2015-12-12

ジェット機訓練 - Phase 1-


 今回の訓練は大きく分けて3つのフェーズに分かれていました。 内容はだいたいこんな感じです:


フェーズ1: IPTを使った訓練
フェーズ2:フルモーションシミュレーターを使った訓練とPPC
フェーズ3:フルモーションシミュレーターを使ったCRJ-705のdifference course

フェーズ1の「IPT」というのは「Instrument Procedure Trainer」と呼ばれるもので、下の写真のような装置です。





 以前のDash-8の訓練でも同様の装置を使って訓練をしました。 これはいわば「シミュレーターのシミュレーター」というもので、フルモーションシミュレーターに行く前に基本動作などを学ぶための装置です。 後ろには教官が操作するPCがあり、そこでいろいろな状況を創りだしたり、飛行条件を変えたり、故障を(意図的に)引き起こしたりします。 

 画面はタッチスクリーンで、それ以外にはFMS (Flight Management System)やスラストレバーやオートフライトコントロールのスイッチ類などがあり、それらは実機と同じ物です。 

 これを使ってやる訓練はまずは「Flow」を学ぶことから始まります。 「Flow」というのはチェックリストの暗記項目のことで、離陸前のチェックリストや離陸後のチェックリストなど、チェックリストの項目のほとんどは丸暗記しなければいけません。 数が結構あるので暗記するのには時間がかかりますが、名前が暗示するとおり、チェックする項目はある程度の流れ(flow)が決まっています。 例えば、
(写真はhttp://www.proprofs.com/より拝借)

 この写真はCRJではありませんが、この写真に示してあるように、まずは①、そして②,そして③,そして④,というふうに流れがあって、その流れに沿って必要項目をチェックしていくわけです。 ですから、右から左に飛んで、さらに右に戻って、また左に戻ってというような効率の悪いフローはないと思います。 だいたいは「一筆書き」のように一つの線でつなぐことができるような流れが決まっていて、それを覚えるわけです。 説明が下手で申し訳ないですが、だいたいの雰囲気はわかってもらえたかと思います。 フローは頭で覚えても実際には出来ないことが多いので、こういう装置を使い、実際にフローを体でやってみて、体の筋肉に動きを覚えこませることが重要になってきます。 (マッスルメモリーってやつですね)

 フローを覚えるために、僕は訓練の1ヶ月くらい前からマニュアルに書いてあるフロー項目を暗記カードに書き出して少しずつ覚え始めました。 先輩パイロットから、「フローを暗記してから訓練に挑めばだいぶ楽だよ」っていうのをよく聞いていたので、そのとおりフローの大半は暗記してから訓練を始めました。 確かにフローを覚えてさえおけば他の訓練項目に集中できるので、効率のよい訓練が出来たと思います。 それにしても、IPT訓練中にフローをど忘れしたときに出る冷や汗はとても気持ちが悪いものです(笑)。 

 このIPT訓練を9セッションやりました。 途中で数日間の休みが入ったり、他にも座学の日があったりしたので、フェーズ1は期間にして2週間強でした。 フェーズ1が終わってからしばらく休暇がもらえましたので、自宅があるビクトリアに戻りました。


(つづく)

1 件のコメント:

I want to be a pilot さんのコメント...

飛行機の安全はこのような訓練の積み重ねからくるんですね!