2018-06-15

初・南米ペルー。

 1週間強の休暇が終わり、また仕事に復帰しました。 今回の一時帰国でもバッチリ時差ボケになりましたが、とりあえずある程度機能できるレベルに戻るまでの時間は明らかに以前よりも早くなりました。 通常、僕は外国への旅行のあとは最低3日は自宅のある場所の時間帯で過ごし、時差ボケが治ってから仕事に戻るようにしています。 体調不良は許されない仕事なので、その辺りは結構シビアに考えるようにしています。 今回は2日目には仕事に戻れるくらいまで回復していました。 いつも幾つものタイムゾーンを飛び越える仕事をしているせいか、少しずつ身体が時差にもある程度耐えられる身体になってきているように感じます。 一方で、睡眠の質や時間が低下しているのもまた事実。 果たして今の仕事が健康に及ぼす害というのはどのくらいあるのか。 こればっかりは今はわかりません。 

 復帰最初の仕事で南米ペルーの都市リマに行ってきました。 南米は今回が初めてです。 赤道を超えて南半球に飛ぶ日が来るとは思いもしませんでしたが、意外と早くやってきました。

 ちなみに、航空英語ではL(エル)はLIMA(リマ)と発音します。 僕がパイロット訓練を始めた頃に必死に航空英語アルファベットを暗記したわけですが、その時は「リマってなんなんだろう?」と思いながら丸暗記したことを今でも覚えています。 リマは都市名だったんですね(笑)。

 今回の飛行経路はこんな感じです↓


 トロントを出発したあと、ひたすら南下します。 途中でアメリカのフロリダ半島を通過し、キューバ上空を飛び、ケイマン諸島、パナマ周辺を通過します。 南米に入るとコロンビアやエクアドルの西側を飛び、いずれペルーの空域に入ります。 飛行時間は往路が8時間弱、復路はトロントではなくモントリオールまで行くので8時間を超えます。 そのため、行きの便には帰りの便で乗務する3人目のパイロットがデッドヘッドで同行しています。 FOで十分なフライト(機長+副操縦士2名)ですが、どうやら今月は機長の数が余っているようで、デッドヘッドのパイロットも機長。 したがって、復路は僕以外に二人の機長が乗務しました。

 フロリダ南部からパナマまでの空域は気流が悪いことが多いそうで、この日も比較的揺れました。 また、洋上で気温も高いエリアなので、積乱雲が多く発生します。 この日も幾度となく右へ左へ雲を避けながらのフライトになりました。 飛行機に備わっている天気レーダーを駆使してのフライトになりますが、このエリアには水分をあまり含まない積乱雲も多いらしく、そういった雲はレーダーにはうまく映りません。 夜のフライトでは月明かりを利用して雲を目視確認したり、あとは雷の位置を見ながらフライトすることもあります。 この日同乗した機長の話では、パイロットの中にはこのルートを飛ぶ日は満月の日のペアリングしか選ばないシニアパイロットもいるんだとか。 このエリアの積乱雲は最高高度が高度5万フィートを超えるものもあり、こういう雲は横に避けるしかありません。 僕が乗務する767では上を超えることは不可能な高度です。

 南米コロンビア、エクアドル、ペルーのあたりには高度2万フィート(6000メートル)以上のアンデス山脈が連なります。 そのため、この付近を飛ぶ時には万が一の急減圧やエンジン停止に備え、エスケープルートというルートが設けられています。 フライト中はそのルートを確認しながら飛びます。 南米に到達する頃には外は真っ暗なので、あいにくアンデス山脈が見えることはありませんでした。 残念!!!

 リマ空港はアメリカや他の南米の国々からのフライトで比較的忙しい空港です。 この日は北からのアプローチ。 ストレートインILSでの着陸となりました。 着陸後に問題発生(汗)。 予定よりも20分も早く到着したため、到着ゲートが空いていませんでした。 仕方なく無線でカンパニーに連絡をしますが、英語がなかなか通じない・・・。 10回ほど呼びかけてやっと返事をしてくれたと思ったら、英語が通じず、こちらからの呼びかけが無視されるような状態になってしまいました。 仕方なくディスパッチャーにACARSでメッセージを送り、ディスパッチャーが直接電話をかけてくれたようですが、それでもメッセージがなかなか通じなかったようで。 結局スケジュールの到着時間よりも10分以上遅れてのゲートインとなりました。 南米ではこういうことがよくあるそうです。 英語が通じないことも多くあるそうです。 特に、航空無線英語以外の英語は通じないことがよくあるそうです。 なるほどなるほど・・。

 実はリマには先週と今週の2回行ってきました。 2回ともレイオーバーは24時間ほど。 初めての南米の街だったのでちょっとだけ不安でしたが、想像を大きく裏切られる結果となりました。 

ペルー、リマ。 大好きです。 

 2回ともかなり楽しいレイオーバーとなりました。 食べ物は美味しいし、人はみんなやさしい。 スペイン語は話せないけど、英語をなんとか理解しようとしてくれます。 街は味がある。 カラフルな建物も多くて見ているだけでも楽しい。 北米では見ないような動物もいる。 なにより良いのはトロントとの時差はたった1時間! ヨーロッパに行くと時差に苦しむこともありますが、ここはそういったことがない。 今後もリマに行きたいと思わせてくれるようなレイオーバーになりました。

 では写真をどうぞ!

赤道(緯度0度)を通過!

街はバスがいっぱい。

 
バス。


またバス。 どれも結構満員。 ドアを開けっ放しで走っているバスもちらほら。

街はあざやか。

カフェで一服。 このエスプレッソマシーン、ペルーに2台しかないそうです。
 
公園は賑わってます。 靴磨きやらサッカーのトレカ売買やら。

そして公園にはなぜか猫がいっぱい。

すやすや寝てます。

3匹まとまって寝てました。

マスコット猫。

 
チュロスやらパンやらフルーツやら。 いろんな露店がありました。

どことなく生活のリズムがスローな感じ。

 
恋人の公園。

リアルな壁画。

街の標識や道路標示も当然ながらスペイン語。 PAREはSTOP。

 
新聞スタンド。

こういう古びたカラフルな建物も多くあります。

街のお店からはパワーを感じます。


車の多くは古い日本車や韓国車。

なかにはこんなフランス車も。

太平洋。

サーフィンをする人も多く見かけました。 安くサーフィンギアをレンタルできるそう。

この日は霧っぽい感じ。 この時期(南米は秋)は常にこんな感じだとか。

 
灯台のある公園。

立派な灯台です。


鳩のような鳥。 目が青いです。

ペルーでコーラといえばインカコーラ。 味はクリームソーダみたいで美味しいです。

 
これはロモ・サルタード。 ペルーを代表する国民食だそう。 超美味。

モントリオール空港に到着し、飛行機を後にします。 長いフライトお疲れ様。

 

 次回のフライトではアイルランドに行く予定でしたが、今日からしばらく休みが続き、特に予定もないので仕事をいれました。 明後日からギリシャのアテネに行ってきます!


(つづく)

















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