2018-08-18

ヨーロッパでの夏休み。

 日本で働いてた頃の夏休みといえば長くても1週間くらいの休みしか取れなかったように記憶しています。 日本ではそれが当たり前。 だからお盆やゴールデンウィークの連休が続いたときに日本人はこぞって海外に繰り出し、短い期間になるべくたくさんの場所を見たりいろんなことを経験しようと努力します。 その結果が「日本人はせっかく旅行に来ても、カメラで写真だけとってすぐに去って行く」という世界での評判に繋がるのだと思います。 そりゃそうですよね、海外の人たちは長いときには夏の間にまるまる1ヶ月ほどバカンスに出かけます。 そういう文化の人には勤勉な日本人がいかに大変な思いをして1週間未満の海外旅行に出かけようとするのかは理解できないと思います。 

 海外に出てパイロットになって本当によかったなと思うのは長い休暇がもらえるときです。 会社や飛ばす機種にもよりますが、月の半分が仕事、残りの半分が休みということも多いです。 しかも、休みをある程度まとめて取得することも可能な場合があります。 カナダの場合、CARsという航空法に連続勤務は何日までで、何日働いたらどれだけ休みを取らなければならないということが書かれています。 その法律に違反することなく、しかも連勤での疲れがフライトに影響を及ぼさない程度であれば連続勤務させてもらえることもあります。 海外でパイロットを目指す皆さん、海外のエアラインでは長い休みをとることも比較的容易な会社も多いようですので、それだけでも海外で働くことのメリットは大きいと思います。 海外でばりばり働き、休みは世界中を旅行したり日本に帰国したり、というメリハリのある生活も悪くありません。 

 実を言うと、今までは日本便に乗れる機体に乗務したいと思っていました。 以前のメインラインでの767乗務の時にはその可能性があったのですが、なにぶんセニオリティが低くリザーブパイロットだったため、成田に行けたのは1年半で1回のみ(涙)。 しかも、10時間ほどのフライトのあとで疲労困憊だと、せっかくの日本もそれほど楽しめません。 ましてや、実家の福井に帰ろうと思っても、24時間のレイオーバーでは限りなく不可能に近い感じでした。 だったら、働く間は行き先など考えずなるべくばりばり働いて、休みを長く取って休みの間に帰国したほうがよっぽど有益なのでは?と思うようになりました。 実家が関東圏だったりしたらまた話は別だと思いますが、それでも24時間日本にいてもできることは限られています。 今は長い休みが毎月もらえる感じなので、必要であれば毎月帰国できます。 本当にラッキーです。 

 7月と8月はそれぞれ20連休と10連休をもらえましたので、今回もヨーロッパ・フランスに行って来ました。 長い連休があると、その代償として月の残りはめちゃくちゃ働かされます・・・笑。 7月はほぼ10日間連続で仕事。 しかも毎日が長いシングルデーばっかり。 行き先はフロリダかメキシコ。 この時期は雷雲がめちゃくちゃ発生しているので、毎日雲を避けながらのフライト。 しかも往復なのでこれを毎日2回! 結構疲れました。 でも、連休がもらえたから不満は言いません・・・。

 話は前後しましたが、ここからはヨーロッパでの夏休みについてです。 この時期のヨーロッパは暑いです。 特にフランスの市街地は暑く、気温は30度を軽く超えます。 日本のようにエアコンがすべての家に付いているというわけではないので、酷暑で死者が出ることもここ数年は多いようです。 昨年だったか、フランスのリヨンに夏の時期に行ってAirbnb(いわゆる「民泊」)に泊まったのですが、エアコンはなく、しかも酷暑で、小さい扇風機一つで数日間我慢しなければいけませんでした。 今回は山間部での滞在だったため、日中はカラッとした心地よい暑さで、夜は気温も25度以下まで下がってくれたため、快適なバケーションになりました。

ジュネーブ近郊。 

こんな湖畔でピクニックをしたり、

モンブランが望めるハイキングコースを歩いたり、

ハイジの世界のような景色を堪能したり、

湖でレンタルボートを漕いでみたり、

歴史のある街並みを散策してみたり、

夜には花火を楽しんだり、

久しぶりにツール・ド・フランスをテレビでライブ観戦してみたり、

 と、本当にいろんなことを楽しみました。 フランスの夏はいろんなイベントがそこかしこであり、本当に楽しいです。 食べ物も美味しいし、空気は綺麗。 あんまり理解できないけどフランス語に触れる機会があるのも新鮮です。 ちょうどW杯でフランスが決勝進出を決定したので街はどこもお祭り騒ぎ。 それでも、騒ぎ方が北米や日本とは違い、そういう文化の違いを直に体験できることがとても楽しいと感じる今日この頃です。 


(つづく)


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