2025-12-26

年末から訓練開始。


 皆さん、お久しぶりです。

あっという間に2025年も終わろうとしています。今回が今年2度目そして今年最後の投稿になります。


2025年は大きな病気をすることもなく、仕事や行事にも恵まれ、とても充実した一年を過ごすことができました。仕事も順調で、いろいろな場所へ行く機会がありました。


プライベートでは日本に一時帰国する予定でしたが、空席がなく飛行機に乗れなかったため、急きょフロリダ州でのバケーションになりました。結果的には家族で楽しい時間を過ごすことができ、良い思い出になりました。


そして今月に入り、次に乗務する機材であるボーイング777の訓練が始まり、現在はその真っ只中です。ボーイングに乗る前は、エアバスA320シリーズに約5年間乗務していました。


久しぶりのボーイングということもあり、機体のシステムや操縦方法、手順の違いに少し戸惑うこともありますが、エアバスに乗る前にはボーイング767に乗務していたため、その時の経験が少しは役立っていると感じています。


今の予定では、来年1月いっぱいまではシミュレーター訓練が続き、2月には実機での訓練に入る見込みです。そして順調に進めば、2月後半にはチェックアウトとなり、777で世界各地を飛ぶことになりそうです。


久しぶりのワイドボディ機、そして国際線の乗務ということもあり、今からとても楽しみにしています。


来年がどんな一年になるかはまだ分かりませんが、体調管理をしっかりしながら、プライベートも充実させられるよう頑張っていきたいと思います。


今年も残りわずかとなりましたが、皆さまどうか良いお年をお迎えください。




(つづく)


2025-07-14

新たな機種・新たなチャレンジへ。

  半年に一度更新の本ブログ(笑)。いつもご覧いただきありがとうございます。近況をお伝えします。


 仕事は順調で、何かと忙しくしています。あいも変わらずもっぱらフロリダに行く仕事が多く、行き先はマイアミ、オーランド、フォートローダーデール、タンパなどに飛ぶことが多いです。多くは日帰り、たまに一泊する仕事が多く、2泊、3泊する仕事はここ数年やっていない気がします。3泊する仕事は僕が乗務する機種の場合は仕事効率が悪かったり、レイオーバーが無闇に長かったりすることが多く、そういうのはライフスタイル重視の僕には向いていないので避けています。

 

 さて、先日機種変更のビッドがありました。年に数回あるequipment bidというもので、セニオリティ順に希望の機種に移動できたり、他のベース空港に移動できたりする仕組みです。今回のビッドで、これまで4年ほど乗務してきたエアバスA320のポジションを離れることにしました。


 次回乗務するのはボーイング777型機(日本の政府専用機と同じ機種)です!


 本当はそろそろ機長昇格に挑戦しようとここしばらく考えてきました。セニオリティ的に今の機種であればそこそこのポジションに行けると思っていたからです。今のライフスタイル(主に休日の取り方)を保持したまま機長に昇格するためには上から4割程度のセニオリティ(例えばパイロットが100人いる場合、上から数えて40番目以内)に収まることが必要だと感じていました。前回のビッドの結果を見ると自分はいよいよ上から半分くらいのポジションで機長に移行できそうな感じでした。ところが今回のビッドでは機長になるには上から6割ほどのポジションになってしまうことが判明しました。6割だと、希望の休日が取れない可能性が高い。そうなると、たとえ機長になったとしても家族に会える時間が減ったり、非効率なペアリングを担当する可能性が高い。それでは本末転倒です。僕はあくまでライフスタイル重視でポジションのビッドをしていますので、機長昇格のタイミングは残念ながら今ではないような感じになってしまいました。

 そこで検討したのが今回決まったボーイング777型機のポジションです。機長ではなく引き続き副操縦士としての異動になります。777は我が社最大の大型機(ワイドボディ機)で、僕が以前乗務していた767型機よりも大きく、より遠くに飛ぶ飛行機です。この飛行機であればセニオリティ的に上から3割強の位置になります。また、この飛行機は長距離を主に飛ぶため仕事効率が良く(1回のフライトで長時間飛ぶため、1日あたりの勤務時間が増える)、1ヶ月に働く勤務日数が今よりも減る可能性が高いです。今のエアバス機では1ヶ月に12-14日程度乗務していますが、僕と同期入社の777乗務の友人は月に9-12日勤務ということが多いようです。そのため、非番日数は増え、さらにお給料も今より上がります。また、以前のように海外に飛ぶことが増え、行き先の一つは東京・成田空港です。仕事で日本に一時帰国できることが増えそうなので、総合的に考えて777に異動することが今の僕には最適解であろうという結論にいたりました。機種変更になるとまた勉強や訓練の日々になりますが、日本に帰れることを楽しみに頑張りつもりです。


 機長昇格は残念ながら一時お預けとなりますが、2、3年後にはセニオリティも上がっていいポジションで機長昇格できるようになれば、またエアバス機に戻って挑戦したいと思っています。エアバスは飛ばしやすい飛行機で、機長昇格するならエアバスで!と思っています(今は)。


 今日の写真はマイアミでのレイオーバー中にサイクリングに行った際に見かけた景色です。





 

(つづく)













2024-12-20

2024年を振り返り。

今年も残すところあとあと2週間弱となりました。今年は昨年を下回る更新頻度となりましたことをお詫びいたします。家族との時間を大事にしていると自ずとブログ更新などに割ける時間がなくなってしまうのです。はい、言い訳です。

2024年は娘が2歳になり、長いフライトにもある程度耐えられるようになったと判断し、初めて日本に連れて帰りました。僕自身日本に帰国するのは本当に久しぶりで、また、妻にとっても久しぶりの日本になりました。娘ともども楽しい時間を過ごすことができ、いい思い出がたくさんできました。家族や親族をはじめ友人にも娘を披露することができ、きっと娘は大きくなる過程で忘れてしまうでしょうけれども、初めての日本を満喫しているように見えました。

仕事はいたって順調に進みました。これと言って昨年と違うことは起きませんでしたが、今乗務しているエアバスの副操縦士リストの中ではかなりシニアになってきたこともあり、毎月のスケジュールはほぼ希望通りでもらうことができ、飛びたいルートや時間帯も選ぶことができるおかげで家族との時間を優先した生活をすることができました。9月と10月には娘と妻がモントリオールに滞在し、家族水入らずの時間を過ごすことができました。

最近は僕と歳が近い機長や、年下の機長とフライトすることが多くなってきました。カナダ人の年齢というのは我々日本人にはなかなか推測しづらいものがあります。若いのに老けて(大人びて)見えたり、逆に結構な歳なのに若く見えたりすることもあります。こちらの生活ではあまり年齢のことは話題に上がらないのですが、フライト中の日常会話でふと歳の話になって、「え?僕より年下?」とか、「うそ、僕とほぼ同い年?」っていうことがよくあります。年齢は仕事をする上で全く関係ないのですが、それでも年下と仕事をすると自分が歳を食ってきたなぁとつくづく実感します。以前乗務していた767の場合は機長連中は皆シニアだったため、年齢がそこそこいっている年上のおっちゃん(時々おばちゃん)と飛ぶのが普通でした。一方で今のエアバスはジュニアなポジション(=767の方が高給なポジションなので、セニオリティが高くないとそのポジションに就けない)なので、乗務するパイロットの平均年齢が低くなる(比較的入社時期が最近)という仕組みです。自分よりも若いパイロットと仕事をしていると今の自分のいる環境が果たして年相応なのかと考えることもあります。

僕はカナダ人パイロットたちと比べると約10年ほど遅れて飛び始めているという実感があります。最近の現地パイロットは20代前半で飛び始め、20代後半から30代前半にはメジャーエアラインに辿り着くことができるようです。僕はパイロットとしてのキャリアを始めるまでに日本で働いてカナダ移住とパイロット訓練に必要なお金を貯めるというプロセスを踏んでいるので、飛び始めたのが30代、メジャーに到達したのが40代始めという感じで、典型的なカナダ人パイロットと比べるとちょうど10年遅れている感じです。他人と比べることは無意味であることはわかってはいても、何せ僕は未熟者なのでそういうことを考えてしまうことも時々あります。子供の頃に思っていた40代って結構なおっさんだったと記憶していますが、実際自分がその歳になってみると意外とまだまだ若いじゃんなんて思うこともある反面、鏡で自分の顔を見るたびに確実に歳を喰っているという実感が湧いてきます。そんな思い描いていたおっさんらしい大人な生き方ができているのだろうか、と。

僕はパイロットになることが子供の頃からの夢で、今はその夢の仕事をしている幸せ者です。収入がいくらなのかなんて考えたことは一度もないままパイロットになるための道をひたすら歩んできた結果、今では毎日の生活に困らないお給料をもらいながら仕事ができているので本当にラッキーです。一方、さまざまな犠牲を払っているからこそ今の生活ができていることもまた事実です。20代から30代前半にかけては一生懸命働いてもフリーターと同じようなお給料しか稼ぐことができず、毎月のお給料は生活費として溶けていきました。周りの友人たちが結婚したり子供ができたり、家を買ったり出世している間も僕はせっせと低賃金で酷い環境で働かざるを得ないという時期もありました。そんな経験があったからこそ今の生活の有り難みが増すのだと思っています。

歳はとったし、周りのパイロットに比べると遅咲きではあるけれど、冷静に考えればとても幸福な人生を送れています。周りと比べてもキリがない。上を見てもキリがない。自分がとことん納得できるまで仕事でもプライベートでもさらなる飛躍ができるよう来年も頑張っていこうと思っています。

最後に今年の写真を何枚か。


家族で行ったケベックシティーの夕暮れ。意外にも初めて訪れましたが、とても美しい都市でした。楽しかった!


今年もカンクン(メキシコ)によく行きました。好きな空港の一つです。


マイアミによく行った一年になりました。いつ行っても温暖で過ごしやすくて好きです。


古巣ビクトリアからも見えるマウントベーカー。今年は数回だけビクトリアにも行けました。いつ行っても第二の故郷のように感じます。


朝早い時間に仕事に行くことが多いのですが、朝方人間の僕にはもってこいの時間帯です。それがネックとなり、長時間飛ぶワイドボディ機のポジションに戻ることは躊躇してしまいます。


ロッキー山脈が冠雪し始めた頃にアリゾナ州フェニックスまで行きました。来年はフェニックスでレイオーバーしてみたいと思ってます。


今年も多くの日没を空から見ました。いつ見ても自然は美しい。


自宅側の橋です。日の出とともに出勤することが多いですが、朝は渋滞もなく嫌いではありません。年々渋滞が酷くなっているので、マジで空港側に引っ越そうかとすら考え始めています。


今年は夜中中飛ぶ「レッドアイフライト」は1回だけやりました。景色はいいけど身体への負担が大きいので普段はやりません。夜中中飛ぶってことは誰にとっても得にならないと思うんですけどね。





以上です。2025年が皆様にとって良い年になりますように。



つづく





2024-07-17

久しぶりの一時帰国とFacebookグループ閉鎖

 あっという間に夏になりました。皆さまお元気でしょうか。こちらは相変わらず元気にやっております。


 5月末から6月上旬まで約4年半ぶりに日本に一時帰国しました。今回は嫁さんと娘を連れて、娘にとっては初めての日本でした。2週間ほど滞在しましたが、しばらくぶりの日本はいろいろと変わっていました。無人化や自動化がかなり進んでいたことには驚きました。回転寿司なんて誰とも話さずに予約から会計までできちゃうんですね。便利なような、少し味気ないような。今回は東京と実家のある福井に滞在しました。娘にとっては長い旅で長時間のフライトは大変だったと思いますが、嫁さんがうまくやってくれたおかげもあり楽しい旅になりました。娘が日本語を覚えるのが速く、また、こちらに戻ってきてからも脳のどこかに日本語がしっかりと留まっているのがとても興味深かったです。日本滞在中には友人にも数名会うことができとても楽しい時間になりました。


水族館に行ったあとで見た景色。子供の頃にはよく海に釣りにきました。


ドラッグストアからの帰り道。お城が遊び場でした。


 仕事の方はここ最近はアメリカのマイアミに行くことが多いです。個人的にはあまりマイアミは好きではありません。というのも、忙しい時間にあの空港に行くとカオス状態になる場合が多く、僕の個人的「面倒臭い空港ランキング」の上位に食い込みます。何度か行けば西向きの着陸ならこの滑走路、東向きならこの滑走路というふうにある程度予測ができるのですが、ATISを見る限りだと全ての滑走路に降りる準備をしなければならないように見受けられ、着陸ギリギリで予定していた滑走路と別の滑走路に着陸するよう指示されることもたまにあります。我々が使うコンピューターには通常PRIMARYとSECONDARYの二つのフライトプランをプログラムすることができるので、最大2つのプランを準備できます。ところがマイアミみたいなところだとPRIMARYでもSECONDARYでも準備していなかった第3のプランをギリギリになってプログラムしなければならないことがあり、そうなるとパイロットの1人はhead-down状態で必死にプログラムしなければなりません。これは実は安全面で問題になる可能性があります。あとはマイアミはこの時期嵐に見舞われることも多く、着陸や離陸に難儀する場合もあります。というわけで、マイアミに行くなら朝イチのフライトが個人的にはお気に入りなので、そういうペアリングをやることが多いです。レイオーバーは海の側で、ビーチまで自転車で20分ほどの距離です。毎回レンタサイクルでビーチ方面に行きます。この時期は暑いので自転車に乗ると汗だくになりますが、いい運動になるし、ビーチ以外はあまり面白そうなこともないので毎回ビーチ方面に行き、メキシコ料理を食べるというのが定番コースになっています。


ライフセーバーが待機する小屋は個性豊か


雷が数時間も続くことも


サイクリングしていると大型機が頭上を通過していきます


エアバスA380やボーイング747をよく見かけます。


雷雲はフライト中は嫌いですが、地上から見るのは好きです。


マイアミの人々のライフスタイルはなかなか良さげ。


ホテルをチェックアウトする時間くらいに朝日が上ってきます。


 明日もそのマイアミに行きます。そして今週末には半年に一度のシミュレーター訓練があります。勉強もしっかりしたし、楽しい訓練になるように思います。


 既にお気づきの方もいらっしゃる方もいるかと思いますが、長年やってきましたフェイスブックのグループを先日閉鎖しました。海外でパイロットになることを夢見る方々のために情報交換できる場所があると良いなと思って開設しましたが、ここ最近ではあまり目立った情報交換や発信もなく、コロナ禍以降あまり存在意義がないように見受けられるように感じ始めていました。これまでにいろんな方々に情報提供できたと思いますし、このグループを通して多くの方に出会うことができました。おそらく最近ではフェイスブックよりも便利なSNSが存在しますから、そういう媒体を使って今の若者は情報収集しているのではないでしょうか。もしくは海外でパイロットになりたいなんて思わなくなったのかもしれません。実際、以前であれば毎月数通メールで問い合わせがありましたが、ここ最近ではそれもめっきり減りました。どこか他のところで情報収集できているからなのであれば嬉しいと思います。今まで参加してくださった方々には感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。



(つづく)






2024-03-26

ここ最近の出来事のまとめ。

 今月も残すところあとわずか。昨日までラスベガスに行っていて、今日は1日お休みです。朝から色々やることがありバタバタと休日が過ぎていきます。 明日、ドミニカ共和国のプンタカーナまで行ってきます。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、ドミニカのお隣はハイチ。最近政治的不安定さが目立っていて町中は荒れまくりという話。ドミニカまで影響が出ているという話は聞こえてきませんが、やはりカリブ海の国々は貧困が原因で治安が悪いことが多いような印象です。我々が就航している都市は概ね安全ですが、貧困に苦しむ場所もあります。代表的なのはキューバ。最近知りましたが、キューバの人々の平均月給は2万円前後らしいです。そんなこともあり、キューバに着陸してカナダに戻る前に外で機体の点検をしていると、地元のグランドクルーから「コカコーラをくれないか」と言われることがあるんだとか。我々にとっては機内サービスで無料で配布するコーラもキューバの人々にとっては嗜好品なのかもしれません。そんなところに休暇で出かけお金を落としてくる北米人。世の中平等ではないです。


 ここ最近色々ありました。


 まずは先日のキューバ・バラデロ行きのフライトにて。巡行高度を順調に飛行してワシントン周辺に差し掛かった時、突然「ピーン!」という警告音とともに警告灯が点灯。理由は油圧システムのポンプがオーバーヒートを起こしていたからです。エアバスはECAM(イーキャム=電子式集中化航空機モニター)というシステムが航空機のあらゆるシステムの状況を監視していて、問題があるとパイロットに警告及び処理手順を表示してくれます。我々はそのECAMに従って手順をこなし、最終的には緊急着陸をするのか、それともそのまま飛行を続けるのかなどを決定します。この日の問題は油圧系。3つあるシステムのうち1つが使えなくなりました。不幸中の幸い、使えなくなったのはバックアップ的な位置付けの油圧システム。ECAM手順が終わったあと、ディスパッチャー及び整備部門に無線通話で状況を報告し、今後のプランを決定。この日は残念ながらバラデロまで飛行を継続せず、モントリオール空港に戻る決定を下しました。航空管制にシステム故障の状況を告げ、モントリオールに目的地変更の意思を伝えました。そこからは目的地変更の手順を一つ一つ、訓練で行うのと同じ方法でこなし、約1時間半後に無事モントリオール空港に着陸となりました。

こんなルートで引き返しました。

 
 こういうことがあると、色々報告書を書いたり、チーフパイロットから電話がかかってきたりと色々忙しくなります。この日は他にも銀行から住宅ローンのことで電話がかかってきたり、一緒に飛んでた機長からフライトの内容の確認を求められたりしてバタバタした1日になりました。この日のフライトはこれで終了。原則的にこういうイベントが起きるとその日の他のフライトは全て免除になって、家に帰って休息を取るように言われます。やはり精神的な面を考慮してのことだと思います。

 そしてそれから数日後。今度はラスベガスまでのフライト。飛行機は問題なかったのですが、今度はお客さんが泥酔で色々トラブルを起こしている模様。行き先がラスベガスの場合、お客さんもパーティー気分で乗ってくることも多くあり、空港で搭乗前に既にかなり酒を飲んでいる場合があります。そういう場合、安全上の理由から搭乗拒否となる場合もあります。この日はその乗客には警告を与え、フライト中はお酒を提供しないということに同意をしてもらった上で搭乗を許可しました。ところが、フライト中に一緒に旅行している他の乗客が注文した酒を、問題の乗客にこっそり手渡していたことが判明。そこでそのグループは団体責任ということで酒を提供しないという決定に至ったのですが、それに不満を示し、声を荒げて騒ぎ出しました。周りの乗客のみなさんは本当に迷惑だったことでしょう。結局、フライトはラスベガスに無事到着したのですが、到着後すぐに警察官が4名ほど乗り込んできて事情聴取。そんなことがあってかなり後味の悪いフライトになりました。

ラスベガスはイースターの時期のせいか、めちゃくちゃ混んでました。プールもオープンしてました。


 
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 先日、本年度の有給休暇を決めるバケーションビッドがあったのですが、それで5月後半から2週間お休みを取ることができました。なので、娘と妻を連れて実に4年ぶりに日本に一時帰国します。主な目的は娘を日本の家族や親族に紹介することです。今はそのためのフライトやらホテルやら行き先の選定など色々手順を進めています。独身の頃は日本に帰ってこのブログなどで知り合った方々とお会いしたりオフ会を開いたりもしたのですが、今は時間がなく無理です。それにそもそもそういう需要も最近ではもうないのかなとも感じています。友人たちに会える時間があるのかすら微妙なところです。とはいえ、久しぶりの日本をとても楽しみにしています。



(つづく)






























2024-01-18

2024年は訓練からスタート。

 新年明けましておめでとうございます。今年も本ブログをどうぞよろしくお願いします。


 今年は航空事故や地震など、様々な心配なことが起こる年明けになってしまいました。航空事故は航空業界に携わるものとしても注目して経過を見守っています。今日のニュースでJALの元社長となった方が「アナログな無線通信はリスクが高い」とおっしゃっていて、その通りだよなと思いました。最近ではCPDLCといったデータ通信を使ってパイロットと航空管制官が通信する方法もだいぶ普及してきてはいますが、いまだに離着陸の許可や地上滑走許可などはほとんどが音声による無線通信に頼っています。海保のパイロットが無線指示を間違って理解して滑走路に進入したことが事故の原因であるような感じの報道がされていますが、無線を聞き違えたり、復唱したけど頭の中では違うことを考えるということは誰にでもあり得ます。そういうミスを防ぐためにパイロットは2名以上乗務しているわけですし、管制官の方々も注意を払っているはずです。JALのパイロットが操縦していたエアバスA350型機ではパイロットはヘッドアップディスプレイ(HUD)を使って着陸操作をしていたと思われ、そのディスプレイ上の表示と地上にいた海保の機体がちょうど重なって見えづらい状況だったという話も耳にしました。今回の事故から航空業界が学ぶこと、改善することはとても多くあるように思います。


 さて、僕はフランスで新年を迎え、1月9日にカナダに戻ってきました。 今月は半年に一度のシミュレーター訓練があるので、その前に2ペアリングほど飛んで、休みの間に鈍った勘を取り戻すのにはちょうど良い形になりました。


 一昨日、昨日とトロントの訓練施設でシミュレーター訓練を受けてきました。今回は1日目が訓練日、2日目はLOFT(Line Oriented Flight Training)という、普段のフライトで起こりそうな状況にリアルタイムで対処する訓練イベントでした。エンジン火災、急減圧、油圧システムの故障、その他システム不具合など、いつもと同じように色々なシステムトラブルに対処する手順の復習をやりました。今回のトレーニングパートナーは機長資格を持ったパイロットだったので、僕は副操縦士のオペレーションに集中することができました。過去数回の訓練は全て副操縦士とペアになったので、セッション途中で席を入れ替えて1人が機長の役目をやらなければならず、普段よりも訓練に時間がかかることはもとより、LOFT訓練をすることができず、毎回フライトテスト(PPC)をやってきました。PPCはある程度シナリオが想像できるので楽と言えば楽なのですが、やはりLOFT訓練で毎日のフライトに役立つ知識や手順の確認をした方が有益であると思います。訓練は2日とも様々な項目がぎっしり詰め込まれているので、4時間ぶっ通しでのセッションでしたが、大きなミスもなく、ちゃんと手順のおさらいをして今回の訓練も無事終了、また6ヶ月飛べることになりました。


 ここ最近カナダは真冬の天候で、西部ではマイナス40度というところもあったようです。トロントはマイナス13度ほどでしたが、僕は訓練とホテルの間しか移動していないので、それほど寒さを感じる時間はありませんでした。


毎回お馴染みの怖い箱(笑)

(トロントからモントリオールに戻ってくるフライトの機窓から)


 今月はシングルデーペアリングがほとんどなのですが、明日からは今月唯一の2デーペアリングでドミニカ共和国まで行ってきます。ビーチから見る日の出がとても綺麗な場所なので楽しみです。



(つづく)

2023-12-28

2023年最後のフライト。

  今年もあっという間に年の瀬がやってきました。今年は大きな怪我や病気もせず、仕事もプライベートも全てがスムーズに進んだ良い一年になったように思い、とても満足しています。仕事は毎月のスケジュールがほぼ希望通りのものをもらえるようなセニオリティまで上がってきたこともあり、そのおかげでプライベートを充実させることもできました。近い将来、今のナローボディ機の副操縦士のポジションから次のステップに進むことになりますが、そうなると相対的なセニオリティは確実に下がります。そうなるとスケジュールの自由度が下がり、生活の質が下がってしまうことは間違いありません。ですから、今のうちにシニアパイロットとしての恩恵を十分味わっておこうと思っています。


 昨日が今年最後のフライトで、一昨日、昨日と連続でキューバに行ってきました。一昨日はサンタクララ空港、昨日はオルギン空港までの日帰りフライトでした。キューバは僕はあまりいったことがなく、サンタクララに行くのは1年ぶりくらい、オルギンに行くのは初めてでした。キューバという国について僕が知っていることといえばハバナの葉巻、カラフルな街並み、レトロな車、そしてあとはアメリカやロシアが絡んだ歴史的の一部くらいです。まだレイオーバーでキューバに滞在したことはありませんが、いつか行ってみたいところの一つです。駐機中にフェンス越しに駐車場が見えたのですが、そこに出入りする車の多くが今まで写真などで見たことがあるレトロな車ばかりでした。フライトは2日とも強烈な乱気流が報告されているような大荒れの気象条件で、どの高度を選んでも揺れがとまらない残念なものでした。アメリカのニューヨークからキャロライナ州あたりまで1時間弱、中度の乱気流が続きました。幸いお客さんの中で気分を悪くする人はいなかった(というか、我々パイロットに報告される程深刻な状況にはならなかった?)ようです。


サンタクララ空港のターミナル

空港の名前にはサンタマリアとありますが、サンタクララという場所の空港です。


オルギン空港にはカストロ議長の写真が設置されていました。

お隣はアメリカの航空会社


 今月は月の頭に1週間程休みがあり、今日から来年1月7日までお休みです。そのため、今月中旬は6日連勤で1日休み、また6日連勤というパターンで働きました。なかなか疲れたなというのが正直な感想です。来月は訓練があるためスケジュールに制約があり、ほぼ全てのフライトがシングルデーのペアリングです。毎日2回自宅と空港の間を自動車通勤するのは気が滅入りますが、何とか頑張ろうと思います。

 最後にスクリーンショットを1枚↓




これは今年の僕の飛行データです。146便の運航を担当し、旅客者数は2万2千人程でした。今年も無事故無違反でお客さんを安全に目的地までお届けできてよかったです。


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 今年もこのブログやフェイスブックのグループを通していろんな方からメッセージをいただきました。パイロットを目指している方やその親御さん、カナダに留学に来る方、または同業者の方など、本当に様々です。僕の拙い文章がどなたかの何らかのお役に立てていれば嬉しいです。今はSNSを通して誰とでも繋がれますし、生の声を聞くこともできます。僕がカナダに来ることを検討していた頃は今ほど情報がありませんでしたから、自分から動いていろいろリサーチする必要がありましたが、今はそんな努力をしなくても指先でスマホ画面をタッチするだけで情報が簡単に手に入ります。それがいいのか悪いのかはわかりませんが、少なくとも情報は自分で精査して利用する必要があると日々感じていますし、自分で行動を起こさなければ何も変わらないということは今も昔も同じであると思います。パイロットを目指している方にとっては今は絶好の機会が訪れていますから、努力して夢を叶えてもらいたいと思っています。


 以上、2023年最後の書き込みでした。本年もこのブログを読んでいただきましてありがとうございました。2024年が実り多い良い一年となりますように。皆様、良いお年を。


(2024年もマイペースで続く)