2020-08-10

過去ログ:2006年11月12日〜2006年11月13日

ビクトリア29日目:ソロフライトならず。
2006年11月13日月曜日


 天気予報ってやっぱりあたるものですね(笑)。 今朝起きると、昨日の予報のとおり外は雨です。 それも結構な量が降っているように見えました。 今日は12時からのソロフライトの予定でしたが、このままでは今日は飛べないだろうな〜と思って朝食を食べました。 

 朝食後はウォークアラウンド、チェックリスト、マニューバー(maneuver=操縦)手順などをデータ化する作業を始めました。 ちょっとコンピュータの話をすると、僕はかれこれ10年近くマックを使っています。 前職ではずっとWindowsを使っていましたので、別にどちらでもいいんですが、プライベートではマックを使っています。 マニューバーをドキュメント化するにあたり、グラフィックを入れると視覚的に分かりやすくなりますので、なるべくきれいに図を作るように心がけています。 データ化することの良さは、今後インストラクターに指摘されたことや自分で気がついたことをデータに反映させることができることです。 こうすることで、操縦手順のデータを常に最新の状態にキープできます。 話はそれましたが、ドキュメントを作るときは今までMSワードを使っていましたが、とても使い辛いのであまり好きではありません。 特に図を入れるとなるとお手上げです。 見た目も良くないし、作業しにくいですし(笑)。 そこでPageというアップルコンピュータが開発したドキュメント作成・ワープロソフトを使ってみることにしました。 僕が6月に購入したMacBookに試用版がついているので、それを1ヶ月使ってから購入するかを決めることにしました。 今日1日使ってみましたが、とても使いやすいです。 今、このサイトを作成しているのもiWebというアップルコンピュータのソフトですが、これも簡単にきれいなサイトが出来るので気に入っています。 もっとマニアックなことがしたければできないことはないでしょうが、時間もないですし、そもそも複雑なサイトを作成することに喜びは感じない人間ですから・・・

 話はそれましたが、11時過ぎに電話がなりました。 教官からです。 「こんな感じですから・・・」と外の様子に言及しながら、今日は飛べそうにないですねということになりました。 仕方ありません。 そこで、今日は図書館に行って図書カードをもらい、クラブに行ってC-152コクピット内の計器類の写真を撮影し、引き続きマニューバーのデータ化と手順の復習をすることにしました。 

 図書カードは10日ほど前に申し込んで、郵送されてくるということでしたが、今日現在届いていませんでした。 免許証に記載されている住所が現住所ではなく、短期滞在していたアパートの住所になっていたため、図書カードを即座発行してもらうことができなかったのです。 先週ようやくICBC(免許証の発行や自動車保険を取り扱うオフィス)から住所変更完了の連絡と、免許証に貼付けるシールが届いたので、図書館のカウンターでそれを職員の人に見せました。 するとすぐにカードを作成してくれました。 これで本を始め、ビデオ、DVD、CDを借りれますし、図書館のPCから書類をプリントアウトできたりできるのでうれしいです。 DVDなどは普通の映画とかがありますし、CDは普通のロックCDなどもあります。 しかも、シドニーの図書館に置いてないものは他の図書館から取り寄せてくれます。 住民へのサービスが整っているな〜という印象です。

 図書館での用事が終わったあとは空港まで歩きます。 40分の道のりです。 いつも通るハイウェイ沿いの近道の一カ所に小川をまたぐポイントがあるのですが、雨が降ると水かさが増して、「またぐ」が「飛び越える」になります。 今日は今までで一番水かさが多かったです(とはいっても、深さは20cmくらいしかないんですけど・・・)。 幅が2m弱くらいあって、助走を付けてぴょ〜んと飛び越える予定が、助走の最後の一歩(「ホップステップジャンプ」の「ジャンプ」)を踏んだ場所が草に覆われてはいたものの実際には既に水の中で、助走を失敗したためバランスを崩し、結局水の中をずぼずぼと歩くような形になりました(涙)。 膝下がびしょびしょのまま空港に到着です(笑)。 僕を見た人は、「そんなに外は雨が強かったの?」って思ったでしょうね。

 空港ではC152のコクピットに入り、写真を撮りまくりました。 少しずつここで紹介していこうと思います。 僕自身のリファレンスとしても写真が欲しかったので一石二鳥です。

 空港から戻る途中にATISを聞いてみると、スペシャルウェザーのATISになっていました。 「pressure dropping rapidly」(気圧が急激に低下しています)というフレーズが出ていました。 かなり勢力の強い低気圧システムがBCに接近しているようで、今夜の午後9時頃のATISでは風力は20kt、gusting 30ktとかいっていたと思います。 これだけ風が強いと、セスナで飛ぶのは危険です。 ベテランの方ならいけると思いますが、僕にとっては自殺行為です(笑)。 それでもWestJetやAir Canada Jazzの定期便はなにもないかのようにテイクオフしていっていました。 大きな機体になればなるほど風にあまり影響されなくなります。 

 夜はご飯を作り、Forced Landing Approachのやり方の復習をしました。 もう少しイメトレをして、今度ソロでトレーニングエリアに行けるときに何回か練習をしてみようと思っています。 手順を復習してイメトレしているときが一番心が落ち着きます。 僕にとってはこれが瞑想のようなものになっているようです(笑)。
 
 今日の写真は今日撮った写真のうち、C152のコクピットの機長席側(僕がいつも座る方)の写真です。 コントロールロックが刺さっていますのでエレベーターやエレロンは動かないようになっています。 Boeing 747やAirbus 320にあるようなコンピューター式計器は一切ありません。 もっとも基本的な小型機のコクピットだと思います。
 
 明日は飛べたらいいな〜って思ってます。 もう午前1時近くなので今日はここでおしまいです!
 

(つづく)

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ビクトリア30日目:嵐。
2006年11月13日月曜日


 言うまでもなく、タイトルの通りです(笑)。 今日もフライトはなし。 正午にクラブに行き、今日使う予定だったセスナ152 (UZR)のウォークアラウンドはしたものの、出発前にMETARを確認するとTCUの文字が(インストラクターに指摘されました)。 TCUはTowering Cumulusの略で、積乱雲のことです。 日本では夏によく見かけますよね。 あのソフトクリームみたいなモクモクと天高くのびる雲のことです。 積乱雲のなかではものすごい上昇気流や下降気流が発生しています。 その積乱雲の下をセスナ152のような小さな軽飛行機が通過すると、ひどいときではセスナがフルパワーで上昇できるパフォーマンスよりも強いダウンバーストと呼ばれる吹き下ろしの風に見舞われることもあるそうで、その場合は操縦不能になって最悪墜落ということにもなるようです。 毎日METARを見るときは雲の組成状況は目を通していますが、それよりもどうしても風の様子や視界のほうが気になってしまい、雲の詳細は見落としてしまうときもあります。 今日の出来事はよい経験になりました。 METARはたとえサーキットに行くだけでもしっかり目を通した方が良いです。 結局今日はサーキットには出れず、雨も降って来たのでクラブハウスのライブラリで少し勉強をしました。 その後雨がやんだのを見計らって家に帰ってきました。

 今日のランチはベーグルサンドイッチを作りました。 とはいっても、ここしばらく毎日ベーグルサンドですけど(笑)。 Everythingと言う白ごま、黒ごま、タマネギ、ニンニクなどが練り込まれたベーグルをトーストし、スイスチーズのスライスをはさみ、スモークハムをサンドして出来上がりです。 これがなかなかおいしいんです。 毎日食べても飽きません。 あとはみかんを足したり、メロンを足したりしてバランスのよい食事を心がけています。

 食後は図書館に行きました。 図書館にあるPCを使ってやりたいことがあったのですが、結局思い通りには行かず、その後はThrifty’s(スリフティーズ)というスーパーに行きました。 Thrifty’sというのは直訳すれば「倹約家の(スーパー)」という意味だと思います。 ダウンタウンにあるもう1つのスーパー(Safeway)に比べると少しだけ安いみたいなので、最近はずっとスリフティーズに行っています。 安いとはいえ、日本に比べるとすべて高く感じます。 やはり円安の影響が大きいです。 前回カナダに来たときは1ドル80円程度でしたが、今は104円前後です。 なるべく倹約しながらも健康に気を使った食生活を心がけていますが、下手したら外で食べた方が安上がりかも?と思うこともあります。 食費は日本にいるときと同じか、少しだけ高くなるような気がします。 家計簿を付けていますので、月末の統計が楽しみです(笑)。

 用事が済んだ後は、soft field take-off & landingと、short field take-off & landingのまとめをしました。 前者は地面が柔らかいフィールドなどからの離着陸、後者はフィールドの距離が短いときの離着陸のテクニックです。 どちらもそれほど難しいテクニックではありません。 でも、これらもしばらくやっていなかったので、しっかり復習しました。 ここでもサスカトゥーンで習った方法とは少し違うようですが、こちらではこちらの方法で練習するつもりです。 いつまでも比べていても仕方ありませんから。 

 夜は無線を聞きながら今までまとめた自作のマニューバーマニュアルをプリントアウトしに図書館に行きました。 図書館のPCは日本語は表示できてもプリントはできません。 フォントがないからだと思います。 だから日本語対応のプリンタが欲しいなと思っていましたが、今日ものすごい賢い方法を思いつきました。 マックはPDFが作成できます。 印刷のオプションでPDFを選ぶだけでいいのでとても簡単です。 そうして作成されるPDF書類はフォントが埋め込まれていますので、プリンタやPCに日本語フォントがインストールされていなくても問題なくプリントできます。 実際に図書館で試したところ、きれいにプリントできました。 これでプリンタを買う必要がなくなりました(笑)。 節約、節約♪

 明日は予約は入れていませんが、もし飛べそうならインストラクターに電話をしようと思っています。 明後日水曜日は雨の予報で、インストラクターは休みをとるつもりだそうです。 木曜日はやっと晴れるようです。 雨や雲のせいで飛べないのは神様(または仏様)が「飛ぶ前にしっかり勉強しなさい」と言っているのかもしれません(笑)。 サスカトゥーンの時も飛べない日がたくさんありましたが、結局予定通りに免許を取ることができましたから、むやみに心配する必要はないと思っています。 
 
 今日の写真は空港の管制塔のすぐ近くで目撃した空港での火災に対応するための消防車です。 なんのためにそんなに太いタイヤを付けているのか・・・ 機体の残骸などを乗り越えるためなのか・・・ 不思議ですが、迫力満点です。 でも、これのお世話にはならないで済むようにしたいものです(笑)。
 
 明日は引き続きマニューバーのまとめと、クロスカントリーフライトに向けてナビゲーション(航空図の読み方、航法、計算など)のやり方の復習をしたいと思っています。
 
 ではまた!
 
 
(つづく)

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【編集後記】

 パソコンのことが少し書かれているので、どれだけの時が流れたのかがとても分かりやすいです。パソコンに日本語フォントが入っていない時代があったんですよね。懐かしいです。今では世界中どこで買ったパソコンやスマホでも日本語表示が可能です。グローバル社会の恩恵でしょうか。

 図書館にはよく通った記憶があります。僕はそもそも図書館で勉強をするよりは自宅に篭って勉強するタイプなのですが、当時はシェアハウスであったこと、そして自室にいる時間があまりにも長くなって息苦しくなることもあってなるべく外に出るようにしていました。

 風速20ノットとなるとセスナにはやや厳しいコンディションではありますが、旅客機にとってはなんてことありません。ただ、それが当時の僕にはわからなかったわけです。フライト前のウォークアラウンドやランアップ中に旅客機が側をタクシーしていくとその大きさに度肝を抜かれたことをよく覚えています。でも、不思議なもので、僕のように度肝を抜かれる人もいれば、「へ〜」ってな感じで大型機を見てもあまり動じない人もいるんですよね。僕なんかは大きいものには敬意を抱くというか、びびってしまうものですが、そうでなくてどっしり構える人もいます。そういう人に限ってシミュレーター訓練なんかでも結構落ち着いてやれるんですよね。羨ましい性格です。


(つづく)

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