡水なのですが、クジラは淡水でもしばらくの間は問題なく生活できるそうです。 

 コロナの影響は相変わらずで、モントリオールでは商店などは再開しはじめましたが、特に僕の仕事に影響を与えるような大きな動きはまだ出て来ていません。 アメリカ・カナダの国境封鎖は今月中旬まで延長されましたので、これがどうなるかがこれからの動きに大きな影響を与えると思いますので注視する必要があります。 黒人差別に対するデモや暴動で揺れるアメリカですし、カナダでも都市によっては緊急事態宣言がまだ解除されていないところもあるため、先行きは不透明です。

 ここ最近、コロナの影響が将来に与える影響を危惧する若者が増えて来たのが顕著に観て取れます。 仕事がないのにパイロットを目指す意味はあるのか。 なかなか難しい決断だと思います。 この質問には正解がありません。 目指したければ目指せばよいし、いやならやめておけば良い。 こういうと簡単ですが、これではアドバイスにはなりませんね。 FBグループメンバーのお一人がかかれていた返答が印象的だったのでシェアさせてもらいます。

 内容はだいたいこんな感じ↓↓

 とりあえず自費訓練の道ではなく、自社養成や自衛隊など、訓練を受けさせてくれるところすべてにトライする。 それがダメだったらパイロットの道は諦める。 または、それでも飛びたいというなら自費で。

 僕はそもそも海外で自費訓練を受けてパイロットになった人間なので、「だめだったら諦めれば?」と言うことにはやや抵抗があります。 そこには、「やればできる」という精神論があるからだと思います。 でも、それは今の若者世代には押し付けることができませんし、理解もしてもらえないかもしれません。 

 まだ大学生くらいの方でしたら、とりあえずこの方法でも良いと思います。 お金を払って海外に出て、それで仕事の保証がないって、かなりMな方か、超楽観主義の方でないと楽しめないかもしれませんね(笑)。 運良く自社養成や自衛隊に合格したら一生懸命やってパイロットになれば良いでしょう。 あいにく不合格になった場合には他の職種に進んで他の目標を作るのもまた人生です。 それも悪くはありません、きっと。 どうしても空を飛びたかったらそれこそ海外で自家用操縦士資格を取り、日本のそれに書き換えをし、国内で月一ででも飛べればいいのではないでしょうか。 

 僕の場合は「パイロットになる」のが夢だったので、もしカナダに来てエアラインパイロットになれていなかったとしても、ライセンスが取れたということでそれはそれである程度満足して日本に帰国して次の人生を歩んでいたのではないかと思います。 日本でグライダーを飛ばすなり、セスナを飛ばすなりしても、それはそれで十分楽しそうです。 実際、カナダで訓練をされたあと、日本に帰国して飛んでいる方も知っています。 FBやブログで飛んでいる景色などを拝見すると、そういうスタイルも素敵だと思います。

 逆に、プロになれなければ意味がないという人もなかにはいます。 そういう方で、パイロットになれる保証がない、昨今の情勢がパイロット採用に与える影響に不安を感じる、という方々は、やはり僕には言いにくいのですが、やめておいたほうが良いかもしれません。 国内・海外を問わず自費訓練をすることはそもそも仕事の保証などどこにもない難しい道なのですから。 


(つづく)



2020-05-30

税金の無駄遣い?

 東京上空をブルーインパルスが飛行したそうですね。 医療従事者への感謝を表すためのフライトということで、東京上空を3周くらいしたんだとか。 いいですね〜。 

 こちらカナダでも、カナダ軍のアクロバットチーム・スノーバーズがカナダ主要都市上空を飛行するツアーをちょっと前に行いました。 作戦名は「Operation Inspiration」というもので、カナダ東部から始まって西海岸まで飛んでいくというものでした。 モントリオール上空にもくるという情報をSNSでキャッチしたので、当日は自宅マンションの屋上でスタンバイしていました。 

 予定ではモントリオール対岸の南東部からジャックカルティエ橋付近を飛行してモントリオール島に入るということでしたが、当日はあいにく北西から比較的低い雲が流れ込んで来ていたため、どうやら当日に飛行ルートを少し変更したようでした。 それでも屋上から少しだけスノーバーズの姿を見ることができました。





 日本のニュースでも今回のデモンストレーション飛行は人々に感動を与えたと報道されていますね。 僕自身はもともと飛行機好きなのでこういうのは好きなのは当たり前かもしれませんが、飛行機に興味がない人でもアクロバット編隊が青空に白い線を描いて飛ぶ姿を見るとなぜか感動するようです。 特に今のような、あまり良いニュースがほとんどない毎日の中で見る白いスモークは心を打つものがあるのかもしれません。 医療従事者への感謝を表すという目的がこのフライトに盛り込まれていると知るとなおさらだと思います。 飛行機で人々に感動を与えられるのは素晴らしい。 飛行機にはそういう不思議な力があるように思います。 こういう状況だとこのことを再確認させられます。

 ところが、こういうことをすると必ず「税金の無駄遣い」という人が出て来ます。 そんなお金があるなら保証に回せ、という気持ちもわからなくもありません。 でも、SNSを見ていても人々に感動を与えたことは間違いがなく、そういうことに使うお金なら悪くないと思います。 外出自粛で家に篭ってみなさんはなにをしていますか? Netflix, Youtube, 漫画にアニメ、その他諸々のいわゆる「芸術・アート」にかなり助けられているはずです。 そういう分野の発展に使われる税金などにもケチをつける人がいますが、そういう人も実は芸術・アートのお世話に多大になっているわけですから、なんでも「無駄遣い」でくくるのは間違っているようにも思います。 

 今回のブルーインパルスのフライトを見た医療従事者の方々が全国民からの感謝の気持ちを受け止め、少しでも心が安らいだことで今後もコロナとの戦いに尽力していただけるのであれば、今回の税金の使い方は正しかったと言えると思います。



(つづく)




2020-05-27

新機種発表。

 先日機材ビッドの結果が発表になりました。 結果は・・・。


























 エアバスA320!

(写真:ブリタニカ百科事典オンラインより)

 ということで、ベースは変わらずモントリオールで、乗務するのはエアバス・A320/A321という結果が出ました。 

 今回のビッドはいろいろ考えるところがあったのですが、結局は想像していたよりもセニオリティ的に良い位置につけることができたので比較的満足しています。 

 ビッド期間の最初のころは最新機種であるエアバスA220(旧ボンバルディアCS100/300シリーズ)に移行しようと考えていました。 最新機種だし、もっともセニオリティ的に低い機種だったのでシニアになるのには一番近道であるとも考えました。 であれば機長昇格にも近くし、そもそも最新機種だからしばらくは我が社もこの機種を手放すことはなかろうと考え、長いキャリアプランで考えた時にはこのA220がもっとも良いと考えたのです。 

 しかし、いろいろなシナリオを考え始めると、A220よりもA320のほうが良いのでは、と考えるようになりました。 そもそもA220はボンバルディア製であることを考えれば僕は既にボンバルディアの飛行機の操縦経験があります(Dash-8, CRJ200/900)。 A220もきっとデザインフィロソフィーは似ているはずであることから、キャリア育成の観点からはメリットが少ない。 一方のエアバスは今まで操縦したことがありませんのでこちらのほうが魅力的です。 また、エアバスA320型機は世界中で運航されている超ベストセラーのナローボディ機です。 ボーイング737と肩を並べて人気な機種ですが、ヨーロッパやアジアを見る限りではエアバス > ボーイングという構図のような気がします。 また、エアバスの良いところは、320が操縦できれば330, 340(もうほとんど存在しませんが)、350、380と、ほとんどの機種の操縦方法やデザインフィロソフィーなどはとても似ているという点です。 我が社でも319/320/321以外にワイドボディ機の330を、以前は340も運航していました。 将来的にまたワイドボディで海外フライトをしたくなった場合には330があるし、その移行はスムーズに進むはず。 エアバスは320や330に最新のエンジンを載せたneo(new engine option)シリーズ機でも勢いを増していますし、737Maxの件でダメージを受けているボーイングよりも好調な印象を受けます。 さらに320でしばらく乗務したあとは機長昇格へのチャレンジも同じ機種でできる。 そう考えるとA220よりもA320のほうがメリットが多いと判断しました。

 A320は今まで飛ばして来たボーイング767よりも小さく、巡航速度も遅いです。 乗客数も半数近く。 飛ぶルートも国内、北米、カリブ海あたりが主かと思われます。 もうヨーロッパや南米にはいけませんが、その分時差ボケに悩まされることも少なくなるでしょうし、どちらかと言えば以前リージョナルで飛んでいた感じのスケジュールに戻るのではないかと思っています。 それは楽しみ。 セニオリティ的にもFOリストの中でちょうど真ん中(50%)なので、僕よりも下に20名近いパイロットがいるため、おそらくリザーブにはならないのではないかと思いますが、昨今の情勢に影響を多大に受けるので、実際にどうなるかはわかりません。

 早速A320のオペレーションマニュアルを読み始めましたが、なかなか面白い飛行機です。 767とはそもそもデザインの構想がまったく違うようなのでとても新鮮です。


(つづく)