2020-04-18

今後の航空業界の行方予想 -第1回-

 先日、ここカナダで働いている日本人パイロットのみなさんと合計8名でビデオチャットをし、近況報告・情報交換をしました。 初めてビデオでお顔を見る方がいたり、以前訓練を担当させてもらった生徒さんがいたり、もう何年も前に会って以来お話をしなかった人がいたりして楽しい時間になりました。 今の世の中がこんな状況だからこそビデオチャットを通してみなさんと繋がることができたので、悪いことばかりでもないのかもしれません。

 今日は今後の航空業界の行方について考えてみます。 こんなことを考えるくらい時間が有り余っています(笑)。

 今日はまず、今後のパイロットの需要と供給について考えてみようと思います。 


世界的なパイロット不足

 ここ数年言われ続けてきた「世界的パイロット不足」ですが、これは一旦落ち着きを取り戻す(=需要が減る)ものと予想します。 

 これまでパイロット不足が深刻化してきた理由は主に次の三つだと思います:

  1.  パイロットの大量定年退職
  2.  航空旅客数の増加 
  3.  乗務員の就労時間の短縮化
 コロナがこれらの点に及ぼした影響を見ていきます。


大量定年退職

 まずはパイロットの大量定年についてですが、これはこれからしばらくは続くことは間違いなく、コロナとは直接関係ありません。 強いて言えば、コロナが経済に及ぼした影響によってパイロットの定年退職は一時的に急加速しているとも言えます。 現在、航空会社のほとんどは運航便数が減っている間のキャッシュロスをなるべく抑えようという動きに出ており、定年が近いパイロット(年齢50代後半から60代前半)には早期定年退職を促しています。 我が社でも150名弱のパイロットが早期退職を決めたそうです。 こんな経済状況の今なので、パイロットの新規採用は一時停止状態でもありますし、現役パイロットの数は確実に減少しています。 ただし、ここで重要なのは、減るのは「絶対的なパイロットの数」である点です。 需要と供給のバランスがとれていないと、たとえ絶対的なパイロットの数が減ったとしてもパイロット不足にはならないことも考えられます。 

 っということで、それではどれだけのパイロットがこれから必要になってくるのでしょう。 次はそこを考えてみます。


グローバル化と航空需要の増加

 LCC・格安航空会社の出現により航空運賃は近年大幅に値下がりしてきました。 そのため、今までは気軽に旅行に行けなかった人々も比較的お手軽に飛行機を利用して世界中を移動するようになりました。 もっとも顕著な例が中国でしょう。 中国が国際的な市場・経済活動の中心となってきたのを背景に中国人の多くが経済的に豊かになったのは間違いありません。 多くの中国人は世界中に観光に出かけ、爆買いするようになりました。 その需要に応えるため、航空会社はこれまでどんどん便数を増やし、ルート開拓し、大型機を導入してきました。 今後もその流れが続く予想だったため、パイロットがますます必要になると言われ続けてきたのです。 それが今回のコロナウイルスの影響により大きく様変わりするでしょう。 


コロナ後の人々の心理と経済への影響

 コロナの前であったらLCC航空会社でよくみられるようなぎゅうぎゅう詰めの客室でも、「チケット代が安いから」と諦めて旅行に出かける人が後を絶ちませんでした。 ところが今は「ソーシャルディスタンス」「フィジカルディスタンス」の確保が推奨されていますので、今後もぎゅうぎゅう詰めで飛べるのかは疑問が残ります。 飛行機の客室内はいわゆる「3密」が存在しやすい環境です。 

 一方、世界には今日現在コロナウイルスとの戦いが続いている国や地域がまだまだ数多くあります。 たとえ一部の国が国境を再開したとしても、そんな状況で外国旅行に出かけようと思い立つ人は少ないでしょう。 また、今まではビジネスや出張で飛行機を利用する人の数が常に一定数いましたが、最近ではリモートワークを推奨し、なるべく人とは会わずにネット上の会議システムやチャットなどを利用する人が増えてきました。 今回の経験で、「人と会わなくてもネットでなんとかなるんじゃない?」と思う人は増えるでしょうから、わざわざ飛行機に乗って、3密状態に身をさらす危険を冒してまで出張する人というのは減るのではないでしょうか。

 以上の理由から、旅客数は以前と比べて減る(少なくともしばらくの間は)のは間違いなさそうです。


コロナ後のバブル

 当然ながら今後は飛行機のような密閉空間での移動を避けたいという人がいる反面、それでも私は旅行がしたい!という人がいるのもまた自然で、理解できます。 数ヶ月間の都市封鎖で自由を奪われた人々はその反動で爆買い・爆消費する傾向にあり、ある種のバブル経済が発生しているところもあるとのことですので、また自由に旅行ができる環境になればある一定数の人々はまた移動をはじめます。  

 一方で、ウイルスの怖さが脳に刻み込まれた人々が再び動き出すには時間を要するでしょう。 人間は忘れる生き物です。 しかし、ここまで世界的な影響を及ぼし、多くの犠牲者を出したウイルスのことはそう簡単には忘れるはずはありません。 世界大戦で被害を被った人々が何十年もたった今でもその悲惨さ・恐ろしさを忘れていないのと同じようなものです。 上記のとおり、移動を始める人が増える一方、移動に臆病になる人が増えることも確実です。

 
運航乗務員の就労時間短縮

 カナダをはじめ、多くの国々でパイロットが1日に働くことができる時間を航空法で短縮する流れにあります。 現在の法律よりもさらに制限的なルールで、new fatigue ruleと一般的に呼ばれています。 勤務時間、始業時間、またぐ時間帯(タイムゾーン)の数、クルーの数(例:パイロット2名か3名か)、休息時間の長さ、などなどがパイロットの疲労に直結し、航空事故を起こす引き金になりかねないことが科学的調査によって判明していますので、そのリスクを下げるためにルールを改定するものです。 この新ルールの採用により、今までは2人のパイロットで運航できていたルートも今後は3人ないし4人のクルーで運航しなければならなくなる場合があります。 そうなると今のパイロットの数で今まで通りの便数をこなすことは不可能なので、パイロットの数を増やす必要性が出てきます。 これだけを見るとパイロットの数は増えることになりますが、当然ながらフライトの数が減ればパイロットの数を増やさなくても今いる数でこなせてしまう可能性があります。


有資格パイロットの放出

 9.11やSARSの時とは違い、今回のコロナウイルスは世界規模の事象です。 世界同時多発テロが起きたとき影響を受けたのは主にアメリカでした。 当時アメリカで飛んでいたパイロットやアメリカに就航していた航空会社は便数減少でダメージを受け、多くのパイロットがレイオフされたと聞いています。 そういうパイロット達は母国を離れ、アジアや中東の航空会社に多く流れていったそうです。 ところが今回のコロナウイルスの被害は世界中で出ており、世界中の航空会社が例外なく影響を受けています。 世界中のパイロットがレイオフをされている今、職を失ったパイロットを採用する会社はなかなか見つからないはずです。 となると、パイロットの市場には多くの有資格者、有経験者が放出されることになります。 余剰が増えれば不足は減ります。


まとめ・今後のパイロット需要の動きを決めるカギ

 今後の航空業界の動向はコロナ収束までにかかる時間と、それまでに経済が被った被害の度合いに大きく左右されると思います。 今後しばらくは景気低迷が避けられないと思います。 そのため、航空業界が以前のように戻るまでには時間がかかるでしょうから、その間は運航便数が制限され、必然的にパイロット不足は一時的にではあるものの解消されるでしょう。 現役パイロットをはじめ、これからパイロットを目指す方々にとっては厳しい時期となります。 



(つづく)

2020-04-13

コロナで潤う?業種。

 今日現在、僕が働く会社は昨年度に比べて運航便数が9割ほど減っている状況です。 ほんの数ヶ月前にはコロナウイルスが武漢で発生し始めていましたが、他人事のように思っていました。 今までの9.11やSARSがパイロットや航空業界に及ぼした影響についても同じく、「自分には起きないこと」となぜか思っていました。 それが今では航空会社の倒産やパイロットレイオフなどがとても身近なところで起きていて危機感を抱いています。

 っと、ニュースを見る限りは航空業界は完全に停滞しているように見受けられますが、中には潤っているところもあるようです。

 一つ目は航空貨物の分野です。 世界的に有名なところでいえばアメリカのFedEx, UPS、アマゾン、あとはDHL系列の貨物を運搬する航空会社です。 カナダにも貨物専門の航空会社がいくつかあります。 普段であれば旅客機であっても搭乗客の荷物に加えて一般貨物を載せて運航するのがほとんどです。 それが今回の運航停止や便数激減の煽りを受け、普段だったら旅客機でカバーできていた分が航空貨物会社に回されているようです。 実際、そういう会社では今のような状況であっても(もしくは、こんな状況だから)パイロットを採用しているようです。 

 二つ目の例はチャーターの分野です。 武漢の都市封鎖が解除され、今までロックダウンされていた富裕層がまた移動を始めています。 そんな中、ウイルス感染を恐れ空港の人混みを避けたい金銭的余裕がある人たちは小型ビジネスジェットをチャーターして動くことが増えているそうです。 そのフィールドで働くパイロットも局地的に忙しく飛んでいるのだとか。

 正直言って今まで貨物専門の航空会社にはあまり良い印象を持っていませんでした。 大手のUPS/FedExお抱えパイロットならともかく、下請け会社のパイロットともなると数年毎の契約更改などに多大な影響を受ける可能性があります。 どの会社もコスト削減を目指しますから、今までは〇〇航空で運搬していたものを次年度からはコストが低くて済む△△航空に鞍替えする、なんていうことが実際に起きます(いわゆる「race to the bottom」です)。 運航規模が縮小されれば当然ながらパイロットの数も減らされますから、レイオフの可能性が出てきます。 また、カーゴの多くは夜間のフライトが多いようで、「太陽の光を見てフライトしたのはもう何年前になるかな〜?」なんていうコメントを聞くこともあるそうです。 そうなると体調管理も大変そうです。

 でも、今回の件があって、なるほど、貨物専門もそれなりのメリットがあるということに気付き、印象が変わりました(単純です・・・笑)。 かといって、今から貨物の会社に移るなんていうことは考えてはいませんけど。

 モントリオールは現在、都市封鎖とまではいきませんが行動を制限されていますし、お店やサービスなども営業停止を余儀なくされているところがほとんどです。 失業率も上がってきていますが、カナダ政府は失業者や営業できない店舗への経済支援が本当に早いです。 失業保険に申し込むと翌週にはお金が振り込まれているようです。 また、各州が独自の支援を数々打ち出していて、言葉は悪いですが、下手したら今失業保険を受給した方が儲かる人もいるんじゃない?と思ってしまうほどです。 財源がなになのか、どのくらいの余力があるのか些か不安はありますが、スピード感はすこぶる良いので感心します。 

 レストランは今はイートインは出来ず、デリバリーやテイクアウトのみ営業が許可されています。 スーパーは開いています。 前述の通り失業者は多いですが、スーパーなどでも人が足りない状況なんだそうです。 

 コロナウイルスの影響で潤っているのは「航空貨物業界」と「スーパーマーケット」です(笑)

 そんなスーパーマーケット。 僕の近所のスーパーでは入場人数が制限されていて、入り口でカチカチと人数を数える人がいます。 中に入ると商品が陳列されているエリアに入る前にまずは石鹸で手を洗わされます。 その後やっと入店。 中に入っても買い物カゴを消毒してもらうのを待たなければなりません。 貼り紙には「必要がないものには手を触れないように」と書かれています。 ここまでを聞くと「カナダはしっかりしてるな〜」と思われるかもしれませんが、従業員はマスクはしていませんし、買い物カゴを消毒している若者従業員なんかは消毒用の布(?)が地面に落ちても平気でまた使いまわしているのも見かけますし、清潔さの度合いというのは本当に人それぞれなんだなと思い知らされます。 と、同時に、ウイルスが世界中に広まるのはこういった個別の感覚に大きな違いがあるからなのだろうとも思います。

 スーパーではほとんど今まで通りなにもかわりません。 唯一困っているのは小麦粉がどこに行っても売り切れなことくらいでしょうか。 時間があるからパンでも作ろう!と思い立った人(僕を含む)が急増したのか、そもそもケベック人の食卓には小麦粉は欠かせないのか、そのところはよくわかりません。

 といった感じで日々は過ぎていきます。 自宅待機はまだまだ続きそうですが、ロックダウンしているわけでもありませんし、ヨーロッパ諸国のように厳しい外出制限があるわけでもないのが不幸中の幸いです。

(小麦粉の棚はほぼ空っぽです。)



(つづく)

2020-03-21

カナダの航空業界の現状。

 前回の投稿から1ヶ月弱が経ちました。 その間にコロナウイルスによる影響がここカナダでもかなり深刻化しました。 前回書いた内容を読み返すと、「読みが甘かったな・・・」と思わざるを得ない状況になりつつあります。 今日は、今のカナダ国内の状況を書き綴ろうと思います。

 カナダ政府は、全カナダ市民に対し、不必要な海外渡航を取りやめる事、そして、旅行などで海外にいるカナダ人に対しては速やかに、利用可能な手段を使って帰国することを促し始めました。 海外からの飛行機の乗り入れも主要空港のみに制限されました。 そしてもっとも最近ではカナダ・アメリカの国境(陸路)が原則的に閉鎖されました。 

 これにともない、世界中の航空会社がフライト数をセーブしはじめました。 最初に耳にしたのはルフトハンザグループ。 全フライトの半数以下に便数を減らすということでした。 その後、アメリカの主要航空会社も同様の動きに移り始め、今ではカナダ国内でもほぼ全航空会社が同じような流れを辿っています。

 カナダの航空会社は数社ありますが、主要なところではエアカナダ、ウエストジェットの2社。 バケーション系のエアラインではエアトランザット、 サンウィングなど。 リージョナルではウエストジェット・オンコア、 ジャズ、ポーターエアラインズ、などがあります。

 エアカナダは4月下旬までフライトを大幅に減便すると発表(海外101都市→6都市、 アメリカ53都市→13都市、 国内62都市→40都市)。 

 ウエストジェットでは海外路線・アメリカ線の全便欠航。 パイロットは一時解雇は免れたようですが、しばらくの間は減額。 客室乗務員の一部は一時解雇(レイオフ)。

 エアトランザットも徐々にフライトを減らしすべての便を欠航。 大多数のクルーを一時解雇すると発表。

 ポーターエアラインズは全てのフライトを3月20日(今日)から6月1日まで欠航すると発表。
 
 サンウィングも同様にフライトを欠航し、クルー全員を一時解雇する模様。

 というように、いいニュースは皆無です。 

 現地報道によれば、ここ数週間の間に政府からの資金援助がなければ倒産する航空会社も当然出てくるとのこと。 そもそも航空業界は薄利な産業ということで、さらには乗客が払う運賃(キャッシュ)の流れに頼っているところが多いそうです。 そのため、そのキャッシュの流れが今回のようにパンデミックの影響で止まってしまうと経営を続けることがそもそも難しいという仕組みです。 すでにヨーロッパや中国ではいくつかの航空会社が破産に追い込まれています。 コロナ発生以前から経営状態が優れない会社だったようなので、他の同様の会社も今後は危ういでしょう。

 僕のことを書くと、今月は中旬から一時帰国する予定でいたので、そういうスケジュールを組みました。 最初の12日間で飛びまくり、13日から月末まではおやすみというスケジュールをもらいました。 ところが、日本が入国制限を開始し、カナダもそれに続き、さらにはカナダに戻ってきても14日間は自主的に隔離生活を求められるようになりました。 仕事でよく行くアメリカは、直近2週間以内にヨーロッパなどに旅行歴があるものの入国を制限しはじめました。 以上の理由で日本はもとより、海外に仕事以外で出ることはリスクが高すぎると判断し、カナダ国内に留まることにしました。 会社からもメモが回ってきて、「旅行で海外に出ることは望ましくない」とか、「それでも海外に行くのならば、それに伴うリスク・仕事に出る支障に関してはすべて自己責任」というような連絡がなされています。 そもそも、コロナウイルスが蔓延している今、海外旅行に行くということ自体が正しい選択ではないとも思えます。

 仕事で一緒になる機長連中はこの道20〜30年のベテランです。 これまで9.11、SARS, MERS、航空会社倒産や合併などのさまざま危機を経験しています。 彼らに比べると僕なんかは今まで特に困難にぶち当たることもなくスムーズにキャリアアップしてきました。 ちょっと前までと比べれば僕が仕事を探していたころはまだ低迷期であったように感じますが、それでもベテラン組が経験してきた波とは比べ物になりません。 彼らの中にはそういった危機の際に一時解雇された人も多くいます。 また、機長から副操縦士に降格になったとか、他の機種に強制的に移動させられたとか、他のベース所属になったとか、本当にいろんな苦難を経験してきたようです。 今回のコロナウイルスでは僕にもそういう不幸が襲いかかってくる可能性も十分にあります。 一時解雇になるかもしれませんし、今いるポジションから別のポジションに変わることもありえます。 お給料が減るかもしれませんし、しばらく飛べなくなるかもしれません。 正直、不安です。 

 先ほども書いたとおり、今まで本当に順調にやってこれたのがある意味奇跡だったのかもしれません。 仮に仕事を失うと、貯金を崩して生活しなければなりません。 しばらくやっていくだけの蓄えはありますし、雇用保険もおりるでしょうからいきなり路上生活になるなんてことはありえません。 しかし、世の中には毎月のお給料がないと次の日から路上生活になるという人が多くいます。 カナダ政府はいろいろな打開策を模索しているようです。 住宅ローンの支払い延期、収入税の免除や支払い延期、学生ローンの支払いを一時停止、などなど、少しずつ新聞やテレビなどでの報道で明らかになってきています。 

 こんな状況ですから、コロナの波が去ってからもしばらくは景気が悪い状況が続くことが予想できます。 たとえ、また海外に飛んでいけるようになっても、経済的ダメージを受けた人々には旅行や不必要な出費を差し控える心理が働くでしょう。 そうなると我々の業界が回復するのには時間がかかることと思います。

 その一方、中国ではウイルスの蔓延が徐々に抑えられつつあり、人々に自由が少しずつ戻ってきていて、今まで制限されてきた分、購買意欲に火がつき、ちょっとしたバブルが発生しているという話も聞きます。 それもわかりますね。 ずっと我慢してきたわけですから、また自由に出かけられる、買い物ができる、という状況になればワイルドになる人々も出てくるでしょう。 カナダでも、また、航空業界でもそういう動きが出てくるのか。 これからの動きを注意深く見守って行くしかありません。

 今パイロットを目指しているみなさん。 または、これから目指そうと思っていた方々。 今起きていることは辛い現実ですが、これが真実です。 以前にも書きましたが、航空業界はこういう波の影響をもろに受けます。 そして、そこでパイロットとして働くということは、そういう影響に対して常に気を張っていないといけないということです。 また、避けきれない波もあるでしょう。 そういう場合のダメージをいかに少なくし、次のチャンスがくるまで我慢できるか。 そういう能力が求められると思います。 プランAだけではなく、プランBやCも考えておく必要があると思います。 これは普段のフライト運航と同じ考えです。 そして、数ヶ月前まではパイロット不足や大量定年などの影響でパイロットの需要がとても高かったのですが、今後どうなるのかはまったく想像できません。 定年するパイロットがいるのは変わりありませんし、fatigue rule等の導入により今までよりもパイロットが必要になることは間違いないと思いますが、経済がどれだけのスピードで回復できるかによっては、パイロット雇用がまた活気付くにはかなりの時間を必要とする可能性もあります。 

 僕自身、今回のことでいろいろ考えさせられました。 お金のこと、仕事のこと、働く会社のこと、働く国のこと。 正解がなにかはわかりません。 今の時点でわかっていることは、4月末まではとりあえず飛ぶことはありません。 今は耐える時。 今の自分にできることをやっていくしかありません。

 暗い話ばかりもなんなので、今月上旬に行ったペルー・リマの写真をどうぞ!

素敵な海辺のカフェ。 眺めも最高。


なんだか海岸線も素敵。


プロビンシャルという島周辺。 黒いのは陸地ではなく海。


よく見ると超小さい島が色の境目にあります。 繰り返しますが、黒いところも海です。




(つづく)

 


  

 

2020-02-29

最近の航空業界動向。

 今月も先月同様フロリダへのフライトが多いです。 今日まで四日間、モントリオールとフロリダ・フォートローダーデールの往復を毎日こなすペアリングをやりました。 毎日同じルートを飛んでいるのですが、天気、飛ばす機材の調子など、いろいろな違いがあってなかなか面白かったです。 とはいえ、四日間も家に帰れず、毎日短いレイオーバーは身体に答えます。 今日家に帰って来たらどっと疲れが出たように感じます。 明日は一日だけ休みで、ここから怒涛のシングルデー連発がしばらく続きます。

 今の航空業界はあまり明るいニュースはありません。 コロナウイルスの件もあり、我が社も中国へのフライトはキャンセルとなっています。 また、737maxは今もなお運航禁止が続き、運行再開の見通しは立っていないようです。 これらの影響もあり、また、世界的な先行き不安感も相まって我が社の株価も急落しています。 これまで毎月30人以上のパイロットが雇用されてきましたが、これからしばらくは採用の波も落ち着くのではないかと考えます。 これまでもSARS, 9.11, 破産手続きなどの際には採用は中断され、パイロットの一部はレイオフされました。 これはこの業界では時々起こることです。 そもそも営業成績の悪い会社などは今回のような社会状況の際には影響がもろにでます。 中国では大手航空会社が破産したとの情報もあります。 社会の影響を受けやすいのが航空業界です。

 とはいえ、この流れがずっと続くことはおそらくないでしょう。 株価もいずれは元の水準に戻ることと思います。 ただ、それがいつになるのかは誰にもわかりません。

 中には、「今パイロットを目指すのは止めておいたほうが良い」という人がいます。 もしかしたらそれは一理あるかもしれません。 ただ、僕はそうは思いません。 いずれは経済も勢いを取り戻すでしょう。 そうなると、またパイロットの採用も一気に回復します。 そうなると、その時点で免許を保持していて経験もある人から順番に採用されます。 採用再開を待ってから訓練を始めると波を一度逃すこととなります。 また、極論を言えば、パイロットになることが夢でそれがパッションであれば目標に向かって猛進すべきで、何が何でもパイロットになってやるという強い気持ちを持っている人がいずれはパイロットになれるのではないかと心のどこかでは思っています。

早く状況が改善することを祈っています。



(写真上:先日行ったフランス領Pointe-a-Pitreでのお隣は747でした)

(写真上:フロリダでのレイオーバーは短かったですが、空は綺麗でした)





(つづく)






2020-01-30

リラックスペースな1月。

 早いもので1月ももうまもなく終わりですが、みなさまどうお過ごしでしょうか。 僕は今月のリラックスしたスケジュールを楽しんでいます。 一度仕事に出かけると翌日は休みというペースはとても楽です。 体力的にというのもありますが、それよりも精神的な余裕がうまれるように感じています。 たとえ仕事でうまくいかないことがあったり、嫌な人と働くことがあっても、「明日は休み♪」という気持ちでいるとかなりストレスの度合いが低くなります(笑)。 って言ってはいますが、今の所モントリオールベースの機長たちはいい人が多く助かっています。 

 今月はフロリダにばっかり行っています。 フロリダはいいですね。 1月だというのに暑い日には気温が25度以上になります。 半袖短パンでジョギングにでも行こうものなら汗だくになります。 いつかはプライベートでしばらく滞在したいと思うようになりました。

(写真上:1月なのに夏です。)

(写真上:ヨットやクルーザーが通れるように跳ね上げ式の橋が多いです。)

 今月は基本的に早寝早起きのスケジュールで生活しています。 シングルデーペアリングの場合、フロリダ・フォートローダーデール行きの早朝便は朝6時過ぎに出発です。 チェックイン(日本では「ショーアップ」って言いますね。 あれ、なんでだろう・・・)が早いときには午前5時半頃で、離陸が午前7時頃という感じです。 そのため、前日は夜8時〜9時にはベッドに入り、朝3時過ぎに起きるという生活をしています。 僕はもともと朝型の人間なので、早起きは得意なので問題ありません。 子供の頃から朝は早く起きて釣りに出かけたり、テレビで午前6時からのアニメ一休さんの再放送を毎朝欠かさず観ていたので、その頃から早起きは得意だったようです(笑)。 逆に夜遅くまで起きているのは苦手です。 若かりし頃もオールナイトで飲み歩くなんてことは片手で数えきれるくらいしかしたことがないような人間なので、夏の時期のヨーロッパ方面のフライトで夜中じゅうフライトするのは拷問以外の何物でもないというのが正直なところです。 そういう理由でいわゆる「レッドアイ」のような夜中のフライトも大嫌いです。

(写真上:早朝一発目のフライトでは多くの場合de-iceをしなければなりません。 これはde-icing bayでのお隣の飛行機。)


 先日、フォートローダーデールで一泊し、翌日モントリオールに向けて出発する日の朝の事。 午前4時35分にホテルを出る予定だったので、午前3時半頃に起床し、シャワーを浴び、身支度を整えているとホテルの部屋の電話がなりました。 「あれ? モーニングコールはお願いしていなかったんだけど?」と思って電話に出ると、クルースケジューラーからの電話でした。 

 「今朝のフライトだけど、昨夜モントリオールを出発する予定のフライトが機材故障でキャンセルになったから、今朝の君たちのフライトもキャンセルになってね〜。」

 ということでした。 本当はその日にモントリオールに戻ってペアリング終了のはずだったのですが。 クルースケジューラーは続けて、

 「悪いけど、フォートローダーデールにもう一泊できる? 残業っていう扱いにするからさ〜」

 とのこと。 天気もいいし、お給料も追加でもらえるなら悪くない!ということでそのままもう一泊することに。 

 っとなると、まずやることは洗濯です(笑)。 1泊分の下着は持ってきていても、2泊分はありません。 幸い、気温が高く風もあるフロリダ。 洗濯をしたあとは部屋のバルコニーにあったパティオセットの背もたれで下着を乾かす事ができました(笑)。

 っという感じのこともあり、また、別の日にもマイアミまでのフライトを休日出勤で行い、なかなか幸先の良い2020年のスタートの月となっております(笑)。

(写真上:フロリダを離陸するのはまだ暗いうちです。)

(写真上:時たま帰りが夕暮れ時になることがあります。)

(写真上:日中モントリオールに戻ってくると雪景色。)

----------------

 つい先日、我が社のセニオリティリスト最新版が発表されました。 僕が今の会社に入ったのはちょうど3年前。 最新版リストによると僕のセニオリティ番号は昨年よりも100番ほどあがりました。 つまり、僕よりも勤続年数の多い人が100人ほど減ったということです。 ほとんどは定年組だと思いますが、なかにはいろいろな理由で会社を去った人の数も含まれています。 これ以外に特筆すべきは、僕よりも勤続年数が低い人が1000人ほどもいるということ。 1000人ですよ、1000人! 3年間の間に我が社は新しいパイロットを1000人も採用したということです。 毎月30人ほどパイロットが採用されてきていたので1000人ということで数の辻褄が合います。 僕の上には3000人ほどパイロットがいて、下には1000人ほどいるという感じです。 これからもパイロットグループの若返りはますます進むことと思われます。 

 今の現状を見て思うことがあります。 それは、なるべく早く目標の航空会社にたどり着く事がいかに大事かということです。 パイロットのなかにはキャリアプランをかなり緻密に考え、「まずはこの会社に行って、次はこの会社で〇〇を飛ばして、そして次の会社ではこんなルートを飛んで、いずれはこの会社で機長になって・・・・」と詳細なプランを立てる人が多くいます。 それはそれで良い事です。 しかし、航空業界はかなり未知数なファクターが存在していて、プラン通り進むこということはなかなかありません。 現状の例をあげると、ボーイング737Maxの件もそうですし、最近問題になっている中国で発生したコロナウイルスによる中国への渡航禁止などがあります。 こういった未確定な事例が起こりうること、そしてそれらが我々の職業に大きな影響を与えることがあるのが現実です。 フライト数が減ると最悪の場合にはレイオフ(解雇)が始まります。 そうなった場合、まず切られるのはセニオリティ番号の大きい人(=勤続年数が低い人)ということになります。 一昔前に起きた9.11やSARSの際には我が社でもパイロットがレイオフされました。 そういう先輩の話を聞くたびに、「セニオリティが大事」ということを思い知らされます。 こういうことを総合的に踏まえ、僕はあまり遠くのことは深く考えず、直感でどういう仕事がしたいか、そのためにはどういう舵取りをすれば良いかを考えることを最優先しています。 次の次の一手を考えるほど頭が良いわけではありませんし、前述のとおり、予定通りいかない場合もあるので、そうなった場合にも後悔しないように今やりたいことをやるようにしようと心がけています。 (とはいっても、もちろんいろいろ考える事はあります・・・笑)。



--------------------------------------------------------
仕事について

これはどこの国でもおなじですが、ライセンスを取得してもパイロットの仕事にたどり着ける保証はどこにもありません。 昨今の世界的なパイロット不足の影響もあり、今のところはフライトインストラクターの資格を取ればかなり高い確率で仕事がもらえると思います。 そこでしばらく経験を積み、その間に永住権を取得できれば次のステップにスムーズに進むことができると思います。 これまでは僻地での過酷な条件での仕事などを通して時間付けをする必要がありました。 ところが今ではそういう仕事をしなくてもリージョナルエアラインに採用される道筋もできつつあります。 下積み経験は操縦スキルの上達にも役立ちますし、人間的にも成長できるとは思いますが、現状ではパイロット不足の影響で次から次へと低い経験値のうちに航空会社に引き抜かれているような状態です。 


(つづく)

2020-01-13

2020年仕事始め。

 皆さま、あけましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いします。

 2019年の最後は予定より1週間ほど遅れてフランスに入り、そちらで年越しをしました。 ジュネーブから車で1時間ちょっとのところにあるモルジヌ(Morzine)というスキーリゾートで有名な場所です。 夏と冬の間は主にイギリスやヨーロッパ諸国からの観光客で賑わいます。 ジュネーブからのアクセスが良く、周辺には他にもアヴォリア、レ・ジェ、などなどといった大規模スキー場が多く存在しているため、ヨーロッパでは人気のスポットだそうです。

(写真上:大晦日の夜にはスキー場で花火が打ち上げられていました。)

 僕はスキーを少しだけやります。 子供の頃はよく父親にスキーに連れていってもらいました。 夕方からのナイトスキーによく行った覚えがあります。 ロッジ内の熱気と湿気が篭った感じ、リフトに乗っていると聞こえてくるFMラジオ。 スキーのあとの心地よい疲れ、などなど、子供の頃の良い思い出です。 父親が亡くなってからはスキーに行く機会がほぼなくなり、学生時代にもほとんどスキーには行きませんでした。 それがフランスに行くようになり、スキーがとても身近になったこともあって、またスキーを始めようと思うようになりました。 今年の目標はなるべく多くスキーに行くこと。 月に数回行けたら良いなと思っています。 

(写真上:遠くの山間部には雲海が広がり、空は真っ青。最高のスキー日和でした。)

(写真上:レ・ジェという村の一部。 右上に見える頂がモンブラン。)

 フランスに行かなくても、モントリオール周辺には結構な数のスキー場があります。 以前に行ったモン・トロンブランというところが一番有名で、モントリオールから車で1時間半くらいでしょうか。 他にも低い山でもよかったら選択肢が多くあることがケベックの冬の魅力かもしれません。 ただ、マイナス数十度の中、全身をスキーウェアで覆い、顔も目出し帽のようなものを被って、とにかく肌を露出しないようにしてこちらの人たちはスキーを楽しむそうです。 そこまでしたくはないかな〜、というのが正直なところで、今の所はスキーはフランスに行った時のみ楽しむ予定です。 今回はスキーブーツやウェアも購入しました。 本気です(笑)。

 フランスでの休暇が終わりカナダに戻ってきまして、昨日が少し遅い仕事始めとなりました。 3日間のペアリングでフロリダのフォート・ローダーデールまで行ってきました。 片道3時間前後の楽チンフライトです。 ここ数ヶ月ずっと片道8時間前後のフライトばかりやってきたので、3時間は本当にあっという間に感じます。 モントリオールはマイナス10度でも、フロリダはプラス23〜25度。 カナダ人たちがこぞって冬にフロリダに行きたがる気持ちもよくわかります。 久しぶりにアメリカに行きましたが、やっぱりアメリカはなんでもでかいな〜と再確認させられました。 人々の体格、食事の量、なんでもビッグ。 たまにはこういうのも悪くありません。 

 初日は午後8時過ぎにモントリオール空港を離陸。 幸いde-iceする必要もなく、スムーズに出発できました。 巡航中も大きな揺れはなく、あっという間にフォート・ローダーデールに到着。 ホテルは昨年とは違うホテルで、空港から6分ほどで到着。 ホテルに着き、シャワーを浴び、少し落ち着いたら午前0時すぎくらい。 生活リズムが狂わなくて最高じゃないですか(笑)。 こんな仕事は久しぶりです。

(写真上:ホテルのバルコニーより。跳ね上げ式の橋がかかっています。)

(写真上:フロリダにはパームツリーがよく似合います。)

 翌日は丸1日レイオーバーだったので、久しぶりに外をジョギングしました。 8キロほど走り、近くのビーチまで。 あいにく強風で曇りだったのであまり綺麗ではありませんでしたが、気温20度以上で短パンTシャツで外を走れるのは気持ちがよかったです。 

(写真上:ホテルはマリーナに隣接していて、ボートが多く見えます。 遠くにはフォート・ローダーデールのダウンタウンの高層ビルが見えます。)

(写真上:ホテル近くのショッピングエリアへ。)

(写真上:フロリダは雪が降らないから車が綺麗。 高級車もよく見かけます。 このフェラーリ、冷却水漏れを起こしていました。 笑)

 3日目は朝4時35分ホテル出発(汗)。 これが今回のペアリングの一番大変だったところです。 前日は夜8時過ぎにはベッドに入って就寝。 それなりによく眠れたので、朝3時半頃にすっきりと目が覚めました。 フライトは午前6時頃プッシュバック。 こんな早いフライトなのに満席でした。 乗員乗客300名弱を乗せ、一路モントリオールに向けて暗闇の中を離陸しました。 北に舵を取り、離陸後1時間ほどで東の空が明るくなってきました。 モントリオールには午前9時過ぎに着陸。 久しぶりのフライトでしたが着陸も綺麗に決まり、楽しいフライトとなりました。 

(写真上:フロリダ半島東側の洋上から見えた朝焼け)

 仕事を終え帰宅したのが午前10時過ぎくらい。 僕が住んでいるのはモントリオールのダウンタウン東部ですが、ラッシュアワーを避けることができると空港から車で20分ちょっとです。 これが渋滞していると1時間近くかかります。 午前8〜9時頃と夕方4〜6時頃が主なラッシュアワーで、その時間は仕事に行く以外にはなるべく車に乗らないようにしています。 今回はちょうどラッシュアワーを避けた感じで帰宅できたのであっという間に自宅に到着しました。

 今月は今回と同じようなフロリダ3日間ペアリングが3回、あとはすべてシングルデーのペアリングで、行き先はほぼすべてフロリダです。 今月は久しぶりの同じタイムゾーンに丸々1ヶ月留まることができそうです。 これで睡眠障害が少しは緩和されると良いなと思っています。 また、今月は1回働いたら最低1日休みが取れるようにしました。 これも同様に体調を考えてのことです。 今までは1週間ぶっつづけで仕事をして、法律上必要な休息日を入れ、またぶっ続けで働くというのをここ数年やってきていたのですが、体調が少しずつしんどく感じることも増えてきたので、今年はなるべく体をいたわったスケジュール調整を心がけようと思っています。 やはり歳には勝てませんね(苦笑)。

 今年もがんばろうと思います。 みなさんにとっても今年が良い一年となりますように。


(つづく)










2019-12-21

リマ・風邪・仕事納め。

 先月に引き続き、今月もペルーのリマに行ってきました。 この日一緒に飛んだのは日系機長。 日本で生まれたそうですが、育ちはカナダ。 親御さんは日本語を教えなかったようで、日本語は全くはなさないそうです。 なんだかもったいないな〜と思いましたが、よそ様の子育てに異議申し立てをする筋合いはございません(笑)。 

 今回は久しぶりに僕がモントリオールからリマまでの操縦を担当。 フロリダを抜け、キューバ上空を飛び、パナマを通って南米大陸にと進んで行きます。 パナマ周辺はほぼ一年中大きな積乱雲や雷雲が発生していて、パイロットの間ではThe Wall(壁)と呼ぶ場合もあるようです。 この日は満月ということもあり、雲の位置をある程度目視確認しながら飛ぶことができたので楽チンでした。 月が出ていないとレーダーに頼ることになるのですが、レーダーには映らない雲というのもあり、ぎりぎりにならないとどこに雲があるのかわからない場合もあるので注意が必要です。 

 約8時間のフライトの末、いつもどおりのアプローチを行って無事に着陸。 リマに自分の操縦で下ろすのは久しぶりだったので楽しい着陸となりました。

 ホテルに到着したのは午前2時過ぎ。 シャワーを浴び、少しゆったりとしてから就寝。 こういう生活リズム、絶対健康には悪いです(笑)。

 翌朝、マーケットでも観に行こうとロビーに降りたらフライトアテンダントの子が二人いて、ちょうどこれからマーケットに行くというので一緒に連れて行ってもらいました。 マーケットではアルパカの毛で作られた毛布やセーターを扱うお店に立ち寄り、僕はアルパカ毛布を2枚購入。 初めてアルパカ製品を買いましたが、現地では安いですし、柄もモダンでおしゃれ。 お土産やプレゼントには最適です。 

(写真上:ここでアルパカ毛布を買いました。)

(写真上:公園にはやはり多くの猫が。)

(写真上:リマは夏。 気温は20度ちょっと)

(写真上:ここにも猫が)

(写真上:今年もこの箱でいろいろな緊急事態の対応をおさらいしました。)

(写真上:今年は離着陸が40回ほど、飛行時間が750時間ほどとなりました。)



 ホテルを出発したのは午前1時過ぎ。 フライト出発時刻は午前3時過ぎ。 こんな時間に旅行に出かけるってものすごいですよね(苦笑)。 なのに、こんな時間でも空港は大賑わい。 これは毎回のことなので、リマというのはなんとも不思議な都市だと毎回思わざるを得ません・・・。

 フライトの途中から体調に異変が。 なんだか悪寒がします((((;゚Д゚)))))))。 業務には影響はありませんでしたが、家に帰ってくるころには完全に熱がある感じがしました。 検温すると38度以上の熱が。 これはきっとインフルエンザ? ということで、次のお仕事は病欠となりました。 今月はシミュレーター審査もあるので、なるべく早く体調を治すために安静にしていました。 久しぶりに高熱が数日続き、かなりしんどかったですが、ようやく体調も回復してきて、シミュレーター訓練も無事に終え、仕事納めとなりました。

 今年一年を振り返ると、昨年よりも働いたなという印象です。 実際に飛行時間をみても今年は昨年よりも100時間ほど多く飛んでいます。 これはすべてドラフト(自主的休日出勤)のためで、その分お給料が増えました(笑)。 来年はもうちょっとセーブしても良いかなとも思いますが、今年は引っ越しなどでいろいろと物要りだったため、お給料が増えたのは助かったというのが正直なところです。 

 今年は海外便を主にビッドして働いていたため、時差ボケに悩まされ、睡眠障害にも悩まされる一年でした。 飛行機には慣れ、訓練でも落ち着いて対処できるようになっているのが自分でもわかるので満足しています。 でも、健康な体があっての仕事ですから、来年は体調優先のスケジュールで仕事ができるといいなと思っています。 

 というわけで、明日から冬季休暇となります。 今年一年このブログにお付き合いくださりありがとうござました。 皆さま、良いお年を!


(2020年もつづく)



============================
年齢の問題

 僕にメールをくださる方はだいたい2パターンに分かれます。 今、大学生(または高校生)で、パイロットになりたい人と、今は社会人で、昔パイロットになりたかったが何らかの理由で諦めざるを得なかったが、今になってパイロットへの憧れが再びぶり返したパターンです。 

 今まだ20〜30代の方は年齢なんか気にする必要はありません。 どんどん挑戦することをオススメします。 

 今、既に40代またはそれ以上の方にはいろいろ考えてもらわなければならないことが増えて来ます。 そもそも海外でパイロットになるのに年齢は関係ありません。 40歳から訓練を開始してもエアラインパイロットになることは可能だと考えます。 海外では日本のように履歴書に写真を貼ることもなければ、生年月日を書くこともありません。 容姿や年齢で差別してはならないからです。 しかし、海外でのパイロットの給料は最初のうちはとても低いです。 さらにエアライン前の仕事のお給料となると、それこそ日本の大卒初任給レベル(またはそれ以下)です。 それが時には数年間続きます。 仮に今、日本でばりばり仕事をしていて、お給料も家族を養っていくのに困らないくらいもらっているあなた。 そのお給料と地位・名誉を捨て、初任給レベルの生活に戻れますか。 それを数年間続ける覚悟はありますか。 しかもその後の仕事の保証はどこにもありません。 それが不安になって夜眠れなくなったりはしませんか。 もし答えがイエスなら海外でパイロットを目指すのはもう一度よく考えた方が良いかもしれません。