2009-06-24

エマージェンシーな一日。




 今日もおかげさまで忙しい一日でした。 午前中のフライトの途中、生徒さんに訓練空域でエクササイズをやってもらっていたら、突然エンジンの音が荒くなり始めました。 気のせいかとも思ったのですが、やっぱりおかしい。 セスナ152/172のエンジンはmagneto(マグニートと発音します)という磁石のようなものを使って電圧を起こし、そこで発生した電気をスパークプラグに送って発火させています。 安全を考えてRight MagとLeft Magという2つのマグニートが備え付けられていて、普段のフライトではそれら両方(Both)を使ってフライトします。 話を戻すと、どうもエンジンの調子が悪いのはそのマグニートか、マグニートにつながっているスパークプラグの調子がおかしいようでした。 そこでLとRを切り替えてチェックしてみたら、やっぱりLの調子が悪い。 仕方ないのでRのマグニートだけを使って空港に戻りました。 念のためいつもより高めの高度を維持することを管制塔に告げてのアプローチとなりました。 「緊急事態ですか?」と管制塔には聞かれましたがそこまで深刻ではなかったので問題ないと返答しました。 無事に着陸し、必要な手続きを済ませて一件落着。 あとで書類を確認してみたら、スパークプラグがすべて新品と交換されていました。 きっとスパークプラグの不具合だったんでしょうね。

 今日はディスカバリーフライトを2本やったのですが、最後のフライトから帰ってくるときにこれまた管制塔から、「悪いけどちょっと121.50Mhzをモニターして、ELTの音が聞こえるかどうか確認してくれない?」と言われました。 ELTというのはEmergency Location Transmitterの略で、万が一飛行機が不時着したときなどに救難信号を発信するためのラジオです。 言われた通りにモニターしてみると、かすかではありますが救難信号が聞こえます。 どうやら空港のそばのどこかでELTが発信している飛行機があったようです。 他の飛行機のパイロットも同じように協力していました。 なんかの間違いであってくれればいいなと思います。

 今日の写真は飛行機の翼の先端です。 グランドスクールで使うマテリアル用に今日撮影しました。 上の飛行機にはSTOL(Short Take-Off and Landing) kitというキットがインストールされていて、翼の先端が下にだら〜んと下がるようなデザイン(droop wingtipといいます)になっています。 一方、下の写真はそのキットがインストールされていません。 翼の先端は揚力が発生する過程で渦巻き状の風が発生しやすく、それが空気抵抗を生みます。 それを押さえてロスを減らすための仕組みがこの翼の先端のデザインというわけです。 まめ知識でした。

 明日から二日休みです。 それが終わるとまた仕事で、それからしばらくは一般の方々と同じように日曜日が休みになります。 日曜に休むなんて1年以上ぶりのような気がします。


(つづく)

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