2017-12-28

ここ最近のフライトと仕事納め。

 今年も残すところ少なくなりました。 ここしばらくは忙しく仕事をしていました。 前回ダブリンに行った後、ロンドンに行ったり、ロサンゼルスに何回か行ったり、あとは国内線を飛んだりしていました。 幸い、一緒に飛んだ機長達は皆さんいい人で、楽しく仕事が出来ました。

 この時期はどこに行ってもクリスマスモード全開です。 やはり北米ではクリスマスは一年で一番大きなイベントの一つです。 こちらの方々は家族で集まってクリスマスを過ごします。 日本のようにロマンチックな時期というものではなく、あくまで家族で過ごすのが大事なんですね。 僕のように新米のパイロットはクリスマスであっても働かされることが多く、実際、今回のクリスマスもロサンゼルスまで仕事で行って来ました。 
 
 ロスはこの時期でも気温が10度以上あります。 なので、クリスマスのデコレーションなどがなされていても、なんとなく雰囲気が出ません(笑)。 でも、この時期に西海岸に行って、上着なしで歩き回れるのは楽です。 

 一方、ロンドンは結構寒く、気温はゼロ度前後でした。 ロンドンは僕が好きな市の一つです。 歴史がある町並みは綺麗ですし、日本に少し似ていて狭い都市部に建物が混在している雰囲気も良いです。 忙しい界隈が多く、賑わっている空気感も心地よいです。 この時期のロンドンはクリスマスの飾りが街を埋め尽くしていて、歩いているだけでも楽しいです。









 ロンドンはもう行き慣れましたが、今回ロンドンからカナダに戻るとき、うちの会社の777に大西洋上で初めて追い越されました。


 ボーイング777は僕が乗務する767よりも巡航速度が速いです。 僕達はマッハ0.81(音速の81%)で巡航していましたが、彼らはそれよりも速く、ものの10〜20分もすると見えなくなってしまいました。 ボーイング777はかなり良い飛行機だそうで、777を悪くいう人に会ったことがありません。 いずれは777に乗務したいです。

 カナダ東部の街、ハリファックスでレイオーバーがあったときには街を散策しました。 寒かったですが、ここも歴史があって綺麗な街です。






 僕が住んでいるトロントも雪が降りました。 1日で15センチほど積もった日もありました。 雪が降ると近くの公園はソリを楽しむ子供でいっぱいになります。


 通勤に使う電車の線路周辺も雪化粧。 気温はマイナス10度前後で、それほど寒くはありません。 ただ、今日はマイナス15度前後まで下がり、体感温度はマイナス20度近くまで下がります。 そうなると流石に寒いですが、それでも以前仕事していたアルバータ州北部に比べれば悪くはありません。 ただ、西海岸のバンクーバーやビクトリアはこの時期でも比較的温暖で、雪の代わりに雨が降っています。 僕はあまり雪が好きではありませんが、雪が降るところに住んでいる以上、これは気持ちを切り替えて楽しむしかありません(苦笑)。  カナダにいる以上、厳しい冬は避けて通れません。


 今年最後のフライトではロサンゼルスに行きました。 行きは僕が操縦しました。 到着は午後9時過ぎで、いつもと違ってロスの空域は比較的静かでした。 無事にロスに到着したのが25日クリスマス。 到着後はホテルでクルーとお酒を飲み、歓談しました。 今年のクリスマスはこれで終わり。 翌日はトロントまでのフライトをする予定でしたが、飛行機繰りがうまく行かなかったらしく、767の代わりに787ドリームライナーがフライトすることになり、僕と機長はデッドヘッドで乗客としてトロントまで戻ることになりました。 操縦しなくて良くなったので、機窓から見える景色の写真を取りました。

 ユナイテッドは757を多く運航しているようですね。 757は僕が操縦する767と同じ資格で操縦できます。 767よりもやや小さいですが、コクピットはほぼおなじだそうです。比較的小型な機体の割にはエンジンが大きく、ランディングギアが長く、きれいなプロポーションの飛行機として有名です。

KLMの貴婦人747がタクシーしていました。 

離陸するとアメリカの航空会社の機体がたくさん見えました。

離陸後しばらくは砂漠のような場所が続きます。 地上だけみると火星みたいな景色です(笑)


 というわけで、12月も忙しく働きました。 これで今年の仕事は終わりです。 来年は1月1日からまた仕事です。
 
 2017年は転職あり、訓練あり、引っ越しありと、忙しい1年でした。 幸い病気をすることはありませんでしたし、仕事も順調に訓練を終わらせることもできました。 引っ越しをし、新しい土地での生活にも慣れました。 トロントには友人も多く、いろんな面で助けられました。 仕事はリザーブで自由な時間が激減し、プライベート面では大変なこともありました。 来年はそういうところも改善できるように思いますし、仕事にもますます慣れ、もっと楽しくなってくると思います。 来年も無理はせずマイペースに楽しみながら仕事をしていければ良いと思っています。

 今年も本ブログをご覧いただきありがとうございました。 今年も多くの質問メールやコメントをいただきました。 来年も僕の生活・仕事の風景を通じて皆さんに海外で働くパイロットの生活について情報を発信していければいいなと思っています。

 それでは皆様、よいお年を!


(つづく)

2017-12-05

アイルランド・ダブリン。

 先週4日間、アイルランドの首都ダブリンまで行って来ました。 いつも通りリザーブだったのですが、午前中にクルースケジューラーから電話があり、「ダブリンまで行ってきてね〜」と言われました。 またもや初めての空港です。 電話を切ってからダブリン空港のチャートなどを確認しました。 滑走路は2本で見た感じ大して忙しい空港ではないように見えました。 その他の注意事項なども確認し、昼寝をし、夜9時過ぎに空港へ向かいました。 出発は午後10時過ぎ。 ヨーロッパ方面へのフライトはほとんどがトロント時間の夜から深夜にかけて出発します。 なので、昼寝をちゃんとできないと辛いです。 今回は4時間ほど昼寝できたおかげで体調的にはすこぶる快調でした。 個人的な意見ですが、長距離の国際線を飛ぶパイロットはどこででもいつでも寝れる人か、ちゃんと昼寝・仮眠ができる人に向いているように思います。

 ダブリンまでは7時間ほどのフライトです。 ルートはこんな感じです↓


 ヨーロッパへのフライトでは通常NAT(北大西洋航路)と呼ばれる決められたルートを飛びます。 NATはNorth Atlantic Track の略で、毎日ルートは天候や風向きにより決められます。 今回はWというルートを飛びました。 高度は37000フィートです。 特に揺れることもなく、快適なフライトになりました。

 写真に見える紫色の◯はETOPSの代替空港です。 ETOPSはExtended-range Twin-engine Operational Performance Standards、イートップスの略で、万が一エンジンが停止した場合でも残りの一つのエンジンで3時間以内に飛べる距離に代替空港があれば良いというルールです。 ETOPSでない場合には飛行時間1時間以内に代替空港がある必要があり、飛べるルートがだいぶ陸寄りになり、目的地まで洋上をまっすぐ飛ぶことが難しくなり、ジグサグのルートを飛ぶことになります。 そうなると燃料も余計に消費しますし、飛行時間も伸びてしまいます。 僕が乗務するボーイング767はETOPSの180分ルールで飛ぶことがほとんどなので、かなりまっすぐなルートを飛ぶことができます。 今回の代替空港はカナダのグースベイ空港、アイスランドのケプラヴィーク空港、アイルランドのシャノン空港でした。 飛行前、飛行中もこれらの空港の天候を確認しながら飛びます。 海の上で緊急事態(エンジン停止、急激な気圧低下など)が発生した場合にはこれらの代替空港のうちの最寄り空港までダイバートします。 どこが最も近いのかはETP(Equal Time Point)を元に判断します。 今回は代替空港が3つあるため、ETPは二つありました。 ETP1に辿りつくまではグースベイ空港、ETP1からETP2まではケプラヴィーク空港、ETP2を通過した後はシャノン空港に向かう、という感じです。 

 西経30度(030W)がカナダとヨーロッパの境目となっています。 ここが「バドワイザーとギネスの境目」と冗談ぽく呼ばれているそうです。 030Wを通過するまではカナダのガンダー、それ以降はイギリスのシャンウィックが航空管制を行っています↓


 ダブリンはいつも行くイギリス・ヒースロー空港よりもカナダ寄りにある空港です。 アあまり忙しい空港ではないようで、アプローチ中は我々の他に数機いるくらいで、アライバルもアプローチもかなりリラックスしていました。 

 着陸後ゲートに到着するとアイルランドの航空会社エアーリンガス(Aer Lingus)に囲まれました↓

 ターミナルも静かな印象で、建物はやや古い印象を受けました。 空港到着後は税関審査にすすみました。  アイルランド人はフレンドリーとは聞いていましたが、入国審査官もかなりフレンドリーでした。 「しっかり休んで疲れを取って、楽しい滞在になりますように!」と言われ、パスポートにスタンプを押されて無事に入国しました(笑)。 最初からかなり印象いいです!

 今回の滞在は珍しく48時間ありました。 午前11時頃にダブリンに到着し、カナダに戻るのは2日後の午前11時頃でした。 なので、今回は観光を満喫することができました。

 初日はしばらく仮眠を取って、バーやパブが多くある「テンプルバー」と呼ばれるエリアに機長と一緒に行きました。

 




 アイルランド人は本当に陽気です。 午後6時過ぎには酔っ払って歌って踊るアイルランド人がバーの中を埋め尽くしました。



 翌日はまずはホテル周辺を散策。 ちょっとしたことも今まで僕が見てきたものとは違い、とても興味深いです。


 
(写真上:アイルランドといえば緑色。 ポストも緑色です)

(写真上:アイルランドの言語はゲール語と英語。 標識などはすべて両国語で書かれています)

(写真上:とてもヨーロッパ的で印象的な砦)

 ホテルのすぐ側に刑務所跡がありました。 そこのガイドツアーに参加しました。

(写真上:刑務所博物館が隣接しています)

(写真上:刑務所内部)

(写真上:独房)


(写真上:天井はガラス張りで日光が指します。 これが真っ暗闇の独房から出てきた囚人には「暗黒の牢獄と外の世界」の違いに見えたそうです)

(写真上:アイルランドの国旗は緑<アイルランドの色>、白<平和>、オレンジ<プロテスタント派>を表しているそうです)

(写真上:刑務所内部)

 刑務所ツアーの後は、アイルランドといえばウイスキー(アイリッシュウイスキー)ということで、ジェームソン蒸留所(Jameson Distillery)でのウイスキーツアーに参加しました。 ツアーの雰囲気を写真でどうぞ〜。

(写真上:ツアー会場入口)

(写真上:ウイスキー樽)


(写真上:ウイスキーボトルで出来たシャンデリア)


(写真上:ツアーではウイスキーの製造工程の説明があります)


(写真上:ツアーの最後ではジェームソンウイスキーとスコッチ、アメリカ製ウイスキーの飲み比べができます)

(写真上:蒸留施設)

 ウイスキーツアー参加費は20ユーロ。 これでウイスキードリンク1杯とツアー中の試飲が含まれます。 これはなかなか楽しかったです。 自分へのお土産にギフトショップでウイスキーグラスを一つ購入しました。 

 ツアーの後は街中を散策しました。

(写真上:日中のテンプルバー界隈)

(写真上:教会がいたるところにあります)

(写真上:繁華街)

(写真上:英文学で有名なオスカー・ワイルドの像)

(写真上:大飢饉の記念碑)

(写真上:街はクリスマスの雰囲気でいっぱいです)

(写真上:ダブリンは港町で、海が直ぐ側です)

(写真上:教会、サイケな建物、そして近代的な建設物が隣接します)

(写真上:クリスマスショッピングで街は賑わっていました)

(写真上:国の教会、セント・パトリック大聖堂)

(写真上:クライストチャーチ大聖堂)

(写真上:これまたユニークな教会です)


(写真上:日が暮れ始めてギネスビールの工場)


(写真上:ダブリンといえばギネスビール。 でも、今回はギネスビール工場ツアーはパスしました)

(写真上:一日中歩き回り、近代美術館の通りを抜けてホテルに戻りました)


 48時間滞在の後は乗客としてトロントまでデッドヘットしました。 7時間強のフライトでしたが、幸いビジネスクラスに乗せてもらえたので快適にトロントまで戻りました。

 初めて行ったダブリンでしたが、人は優しく、街は小規模ながら見どころ満載。 また行ってみたい都市の一つになりました。


(つづく)