2018-04-18

Augmentでロンドン、そして氷雨(パート1)。

 氷雨(ひさめ)。 この言葉を聞いてこの歌を思い出す方もいらっしゃるでしょうか。


 21歳でこの大人の雰囲気。 昔の歌謡スターはただものではありません(笑)。

 話を元に戻します。 先週末にトロント周辺では氷雨が降りました。 英語ではfreezing rainといいます。 難しいことは省略しますが、簡単に言えば雨(水)なんだけど、なにかにぶつかった衝撃で凍りつく雨のことです。 

 カナダはもう4月中盤に差し掛かるというのに、未だに雪が降ったりします。 気温が上がってきたり、温暖前線が通過したりするとこの時期には氷雨が降ります。 

 氷雨は飛行機のです。

 滑走路上に降り積もった雪は除雪車が取り除いてくれますし、たとえ雪が降り続いていたとしても、それが積もるのにはある程度の時間がかかります。 ですから、積もる前に離陸・着陸できるタイミング的余裕があります(時と場合によりますが)。 ところが、氷雨の場合には地上に舞い降りた瞬間に凍ってしまうため、滑走路がつるんつるんになって離着陸がとても困難、または不可能になります。  

 こんな日は通勤も大変です。 僕は最寄りのUP Expressという電車の駅まで歩いて、そこから電車通勤しているのですが、駅までの10分以下の徒歩でも雪や氷のせいでかなりの運動量になります。 オーバーナイトバッグやフライトバッグをゴロゴロと引っ張っているので、雪があるとバッグのローラーが機能せず、力任せにバッグをひっぱるので普段の倍の力が要求されます(汗)。 



 先週金曜日、クルースケジューラーから電話がかかってきまして、「土曜のオタワ・ロンドン便だけど、天気が悪そうだからaugmentで飛んできてね」と言われました。 (Augmentについては過去ログを参照ください。

  久しぶりのロンドン便だったので、ちょっとこころウキウキ。 しかもaugmentパイロットなので、機長と副操縦士が休息を取っている間だけ操縦席に座る仕事です。 これは実は結構楽です(笑)。 しかも、大西洋上空を飛んでいる間の三分の一は僕も休息を取れます。

 まずはトロントからオタワ。 幸い、氷雨は止んでいたのですが、数時間前まで降っていた氷雨の影響でバンクーバーから飛んでくる我々が乗務する機体の到着が遅れていました。 オペレーションセンターの話では、インバウンド機のバンクーバー出発が遅れ、さらにトロント近辺でホールド(空中待機)させられているとのこと。 燃料はたっぷり積んでいたので1時間ほどホールドしてこの飛行機はようやくトロントに着陸しました。 この日は多くの飛行機がホールドさせられ、途中で必要最低限の燃料量に近づいてしまったため、代替空港へダイバートしたフライトも多かったようです。 みなさんお疲れ様です。

 結局、我々は定刻から約3時間遅れで出発となりました。 お客さんたちも待ちぼうけ。 僕らも待ちぼうけ。 お天道様には勝てません。 プッシュバック後はde-icingをしました。 細かい雪が舞い落ちる状態だったので、Type 1(オレンジ色)とType 4(黄緑色)の液体を翼や尾翼に吹きかけてこびりついた雪や氷を取り除きます。 そしてようやく離陸。 

 オタワまでは29000フィートまでしか上がらないいわゆる「ラピッドエアー」と呼ばれる短いフライトです。 飛んでいるのは実に30分強。 離陸後、すぐに着陸の用意をする感じです。 ワイドボディの767には短距離フライトは大変です。 僕はaugmentなので、ジャンプシートに座ってパイロットたちのお手伝いをします。 とはいっても、ログブック記入くらいしかすることはなく、あとは前の二人が行なっていることにミスがないかを確認する作業に加わる感じです(Augmentの仕事内容についてはまた別の機会に細かく書いてみようと思います)。 そんなこんなであっという間にオタワに到着。

 オタワにつくと、augmentの僕は機長に命じられ、フライトプランニングルームという小部屋に行き、フライトプランをコンピュータで入手・プリントアウトしました。 遅れて到着していることもあり、ゲート周辺には大勢のお客さんが列をなして待っています。 この日は満席だったため、200名以上のお客さんが待っていました。 申し訳ないな〜と思いながらそそくさとフライトプランニングルームへ行き、フライトプランを入手したらすぐさま飛行機に戻りました。

 オタワでも残念ながらde-iceをせねばならず、出発が遅れました。 離陸の頃は辺りは真っ暗。 ここから漆黒の闇の中を夜中じゅう飛び続ける長い夜が始まります。

 
(パート2につづく)

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