2013-01-22

ここ最近の天気。

 今日の写真はちょっと前にFacebookにも載せましたが、今月上旬にフライトしたときのコクピット内の写真です↓


 これはEHSIっていう計器です。 詳しくはこちらを御覧ください。 この計器にはいろんな情報を表示できるのですが、左下にSPDって書かれているところに対地速度が表示されます。 

 King Air 200は無風状態でだいたい260ktくらいで飛べる機体です(気温、高度、気圧、パワー設定によって速度は変わりますが)。 この日は約420ktで飛んでいました。 ちなみに1kt(ノット)とは、1時間に1海里(約1.8km)進む速度のことです。 420kt x 1.8km = 756km/hという計算になりますから、かなり速いです。 友達の調べによると、東京ー青森間を1時間で飛べる速度だそうです。 自力では260ktでしか飛べない飛行機が420ktで飛べたというのは、当然風の影響です。 

 ここ最近は北西からの風が強い日が続いています。 気圧システムは西から東に進む傾向にありますし、季節柄、北極のほうからの気団が南下してくるので、北西からの風が強くなるんだと思います。 

 ↓は今日のUpper wind(上空の風)情報です。 パイロットには通称FD(エフディー)と呼ばれている情報です。 地上の風と上空の風は一般的に風の向きも強さもだいぶ異なりますからこういう情報がパイロットに提供されています。

 STN YMMはフォートマクマレー。 高度24000フィートで、フライトの時間が17:00~21:00世界標準時の場合、21:00~06:00, 06:00~17:00の場合と、3つに分けられて表示されています。 


 
 例えば、一番下の06:00~17:00zを見ると「3185-33」となっていますね。 最初の二桁に0をつけたものが風の方角となっていますので、この場合には風は310度の方角(だいたい北西)から吹いていることになります。 次の二桁が風の強さを表しているので、この場合には85ノットの風が吹いていて、最後の二桁が気温を表しているので、高度24000フィートで気温はマイナス33度という具合です。 

 ところが、一番上の1700~2100zを見ると「8110-35」となっていますね。 これが面白くて(?)、風が100ノット以上の場合には最初の二桁の数字に50を足すという決まりになっています。 ですから、風の向きは310度(81-50=31で、最後に0をつける)の方角から、風力110ノット、気温はマイナス35度です。

 最初の写真のフライトのときには単純計算で160ノット近い風が吹いていた計算になります。 実際には下降を始めたときだったと記憶しているので、もうちょっと風は弱かったんでしょうけど。 今日の風は110ノットということですから、セスナ152や172なんかで高度24000フィートを飛行して、北西の方角に飛ぼうものなら、まったく前には進まず、セスナ152の場合には風に押し戻されて、バックで飛ぶことになってしまいます(笑)。 もちろん、どちらの飛行機も性能的にそこまでの高度に上がれることはまず有りえませんけど。


(つづく)

2013-01-09

フォートマクマレーに引越しました。

 昨年12月、ある晩に会社のチーフパイロットから電話がかかってきました。

「フォートマクマレー空港のベースに異動するのに興味ある?」

 ってことでした。 

 フォートマクマレーは僕が住んでいたハイレベル(High Level)よりも南東にある市で、オイル産業で多いに賑わっている、バブリーな場所だそうです。 場所は前回の書き込みにGoogle Mapのリンクを貼っておきましたのでそちらを参照してください。

 フォートマクマレーベースに異動することの利点は主に2つ。 1つはハイレベルベースよりも飛行時間が多くなること。 よく行くエドモントンを基準にして考えると、ハイレベルからエドモントンまでは直線で約330マイル。 一方、フォートマクマレーからエドモントンまでは直線で約210マイル。 なので、1回の飛行時間だけを見るとハイレベルベースのパイロットのほうが飛行時間は長くなりますが、フォートマクマレーベースのパイロットは回数を多く飛ぶんだそう。 ハイレベルベースのときはフライトがない日が1,2日続くことなんてざらにありましたが、フォートマクマレーベースの場合はほぼ毎日飛ぶんだそうです。 なので結果的に飛行経験を多く稼げることになります。 これは安い給料で働く副操縦士(FO)にとっては最も魅力的なことです(苦笑)。

 もう一つの利点は空港が大きいこと。 ジェットのトラフィックなどと飛べるのは魅力的ですし、空港もcontrolled airportだし、僕が訓練をしたビクトリア空港とイメージが近いです。 そして、この空港からはWestjetやAir Canadaでエドモントンやバンクーバーに行くフライトがある! しかも便数が結構多い。 ということは、20日間のシフトが終了してからビクトリアに帰るのがめちゃくちゃ楽になるっていうことです。 ハイレベルベースの時は最寄りの空港がGrande Prairieっていうところで、車で4時間ちょっとかかりました。 そこからフライトを乗り継いで、ビクトリアに到着するころには半日以上経過しているっていう感じでとても疲れました。 フォートマクマレーからは会社のハンガーに車を置いて徒歩数分でターミナルに到着! そしてビクトリアには4,5時間後には到着するという流れです。 これは経済的にもありがたい(4,5時間のドライブで車のタンク満タン分のガソリン=$80を消費しますから・・・)。 
 ということで、フォートマクマレーにやってきました。 昨日到着したところです。 ハイレベルからエドモントン経由で13時間ほど運転して到着。 遠かった〜! 今日はあと数時間後にシフト開始で、きっとすぐにフライトに行くと思います。 こちらのベースではいろいろとやることや、やり方が違うので戸惑いますが、一年生になったつもりで再度頑張っていこうと思います。

 今日の写真は2012年最後の大晦日のフライトでの夕暮れです。 いろいろあった2012年だけど、今年は安全で実りの多い年にしたいものです。



(つづく)