2018-06-27

初ギリシャ・アテネへ。(後編)

 この「ウーゾ」というお酒、かなり強く、独特の香りがします。 透明の水みたいに見えるのですが、これに氷を入れたり、水で割ったりして飲むのだとか。 味はヨーロッパ人が好む「リコリッシュ」の味そのもの。 ミントのような味といったらいいのでしょうか・・・。 日本食には存在しない味です。 言葉で表現すらできない味です・・・。 小さいグラス一杯分飲みましたが、それで満足。 店員のお兄さんは「どう、2杯目いっとく〜?!」って聞いてきましたが、丁重にお断りしました(苦笑)。

 夕食後はホテルに戻り、午後10時過ぎには就寝。 そもそもこの日は数時間の仮眠しか取っていなかったのと、午後はずっと外を出歩いていたので結構疲れていたのですぐに寝付けました。 

 翌朝、朝5時過ぎにはお目覚め(笑)。 僕はだいたいいつもこんな感じです。 特に今まで来たことがない新しい土地の場合はなんだかワクワクしてしまって朝は早く目覚めます。 5時はさすがに早いのでベッドでゴロゴロしてまた寝付けるかなと思いましたが、結局6時過ぎには完全に目が冴えてしまいました。 そこで、ホテル内のレストランで朝食ビュッフェを食べに行きました。 クルー割引があるので破格の値段で朝からたっぷりご飯が食べれます。 これがまた美味いのなんのって・・・。 ギリシャ人、グルメを知り尽くしていると思われます(笑)。

 朝ごはんをしっかり食べたあと、ホテルチェックアウトまではまだまだ時間があるので街へ散策に出かけました。 昨日行けなかった、ゼウス神殿オリンピックスタジアムに向かいます。 徒歩20分ほどの距離でした。 朝の街はしずかで、少しだけ空気がひんやり。 昨日と違って空は青空です。 路地には猫が寝そべっていて、なんとも平穏です。 中心街に近づくと通勤ラッシュのように車やバイク、バスなどが往来していて騒々しいです。 

 ゼウス神殿には7時半頃についてしまったのですが、閉門は午前8時となっています。 仕方ないので近くにあったギャラリーのような建物と公園をふらふらしました。 そしてオリンピックスタジアムへ。


 ここは外から見るだけにしておきました。 ここが近代オリンピックの中心地なんだとか。 スタジアムの観覧席はすべて石でできているようです。 なんとも立派なスタジアム。 中央には表彰台が見えます(↓)。


 ここに来る頃には日差しが強くなってきました。 帽子を被って来て正解でした。 日差しがとても強く、肌が焼けるのがわかるかのようです。

 この次に来た道を戻り、ゼウス神殿に向かいました。 入り口には先客がいましたが、2番目に入ることができました。

 

 ゲートをくぐって入園すると、このような光景が広がります(やや逆光だったため、色合いが少しおかしいですが・・・)。 だだっ広い広場にゼウス神殿(Temple of Olympian Zeus)の跡地があります。 誰もいないので写真を撮るのには最高でした。 さらに近づくとこんな感じです(↓)。

 ここに巨大な神殿が建っていたんですね。 残っている柱にはアクロポリス同様、複雑な彫刻が施されています。

 しばらくすると、またもや野良猫がやってきてゴロン。 

 いつもこんなところで日向ぼっこしているんですね、この猫は。 なんとまあ贅沢な・・・。 

 ゼウス神殿の背後の丘には前日にいったアクロポリス・パルテノン神殿が見えます。 なんとも言えないダイナミックな風景です。 奈良の大仏さんもそうですが、昔の人がこれほど大きな建築物を当時の限られた技術や道具で作り上げることができて、しかもそれが今日にも存在しているということがとても信じられません。 なんでも、これらの神殿の柱はまっすぐではなく、やや内側に傾いて作られているんだそうです。 その意図的な歪みが地震などの揺れから建築物が倒壊するのを防いだんだそうです。 すごすぎ〜!

 神殿公園の外にはこのような門の名残も残っています。 この石に見える汚れ、街を走る車の排気ガスによってこのような色になってしまったんだそうです。 確かにこちらの車の排気ガスは汚れている印象を受けました。 ちなみにこの門は公園の外にあるので、誰でも無料で至近距離で見ることができます。

 出発前の観光も終わり、いよいよホテルに戻って出発の準備です。 途中でカフェに立ち寄り、アイスカプチーノとハム&チーズサンドイッチを購入。 コーヒーはアテネの暑い気候にぴったりで最高でしたが、サンドイッチはハズレでした(笑)。 まあ、今までのレイオーバーでは食べ物でハズレはほとんどなかったので、一回くらいは大目に見てあげることにします。

 この日は僕がトロントまでの操縦担当(Pilot Flying)です。 あいにく空港近辺には雷雲がわんさか。 出発前のブリーフィングでは、iPadでお天気レーダーの画像を確認し、離陸後に雲を避けるために進路を変更する必要があることを他のクルーと確認しました。 初めて来た空港からの出発はいつも少し緊張するものです。 どの空港にもいろんな手順があったりしますので、それらを知らないとあたふたします。 アテネ空港は思ったよりもシンプルでよかったです。

 いよいよ東に向かってテイクオフ。 離陸時の重量は180トンを超え、ボーイング767の最大離陸重量(MTOW)ぎりぎりです。 トロントまでの燃料をたっぷりと積載していますし、客室は満員御礼です。 LCC部門に移って来てからは多くのフライトが最大離陸重量に近い重さです。 こうなると、離陸時のローテーション(機首上げ)やフラップの格納時の対空スピードなどにも気を使います。 短距離を飛んでいるときとは違い、これだけ重いといつもはパワフルなボーイング767であってもなかなか上昇率が上がりません。 いつもであれば1分間に4000~5000ftくらいの上昇率が普通に出るのですが、この日は2000ft/minが精一杯という感じ(つまり、普段よりも上昇するのに時間が倍近くかかる感覚です)。 気温が高いこともあり、エンジン効率はかなり悪く、よっこらしょ、よっこらしょ、という感じで上昇を続けます。 雲を避けるため、いつもよりも機首角度を上げ、スピードを抑えながら上昇率を最大にして高度を稼いで行きます。 スピード計を見ると最大速度と失速速度の間がめちゃくちゃ狭くなっています。 いつもよりも慎重に手動操縦で北西に旋回し、ギリシャを後にしました。 ATCのおばちゃんも陽気にさようなら〜ってギリシャ語で言っていました(たぶん・・笑)。 ちなみにギリシャ語では「こんにちは」が「カリメラ」または、「ヤ・サス」「ヤ・ス」というそうです。 「カリメラ」と言われるたびにアニメ・カリメロが脳裏に浮かび、「ヤ・ス」や「ヤ・サス」と言われるたびにちょっとビクッとしました(僕の名前に似ているからです)。 思い出深い場所になりました(笑)。

 

 ギリシャから北上を続け、イタリアのベネチアの東側を通過。 それからアルプス山脈上空を通過します。 途中では有名な山・モンブラン(イタリア風にいえば、モンテ・ビアンコ)が見えました。 その後、フランス・パリ上空を通過してイギリス方面に向かいます。 イギリスではロンドン・ヒースロー空港の真南を通過。 ここまで来ると見覚えのある景色が広がります。 ロンドンの中心部やハイドパーク、ロンドン・アイなどのアトラクションもはっきりと見ることができ、ちょっとした観光気分を楽しみました。 その頃になると北大西洋を横断するための最終準備に取り掛かります。

 あとは今までなんども飛んだロンドンからの帰り道と同じ工程でした。 イギリス側のShanwickからOceanic Clearanceと呼ばれる大西洋横断許可をもらい、それによって決められたルート、高度、速度で大西洋を横断します。 途中でHFラジオの周波数を教えてもらうので、それでSELCAL(セルコール)と呼ばれる無線装置がちゃんと動いているかを確認します。 問題がないと、そこからはしばらくは誰とも交信しない時間が数時間続きます。 途中、西経30度(30W)でカナダ側のATCにコンタクトし、あとはカナダの国内へと飛び続けて行きます。 トロント空港に到着するころはあいにく嵐の予報でした。 そのため、代替空港の天気を細かく精査し、万が一のダイバートに備えた準備とブリーフィングをしました。 ところが、トロントは意外にも普通のお天気。 どうやら嵐雲は進路を南に変え、トロント周辺を逸れていったようでした。 風は強かったですが、無事に着陸。 タッチダウンも満足なものとなり、よいフライトになりました。 

 フライト後にはお客さんにお礼・お別れをいいます。 みなさんうれしそうに飛行機を後にして行きます。 「いいフライトだったよ」と握手フィストバンプ(日本語風にいうとグーパンチ?)を求めて来るお客さんもいます。 これもLCC部門ならではのように思います。 メインラインのお客さんはどちらかというと俯いて、「あ〜、やっと着いた、めっちゃしんど〜」っていう感じで去っていく方々が多かったように思います。 長いフライトで狭い機内に缶詰にされていたのですからそれも仕方ありません。

 というわけで、今回は楽しい初ギリシャとなりました。 来月末にもまたアテネに行きますので、次回はなにをしようかと今のうちからワクワクしています。 

 このアテネの旅から戻って来て、翌日にはアイルランドのダブリンに行きました。 それはまた次回。


(つづく)


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