2008-03-24

ビクトリア524日目:向き・不向き。



 今日は朝から生徒を一人クロスカントリーフライトに送り出すために少し早くクラブに行きました。 あいにく天気予報があまりよくなかったので、キャンベルリバー空港には行かせず、代わりにナナイモに行ってもらいました。 ナナイモはビクトリアからすぐの距離で、ものの20分ほどで着いてしまいます。 その間にいろんなことをしなければいけないのでとても忙しいフライトになってしまいますが、チャートを整理したり、グランドスピードのチェックをしたり、到着時刻の計算などをスピーディーにするには最適なフライトになります。 唯一の難点は、ナナイモはビクトリアからとても近いし、いつも訓練で飛んでいる空域から目視できるくらいの距離にある空港なので、変な話、ナビゲーションプランなど立てなくても行けてしまいます。 それでもソロクロカン時間が必要な生徒にはナナイモに行ってもらいます。 PPLを取得する前はどこでも好きなところにいけるということはなく、トランスポートカナダに認定を受けたルート以外は飛べないことになっているそうです。

 今日の1本目はフロリダでPPLを取得したカナダ人の生徒でした。 この生徒、フロリダにあるヨーロッパのJAA(日本でいうJCAB)が認定しているフライトスクールで免許を取ったそうで、FAAのPPLとJAAのPPLを保持しています。 ヨーロッパで免許を取るのは日本で免許を取るのと同じかそれ以上に大変だと聞いています。 お金はかかるし、筆記試験は大変、さらにイギリスの場合は天気が悪くてなかなか飛べないんだそうです。 今日はこの生徒と計器飛行の練習をしてきました。 

 2本目は若い女性パイロットでした。 オンタリオでPPL, CPL, Multi-IFR, Instructor Ratingまですべてを取ったそうです。 オンタリオで教官として2ヶ月だけ働いて、彼女には向いていないと思って辞めてしまったそうです。 なにか辛いことがあったようですが、あまり深くは聞きませんでした。 せっかく教官までやったのにもったいないと思うんですけどね・・・。 やっぱり向き不向きというのがあるんだと思います。 そんな彼女、クラブのメンバーになってレジャーでフライトを楽しみたいんだそうです。 僕よりも若くてすでに免許の殆どを持っています。 世の中にはすごい人がいるもんですね。 他所のフライトスクールでフライト技術を学んだ人とチェックライドをするとなかなか面白いです。 クラブでは教えないような手順を見せてくれます。 なかにはまったく意味不明な手順をする人もいます。 安全であればいいのですが、make senseしないことをやられると理解に苦しんでしまいます(笑)。

 今日はディスカバリーフライトが1本あったのですが、出発直前に雨が降ってきて、視界が極端に下がってしまったのでフライトは延期しざるを得ませんでした。 今日のお客さんはまだ12歳の男の子。 セスナ152の椅子はだいたいの人にあう高さなのですが、さすがに12歳の男の子には椅子が低すぎて、クッションを2つ使ってやっと目線がダッシュボードの上に来るくらいになりました。 お父さんがスカイダイビングの会社をやっているそうで、飛行機が好きなんだそうです。 今日は飛べないかわりにいろんな飛行機のコクピットに座らせてあげました。 小さいときから飛行機に触れる機会があるというのはとても幸せなことだと思います。

 明日はフライトが5本と忙しくなりそうです。 GFAを見るとTS(サンダーストーム)の記号がいたるところにあります。 荒れた天気が予想されます。

 今日の写真はFBOで見かけたキングエアです。 タービン双発機の代名詞的機種で、訓練を始め、エアーアンビュランス(空の救急車)などでもよく使われる機体です。 日本の航空大学でも使っていると思います。

 ではまた明日。


(つづく)

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