2019-08-23

ボルドー6日間ペアリング。

 先週木曜から今日までの計6日間フランス・ボルドーまで仕事で行って来ました。 今年からモントリオール=ボルドーまでのルートが新たにスタートしました。 本来は新型ナローボディー機「ボーイング737MAX」で運航する予定だったこのルート。 ご存知の通り世界規模で運航停止措置となってしまっているため、替わりに767で運航することになっています。 このルートは毎日運航ではないため、僕が担当したペアリングでは日曜日着、木曜日発というスケジュールになっています。 そのため、レイオーバーは4日ほどと、今まで体験したことがない長いものになっています。
 
 レイオーバーは4日間でも、実際に働く勤務時間は20時間未満です。 そのため、考えようによっては効率の悪いペアリングということになります(お給料は原則的に飛んでいる時のみ発生します)。 しかし、我々の場合、契約上の理由で一月に最高で16日勤務というスケジュール組みになっているため、長いレイオーバーのペアリングにあたると実務日数が少なくて済む(=レイオーバーの日数で日数を稼ぐ)という考え方もできます。 そのため、シニア組の中にはなるべく長いレイオーバーのペアリングを希望するパイロットも多くいます。

 僕はというと、なるべく効率のよいペアリングで、なるべく少ない日数で月の仕事を終えたいというのが本音なので、こういった長いペアリングの希望を出すことは皆無です。 しかしながら、なぜか今月はこのボルドー行きが回って来ました。 このペアリングをやりたいという希望を出していたパイロットは結構いるはずなのに、なぜ僕に?というのが正直なところでした。 でも、行かなきゃいけないなら楽しむしかないでしょ?ということで、しっかり観光してきました。

 ボルドー市街地には世界遺産がたくさんあります。
 
カイヨー門。 フランスの王様を讃えるための門だそう。

こちらはベルサイユ風の広場、ブルス広場。 

ミロワール・ドー(水鏡) ここは水が満たされたり霧吹きになったりしています。

ジロンド派記念碑。 円柱の上には「鎖から自らを解き放つ自由の女神」があります。

ボルドーの銘菓「カヌレ・ドゥ・ボルドー」の焼き型。

La Cité du Vin でワインのことを学ぶワークショップに参加しました。

ボルドーではミネラルウォーターもワイン風。

ボルドー空港もワインのデコレーションであふれていて面白いです。

 ボルドー空港にはターミナルが3つあります。 Hall Bがエア・フランス用、BilliがLCC用、それ以外がHall A。 我々はHall Aに駐機しました。

 ボルドーは水の側の街という意味なんだとか。 ガロンヌ川という川にこんな橋が数本かかっています。 

 翌日はレンタカーを借り、大西洋に面したアルカションにあるDune du Pilatという砂丘にいってきました。 ここがヨーロッパ最大の砂丘なんだとか。 高さは常に変動しているそうです。

浜風を使ってパラグライダーを楽しむ人々が遠くに見えます。 

砂丘と砂島。 渡り鳥の休息地になっているそうです。

緑も多く、なかなか面白い風景です。

 レイオーバー最終日は午前中にワイナリーツアーに参加しました。 

 ツアー参加者は計8名。 オーストラリア、アメリカ、デンマークなど、国際色豊かな顔ぶれでした。

 ワインで有名なエリア「サンテミリオン」に行きました。 耕作地にはぶどうしか栽培されていないそうです。

 そろそろ収穫の時期が近いようです。 ボルドーで生産されるワインのほとんどは赤ワインで、ぶどうの種類も主なものは3種類ほどだそう。 

この日訪問したのはシャトー・ド・フェラン。 

 フレンチオークで作られたこの樽は手作りで、一つ800~1500ユーロほどだそう。 2年ほど使うと廃棄されるそうです。

貯蔵庫はこんな感じ。 右奥でワインを継ぎ足す職人さんが働いていました。

 このシャトー、ペンやライターで有名なBICの社長が買い取ったんだそう。 社長さんはBICHさんという苗字だったそうですが、Hがあると英語圏ではあまり良い意味ではないため、BICになったんだそうです。 ワインボトルにもよく見るとBICHという名前が書かれています。

 サンテミリオンの街並み。 こじんまりしていて綺麗です。 日本人観光客にも人気のようで、何組かの日本人観光客とすれ違いました。 ご苦労様です。

4日のレイオーバーが終了し、今日モントリオールに戻って来ました。 帰りは僕の操縦。 ボルドーはフランスで5番目に大きい空港だそうですが、比較的こじんまりした空港でした。 ゲート2から出発。 ヨーロッパの空港のあるあるですが、ゲート番号は外(駐機場側)と内(乗客のいるターミナル側)で違う場合があります。 今日は出発ゲートは2と表示されていましたが、実際の駐機スポットはA5でした。

お隣はA220(旧ボンバルディアCシリーズ)のローンチカスタマーであるAir BalticのA220。

 滑走路05を北東に向けて離陸。 離陸後右旋回し、フランス南部方面、スペイン方面に舵を取りました。 ガロンヌ川の東側に沿って上昇しました。 途中、ボルドーの街並みが見えて来ました。 


 その後、スペインの北部を海岸線に沿って西に飛び、そのまま大西洋を横断しました。 いつもはイギリスからカナダに抜けますが、今回はスペインからアメリカ側に抜けたルートを飛びました。 行きは7時間ほどでしたが、帰りは8時間近くかかりました。 意外と長かった! 無事にモントリオールに着陸し、これで今月の仕事は終了です。

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今回の質問と回答はこちら。

英語の学習方法

今の時代、英語を学ぶ方法はそこら中にあふれていると思います。 テレビ英会話、ラジオ英会話、ネット学習、アプリ、etc。 なんでも構いません。 自分に合うものを見つけて少しずつ努力してください。 ちなみに僕はNHKのラジオ英会話(初級から上級まで)を主に使って勉強し、大学時代にはアメリカに1年間留学しました。 海外で活躍する日本人パイロットの中には何らかの形で海外で暮らしたり勉強した経験を持つ人も多いように見受けられます。

今、僕はモントリオールに住んでいて、常にフランス語が周りから聞こえてくる環境です。 街中で見る標識や、職場で聞く言葉などに興味を持って耳を傾けると、それほど努力していなくても結構言葉がわかるようになってきます(これは自分でもちょっと驚いています)。 例えば、今回のボルドー滞在の際も、ホテルでのチェックインの時に聞かれた質問などはなんとなく理解できるようになっていました。 ここ数ヶ月はオンラインのMANGO LANGUAGESというプログラムを使って時間があるときにちょくちょく勉強しているのですが、それで学んだフレーズが街中やフランス滞在中にそのまま聞こえて来たりすることがあります。 一度聞いたことがあるフレーズは脳が覚えているものです。 言語学習の秘訣はずばり「繰り返し」。 単語カードなどを作ってひたすら繰り返したり、英語のドラマや映画を繰り返し観るのもよいと思います。 僕は洋楽の歌詞を丸覚えしたり、真似して歌ってみたりもしました(笑)。 残念ながら英語学習法に近道はないと思います。 少しずつ前に進むしかないと思います。 いろいろ試してみてください。


(つづく)

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