2023-07-06

久しぶりのビクトリアとバンクでの旅行。

  あら、また時間が経ってしまいました。気がつけば夏ですが、皆様お元気ですか。こちらモントリオールは暑くて蒸し暑い日が多くなりました。嵐が来てゲリラ雷雨的な雨が降ることもあります。とはいえ、日本の夏ほど過ごしづらいことはないように思います。日本の夏を最後に経験したのはもうかれこれ7、8年前になりますでしょうか。毎年酷暑のニュースを観ているので、日本に夏に帰国する勇気はありません。


ここ数ヶ月のフライトでは相変わらずアメリカのフロリダに行くことが多いです。3回に1回は嵐だらけ、雷雲だらけの中を飛ぶことになる感じで、そういう日は仕事に行くのがとても憂鬱です。アメリカの管制官はかなり前もって悪天候を避けるルートを提供してくれ、我々がレーダーを見ながら雷雲を避けるということはそれほど多くありません。ただ、彼らがあまりにも積極的にルート変更を指示してくるので、フロリダまでの3時間程のフライトの間に到着ルートを5回も変えられて、そのたびにフライトマネジメントコンピューターにルートを打ち込み直すという手前のが発生することもあります。面倒なのは当然ですが、コンピューターにルートを打ち込む度に確認作業が発生しますし、そのたびに当然ながらヒューマンエラーが発生する可能性も増えるわけです。ということで、できれば変更は1回にしてほしい。うぅぅ。


先日は古巣ビクトリアへのフライトが3連続でありました。レイオーバーは11時間と寝るだけに行くようなペアリングでしたが、それでも以前住んでいた街に行けることはワクワクしました。しかもショートレイオーバーだったのでホテルはカナダ移住当時住んでいた空港近郊の町シドニーのホテルです。ということで朝は早起きして海辺を散歩したりして楽しみました。静かな水面、鳥たちの声、僕以外誰もいない静けさ。またビクトリアに住みたくなりました。











プライベートでは家族のいるフランスに毎月行っています。先月末からモントリオール発ジュネーブ行きがエアバス330型機からボーイング777型機に機材変更になりました。これは嬉しい・・・。777の方が優れている理由ベスト3はこちら↓


⒈座席数が多い(スタンバイで旅行する際には助かります)

⒉巡航速度が若干速い(飛行機の中で過ごす時間がやや短くなります)

⒊クルーが休憩するためのオーバーヘッド・クルーレスト空間がある(通称バンク bunk)


3が実はものすごく魅力的で、我々パイロットは個人旅行の際にバンクを使うことが許可されているので、万が一客室が満席の場合でもバンクをリクエスト申請しておけばそこを利用して旅行することができます(運航クルーがバンクを利用しない場合のみ)。写真などを載せるとちょっとまずいと思いますので、興味がある方はググって見てください。先月末にジュネーブに行った時もこのバンクを利用させてもらいました。バンク内には客室にあるような座席が2席あり、その後ろに寝転がることができる簡易ベッドスペースが2つあります。カナダから中国やインドに行くような長距離路線を運航する際にはパイロットが3〜4名になり、フライト途中で交代交代で休息を取ることができます。その際に使われるのがこのバンク。そのため、客室からは隔離されたスペース(イメージとしてはビジネスクラスの座席があるエリアの上に存在するスペース)です。とても快適なのですが、唯一残念なのは窓がないこと。そしてやはり狭く圧迫感があるので、閉所恐怖症の人は耐えられないと思います。僕はとても快適にジュネーブまでのフライトを楽しませていただきました。


今日モントリオールに戻ってきて、また数日後から3週間ほど仕事を詰めています。今月は6ヶ月に一度の訓練が入っているので、明日からまた気分を入れ替えて仕事モードに入って行きます。訓練でトロントに行かなければいけないのが面倒臭いですが、頑張っていこうと思います。



(つづく)