2019-02-11

C1/Dビザ。

 今年に入り、1月初旬に風邪をひきました。 どうやら僕の周りにも体調が優れない人が多くいるみたいで。 まずは喉の痛みに始まり、鼻づまり、鼻水、咳と、風邪のフルコースのような感じでした。 幸いインフルエンザとかではなかったみたいですが、風邪をひき始めてから1ヶ月ほどたちましたが、未だに乾いた咳が出ます。 以前にもこんなことがあって、そのときも咳が完全に治るまでに1ヶ月以上かかった記憶があります。 今の時期は仕事で南に行くことが多く、体がバカになるんだと思います。 「数時間前までは極寒だったのに、今は真夏なのね〜」と、体の体温調整機能やら免疫力が狂うのではないかと思います。 こればっかりは気をつけていてもなかなか・・・。 

(写真上:コスタリカは晴天、気温25度ほど)

(写真上:一方、トロントは吹雪、極寒)

(写真上:途中で通過するキューバ周辺の海は綺麗です。)

 実は1月中旬には一旦体調が治りかけたんです。 ところが、ちょうどその頃、アメリカのクルービザの更新のためにトロント市内のアメリカ領事館に面接を受けに行かなければならないことがありました。 しかもあいにくその日に限って大寒波。 気温はマイナス20度近く、体感温度はマイナス30度ほど。 分厚いダウンジャケットを着て出かけたのですが、それでも面接時間直前までは建物内に入れてくれないというアメリカ流のおもてなしのおかげで完全に体の芯まで冷え切りまして、しかもその日は面接が朝8時、そして午後3時過ぎにはパスポートを受け取りに再度領事館に出向く必要があり、また体が冷える羽目に。 これで完全に風邪が長引きました。 仕事だったら病欠していたと思いますが、ビザ面接となるとそうもいきません。

 このビザはC1/Dビザと呼ばれるもので、いわゆるクルービザです。 僕は日本国籍で日本のパスポートを所持しています。 日本のパスポートを使ってアメリカに飛行機や船の乗務員として入国・通過する場合にはこういったビザが必要になる場合があるそうです。 そのため、以前のリージョナル航空会社に採用されたときにバンクーバーにあるアメリカ領事館でC1/Dビザを取得しました。 それが今年の3月末で失効するため、その延長手続きを昨年末から始めていました。 

 本来、C1/Dビザの延長には本来、面接は必要ありません。 オンラインで必要事項を記入し、ビザ申請代金を支払うと郵送の手続きの説明書きが送られてきます。 本来であればそれにしたがってパスポートと必要書類を郵送すると領事館からビザが貼られたパスポートが返送されてくる仕組みです。(または自分でピックアップする場所を指示することもできます。) ただし、僕の場合は仕事でパスポートを常時携帯することが義務付けられていますし、パスポートが送り返されてくるまでにかかる時間が明確でないとパスポートを手放すことはできません。 それらの理由を大使館、領事館、ビザ面接担当部署の人などにメールや電話で伝え、いろんなところをたらい回しにされた挙句、「じゃあ、面接の予約をして、担当審査官に直接言って」と言われ、面接に行くことになった運びです。

 面接当日は前述の通り、極寒の中、領事館の外で30分ほど待たされ、その後セキュリティーチェックを受けて建物内に入りました。 ちなみに携帯電話を所持することは禁止されています。 いまどき携帯を持って入っちゃダメってどういうことよ?と思いましたが、ちゃんと下調べの段階でわかっていたので自宅に携帯を置いてきて、財布と書類のみをもって参上しました。 建物内でも20分ほど待ちました。 その後、最初に書類を受け取る係の人のところに案内されました。 そこのおばちゃんが面白く、僕がパイロットだと知ると、「○○空港にも行くでしょ? 乗ったことあるわよ〜」と話が弾みました(笑)。 その後、また10分ほど待ち、ようやく面接官のもとに。 書類とパスポートを渡し、パスポートを手放すことができないことを説明。 すると後ろにいる偉いさんみたいな人とごちょごちょと話をして戻ってこられ、「じゃあ、なんとか今日の午後3時までに発行できるように全力を尽くすから、この紙をもって3時以降にまた領事館に来てくださいね」と言われました。 あれ? そんなに簡単にできるの? え? 僕の申請追加書類一切渡してませんけど? いいんです? という感じであっという間に面接終了(笑)。 一旦自宅に戻り、3時過ぎに領事館に戻ると、ちゃんと10年間有効のC1/Dビザがついたパスポートが待っていました。 しかも、観光などでも使えるB1ビザまで無料でサービス(笑)。 これで仕事に支障をきたすことなくすみます。 長いプロセスでしたが、よかった、よかった!

 僕はアメリカ・カナダに入国する際にはNEXUSというカードを使っています。 これを使うと一般旅行客と比べて圧倒的に早く入国審査を通過できます。 通常はクルー専用レーンを使えば旅行客よりも早く通過できるのですが、NEXUSの場合はそれよりも早い場合が多いです。 特にトロントの場合は特別申請するものがない場合、機械でNEXUSカードを読み取り、画面を4回ほどタッチすれば終了で、印刷されたレシートを持って審査官がいるゲートをほぼ素通りで通過できます。 いちいち審査官からの質問に答えることも必要ないので、長いフライトのあとで早く家に帰りたいときなどにはこのカードのありがたみを感じます。 このNEXUSの申請にも面接が必要で、50ドルの手数料がかかります。 そのため、面倒臭がってNEXUSを持たないパイロットも多くいますが、一度このカードの便利さを知るとこれなしでは旅行したくないほどです。 入国審査で長い列に並ばされ、その挙句態度の悪い入国審査官にいろいろ聞かれることはなにかとストレスがたまりますからね。

 NEXUSには僕の住所などの個人情報の他に、アメリカのビザやカナダでの滞在資格の情報なども含まれています。 そのため、情報に変更があった場合にはそれらを逐一更新するためにわざわざNEXUSの事務局に出向く必要があります。 幸い、トロント空港内にその事務局があります。 C1/Dビザの更新が終了したのちこのオフィスに出向いてみると、下のような張り紙がありました:


 日本でも報道されていたと思いますが、アメリカ政府の予算の問題で一部政府関連省庁がシャットダウンしていた影響をもろに受け、NEXUSオフィスまで一時閉鎖されていたのです(涙)。 しかも、面接の予約をしていた申請者たちは全部面接がキャンセルになったそうです。 かわいそう・・・涙。  結局、情報更新はできなかったのですが、しばらくはアメリカ行きの仕事もなかったので問題ありませんでした。 そして、おととい、休日出勤でフロリダ行きの仕事があったので、その際にアメリカ入国審査官に今回のことを告げたら、その場で親切にも情報のアップデートをやってくれました。 親切な人でラッキーでした。 

 こんな感じで今年の1月は過ぎて行きました。 1月は22日までが仕事で、そのあとはおやすみだったためフランスに行っていました。 今回は南仏ニース、カンヌ、そしてモナコにも行って来ました。 次回のブログでそのことについて書きます。


(つづく)

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