2020-07-31

過去ログ:2006年10月20日〜2006年10月21日

ビクトリア6日目:ようやく部屋が決まりそうです。
2006年10月20日金曜日


 今朝起きると、首を寝違えたようで、かなり痛かったです。 よく考えたら、寝違えたのではなく、昨日の自転車ライドが効いているのかもしれません。 かなりハンドルを前に、低く設定した自転車で、ずっとクロスカントリーなどのときのためのセッティングのままにしてあって、さらにここ数週間はまともに乗っていなかったという状況でいきなり乗ったのが駄目だったのかもしれません。 とりあえず今はだいぶよくなりました。

 今日は、午前11時前くらいにビクトリアを出発し、昨日通ったLochside Trailをずっと北上しました。 今日の目標は空港まで辿り着くこと、そしてどれくらいの時間がかかるのかというデータを収集することでした。 今日は昨日よりも天気が良かったですが、11時の段階ではまだ肌寒かった(11℃ほど)ので、厚めのサイクリングジャージを普通の長袖シャツの上に羽織って走り出しました。 Lochside TrailはビクトリアからLochside Avenueという通りに沿ってSwartz Bayという島の北端のフェリー乗り場まで続いているそうです。 空港はSwartzよりも少しだけ手前にあります。 トレイルをずっと走っていると、途中でカボチャ畑、コーン畑、鶏舎、豚舎、ゴルフ場、湖、池、いくつもの公園、馬、ラジコン飛行機場など、いろんな風景のところを通過します。 路面は固くしまった土か舗装されているのがほとんどなので、とても快適に走行できます。 海に近いので、海抜があまりないところをずっとフラットのまま走っているような感じです。 空港までは1時間10分ほどかかりました。 なるべく汗をかきたくないので、汗が出ないようなペースで走ったつもりです。 それでも少しは汗が出ました。 毎日片道1時間10分はちょっときついかなぁとようやく思い始めました。

 空港についたら、マネージャーの方と少しおしゃべりをして、部屋探しの状況を説明しました。 彼も気遣ってくれているのか、「◯◯には電話したか?」とか、「◯◯新聞は見たか?」などといろいろ聞いてくれます。 ひげをはやした感じのよい方です。 その後、クラブの建物のなかにあるダコタカフェというレストランのマネージャーの方が部屋を持っているという情報を聞いていたので直接話をしにいきました。 話を聞くと、部屋はあるが、12月1日からしか空かないということでした。 そのかわり、カフェの掲示板に「部屋を探してます」というメモを貼ってみたら?という提案をしてくれたので、帰り際に貼らせてもらいました。 その後ラウンジで航空無線を少し聞きながら休憩し、今度は空港があるSidneyの街に向かいました。

 Sidneyは空港から近いので理想的な場所なのですが、定年後のお年寄りやお金持ちの方々が住むコミュニティーらしく、部屋そのものがあまりありません。 あるのはコンドミニアムや家などの売り物件がほとんどで、レンタルはほぼ皆無です。 昨日トレイルであったMikeのアドバイスを元に、近くのコンビニの店員やレストランの方に空き部屋の情報を知らないかを聞いてみましたが、誰も知りませんでした。 お昼ご飯をまだ食べていなかったので、SidneyでFish & Chipsを食べました。 ハリバット(たしかヒラメみたいなやつ)のフライとポテトフライのセットです。 天気が良かったので外で食べましたが、とてもおいしかったです。 その後、午後4時にアパートを2軒見に行く予定があったので、残ったポテトはパックしてもらってショルダーバックに放り込み、また来た道を戻り始めました。

 その帰り道に海沿いを走っていたら、とても綺麗だったので自転車を海を一緒にパシャリと撮ってみました(写真)。 こちらは空も海も青いです。 ちなみに海はどこにいっても同じにおいがします。 なんででしょ?(笑)。 写真の向こう側に見えているのがバンクーバー方面だと思います。

 帰り道も半分をすぎたところで、ロードバイクに乗って本格的な格好をしている3人組に追いつきました。 僕は約束に間に合わないかと思って結構飛ばしていたんですが、ロードバイクよりも早く走っていたようです。 その後、その3人が追いついて来て、自転車に乗りながらおしゃべりをしました。 その3人はカルガリーからわざわざビクトリアまでサイクリングに来たそうです。 なんでもカルガリーはもう寒いし、ビクトリアのほうがいいトレイルがあるからだそう。 その3人のお陰で良いペースのままビクトリアに戻って来れました。 でもお陰で汗だく&息は切れまくりという状態でした(笑)。

 なんとか4時までには間に合い、1軒目のアパートに行きました。 今まで見て来た物件よりははるかに良い物件でした。 でも、ちょっと汚い感じ。 「もう一軒見てから決めます」と告げて、その次の物件に向かいます。 次の物件も1軒目の物件のすぐ近くで、1、2分で着いてしまいました。 なかからひげもじゃの若い男性が出て来て、部屋に案内してくれました。 部屋はベッドルームが2つあるアパートで、1階ですが少し下に下がっている感じの部屋です。 今住んでいる人はカーペンターで、カナダ海軍の船の塗装までやっているそうです。 年は恐らく30歳後半くらい。 週末は旅行などでよく留守にする人だそうです。 いろんな質問をしたり、話をしたりしましたが、なかなか感じがよい人だったので部屋も気に入りました。 とりあえず持っていた60ドルを置いて、部屋をホールドしてもらうことにしました。 明日もう一度他の物件があるかを調べてみて、なにもなければそこに決めようと思います。 その場所は、2ブロックもあるけば高級ホテルが建っていて、さらに数ブロックあるけば入り江があり、徒歩10分ほどでEmpress Hotelや州議事堂が建っている観光スポットエリアに行けます。 ダウンタウンまで歩いて15分ほどで、空港に行くバスに乗るバス停も20分以内の距離です。 これなら良さそうです。 自転車で空港に行くことはとりあえずあきらめますが、こちらのバスには自転車を載せるラックがあるので、それを利用して自転車を持ってスクールまで行くかもしれません。 今日はたまたま停まっていたバスの運転手にお願いしてバイクラックのテストをさせてもらいました。 その写真はPhotoのページにアップしておきますので見てください。 簡単に載せることが出来たのを見ていた運転手は、「さてはお前は高校出てるだろ?」というジョークを飛ばしてきました(笑)。 

 明日は午後12時30分にいよいよメディカルチェックがあります。 恐らくなにも問題はないでしょうが、やっぱり緊張します。 無事に終わることを祈っています。
 
 
(つづく)

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ビクトリア7日目:メディカルチェック
2006年10月21日土曜日



 今朝は久しぶりに早く起床しました。 というのも、今日の12時過ぎにメディカルチェックのアポを入れていたからです。 しかも、今日は初めてスクールまでバスで行くことにしたので、バス停に時間通りに辿り着けるように時間に余裕を持って滞在先を出ました。

 バスはダウンタウンのFairfield St.とBlanshard St.の交差点付近のバス停(Bay 1)から出発します。 VFCがあるエリアに最も近いバス停はOcean at Epcoというところと聞いていたので、そこを目指してバスに乗り込みます。 こちらではバスの乗り換えをするときは、最初にバスに乗車するときにTranfer Ticket(乗り換え券)を運転手からもらいます。 バスのエリアはビクトリア市内がZone 1、ビクトリア市外に出るとZone 2という仕組みになっています。 Zone 1内であればどこまで行っても2ドル(約200円)、Zone 2までまたがって乗車する場合は2ドル75セント(約300円)です。 1ヶ月乗り放題のパス(定期券)は65ドル(約7000円)ですが、日本での定期券の仕組みとは違って、コンビニなどで買う単なる無制限カードのような仕組みみたいで、毎月1日から月末まで有効ということのようです。 ですから、購入する際には日本のように名前を書いたりすることはないみたいです。 今買っても今月いっぱいしか使えないので、来月に入ったら購入しようと思っています。 今は10枚綴りの回数券を使っています(10枚で17ドル50セントと1回乗車分くらいお得)。

 今日初めてバスで空港までいきましたが、感動しました(笑)。 理由は、(1)ほぼ時間通りに運行している、(2)イギリスのような2階建てバスに乗れる(笑、写真)、(3)きれい、(4)運転手がフレンドリー、などがあげられます。 また、自転車をバイクラックに載せることもできますし、自転車を載せても追加料金などはありません。 僕は颯爽と2階の一番前に座って子供のように景色を見ていましたが、どうやら2階の一番前は一番揺れるようです(笑)。 次からは下の階に座ろうかと思います。

 予定通りドクターとのアポの30分前にVFCに到着しました。 ダウンタウンから約1時間の乗車です。 途中、昨日自転車で見たようなのどかな風景や、オーシャンビューが楽しめます。 これなら片道1時間でも大して苦にはなりそうにありません。 車がないから仕方がないといえば仕方ないし。 環境保護にも役立っているということで妥協します(笑)。

 ドクターはエリクソンという先生で、VFCにオフィスを1つ持っているようです。 クラブハウスの2階で診察が始まりました。 

 僕は以前、日本でも第1種航空身体検査を受けたことがありますが、検査内容はほぼ同じでした。 ただ、こちらでは採血はないようです(ほっと一安心!)し、すべての面において簡素化された内容だったように思います。 合理的な検査というほうが合っているでしょうか。 僕は緊張すると血圧が上がる傾向にあり、僕のような人は「白衣症候群」といって、比較的よくいるそうです(たしか10人に1人くらい)。 今日の血圧もやっぱり高かった(涙)ですが、僕は以前に1ヶ月ほど毎日血圧を自分で計測して記録したことがあったので、その記録を見せたらお医者さんも問題ないであろうっと納得されていました。 「多分大丈夫だから心配いらない」と言われて一安心。 いつもは50〜60くらいの安静時の脈拍(回/分)がお医者さんに会うと100回/分くらいまで上がってしまいます。 それに伴って血圧も上がります。 子供の頃の病院での嫌な思い出があったりすることがなにか影響しているのかもしれません。 とりえあずはTransport Canadaがどういうリアクションをするかを待つしかありませんが、とりあえずはClass 3のPilot Medical Certificateは更新できましたので、これでソロでフライトできます。 事業用免許取得に必要なClass 1については来週にでも心電図と聴力の検査を別の場所でして、その結果をエリクソン医師がTransport Canadaに送って申請という形になるようです。 エリクソン医師の話では、なんにも問題がなければ2〜3週間でCertificate(身体証明書)が郵送されてくるようです。 血圧が問題なら、再検査をするように連絡がくるかもしれないそうですが、もしそうならまた相談しなさいと言ってくださったのでとりあえずは気にしないでいいと思います。 この際、血圧を下げる薬だろうが注射だろうがなんでももってきやがれ!という勢いです(笑)。 だって、ここまできて血圧ごときで諦めるわけには行きませんから。

 なにはともあれ、今日はメディカルチェックがあったせいで1日が長く感じられました。 検査の後はまたマネージャーのGerry(ジェリー)さんと話をした後、しばらくクラブのラウンジで航空無線を聞いていました。 僕はPrivate Pilot Licenseは持っていますが、無線で飛び交う会話には分からないものがたくさんあります。 僕にメールをくださる方々のなかには、「英語での航空無線が出来るかどうか心配です」という方がたくさん(というか、ほとんど!)いますが、僕もそのうちの一人です。 でも、無線を理解できない理由は、地名を知らないことが原因であったり、空港独自の扱い方や手順があったりするからだと思います。 数十時間もフライトすれば、少しずつ身に付いていくと思います(4年前の僕がそうでした)。 僕の場合は今から100時間以上もフライトしなければいけないですから、それだけの時間があればマスターするのは可能だと思っています。 実際そうして飛んでいる日本人パイロットはたくさんいることを考えれば、不可能なはずはありません。 結局は努力次第ということになると思います。 いずれ無線を録音してこのサイト上で試聴できるように準備をするつもりです(今はばたばたしていて、自分のことだけで精一杯です!)ので、楽しみにしていてください。

 明日は、昨日見に行ったアパートに行って、ルームメイトになるマークに保証金を払ってきます。 アメリカやカナダのアパートの保証金はだいたいの場合が家賃の半月分です。 日本みたいに20万円も30万円も請求されないので楽です。 その後は、アパート周辺のスーパーなども確認しようと思っています。 早く終われば、久しぶりにジャージを着込んでサイクリングに行こうとも思っています。 こちらには長いトレイルがたくさんあるみたいなので楽しみです。
 
 あ、今日も写真をまた追加しましたので、見てみてください。
 
 ではまた!
 
 
(つづく)
 
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【編集後記】

 今回は二日分アップしました。どちらも結構長いので二日分のみに留めます。ビクトリアのバスは結構便利で、だいたいどこにでもいけます。生徒さんの中にもダウンタウン周辺に住んで空港までバスで通っていた人もいました。車であれば30分未満でダウンタウンから空港までいけますが、バスは便の種類によっては頻繁に停留所に止まるので1時間近くかかるものもあります。それでも、ビクトリアはどこを見ても景色が綺麗なので、あまり飽きることはありません。逆に本を読んだり勉強したりしようとすると運転手の運転スキル(またはバスそのものの機材の弱さ)によってかなり乗り味が悪いこともあり、乗り物酔いする可能性もありますのであまりオススメしません。

 身体検査はビクトリアにいた間はこのエリクソン医師に毎年診てもらっていました。実は個人的にも体に不安な点があったときに助けていただきました。彼、ボクシングのリングドクターをやっていたことがあったり、事業用操縦士資格と多発計器飛行証明まで持っているパイロットでもあります。人柄もよく、僕が教官になったときにはときどき一緒にフライトに出かけました。双発機で計器飛行をしに行ったこともあったりして良い思い出があります。ここしばらくは連絡を取っていないので、また近いうちに連絡しないとなと思っているところです。

 僕がよくメールやフェイスブックの「海外でパイロットになろう」のグループで質問されるのがこの身体検査についてです。「僕は〇〇が悪いんですが、パイロットになれますか?」とか、「矯正視力がマイナス5.0なんですが、検査は通りますか?」とかです。そういう質問には毎回同じような返答をしています。

「僕は医師ではないのでわかりません」

 と。実際に航空身体証明検査を受診すればすぐに結果がわかります。日本国内でもカナダの運輸局(Transport Canada)の認定医がいますので、彼らのクリニックで検査を受診することを勧めています。カナダに渡る前に身体証明書を入手できれば安心して渡航できますし、一人でいろいろと悩むよりも専門医に聞くのが一番です。費用はかかりますが、いずれにせよ払うことになるものですから、安心料と思って支払ってもいいのではないでしょうか。


(つづく)

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