2008-05-25

ビクトリア586日目:風を読む。



 ここ数日風がとても穏やかな日が続いています。 喜ばしいことではあるのですが、風が弱いとクロスウィンドテイクオフ・ランディングという訓練項目の練習をするのが難しくなります。 クロスウィンドとは「横風」のことで、滑走路に対して横風が吹いているときの離着陸のテクニックを学ぶという項目です。 クロスウィンドの状態での着陸は普通の着陸に比べて格段に難しくなります。 なにもせずに着陸しようとすると風にあおられて滑走路の外にドリフトしてしまうからです。 横風コンディションでの着陸の方法は3つほどありますが、PPLレベルではサイドスリップというテクニックを利用したランディング方法を学びます。 僕がPPL訓練をやっていたときはこの項目に結構悩まされました。 今では問題なく着陸できるようになりましたが、それでもこの前、滑走路から60度はずれた角度からの20kt G30ktでの着陸では少しひやっとしました(汗)。 自然の力の前では人間や飛行機なんてほんと無力です。 話はそれましたが・・・。

 パイロットにとって風を読む力はとても大切です。 風を読むのは実はそんなに難しいことではありません。 工場からの煙が見えるのであればそれを見ればすぐに風向きが分かります。 他にも湖の水面を見て風向きを読むことができますし、常緑樹を見ても風向きが分かることがあります。 ビクトリア周辺ではマリンスポーツが盛んなので、写真のように川や海にボートが浮かんでいる光景をよくみます。 風があるときにはアンカーにつながれたボートはすべて同じ方向に向きます(風見鶏と同じ理屈です)。 今日の写真では風が弱いのでボートはいろんな方向を向いています。 風向きを示すものがなにもない場合でも、飛行機の進行方向を一定に保って飛行機がどちらに流されるかを見ればだいたいの風向きは分かります。 僕はよく生徒さんに「今、風はどっちから吹いてる?」と聞きます。 訓練の初期段階から風を読むことを意識してもらうようにしています。

 今日は土曜日。 土曜日・日曜日は意外と訓練フライトは多くありません。 やはり週末くらい休みたいと思うのでしょうか。 クラブに通っているパイロット学生の多くは週末以外は毎日飛ぶというフルタイム学生です。 特にインドからの留学生が多いです。 ここ数日でまた数名増えました。

 明日は普段よりも忙しい一日になります。 ナイトクロスカントリーフライトに行くかもしれません。 

 ではまた明日。


(つづく)

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