2020-07-29

過去ログ:2006年10月13日〜2006年10月17日

飛行機にパラシュート?
2006年10月13日金曜日


 こんにちは。 今日は午前中に市役所に行き、国外への転出手続きをしてきました。 手続き自体は他府県への転出と同じで、転出先住所に「カナダ ビクトリア市とだけ書いてください」と言われました。 あっという間に日本の住民ではなくなってしまいました(笑)。 なんとも不思議な感覚です。 帰国してまた日本の住民になる場合はパスポートを持って市役所に行けば良いとのことでした。 とても簡単でよかったです。

 さて、写真はシラス(Cirrus) SE20という飛行機の写真です。 おとといでしたか、ニューヨークヤンキースの投手がニューヨーク・マンハッタンのビルに衝突したというニュースが流れました。 記事を読んでみたところ、コーリー・ランドルという投手がインストラクターとフライトしていたときに衝突したようです。 彼が乗っていた飛行機が写真のSE20型機で、彼が個人所有していたそうです。 アサヒドットコムの記事の中に、「パラシュートが装備されていて・・・」と書かれていて、「?」っと思ってシラスエアクラフトのウェブサイトをのぞいてみたら、次のようなページがありました:
 
http://www.cirrusdesign.com/aircraft/safety/index.html
 
 このページの左側「Airframe Parachute」をクリックして開くページの右下にある「CAPS Deployment Video」をクリックしてみてください。 実際にパラシュートが開くところがビデオになっています。 乗組員にではなく、飛行機そのものにパラシュートをつけるという大胆な発想力。 すごいです。 パラシュートが開いたら衝撃で首が折れそうですけど(笑)。
 
 インストラクターが同乗していたにもかかわらず衝突したというのはとても痛ましいことです。 どんなことがあったのかわかりませんが、今後の事故調査委員会の報告が待たれます。
 
 さて、今日は市役所に行った他は家で座学の復習をしていました。 リンクにもあるAerotraining.comにある模擬試験をひたすら解いています。 90%以上のスコアで次のレベルに進めるようになっていますが、恐ろしいことにどれも1回ではパスできません!(笑) 1回どころか、3回ほどやらないとパスできないという状況です(涙)。 でも、その度に間違った箇所を復習しながらやっていますので、なかなか楽しいものです。 学生時代に戻ったような感覚です。 違うことは自分は28歳になっていて、今は無職の身であることだけ・・・(笑) カナダの航空法やマニュアルはすべてウェブ上で公開されていますので、とても便利です。 以前はTransport Canadaは印刷したマニュアルや航空法冊子を郵送してくれていました(無料)が、ここ最近はすべてオンライン版に取って代わられました。 どこも資源の節約とコスト削減に躍起になっているようです。 よい動きですね。 あとでLinksのページにそれらの資料へのリンクを張っておきますので、興味がある方はご覧ください。

 ビクトリアは現在8℃だそうです。 なんだか寒そう。 しかも、僕が到着する日は雨の模様です。 晴れ男の僕も、海外では効き目がないようです(笑)

 では、もう少し勉強をつづけます!
 
 
(つづく)

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無事到着。
2006年10月16日月曜日


 っということで、題名のとおり、ようやくビクトリアに到着しました。 実家を出て、まずバスが遅延してヒヤヒヤ。 そしてその後は関空行きのJRが先行の普通列車が遅れたため遅延。 新大阪での乗り換えは本来であれば15分ほどの時間的余裕があったのですが、結局2分で乗り換えるはめに。 その後飛行機に搭乗し、バンクーバー国際空港に到着後は自転車がなかなか出て来ず、それを待っていたがためにImmigration Officeでの入国・学生ビザ(Study Permit)の発行が遅れることに。 Immigration Officeは日本のように迅速に対応や処理をしないので、とてもゆっくり。 後少しでビクトリア行きの乗り換えフライトに間に合わないところでした。 っというふうに、なんだかいろんなことがおきましたが、無事に到着できました。

 ビクトリアはあいにくの雨模様。 バンクーバーからのフライトはたった25分ほどでした。 小さいDash-8と呼ばれるカナダ国産のプロペラ機で4000ftという低い高度を雲をかき分けての飛行でした。 途中、ビクトリア島に入る前に海岸沿いにならんだ水上飛行機が見えたり、ボートやフェリーが見えてとても綺麗な景色でした。 この周辺を自分もフライトするんだろうな〜とぼんやりと思っているとビクトリア国際空港に無事着陸しました。

 空港は滑走路が3本ある国際空港です。 まず目に入ってきたのは、Victoria Flying Clubの大きな格納庫(ハンガー)。 今までVFCのサイトなどではハンガーの写真を見ていましたが、実物を見てややびっくり。 とても大きいんです。 以前のサスカトゥーンとは規模がぜんぜん違います。 そしてそのハンガーの前に整然と並んだクラブ所有機。 あのうちのどれかを自分が操縦するんだろうなと思っていると無事に飛行機はターミナルへ。 タラップを降りて地上階の到着ロビーへ向かいます。

 空港で荷物が出てくるのを待っていると、今回お世話になるインストラクターの方が笑顔で迎えに来てくれました。 なにせ自転車の箱がめちゃでかだったので荷物を車に載せるのにやや難儀しましたが、無事に載せ終え、いざ出発。 空港からインストラクターの方のアパートまでは車で15〜20分ほどの距離。 空港から真南に南下する形で車を走らせます。 ハイウェイは渋滞知らずでスムーズに走行できました。 途中で今までGoogle Mapsやいろんなサイトなどで目にした地名のサインがあり、「本当に着ちゃった・・・」という実感が少しずつ湧いてきました(笑)。 アパートに到着後、荷物を部屋まで運ぶのを手伝ってもらい、一段落したら飛行機やフライトの話、これからのこと、今までメールでは話したことがなかったことなどを話しました。 今までは飛行機のことなどを話す仲間がいなかったので、今話す相手がいることが純粋に楽しく感じます。 ちょうど日本から短期間で訓練を受けにきている同年代の男性も居候しているので、3人で仲良く楽しくやっています。 日本語での会話なので、その点は未だにカナダにいる気がしないですが、とてもよい方々なのでストレスもなく、楽しく最初の一日目を過ごせました。

 ビクトリアは想像していたよりも大きいように感じます。 地図ではコンパクトにまとまっている印象がありましたが、想像以上に大きいです。 「車、要るかも?」っと正直思い出しましたが、まだバスにも乗っていませんし、自転車にも乗っていないので、まずはそちらを試してから考えようと思います。 車を買うとなると大きな出費になるので、できれば買いたくないですが、行動範囲が広がることを考えると北アメリカで生活する以上、生活必需品かもしれません。 でも、まずは車なしでの生活がどんなものかを試してみようと思います。 海外でバスに乗ったことがない僕にとってはバスに乗るだけでもちょっとした冒険ですが、楽しんでやっていこうと思います。 

 明日には携帯電話を買いにいこうと思います。 日本と同じでいろんな携帯会社が参入しているようで、いったいなにがいいのかさっぱりわかりません。 しかも日本の携帯とはいろんな面でシステムが違うので、なにが得なのかがよく分かりません。 なので、明日は携帯ショップにいって、状況を説明して、一番いいプランを選んでもらおうかと思っています。 やっぱり人に聞くのが一番楽じゃないかな〜と(笑)。 あとは、今滞在しているアパートの近くにBC州の免許証を発行してくれるところがあるらしいので、そこにいって、日本の運転免許証に基づいてBC州の免許証を発行してもらおうと思っています。 こちらではいろんなところでIDを提示するよう言われることがありますから、パスポートが唯一のIDではなにかと不便ですし、セキュリティー上もあまり勧められません。 そのため、まずは免許証をとろうと思います。

 携帯電話が手に入れば、いよいよアパート探しが始まります。 Sidneyという市がビクトリア空港にはもっとも近く便利ですが、どうやらあまり安い物件はないようです。 ですから、とりあえず新聞などのclassifiedsを見て、あまりよいものがなければとりあえずは最初の1、2ヶ月はビクトリア市のダウンタウンなどの便利が良いところに住むのもありだと思っています。 日本から友達が来たりしたときのことを考えると、車がないなら不便なところに住むより便利なところに住んだ方がいいかなと思うからです。 今後、車を持つことになったら、それからもっと空港に近いところなどに引っ越してもいいかな〜と考えています。

 そんなこんなで僕のビクトリア生活1日目はあっという間にすぎていきました。 これを書いている今は午前4時52分で、もうすぐ午前5時です(笑)。 時差ぼけに弱い僕には、しばらくは生活のリズムが落ち着かない日々が続きそうです・・・(不安)。

 では、またレポートします!
 
 
(つづく)

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ビクトリア2日目:免許と携帯をゲット。
2006年10月17日火曜日


 昨日の夜は時差ぼけとこれからのことでの不安や興奮からなかなか寝付けず、結局睡眠時間は5時間ほどとなってしまいました。 今朝は朝からパスタとティラミスを食べました。 今日の目標は昨日の書き込みにも書いたとおり、免許をとることと携帯電話を購入することでした。 その目標を達成すべく、9時過ぎに肌寒いビクトリアの街へ向かいました。

 まずはICBCと呼ばれる政府のオフィス(日本の交通局のようなところ)に出向き、日本の免許に基づいてBC(ブリティッシュコロンビア州)の免許証を発行してもらいました。 オフィスに入り、カウンターの受付の女性に、「日本から来たので、日本の運転免許証に基づいてBCの免許を申請したいのですが」と伝えると、「ちょっと待ってください」といって後ろに数分間下がってしまいました。 嫌な予感・・・と思っていたら、数分後にその女性が戻ってきて、「ちょっとだけ確認したかったことがあったので。 お待たせしてごめんなさい」といって早速手続きに入ってくれました。 日本の国際免許証はもとより、英訳した免許証すら不要でした。 日本の免許をそのまんま提示しただけです。 その後女性は世界各国の免許証についての詳細が載っている冊子を見ながら僕の免許証を翻訳してコンピュータに入力し始めました。 その作業を黙って見ていると、「実は私、だいぶ前に日本に住んでいたことがあるの」といいだすじゃあ〜りませんか!(笑)。 よく話を聞くと、静岡の旅館かなにかで手伝いを3ヶ月だけしたとか。 また行きたいけど旦那と子供がいるから・・・ということでした。 とても優しい人で、話をしていてとても気持ちがよかったです。 その後、視力検査と簡単な質疑応答(交通ルールに関する質問)をし、BC独特の交通ルールをいくつかレクチャーしてもらい、顔写真をデジカメでパシャリとやったあとに31ドルの手数料を支払うと、Interim Driver’s License(写真)を発行してくれました。 これで晴れて僕は運転ができます。 でもするつもりは当面ありません(笑)。

 免許をクリアした僕は意気揚々とダウンタウンに向かうことにしました。 その前にドラッグストアでビクトリアの地図を購入し、それを持ってバス停に向かいました。 ビクトリアのバスシステムは一般的な北米のスタンダードから見ると、とても発達しています。 ですが、やっぱり日本ほどではありません。 バスルートも分かりにくいし、そもそもバス停にどんなバスが来るか、どの方面に行くバスがくるのかすらわかりません。 車内ではバス停のアナウンスもありません。 幸い僕は地図とコンパス(方位磁針)を持っていたので、それをたよりにダウンタウン方面にいくバスのバス停を見当で見つけました。 バス停で待っていた女性に、「ここにはダウンタウン行きの6番のバスは来ますか?」と聞くと、「来るわよ」と教えてくれたので安心して待っていました。 そうすると数分でバスが来ました。 緊張しながら乗り込んで、僕の前の女性と同じことをしました。 バスの料金は2ドルで、バスに乗るときに支払います。 前の女性がバスの前ガラスのところにあったゴミ箱のようななかになにかをいれたので、「なるほど。 きっとそこが料金箱だ!」と思って僕も2ドルコインをその箱にいれたら、運転手が「お金はこっち! ゴミ箱にいれちゃだめ!」っと優しく指導してくれました(笑)。 どうやらそのゴミ箱は本当にゴミ箱だったようです(爆笑)。 恥ずかしながらも教えてくれたお礼をいって席に座りました。 15分ほどでダウンタウンに到着。 月曜日ということもあって、人はまばらです。 天気も優れなかったので、閑散とした印象をうけました。 Pandra Streetというところでバスをおり、携帯電話屋さんを探しました。 まず見つけたのがFido(ファイド)。 ここのプランは格安で通話時間無制限などのサービスがあるようだったのでここにするつもりだったのですが、中の店員に話を聞くと、カナダで発行されたクレジットカードがないと契約できないとのこと。 残念に思いつつも、携帯電話がないと部屋探しすらできないので、次の携帯会社を探すことに。 次に見つけたのがRogers。 なんでもファイドを買収した勢いのある会社だとかで、小さい店ながらも店員も愛想がよく、中に入って話を聞きました。 対応してくれたのはインド系の女性。 結局そのままあれよあれよという間にRogersで契約することに。 日本のカードも取り扱ってくれるということで一安心しました。 日本とは契約の仕方がかなり違うので、説明を聞いても分かったような分からなかったような感じでしたが、ポイントは押さえた!と思ったのでそのまま契約しました。 電話は写真のソニーエリクソン製のカメラ付き携帯。 Bluetooth搭載でワイヤレスでマックに写真を飛ばせます。 また、ウォークマン機能もついているようです(使うつもりはありませんが)。 結局3年間契約(途中解約可。 ペナルティーあり。 でも、次の引き継ぎ利用者が見つかれば問題なし)で本体価格もろもろをいれて2万円強になりました。 こっちの携帯電話は高いです。 0円なんてほとんどありません。 んまあ、仕方ないかと思い、それでもデジカメ機能もついているのでよかったな〜と思ってそのままダウンタウンの観光に。 その後携帯を触っていると、1)十字カーソルの右キーが動かないこと、2)フランス語とスペイン語のマニュアルはあるが、英語のマニュアルがないこと、に気がつき、お店に戻ってまた新しい機種に交換してもらうはめに。 さらには、今日部屋に帰ってくると、英語のマニュアルがまたもや入っていないことに気づきました(涙)。 すぐにお店に電話をしたら、マニュアルはとっておいてくれるということだったので、明日以降にまたとりにいこうと思います。

 一人での観光もあまりつまらないので、ささっと回る程度にしておきました。 友達が来たときなどに本気で観光すればいいと思ったからです。 その後滞在先のアパートに戻ろうとしましたが、帰りのバスルートが分かりません。 というか、どこにバスがくるのかがわかりません。 いろいろ回りながら、街中を走るバスのすべてに目を向けていると、ようやくバス停がわかりました。 無事にバスに乗って帰ってくることができました。

 以上が今日の主な出来事です。 いろいろ慣れない土地は大変ですが、少しずつクリアしていっている状況です。 明日は新聞やインターネットに広告が出ていた物件を2、3回る予定にしています。 そのために日本から持ってきたマウンテンバイクを組み立てました。 本当はスポーツ用なので、町中では使いたくないし、盗難が心配なのですが、とりあえずはどこにも停めないつもりで乗ることにしました。 こちらでは家のなかやお店の中にまで自転車を平気な顔をして持ち込むことができるので、日本のように外にしかおけないということはありません。 なので少し安心だと思います。

 っということで、明日も忙しくなりそうなので、今日もそろそろ寝ることにします。 今、午前0時29分です。
 
 
(つづく)
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【編集後記】

 日本を出国する前に役所で手続きをしていたのはぼんやりと覚えていますが、実際になにをしたかまでは覚えていませんでした。あれ以来、一度も帰国の手続きをしていないので、ずっと非居住者扱いのままです。海外生活者の中には一時帰国した際に歯医者などにかかりたいために一時的に居住者扱いにして、医者通いをすべて終えた後にまた非居住者にして出国する人もいるようです。日本の医療費は負担額が安いですし、母国語で医者にかかれるのは確かに魅力的です。でも、保険費などは払っていないので、個人的には倫理的にどうなのかなとも思います。

 ビクトリアに初めて来た日の飛行機からの眺めは今でもはっきりと覚えています。僕はもともと方向感覚は良いほうなので、飛行機が離陸したときから方向をなんとなく頭の中で描き、頭の中の地図に照らし合わせて位置を確認していたのですが、ほんの10数分のフライトの間にあっという間に方向感覚を失いました。今考えれば北からのアプローチで、短い方の滑走路の一本に降りたように思います。このときの飛行機が僕がエアラインパイロットとして初めて常務したダッシュ8でした。古いけど操縦しやすい飛行機で楽しい思い出がたくさんあります。

 ビクトリア到着後すぐにいろいろ動き回っていたんだったなあと懐かしく思います。この時点で時差ボケに弱いということを自覚していたようですが、大型機で長距離路線を飛ばし始めたころはそんなことすっかり忘れていまして、結果、やっぱり時差ボケに悩まされ続けました。もっと早く自分のブログを見直して、時差ボケしない機材に乗れるように努力すべきでした(笑)。

 



(つづく)

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