2010-02-28

CPLグランドスクール。



 今日は事業用パイロットライセンス取得に向けて勉強する生徒対象のグランドスクールで航空法を教えました。 いつもは4時間だけあてがわれているんですが、今回は朝8時半から夕方5時までと、十分すぎるくらい時間をもらいました。 生徒は7人。 夏などに比べると断然少ないですが、小さいクラスのほうが教えやすいです。 年齢層も様々で、若い20歳前後の生徒がいると思いきや、髪も薄くなってきている男性がいたりもします。 バラエティに富んでいてなかなか楽しいです。

 今日はグランドスクールの後で1本だけフライトにでかけました。 ビクトリアの上空をナビゲーション装置を使ってフライトする練習をしました。 GPSも使うのですが、GPSを使うと楽しすぎてつい外を見るのを忘れそうになります。 VFR(有視界飛行)で飛んでいる限りは「see and be seen」の原則で飛んでいるので、同じエリアを飛んでいるかもしれない他の飛行機を見つけるのは我々の責任です。 広い空ですが、毎年カナダのどこかで空中衝突が起きているそうなので、こちらも気をつけなければなりません。

 明日もグランドスクールです。 明日はオリンピックのアイスホッケーの決勝戦(?)があるらしく、クラブではお昼から応援・観戦会が開かれます。 バーベキューとビールが用意されているようです。 果たして生徒さんはちゃんと授業に来るのか・・・ 来なくても驚きません。 カナダ人のアイスホッケーにかける情熱は我々日本人には理解できませんから・・・(笑)。

 今日の写真は前にも登場したかもしれませんが、僕が好きなターボプロップ機の一つ、メトロライナーです。 ビクトリアに届くDHLやUPSの荷物はこの飛行機でバンクーバーから届けられているようです。



(つづく)

2010-02-26

炊飯器。

 

 今日は1本だけフライトしました。 訓練空域はあいにくの天気で、雲が散在しているような状況でしたが、気流は穏やかでフライトには問題ありませんでした。

 今日のフライトは自家用機を所有する生徒さんとのフライトでした。 自家用機というのはピンきりで、良い機体はものすごく良いんですが、悪い機体はとことん悪いです。 今日の生徒さんの飛行機は残念ながら後者のほう。 今までにもいろんなトラブルがありました。 計器が機能しなかったり、エンジンが冷たいとアイドルでエンストしたり、フラップが上がらなくなったり。 特に問題なのはエビオニクス(avionics)系が弱いこと。 Avionicsというのは無線機類の総称です。 無線を発信するとものすごく酷いノイズが発生したり、時には無線が聞き取れなかったり、または聞きとってもらえなかったり。 彼にとって今回の機体は初めての機体だったので、どういう機体を選べば良いかを知らずに購入したんだと思います。 なんでもそうですが、初めてのときにはエキスパートの意見を聞くのは重要だと思います。 車にしてもバイクにしても、知っている人に話しを聞いてから購入を決断するのが賢明です。 

 カナダに来てからずっと日本の炊飯器を使っていたんですが、ここ最近ちゃんと動かなくなりました。 炊飯ボタンを押しても、出来上がりはまだちゃんと炊きあがっていなかったりということが多く起きるようになりました。 幸い、僕のブログを読んでくださっている方から日本製の炊飯器を譲ってもらえました! これでまた安定した炊飯生活が戻ってくると思うとうれしいです(笑)。 

 今日の写真はイタリアの航空機メーカー、Piaggioが作っているAvantiという機体です。 プロペラが後ろについているタービンエンジンを搭載しているのが特徴です。 主翼が後ろで尾翼が前についている「Canard(カナード)」と呼ばれるデザインです。 エンジンが後ろについていることでエンジンノイズがキャビン内に入ってきずらいらしく、キャビン内の脆弱性に役立っているそうです。 

 明日はフライトが4本と忙しくなりそうです。


(つづく)

2010-02-25

カナダグース飛行隊。



 空港という場所は都市部から離れていて、なんだか辺鄙な場所にあることが多いです。 「〇〇空港」という名前がついていても、実際に「〇〇」という都市に空港があるということはまずありません。 大阪空港(伊丹空港)なんかがいい例でしょう。 

 空港は都市部には作れないので、都市から少し外れたところで土地が確保できて、風などのコンディションが揃ったところに建設されます。 恐らく灌漑的な理由があるからだと思いますが、空港には滑走路の脇や誘導路と滑走路の間などに大きな原っぱがあることが多々あります。 そしてそこには多くの生命が暮らしています。 昆虫やミミズ、そしてそれを餌にするねずみなどの小動物が住んでいます。 そしてそれらを餌にする鷹や、海の側の場合にはカモメなどが飛んできます。 こう考えると、ちゃんと食物連鎖が形成されているんですね。 唯一違う点といえば、人間はそれらの動物を食べようとはしないということでしょうか(笑)。

 ここ最近、カナダグース(雁)がよく飛んでいます。 綺麗なVの字の編隊を組んで飛んでいます。 あれは風の抵抗を減らすためなんじゃないかと思います。 自転車のレースでも同じようにグループを形成して、風の抵抗を減らすためにお互いの後ろに隠れながら走ります。 雁は結構なサイズに成長する鳥なので、これが飛行機に当たるとエライことになります。 事実、僕の生徒さんが昨年の夜、雁と思われる鳥と衝突し、緊急着陸したことがあります。 カナダグースはいろんな高度を飛びますので、我々が普段飛んでいる訓練の高度(地上から750メートル以下)を飛んでいるのをときどき見かけます。 あと、夜でも彼らはナビゲートできるそうで、夜の間に飛行することもあるそうです。 こちらも気をつけて飛ばないといけません。

 なんて、こんなことを、先日散歩に行ったビーコンヒルパークで見かけたカナダグースを見ながら思いました。 次の目的地までの旅の途中の一休みだったようです。 GPSもないのに、どうやって目的地までたどり着けるんでしょう・・・・。 本当に不思議でなりません。

 今日はフライトが1本だけありました。 横風が強いコンディションだったので、生徒さんはなかなか苦労されていました。 横風が強いと離着陸(特に着陸)が難しくなります。 理屈は結構簡単なんですが、それを3次元で実行するとなると、慣れるのに個人差があります。 かくいう僕も昔はすごく苦手でした。 イメトレを繰り返すことで本番でもうまくできるようになりました。 なんでもそうですが、イメトレ(visualization)はとても大事ですね。

 明日もフライト1本だけです。 午後からは今週末の事業用操縦士向けのグランドスクールの用意をしようかと思います。


(つづく)

2010-02-22

シアトル その2。



 昨日に引き続きシアトルについてです。

 偏見だとは思いますが、夜のアメリカの都市部はちょっと怖いです。 特に銃社会というのを知っているからだとは思いますが、人気のないところを歩くのは少し勇気がいります。 一方、バンクーバーでもビクトリアでもそんなに夜は怖くありません。 カナダのほうがなんとなく安心します(半分は慣れだと思います)。

 シアトルについてちょっと驚いたのは警官の多さでした。 Barns&Noblesというアメリカでは有名な本屋に立ち寄りましたが、本屋に警官が常駐しているようです。 腰には手錠。 しかも一つではなく二つも! 街中にも自転車に乗った警官がうろちょろ。 パトカーも頻繁に行き来しています。 ダウンタウンのど真ん中で黒人の少年が逮捕されてました。 カナダに慣れてしまった僕にとって、アメリカは遠い存在になってしまいました。 学生時代に1年間ほど住んでいましたが、そのときはこんなこと感じなかったです。 歳を取りましたね(笑)。

 Pike Street Marketというところはかなり有名のようですが、あまり感動はなかったです(苦笑)。 スタバの第一号店があるところとして有名ですが、スタバは前を通っただけで中には入らず終わりましたし、マーケットの中には魚屋が数件あって面白いショーみたいなことをやってくれる以外は地元のアーティストが露天をやっていたり、ヒッピー系の人たちが手作りアクセサリーを売っていたりと、どこでもやっている「野外マーケット」の巨大なものという印象をうけました。 でも、雰囲気はどこかハッピーな感じで、いるだけで笑顔になるような感じの場所でした。

 シアトルで一番よかったのはレストランの豊富さです。 中でも一番よかったのがフランス料理店のLe Pichet。 ステーキハウスのステーキはあまり美味しいとは思いませんが、なぜかフランス料理店・ビストロで食べるステーキは抜群においしいです。 他には朝ごはんを食べにいったカフェで食べたクロワッサンとラテもよかったし、昼ごはんにクラムチャウダーを食べたレストランもよかったです。 アメリカらしい食べ物というとどうしてもカナダ的な食べ物に近くなってしまうので、そういうのは避けて、あえていろんな国の料理を楽しむのがシアトルでは良いように思います。 もっとたくさんよさげなカフェやレストランがあったので、次回はもっと食べあるきをしたいななんて思いました。

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 今日も引き続き良いお天気でした。 フライトが4本あり、充実した一日でした。 

 ビクトリア空港の管制室には10名弱ほどの管制官の方々が交代で勤務しているようです。 管制官のほとんどは男性ですが、ここ最近女性の声を聞きます。 なかなかかわいい声の女性です(笑)。 歳の頃、30前というところでしょうか?(笑) 会話の感じから察すると、恐らく実地訓練をしている新しい管制官の方のように思います。 フライト中に航空無線をモニターしていると、難しい指示を出さなければいけないときには後ろにいる(と思われる)先輩管制官がすかさず的確に指示をだしています。 以前に日本のテレビで成田空港の管制官の方のドキュメントを観たことがありますが、その中でも新米管制官とベテラン管制官がペアになって任務をこなすという光景が写っていました。 恐らくそういうことがビクトリアの管制室でも行われているんだと思います。 去年も女性の管制官がいたと思いましたが、知らない間にいなくなってしまいました。 転勤が多い仕事みたいですね。 どうもご苦労様です。

 明日から二日、休みです。

 今日の写真はシアトルで泊まったホテルの真正面に建っていた図書館です。 近代的な建築デザインで、観光名所にもなっているそうです。 


(つづく)


2010-02-21

シアトルに行って来ました。



 どうもご無沙汰しました。 昨日までアメリカ・ワシントン州のシアトルに行っていました。 本当はこの時期に日本に一時帰国をとも考えていたのですが、いろいろな理由でとりあえず帰国はしばらくお預けにしました。 その代わり、小旅行ということでシアトルにいきました。

 シアトルまではビクトリアから飛行機、船、車、など、いろんな方法でいくことができます。 今回は一番経済的であろう、「Victoria Clipper」という船で行って来ました。 今日の写真がその船です。 300人ほどが乗れる中型の高速船です(とはいっても、巡航速度は30ノットだそうですが)。 1時間で軽油を1000リッターも消費するそうです! ビクトリアのダウンタウンからこの船で2時間45分でシアトルのダウンタウンすぐ側の桟橋に到着します。 夕方の5時にビクトリアを出て、午後8時前にシアトルに定刻通り到着(時差は当然ありません)。 そして、2泊して3日目の朝8時にシアトルを出発という行程でした。 もうちょっと時間があったらよかったんですが、贅沢は言えません。 ダウンタウンのホテル2泊と船のお金、さらにはシアトルでのショッピングに使えるクーポンやシアトルの地図など、もろもろ込で二人で300ドルだから、船会社はどうやって採算がとれるんだろう?と思ってしまいます。

 それはさておき、シアトルでは、有名なPike Street Marketや、NordstromeやPacific Place等のショッピング街にいきました。 いや〜、アメリカはモノが安い! カナダドルとアメリカドルはほとんど同じ価値(US$1.oo=CA$1.04くらいでした)なので、すべてのものが安く感じます。 というのも、だいたいはカナダドルで買い物をするほうが高いんです。 例えば、アメリカで14ドルの本が、カナダでは19ドルになったりします。 ということは、今の為替レートでいくと米ドルで買い物をしたほうが圧倒的に有利。 ということでアメリカに買い物にいくカナダ人はカナダドルが強くなると多くなります(当たり前ですが)。 以前は国境を超えるのはカナダ人にとってはとても簡単だったので、国境近くに住む人はガソリンや牛乳を買うためだけにアメリカに行っていたんだとか。 スケールが大きいですよね。 島国育ちの僕にとっては夢のようなお話です。 そもそも車や船で違う国にいけちゃうなんて。 贅沢です。 

 シアトルのダウンタウンは比較的小さく、端から端まで歩いてもだいたい20〜30分くらいの規模です。 レストランの数もかなり多く、道を歩いていたら多くのおしゃれなカフェやレストランを目にしました。 コーヒーで有名なシアトルだけあって、すべての角にカフェがあるといっても冗談じゃないくらい、多くのカフェがあって面白かったです。 スタバの数が圧倒的に多かったですが、あえてシアトルズベストコーヒーに行きました。 でも、シアトルズベストコーヒーは2004年にスタバに買収されたらしいですね・・・(苦笑)。

 以前にもアメリカには比較的数多く訪れたことがありますが、今回はカナダに3年ちょっと住んでからの渡米だったので、「アメリカ」を今までとは少し違うように感じました。 シアトルもビクトリアも同じ西海岸ですが、まずは人種の構成が全く違うと感じました。 カナダといえば白人とアジア人(主に中国人)。 一方、シアトルは白人と黒人の社会。 シアトルではアジア人をあまり見かけなかったように思います。 逆に、ビクトリアではほとんど黒人は見かけませんね。 不思議です。 

 シアトルではネクタイをした男性を多く見ましたが、ビクトリアでは滅多に見ません。 銀行員とか、ビジネスマンくらいしかネクタイはしませんね。 僕は仕事でネクタイをしますが、その格好で歯医者にいくと歯科衛生士に「なんでネクタイしてるの?」と驚かれます。

 他にもいろいろ面白かったことがありましたが、それはまた明日以降のお楽しみと言うことで・・・(笑)。 久しぶりの旅行でしたが気分転換もできて楽しかったです。


(つづく)

 

 

2010-02-16

BMW。

 車を作る会社の中にはもともと飛行機製造メーカーだった会社が少なくありません。 日本のスバル(富士重工)、スウェーデンのSAAB、そしてドイツのBMW。 こういう会社が作る車にはどこかに飛行機の名残があったりして、飛行機好きには結構たまらないものがあります。

 例えばスバル。 スバルのエンジンは水平対抗エンジン(通称ボクサーエンジン)です。 これはセスナ172や152を始めとするレシプロエンジンを搭載した小型機にも使われている技術です。 シリンダーを縦置きではなく横置きにすることで高さを低く押させることができ、それがコクピットからの視界の良さに貢献するわけです。

 SAABのデザインを見ると飛行機のコクピット周りを連想させます。 BMWはロゴがプロペラの回転を意識してデザインされたと言われています。

 今日は僕の車の調子の相談のためにシドニーの行きつけの修理工に行って来ました。 そこのメカニックのにーちゃんが良い人で、いろいろ車のことで助けてもらっています。 以前乗っていたフォルクスワーゲンのJETTAについてもいろいろお世話になりました。 今日はいろいろ話をして、最近気になっているBMWのことをいろいろ教えてもらいました。 こちらに来てから毎年車を乗り換えていますが、次回はBMWをと考えています。 BMWといってもピンきりで、30万くらいのものから、300万以上のものまであります。 もちろん僕が狙うのは安い部類の中古です。 走行距離が20万キロ以上のものなら結構安いんです(笑)。

 今日はフライトが1本ありました。 2ヶ月ぶりにカナダに戻ってきたインド人の生徒と飛びました。 雲に入りそうになったりするシチュエーションが数回ありましたが、それ以外はスムーズな気流で、気持ちよいフライトとなりました。 もう一本飛ぶ予定でしたが、ドタキャンされました。 最近なぜかドタキャンが多いんですよね。 士気が低下しているのでしょうか。

 日本がとうとうメダルを取ったみたいですね。 がんばれ〜!

 明日から休みで、明後日から数日間アメリカのシアトルにでかけてきます。 ブログはシアトルから戻ってきてからアップします。


(つづく)

2010-02-15

もしかして。



 数日前のこと。 クラブに出勤したら、警察官がマネージャーのオフィスから出てきました。 正直、クラブで警官を見ること自体はあまり珍しくありませんが、マネージャーのオフィスから出てくるのはあまり見かけません。 なにがあったのか気になったので聞いてみたらこんなことが原因で警官が来ていたそうです:

 これまたさらに数日前のこと。 とあるビクトリアのアパートのエレベーターの中に居合わせた中年女性が、外国人と思われる若者の言葉に衝撃を受けたそうです。 その若者はブロークンな英語で、「フライングクラブで訓練を受けているんだ。 免許を取るのはそんなに時間がかからない。 免許が取れればすべては終わりさ!」って言っていたんだとか。 これを聞いた中年女性は驚きと恐怖からいたたまれなくなり、警察に通報したんだそうです。

 っと、こういうことがあったので、事実確認のためにフライングクラブに警官が来たんだそうです。 調べてみたら、その青年はフライングクラブでの訓練を受ける予定ではあるそうですが、まだ実際には始めていないらしく、外国人で英語もあまり得意ではないため、もしかしたらなにか他のことを言おうとしたのに、おばさんに誤解されてしまったのかもしれないという結論だったようです。 ほんと、人騒がせですね。

 やっぱり英語はある程度できないと〜!(笑)。

 英語続きでもう一つ。 英語を習い始めてもうかれこれ20年近くが経とうとしていますが、未だに知らない表現がやまのようにあります。 しかも、簡単な単語しか使っていないのに意味を知らないとびっくりしてしまいます。 「at right angle」という表現。 rightは「正しい」とか、場合によっては右左の「右」という意味になります。 ところが、at right angleといっても、「正しい角度で」とか、「右の角度で」という意味にはならないのです(こうなるためには冠詞のtheが必要じゃないかな?と思います)。 正解は、「90度の角度で」ということだそうです。 right angle=直角ということらしく、直角三角形のことをright triangleとか、right-angle triangleと呼ぶそうです。

 今日の写真はこれまたタワー前に駐機中のグローバルエクスプレスという飛行機だそうです。 アメリカ籍ですが、持ち主はブラジル人の牧師さんなんだとか。 リッチですね〜!


(つづく)

2010-02-14

久しぶりに飛びました。



 今日はここ数日の天気と比べると幾分ましな天気だったのでフライトすることができました。 ログブックを見たら、実に6日ぶりのフライトです。

 1本目はディスカバリーフライト。 17歳の男の子が乗客です。 誕生日プレゼントとしてご両親からフライトをプレゼントされたそうです。 この青年、頭はドレッドヘア、耳にはピアス(って、僕もしているからなにもいえませんが)、服装はルーズな感じで、今、日本を騒がしているスノボの選手みたいな出で立ちでした(笑)。 飛行機に乗るのは今日が初めて(!)ということで、どうなるかと思いましたが、かなり楽しんでもらえたようです。 フライト中は「Cooool(=ク〜〜〜ル)」を連発していましたが、その言い方や語尾を伸ばす感じがまた、スノボの選手にそっくりでした(笑)。 将来なにをしたいの?と聞いたら、「まだ分からない」と答えた彼。 操縦の素質があると見受けられましたので、ぜひパイロットになってもらいたいものです。

 2本目は結構年配の方とのフライトでした。 今日は風が強く、ゆっくり飛ばなきゃいけない箇所ではDME表示で20ノット以下で飛んでいました。 恐らくヘッドウィンドが30〜40ノットあったように思われます。 眼下の道(ハイウェイじゃなく、普通の幹線道路)の車のほうが我々よりも速く移動していたところを見ると、かなり我々の速度は遅かったように思います。 

 今日の写真はクラブ前に駐機されているガルフストリームと思われるプライベートジェットです。 セスナサイテーションなどと比べると格段にでかくてびびります。 オリンピック観戦のためにやってきた飛行機のようです。 こんな感じの飛行機がビクトリア空港にはここ数日、常に5,6機停っているように思います。


(つづく)

2010-02-13

オリンピック開会式。



 とうとうオリンピックが開催しましたね。 実に、オリンピック飛行禁止空域が始まってから2週間あまり経ってからの開催です。 今日の写真はオリンピック競技が行われる会場の一つのウィスラーです。 世界中からスキー・スノボ愛好家が集まるスキーリゾートです。 夏の間はマウンテンバイクのメッカとして賑わうらしいです(が、まだ一度も行ったことはありません)。

 長野のときはどうだったかわかりませんが、オリンピックというのはいろんなことを巻き起こす、大きなイベントのようです。 オリンピックのおかげで仕事が増えるフィールドもあるようですし、オリンピックグッズを販売することで売上が上がるお店もあるようです。 ホテルなんかはいい例で、今の時期にバンクーバーに滞在しようものなら、1泊3,4万は当たり前。 高いところでは7,8万円もするようです。 オリンピックそのもののチケットもかなり高額で取引されているようです。 例えば、今日の開会式。 チケットは10万円近くもしたようですよ。 

 一方で、オリンピックの影響でフライトができなくなったフライトスクールもあるようです。 また、営業中止を余儀なくされたチャーター会社もあります。 白人文化が生み出したオリンピックという行事を受け入れない原住民たちもいるようです。 なにかと考えさせられるイベント、それがオリンピックという印象です。

 なにはともあれ、日本にいる家族や親戚が、僕が住んでいるところ(の近く)の都市のことをテレビで観れるのはちょっとうれしいです。 今日も親戚の叔父からメールがきました。 テレビでバンクーバーを観て、「大きい都市だな」という印象を持ったようです。 確かにバンクーバーは大きな都市です。 気候は穏やかですし、物価もそれほど高くないように思います。 アジア人が多いので日本人の僕にとっては住みやすいとも思います。 いずれ一度は住んでみたいものです。

 明日はフライトが2本ありますが、予報では大荒れになるようなので、どうなるかわかりません。 今日は一日中天気に関する本を読んでいました。 ようやく200ページほどの本を読み終えました。 10個ほど新しいことを学んだような気がしますが、残りの190ページほどは以前学んだことの復習程度で、なんだか時間を無駄にしちゃったかなという印象です(笑)。



(つづく)

2010-02-11

航空気象。

 つい最近、フライングクラブのパイロットショップでAir Command Weather Manualという、気象に関する本を購入しました。 航空業界をかじったことがある方ならご存知と思いますが、この本、結構なお値段です(笑)。 航空関係のものはなんでもお高いんです。 需要と供給のバランスが影響しているように思います。

 この本、なかなか説明が上手です。 カナダでのフライトトレーニングには「From the Ground Up」という本が一般的に使われています。 カナダの空を司るTransport Canada発行ではないのに、この本はバイブルといっても過言ではないくらい、カナダ中で使われています。 このFrom the Ground Up、僕はかなり好きな本です。 読みやすいし、絵や写真やグラフもふんだんに使われているので読みやすいです。 でも、説明はあまりうまくされていないのが現状です。 これはこうです、というfactはうまく教えてくれますが、その裏にあるreasonがうまく書かれていないことが多いです。 特に天気に関してはそのように思います。

 そこで登場したのがカナダの国防省であるNational Defenceが発行しているAir Command Weather Manual。 さすが政府が発行するだけあって説明がうまいです。 ただ、絵や写真はショボイです(笑)。

 なにはともあれ、今はこれを暇なときに読んでいる毎日です。 文字ばかりで疲れますが、昔勉強した航空気象に関する情報をさらに掘り下げて理解できるのでなかなか満足しています。

++++++++++

 今夜はグランドスクールで、航空法の2回目でした。 質問も適度にでて、スムーズに教えられたように思います。 最初のグランドスクールでは皆さんガチガチな感じで、ぜんぜん質問はでませんでしたが、時間が経つにつれてほぐれてきているように思います。

 明日はフライトが1本だけありますが、天気があまりよさげではないので、キャンセルになりそうな予感がします・・・。




(つづく)

2010-02-09

シアトルに行きます。

 来週、初めてシアトルに行きます。 シアトルまではビクトリアからビクトリアクリッパーという船で2時間ちょっとで行けるらしいです。 ホテルコミコミのパッケージプランで格安だったので行くことにしました。

 シアトルといえばマリナーズ。 そしてイチロー。 他にもスタバ1号店があるのもシアトルだし、シアトルズベストコーヒーがあるのももちろんシアトル。 なかなかホットな場所みたいです。

 アメリカに行くのはいつぶりでしょう。 アメリカとカナダは同じ大陸なのにだいぶ印象が違います。 それもそのはず、カナダにやってきたヨーロッパ人の移民とアメリカにやってきた移民は国がちがったり、階級がちがったり、目的がちがったりと、似て非なる人々だったと何かで読みました。 面白いですね。

 シアトルには2泊します。 ボーイングフィールド空港という空港があって、そこにはMuseum of Flight(だったかな?)という航空博物館があります。 本当はそこにもいきたいのですが、そこはいずれ自分でフライトで訪れたときのお楽しみにしておこうと思っています。

 話は代わりますが、今日はグランドスクールを教えました。 やっぱりカナダ人生徒は積極的ですね。 こんなことをいうと失礼ですが、「そんなことどうでもいいやん!」と言いたくなるようなことまで質問してきます。 でも、そういう発言のおかげでクラスが活気付くし、結構ありがたいものです。 日本人のクラスではこうはいきませんね。 教える側としてはやりやすいかもしれないですが、質問がないので先生が知識を深めようともしないでしょうし、毎回おんなじことを難なくこなすことに集中してしまいそうです。 ま、それの延長線が日本の義務教育の有様につながっているように思いますが。

 明日は休みです。


(つづく)

2010-02-08

お勉強。



 ここ最近、天気がまたあまり良くない日が続いています。 今後のキャリアアップを考え、次の資格に向けての勉強を進めようと考えています。 

 次に取得しなきゃいけないのは、このブログでも何度か書きました「Multi-IFR」という資格です。 これは実は二つの資格で、多発限定解除(multi rating)と、計器飛行証明(Instrument Rating、通称IFR)からなります。 

 Multi ratingには筆記試験はなく、実技試験のみです。 ところが、IFRには筆記試験と実技試験があります。 筆記試験にはコードネームがついていて、INRAT(インラット)という名前のテストを受験しなければいけません。 この試験、問題数は50問だけ。 70%以上正解すると合格です(自家用操縦士免許や事業用操縦士免許の筆記試験は倍の100問あります)。 受験料も操縦士資格("license")の筆記試験が100ドルほどなのに対し、"rating"の筆記試験は35ドルと破格値です。

 他にも将来プロを目指す場合に必要になる資格にType Ratingというものがあります。 簡単にいうと、操縦するのにパイロットが二人(またはそれ以上)必要な飛行機(例えばボーイング777など)を操縦するには日本語で言うところの「型式限定解除」が必要になります。 それには実技試験と筆記試験があるようで、筆記試験はIATRA(アイアトラ)と呼ばれています。 こちらも50問、70%以上で合格の35ドルの試験です。 

 プロパイロットとして飛ぶにはいずれはATPL (Air Transport Pilot License)という資格がいるのですが、これを取得するには飛行経験のrequirementが細かく定められています。 総飛行時間は最低1500時間必要となっています。 フライトトレーニングを終えた生徒の多くは250時間前後の飛行経験しかないため、この状態ではなかなかプロの道には進めません。 そのため、小・中規模のチャーター会社などの多くはパイロットの募集要項に「CPL, Multi-IFR保持者で、ATPLの筆記試験、またはIATRAに合格していること」というふうに指定をしてきます。 経験は一旦仕事を始めればいずれはつけることができますが、いずれ必要になる資格を取得するために必要な知識や考える力があることを証明するために筆記試験にまず合格しなさい、というのがその理由のようです。

 長くなりましたが、これからINRATとIATRAの勉強をはじめようと思います。 まだまだ学ぶことがあります。 「パイロットの道を進むということは、常に体調管理と勉強を続けることが求められる」と昔読んだ本に書いてありましたが、その言葉が今になって現実味をおびてきたように思います。 まずは苦手な航空気象(MET)から復習しようかと思っています。

 今日はフライトがなかったので、教官仲間と彼女とビクトリアの南の海岸線を散歩してきました。 そこで見つけたのがPilot Street。 いずれはここに家を・・・なんていうのは冗談です(笑)。

 明日は自家用操縦士のグランドスクールで航空法を教えます。


(つづく)

2010-02-07

ディスカバリーフライトx 2。



 今回から写真のサイズをちょっと大きくしてみましたが、どうでしょう?

 今日はディスカバリーフライトを2本飛びました。 このブログを読んでくださっている方ならすでにご存知だと思いますが、フライトトレーニングに興味があったり、遊覧飛行をしたい人のためにフライングクラブが用意している「お試しフライト」のことを「ディスカバリーフライト」と呼んでいます。 価格はセスナ152(2人乗り)で80ドルほど、セスナ172(4人乗り)で100ドルほどです。 本来であれば飛行機のレンタルだけでも1時間あたりでこれらの額を軽く上回るので、これはか〜な〜りお得なフライトとなっております。

 今日の最初のお客さんは以前にパイロットトレーニングをやろうと思っていたけど、結局途中で止めてしまったと言う若い男性でした。 彼女さんを連れてこられたので、僕を含め3人で飛びに行きました。 今日は穏やかな天気で風も弱く、気持ちの良いフライトになりました。 

 2本目は中年の男性と、お友達(?)のような女性が二人ついてこられました。 気難しそうな人たち(笑)で、フライト中はあまり会話もなく、静か〜なフライトとなりました・・・苦笑。

 ディスカバリーフライトはいろいろと話しをしながら飛びますし、フライトの簡単な説明などをするので、正直なところ、結構な労力を使います。 乗客の中にはフライトが楽しみで楽しみで仕方ないという人もいて、そういう方との会話はとても弾むし、楽しいものです。 ところが、中には「この人、なにを考えているんだろう?」と思ってしまうほど顔の表情がなかったり、言葉数が少なかったりする人もいます。 なんとか笑わせようと僕のつたない英語で頑張りますが、なかなか心をひらいてくれない人もいます。 

 そんなこともありますが、僕は結構ディスカバリーフライトが好きなのです。 というのも、ディスカバリーフライトが唯一、僕一人で離陸から着陸までの操縦も、無線機を使っての航空無線会話もできるから、なのです。 訓練飛行ではなるべく僕は操縦桿を触らず、なるべく無線はやらず、出来る限り生徒さんが飛行機を飛ばすように心がけています。 そうでないと腕は上達しませんからね。 でも、このディスカバリーフライトだけは僕が運転手です。 最後の着陸がうまく決まった時にはアドレナリンがどば〜っと出ます(笑)。 今日の着陸もうまくいって、気持ちよいフライトになりました。 次のディスカバリーフライトはいつかな〜!?

 今日の写真は道路封鎖の標識です。 ハイウェイからビクトリア国際空港まで行きやすくするための工事を昨年末からやっているみたいなのですが、そのおかげで通勤路の一部が閉鎖されています。 迂回路を通って仕事に通っています。 


(つづく)

 

2010-02-06

もののけ姫。

 を、初めて観ました。 なかなか面白かったです。 あれが噂のもののけ姫か、というのが感想です。 となりのトトロも最近観ました。 あとジブリ系で見ていないのは風の谷のナウシカです。 時代に乗りきれていないのがはっきりわかってもらえると思います・・・笑。

 今日はディスカバリーフライトを飛んできました。 乗客は若い女性。 パイロット訓練に若干興味があるという感じの方でした。 ディスカバリーフライトに来るお客さんはだいたい2タイプに分けることができます。 タイプその1はあくまで遊びで、別にフライト訓練には興味はないという人。 こういう人はややこしい説明なしにとにかく早く離陸して、実際に操縦桿を握らせてあげます。 コクピット内での写真撮影も気分が良ければやります(笑)。 そして比較的短時間で終了という感じになります。 一方、タイプ2はフライト訓練に興味があって、その下見に来たという感じの方。 こういう人には結構細かいことまで時間をかけて説明します。 ノリの良い人の場合には離着陸もやってもらう場合があります。 実際に飛ぶ時間も少し長めのことが多いです。 

 明日もディスカバリーフライトが続きます。 2本立て続けです。 操縦で疲れることはないですが、話疲れます。 もともと口下手なもので。


(つづく)

2010-02-05

教官という仕事。

 パイロットという仕事にあまり縁のない方に「僕はフライトインストラクターです」というと、多くの人は「え?」という反応をされます。 フライトインストラクターという仕事がなになのかわかりにくいんだと思います。 そこで、「操縦を教えています」というと、「あ〜!なるほどね」という反応がだいたい返ってきます。 

 フライトインストラクターはいちおうはパイロットですから、中には「きっと高給取りなんでしょう?」という印象を持たれる方もいらっしゃいます。 ところがどっこい、収入はとても低いです・・・涙。 

 今日、今年の確定申告に使うT4という紙切れを職場でもらいました。 これを見ると年収が一目瞭然です。 日本で働いていたころに比べると寂しいものです。

 仕事がないと時々先のことが不安になることもあります。 人間ですもの、当たり前だと思います。 でも、今日、ふと我にかえって数年前に考えていたことを思い出しました。 

 「向こう数年は下積みだから、きっと金銭的に苦労するだろう」

と思っていたものです。 幸い、苦労はしていませんが、決して贅沢はできません。 それでも教官をやっていてよかったと思います。 

 これが将来、なんらかの形で自分が飛行機を操縦する仕事につながればなおさら良いな〜とは思います(笑)。

 今年の確定申告ではいくらくらい税金が戻ってくるかな〜。


(つづく)

2010-02-04

歯のクリーニング。

 今日は久しぶりに歯医者に行きました。 ビクトリアに引っ越しましたが、歯医者は未だにシドニーの歯医者です。 ここには3年ほど前に初めて行きました。 こちらの医者ってファミリードクターからの紹介とかがないと患者を受け入れてくれないこともあるんですよね。 幸い、この歯医者さんはnew patient welcomeということだったので問題ありませんでした。 そういえば3年前に歯医者に行かなければ行けなくなったきっかけは歯の詰め物がとれちゃったからでした。 しかもチャーハンを食べていて・・・(笑)。 どんだけ弱い歯なのと自分でも笑ってしまいました。 ちなみに詰め物がまた1年後くらいに取れましたが、その時にはグミを食べてました(笑)。

 なにはともあれ、親知らず抜歯後も順調で、今日はクリーニングをしてもらいました。 歯石を取ってもらったんだと思います。 初めてやってもらったときは痛くて痛くて。 でも、今回は歯科衛生士の方の腕前がよかったのか、それともしっかり歯磨をしていたからそれほど付着していなかったのか、よくわかりませんが、対して痛むこともなくすみました。 最後にフッ素のコートをしてもらって終了。 歯がピカピカになりました。

 さて、フライトの話はここから。 今日は1本だけのフライトでした。 小雨が降っていたのであまり視界がよくありませんでしたが、オリンピック飛行禁止空域をよけてのフライトになりました。 興味本位で禁止空域に設定された周波数をフライト中にモニターしましたが、いつも話をするターミナルとなんら代わりがない感じでした。 

 人伝に聞いた噂では、今回の飛行禁止空域を初めて許可無く通過して問題になった飛行機はなんとTransport Canadaの水上飛行機だったそうです(笑)。 「え、僕たちも許可取らないとだめなの?」っと、パイロットは驚いていたんだとか。 

 これからしばらくスローペースが続きそうです。 今年の抱負の一つの「体力づくり」に時間を費やそうと思います。


(つづく)

2010-02-03

とんぼ返り。



 今日は朝10時からフライトがある予定でした。 パイロットはCASARAという、カナダの遭難救助のアシスタントをするアマチュアグループのパイロットです。 なんでも、カウチンバレーのどこかに遭難した飛行機に見立てた黄色い箱が置いてあるらしく、それをGPS信号やELT(Emergency Locator Transmitter)信号を基にして探し出すという訓練をしたかったんだそうです。 残念ながら、このオペレーションを実行するのに十分な天気ではなかったので、他の日に延期となりました。
 
 フライトがキャンセルになったので、そのまますぐに家に戻ってきました。 こういうとんぼ返りをここ最近なんどかやっています。 なにやってんだろ〜って思うこともありますが、よく考えれば今はフライトトレーニングにはあまり適さないオフシーズンだし、去年はもっと仕事の数が少なかったような気がするので、よしとしましょう(と、自分に言い聞かせています)。

 時間があったので家でネット経由で日本のNHKドキュメンタリーを観ました。 羽田空港の航空管制官の方のエピソードでした。 「自分が無線でパイロットに『ツー』といって、パイロットから『カー』と返ってきたときがうれしい」とおっしゃっていました。 なんだかよく分かる気がします。 管制官の方とコミュニケーションがうまく無線でできるとそれだけでなんだか気分がよくなるものです。 

 明日は久しぶりに歯医者に行きます。 親知らずがなくなったので、延期になっていた治療開始です・・・。

 今日の写真はメインランドからビクトリアに夕暮れどきに戻ってきたときの写真です。 なんとも言えない夕暮れで、空が青紫色に染まっていました。


(つづく)