2018-04-28

Augmentでロンドン、そして氷雨(パート4)。

 今回でロンドンへのフライトに関する書き込みは最終回です。

 ロンドンの滞在は20時間ほどでした。 翌日には早朝8時過ぎ出発の便でトロントまでデッドヘッドすることになっていました。

 推定午前4時過ぎ。 おかしなことが起きました。 部屋の電話がなったと記憶しています。 鳴っていないのかもしれません。 いや、きっとなったはず。 うろ覚えでは、誰かと電話で話しました。 

 「あなたのデッドヘッドフライトですが、出発が2時間ほど遅れているので、ホテルチェックアウトも2時間ほど遅くなりますから」

 という連絡でした。 この時の僕は時差ボケと疲れからまったく記憶が定かではありませんでした。 「ここはどこ?! 私はだ〜れ?!」状態でしたから(笑)。

かかってきたと思われる電話。 誰だったんだろう・・・。 なんだか混乱気味で目が覚めました。 そして、本当にデッドヘッドフライトが遅れているんだろうか? あれは夢だったのでは?と思い、携帯を使ってスケジュールを確認します。 そうすると確かに遅れが生じています。 正夢か? それとも本当に誰かと話したのか? まったくわかりません。

 仕方なく、クルースケジューラーに電話をしました。 「いや〜、誰も電話してないよ〜」って言われましたので、いったい果たして誰と話しをしたのか・・・。 頭は超混乱状態です。 
 
  とりあえずトイレに行こうと思い、ベッドから出ると、ドアの下に紙が一枚滑り込んでいるのが見えました。 それは会社からのファックスで、これでもやはりホテル出発が遅れるという連絡事項が書かれていました。 僕には実は予知能力が備わっているのかもしれない・・・。

 本来は午前5時過ぎのピックアップだったので、それに合わせて起きる予定だったのです。 でも、ピックアップが8時過ぎになったので時間ができてしまいました。 仕方ないので朝ごはんとコーヒーでも買おうとホテルを出て、近くのカフェに行きました。 

 カナダやアメリカではカフェ・レストランなどで注文をするときに、

「For here, or to go?」

と聞かれます。 

「ここで召し上がりますか、それともお持ち帰りですか」

という意味です。 これがイギリス英語では

「Eat in or take away?」

と聞かれることが多いように思います。 今は慣れましたが、最初はかなり戸惑いました。 イギリス英語独特のアクセントもあり、「なにいってるんだろう?」って混乱したこともありました。

 結局、ホテルを予定よりも2時間ほど遅れて出発。 空港ではターミナルで降ろしてもらい、通常のお客さんと同じようにセキュリティーを通り、ゲートに向かいます。

  ヨーロッパの空港は面白いです。 カナダやアメリカではセキュリティーを通る時には既にゲート番号がわかっている場合がほとんどで、そこに直接向かえば良いので明瞭です。 一方、ヨーロッパでは出発時刻のかなり直前まで出発ゲート番号が掲示されません。 ただ、毎回自社便がどこに到着してどこから出発するかはだいたい把握していますし、会社のアプリを使えばどのゲートに行けば良いのかがわかるので特に困りはしません。 このせいもあり、ゲートに到着してもお客さんは誰もいません。 皆さん、待機スペースでゲートが発表されるまで待機しているからです。

 僕はエスプレッソを買い、出発までの間、外にいる飛行機を眺めるのが好きです。 ロンドン・ヒースロー空港ではカナダやアメリカでは見かけない航空会社の飛行機を見かけることも多いです。

 
  スイス航空のカナダ製小型機CS-300がいました。 この飛行機はいまのところ僕が将来操縦したい飛行機ナンバーワンです。 噂では今後はこの飛行機はエアバスA230と呼ばれることになるとか・・・。

  搭乗が始まり、スムーズに機内に移動し、ボーイング777は離陸に向けてタクシーを開始します。 その間、外にはイギリスらしくブリティッシュエアウェイズの飛行機を多く見かけました。 ブリティッシュエアウェイズのコールサインは「スピードバード」。 なんかかっこいい(笑)。

 
ボーイング747は今でも現役で飛んでいます。 



ハンサムな顔をしています。

 
 これもロンドンヒースローあるあるだと思うのですが、出発時に管制官はスペースと時間を無駄にしないように次から次へと離陸許可、滑走路進入許可を出します。 この日も外を見ているとそのような光景が見えました。 上の写真では左側にいる飛行機が離陸許可をもらって離陸滑走を始めようとしているところです。 一方、右側の後続機は滑走路進入のみを許可された模様。 こちらのパイロットは遠慮なくガンガン出発機の後ろに陣取ります。 カナダであれば前の飛行機が離陸滑走を始めてからようやくゆっくりと滑走路に進入することが多いです。 イギリスでは前の飛行機のエンジンからのジェットブラストをもろに受ける距離に限りなく近いくらいのスペースしか開けずに滑走路に進入します。 お国柄でしょうか。

 フライトは7時間ほど。 幸い良い席をもらえたのでゆっくりと食事をし、仮眠をとり、邦画を1本観て快適な空の旅を楽しめました。 


 今の会社で働き始めた1年ほど前はロンドンから帰ってくると翌日まで時差ボケや疲れが残ることが多かったですが、最近は慣れてきたのか、カナダに戻ってきた当日は流石に疲れていますが、翌日には元のリズムに戻ることができるようになりました。 

 今回のペアリングの後、数日の休みがありました。 そしてその次は半年に一度のシミュレーター訓練と続きました。


(つづく)
 

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