2008-03-14

ビクトリア514日目:忍耐。



 今日は朝8時からスタッフミーティングがありました。 内容は今月末に控えているTransport Canadaによる監査対策の話と、日頃の訓練のことなどについてでした。 うち(VFC)のチーフフライトインストラクターのグラムはトランスポートカナダが認定したフライトテスト試験官です。 ですので、彼が行ったクラブメンバーのフライトテストからのフィードバックなどのリアルな話が聞けます。 それを基にして訓練の内容の精度を上げて行くことになります。 とても役に立つ話ばかりでした。 今日はLanguage Proficiency Test(パイロットライセンス発行に必要な言語能力証明)に関する具体的な話を聞くことができました。 以前チーフから聞いた話よりももっとつっこんだ話でした。 資料ももらったのでこれから僕の生徒になる方々には適切にアドバイスができると思います。 興味がある方はメールをください。

 ミーティングは2時間あり、それからフライトが始まりました。 今日の1本目はインド人生徒。 もうフライト時間が10時間ほどになろうというのに水平飛行に手こずっています。 さすがの僕も少しイライラ。 教官になるのに一番大切な素質は腕の善し悪しではなく、知識の多さでもなく、ひたすら忍耐があるかないかだと最近思い始めています(笑)。 明日はもっと辛抱強くなろうと思います。

 2本目は他の教官の生徒でしたが、その教官の身内に不幸があったとのことで、急遽僕と飛ぶことになりました。 今日が計器飛行の1時間目だったので、ブリーフィングをして1時間ちょっと飛んできました。 フードをつけて飛ぶと最初のうちは計器が信用できず、体が言うことを信じようとしてしまいます。 しかし、外を見ずに飛ぶと体は必ずと言っていいほど嘘をつきます。 日常生活では体の筋肉や間接などが地球の引力を感じて「こちらが下ですよ」と教えてくれますが、飛行中はいろんな方向からGがかかるため、体が下と思う方向が必ずしも下だとは限りません。 この仕組みとは直接は関係ありませんが、面白い例があります。 右ターンを一定の角度でしばらく続けていると、体は最初は右に旋回していると感じ取りますが、しばらくするとターンしていないように感じ始めます。 ここで右ターンを止めて水平飛行に戻ると、今度は体は左にターンを始めたと感じ始めます。 こういう錯覚によって多くの事故が置きます。 僕がPPL訓練を受けていたとき、フライトスクールのチーフフライトインストラクターに「体は嘘をつくので、感覚ではなくて計器を信じろ!」と教えられました。 僕もそう教えています。 体が嘘をつく確率は計器が嘘をつく確率よりも遥かに高いのです。

 3本目はナイトレーティングの生徒でした。 今日は前回とは違ってスムーズなコンディションだったので、VORを使ったナビゲーションの練習をしました。

 今夜は久しぶりに晩ご飯にピザを焼きました。 生地を薄く延ばしてクリスピータイプにしました。 おいしくできました。

 今日の写真はセスナ172Pモデルの燃料タンクです。 翼の中に写真のようなタンクが2つ入っています。 それぞれが約20ガロンの燃料を搭載することができます。 スタンダードタンクなので計40ガロンほど入ります。 1ガロンは3.78リッターほどですので、160リットル(概算)ほどの燃料が入ることになります。

 明日はフライトが5本あります。 明日も頑張ります。

 ではまた明日。


(つづく)

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