2019-08-08

休暇&仕事でフランス。

 10日ほど休みがあったのでフランスで過ごしました。 今年のフランスも酷暑ですが、僕がいつも滞在するところは山間部なので夕方には少しだけ涼しくなるのが救いです。 この時期はダウンヒルマウンテンバイクで賑わいます。 ハイキングにも絶好の季節で最高です。 フランスの山岳地帯は日本のそれとはまた違った趣があり、とても楽しいです。 


もろハイジの世界(笑)


こんなところをMTBで走ったら楽しそう。

スイス国境はすぐそこ。


 世界的に有名な自転車レースであるツールドフランスの今年の第20ステージは山岳地帯でのヒルクライムレースでした。 ツールドフランスの最終ステージ(第21ステージ)は必ずパリ・シャンゼリゼ通りでゴールすることになっているのですが、出発地点とルートは毎年変わります。 今年はブリュッセルをスタートし、約3週間かけてフランスを一周しました。 最終ステージは競争をせず、どちらかというとパレード走行のような走り方をしてレースの終了と優勝者の健闘を讃えるという暗黙の了解があるため、最終ステージの一つ前のステージでその年のツールドフランスの優勝者が実質的に決定することになっています。 今年は以前冬季オリンピックが行われたことでも有名なアルベールビルが第20ステージのスタート地点に選ばれました。 アルベールビルは車で1時間半ほどの場所だったため、レース観戦に行ってきました。 
今年の優勝者のコロンビア人の選手。 自転車レースはプロとの距離がとにかく近いのが魅力です。

脚めちゃ細。 ファンクラブを見つけて駆けつけていました。

 フランスからカナダに戻ってきてもツールドフランス熱が治らなかったため、仕事開始までの回復日にサイクリングに行ってきました。 行き先は今住んでいるところからジャック・カルティエ橋を超えてすぐのところにあるジョン・ドラポー公園という公園がある小さな島です。 ここはF1モントリオールグランプリのレース会場にもなっているため、サーキットが存在します。 しかも、そこを自転車で走れるんです。 F1サーキットを走れるなんてなかなかないと思うので、ここは僕のお気に入りサイクリングコースになりました。 

こんなところを自転車で走れます。 入場無料。 車でも時速30キロ制限で走れるようです。

 休みが終わり、仕事が始まりました。 今月最初のフライトはこれまたフランスのニース・マルセイユまでのペアリングでした。 よく考えたら、仕事でフランスに飛ぶのは今回が初めてでした。 

 ニースはフランス南部の海岸線にある都市です。 今年の春に旅行で訪れたところです。 近くには映画祭で有名なカンヌや、富豪たちが住むことで有名なモナコがあります。 

 ニース空港までは約7時間半。 一緒に行った機長とはトロント時代に一度働いたことがあり、顔なじみでした。 夕方7時前に離陸し、ニースに到着したのは現地時刻の午前8時過ぎ。 海沿いにあるニース空港には滑走路が平行して2本あり、陸地側の滑走路が着陸用、海側の滑走路が離陸用となっています。 騒音対策のためだそうです(通常離陸時のほうが飛行機はうるさい)。 

ニースで観たのはこれくらい(笑)

 入国後はそそくさと待機していた大型バスに乗り込みます。 そしてそこから滞在先ホテルがあるマルセイユ近郊のエクサンプロバンス(Aix-en-Provence)という街までの陸路移動です。 これが長い。 2時間近くもバスに揺られることになりました。 これだけ長い陸路デッドヘットがあるペアリングはこれが初めて。 滅多にないので新鮮ではありますが、フライトで疲れた体にはこたえます。 案の定、ほとんどのクルーはバスで寝てしまいます。 僕も1時間ほど仮眠を取りました。 そしてエクサンプロバンスに到着。 なかなか綺麗な街ではないですか!

 いつも通り仮眠を取り、それから散歩に出かけました。 街にはいたるところに面白い噴水があります。 なかでもコケが生い茂った噴水がいくつもあり、観ていて飽きませんでした。 


イルカ4頭の彫刻がある噴水

 画家のセザンヌが生まれた街としても有名だそうです。 こんな金属プレートが歩道のそこら中に埋められています。


もちろん教会があります。 ここはなかなかよかった。 

アップルストアがあったり、こんなモダンなオブジェもあったりして、面白い街でした。


 夜には機長とFAさんと一緒に街角のバーでビールを楽しみ、その後レストランに移動して食事を取りました。 結構歩いて疲れたおかげでその夜はよく眠れました。

 翌日、バスでマルセイユ空港に向かいました。 15分ほどの乗車で空港に到着。 セキュリティー検査が厳しく、100ml以上の液体はすべてスキャナで検査されます。 僕は100ml以上の液体は持っていなかったのですんなり通過しましたが、機長を含め、多くのFAさんたちがワインを購入したようで、そのワインをすべてスキャンするのにかなりの時間がかかりました(笑)。 その後、歩いてエプロン脇に出て、我々の飛行機まで歩きました。 外を歩いて飛行機に向かうっていうのはあまりないので新鮮でした。 写真も撮れて満足(笑)。

なかなか男前です。

 出発準備もスムーズに行き、ほとんど待ち時間もなくプッシュバック。 西に向けて離陸しました。 帰りの操縦は僕の担当。 離陸後しばらくするとアヴィニョンという都市の上を通過しました。 そして右手にはアルプス山脈が。 フランスのリヨンや、よくいくジュネーブまではほんのちょっとの距離です。 ヨーロッパは本当に狭いなぁと毎回感じます。
アヴィニョン上空

雪をかぶったアルプスの山脈が見えます。

青い○で示されたLFLLがリヨン、LSGGがジュネーブです。 

 これでニース・マルセイユペアリングは終了です。 翌日にはギリシャ・アテネまで行ってきました。 昨日カナダに戻って来て、今日は1日モントリオールでお休みでした。 明日からまたアテネに行きます。 今回はレイオーバーが長く2日の滞在。 暑いから博物館巡りでもしようかなと考えています。

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今回から、メールで問い合わせをよくもらう内容について毎回一つずつ回答していこうと思います。

今回のお題は、

フライトスクールの探し方

 よく聞かれるのは、「どこで訓練を受けましたか?」とか、「オススメのスクールがあったら教えてください」という質問です。

 僕はブリティッシュコロンビア州のビクトリアにあるVictoria Flying Clubで訓練を受けました。 いろんな面でよかったなと思っています。 ですが、僕が知っている日本人エアラインパイロットのうち、ビクトリアで訓練を受けたのはほんの数名です。 カナダにやってくる日本人の多くはバンクーバー近郊のバウンダリーベイ、ピットメドウズ、ラングリー、アボツフォードといったところにあるスクールで訓練を受けています。 その事実から鑑みると、スクール選びにこだわりすぎる必要はないように思います。 日本から近い西海岸は気候の点など(冬があまり厳しくないし、雪もほとんど降らない)からもオススメしますが、特にこのスクールでなきゃだめ!というオススメはありません(VFCは母校なのでひいき目で見ることがあるのは否めませんが)。 そもそも、いくつものスクールで訓練を受け比べるなんてことは誰もしないと思いますので、オススメのしようがないのです。 強いていえば、卒業生にエアラインパイロットが多いところとか、経験者が教官のスクールはいいと思います。 あとは機材とか、訓練費用とか、生活環境とかを総合的に判断して選べば良いと思います。 実際にスクールに足を運んで自分の目で見て確かめるのも大切だと思います。 今はネット社会だからなんでも口コミで選ぼうとすると思いますが、最終的に頼れるのは自分の勘です。


(つづく)




 

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