2016-12-14

いきなり冬&サンフランシスコ。

 12月に入り、「今年は雪もまだ降ってないし、気温もそんなに下がらないし、どうなってるんだろうね〜」なんて話を頻繁にしていました。


 が!!


 冬はいきなりやってきました(笑)。 僕が日本から戻ってくると、普段はほとんど雪など降ることがないバンクーバー空港が雪化粧をしていてビビりました。 「あれ? もしかしてカルガリーにダイバートした?」って一瞬本気で思ったほどです。 


(上:僕が住んでいるところの側を流れる川も凍りました。)

(上:仕事でよく行くホワイトホースは−33度。 「極寒」ですって・・・苦笑。)

(上:散歩の途中で見かけたうさぎです。雪が降っても元気に走り回っています。)


 ===============

 先日、カルガリーからサンフランシスコまで行って来ました。 片道2時間ちょっとのフライトです。 サンフランシスコに行く時はいつもなにかが起こります。 過去数回のフライトでもそうでした。 他のパイロットと話をしていても、「今からサンフランシスコまで行くんだ」って言うと、「Good luck!!」って皮肉たっぷりに言われるような感じです(笑)。 なぜなら、サンフランシスコへのフライトはなんらかの理由でいつも遅延が発生し、オンタイムで飛べることはほとんどないからです。 

 そして今回も例外ではなく、出発前から3時間ほど地上待機を余儀なくされました。 どうやらサンフランシスコの天候が悪く、サンフランシスコへ飛んでくるトラフィックの量を制限しているとのこと。 「Ground Delay Program」と呼ばれるもので、テイクオフできる時刻が航空管制に制限されることを指します。 幸い、ゲートに向かう前にこの遅延についてディスパッチャーから連絡が来ていました。 なので、できた時間を利用して朝ごはんを食べたり、コーヒーを飲んだりしてまったり過ごしました。 

 霜が降りていたこともあり、出発前にはde-icingスプレーをし、予定よりもだいぶ遅れて離陸しました。 フライト自体はスムーズで、特に問題もなく、簡単なフライトです。 今回はILSで着陸だったので、いつものようにクレイジーなビジュアルアプローチをする必要もありませんでした。 サンフランシスコ空港は忙しい空港の割には周波数がタワーもグラウンドも1つずつしかありません。 そのため、無線はノンストップで誰かが話しています。 誰かの会話が終わった瞬間に発信をしても、他にも同じタイミングで発信している人がほぼ毎回いて、お互いをブロックしちゃうことも多々あります。 しかも、前回行ったときには誰かがstuck microphone状態(無線の発信ボタンが押し込まれた状態でひっかかってしまい、ず〜っと発信している状態になってしまうこと。 こうなると他の飛行機のパイロットが無線で喋ろうとしてもつながりません)になっていて、えらい目にあいました。 今回はそういったトラブルもなく、スムーズなフライトでした。

 (上:お隣のゲートにはユナイテッドの747が停まっていました)

  サンフランシスコは雨。 海から張り出した雲が空港を覆っていて、雲底は低かったです。 この空港はユナイテッド航空のハブ空港の一つのようで、そこらじゅうにユナイテッドの機体が停まっています。 特に747が現役でいまでも飛んでいて、見ているとなかなか楽しいです。 他にもアジア系の航空会社のエアバス330/340やら、日本航空の787、その他のワイドボディー機がたくさんいます。 そんな中を我々は小さなCRJ900で運航しています(笑)。 一旦空に上がってしまえば巡航高度もスピードもワイドボディー機とはそんなに変わらないんですけどね。 

 サンフランシスコやヒューストンなどはこの時期でも気温が比較的高く、パイロットには飛びやすい環境です。 というのも、気温が0度以下になると「cold temperature correction」という作業が必要になります。 これは、気温が0度を下回ると気圧高度計が正しい海抜高度を表示できなくなるので、正しい高度を表示させるためにはその誤差を計算し、そのご差分を表示されている高度に足す、という作業をしなければいけません。 簡単な暗算ですが、毎回のフライトでやるとなるとちょっと面倒です。 そういうことをしなくてすむ温暖な場所へのフライトはこの時期大歓迎です(笑)。



(つづく)

0 件のコメント: