2019-12-12

今年最後のバルセロナ。

 ここしばらくはモントリオールではあまり雪が降っていません。 時々数センチ積もっては溶け、積もっては溶け、といった具合です。 気温もマイナス10度以下にはあまり下がりません。 雪が降ってもリスたちは元気に走り回っています。

 昨日まで今シーズン最後になるバルセロナに行ってきました。 今回はレイオーバーが丸二日だったのでゆったりと街を歩き回ることができました。 さすがのバルセロナもこの時期になると気温が結構下がり、最高気温が15度ほど、最低気温は5度ほどです。 

 今回のバルセロナ行きは最近よく一緒に飛ぶ元空軍の機長。 この人の経歴がすごく、アメリカ空軍でF16、カナダでF18を飛ばしていて、教官までやった方です。 あと一年ちょっとで定年ということもあり、かなりリラックスした方です。 僕はこういうおじいちゃん機長との相性が良いです(笑)。 

 バルセロナに向けて降下中、バルセロナアプローチのATCから指示が出ましたが、スペイン語訛り強すぎて何を言っているかわかりません。そもそも英語が第二言語の僕は外国語訛りの英語を聞き取るのが苦手です。 機長ならわかったかな?と思って横を見ても首を横に振っています(笑)。 「Say again?」と言って再度指示をリクエスト。 それでも聞き取れません。 機長は「もしかしてヘディングって言ってる?」っていうので、「なんですか、ヘディングですか?」と管制官に言い返すと、「ソーデス、へデング110,レダーベクタ フォー ファイナル」的な、訛り大盛りで指示が出ました(笑)。 その後は無事にアプローチを続け、無事に着陸しました。 スペイン語圏の管制官は本当に何言ってるのかさっぱりわからないときがあります。 スペインはまだましですが、南米の方はもっとひどい。 緊急時のときに意思疎通ができるのか、大きな疑問が残ります。

 今回のバルセロナレイオーバーでは初日は機長のタパスバーに出かけました。 ワインと突き出しで3ユーロと格安のバー。 これがなかなかよろしくて気に入りました。 



 街はすっかりクリスマスの雰囲気に包まれていました。 街は買い物客と観光客でごった返していました。 街のイルミネーションがきれいで良い雰囲気でした。 こういうスペインも悪くありません。


(写真上: クリスマスマーケットが開かれていました。)









 レイオーバー二日目はバルセロナでも人気のピザ屋に行きました。 最近ピザをゼロから作ろうと目論んでいて、研究を兼ねて行ってきました。本格的なナポリピッツァでおいしかったです。 皿よりもでかいサイズにビビりました(笑)。



(写真上:こちらもガウディが設計した建物)

(写真上:巨大なクリスマスツリーが飾られていました。)

(写真上:バルセロナらしい広場)

(写真上:バルセロナはとにかく犬が多いです。)



(写真上:クリスマスマーケットでは木が売られています。)



 最終日は朝8時過ぎ(モントリオール時間で午前2時)に起床。 フライトは正午ごろ出発でしたが、フローコントロールの影響でプッシュバックが少々遅れました。

(写真上:お隣は魔法のレッドカーペット号。)

 離陸後はスペイン北部に向かって飛び、そこから北西に舵を切り大西洋を横断しました。 途中、大きな揺れが予想されるエリアがありましたが、特に揺れることもなく通過できました。 カナダに上陸すると、そこからモントリオールまでさらに3時間程かかります。 カナダという国は本当にスケールがでかいです。 しばらくするとジェット気流の影響でかなり揺れるエリアに入りました。 向かい風が190ノット(340キロ/時)にもなりました。 おかげで地上速度を稼ぐことができず、プロペラ機のような速度で飛ばざるを得なくなり、モントリオールに到着したのは予定よりも1時間近く遅くなりました。 天候の影響とはいえ、お客さんには申し訳なく思いました。

 明日からまたペルーのリマに行ってきます。 今回飛ぶのは日系カナダ人機長のようで楽しみです。



(つづく)

2019-12-05

今年初のde-iceと、de-icingの説明。

 11月最後のペアリングでは久しぶりに南米ペルーのリマに行ってきました。 モントリオール出発が午後5時すぎ。 この日は今年初の大雪だったため、いろいろなハプニングがありました。 

 カナダは雪には慣れっこと思われがちですが、そうでもないことが多いです。 カナダでも西海岸のバンクーバーやビクトリア周辺はあまり雪が降りません。 そのため、ちょっとでも雪が降ると街はパニックに陥りがちです。 その点は日本の関東地方と似ているでしょうか。 一方、カナダ東海岸は雪深い地域として知られています。 そのため雪には慣れているはずなのですが、雪が降り始めるシーズン初旬はややパニック気味になります。 街では車がスタッドレスを履いておらず、事故が多発します。 そもそもケベック州はスタッドレスの着用が義務付けられているのですが、雪が降るのはまだまだ先だと悠長に構えている人達はいきなり雪が降るとあたふたするという始末です。 空港でも同じような感じで、初雪の日は飛行機を牽引・プッシュバックするトラックのタイヤにはチェーンがまだ巻かれていない場合もあり、ゲートからプッシュバックしようとしてもタイヤがスリップしてどうにもならない、という光景が多発します。 こんな光景を毎冬見てきました(笑)。 今年が東海岸で冬を過ごす3年目になりますが、ほぼ毎冬同じ光景を見ています。 小型機であれば問題ないのかもしれませんが、ボーイング767は時には180トン近い重量になります。 ちょっとでも雪が降っていたり、地面に氷が張っていると小さなトラック、ましてやノーマルタイヤのトラックではプッシュバックができません。 この日も同じ状態になりまして、結局、チェーンを履いた大型のトートラックが到着するまで待つ羽目になりました。 

 この日飛ばすことになった機体はモントリオールに1日以上前に到着していたものだったため、夜の間に霜が降りていたためde-iceをする必要がありました。 今年初のde-ice。 しかもモントリオール空港では初めてとなる経験でした。 De-iceのためのスポットに移動するも先約が何機もいて、我々の順番が来るまで長い間待つ羽目になりました。 モントリオール空港の夕方は出発ラッシュで、主にヨーロッパ方面に向かう機体で忙しくなります。 この日もエアフランス、ルフトハンザなどのワイドボディ機が我々の先に待機していました。 

 ワイドボディ機の場合はいろいろ面倒なことがあります。 De-icing Bayのスポットの中には大型機の翼幅に対応しきれないスポットもあるため、必然的に我々が入れるスポットの数が少なくなります。 そのため、先約があるとそのスポットの空きがでるまで待つことになります。 これが小型機の場合ならどこでも入れるのでさっさとde-iceして出発できるのだと思います。 

 今までde-icingについて詳しく書いたことがなかったので、今回は一般的な手順を説明します。

 まず、気温が下がった日にはゲートに到着した段階でde-iceの必要があるかどうかを目視確認します。 飛行機によって違いますが、ボーイング767の場合は客室内から翼を見てチェックします。 また、外に出てエンジン内に雪や氷が付いていないかを確認する場合もあります。 翼に雪が積もっていたり着氷がある場合にはde-iceが必要ということになります。 出発前の点検でde-iceが必要な場合には会社からデータリンクで「de-iceが必要です」というメッセージが届く場合もあります。

 De-iceが必要な場合にはゲート出発約30分前にDe-icing Coordinatorという役割の人にde-icingが必要な旨を無線で事前連絡しておきます。 

 出発準備が整うとプッシュバックとなりますが、その際にde-icing bayに向かう旨を管制官に伝えておきます。 

 De-icing padに近づくと、Pad Controlというde-icingエリアを総括する人と無線会話します。 大抵の場合、入って良いスポットナンバーを伝えられ、「Stop at the red bar, and conform when brakes are set」というようなことを言われます。 言われた通りスポットにタクシーし、ブレーキをかけます。 そして無線で「Brakes are set.」と連絡します。 そうすると、「Contact Iceman on 1XX.XX」(XXは周波数)と指示されます。
 
 Icemanは実際のde-icing spray業務を総括する人のことで、この人が実際にde-icingトラックを操作する作業員に無線指示を出しています。 Icemanと話す前にはde-icing checklistを読んで飛行機の支度をします。 De-icing中には機内にde-icing fluid(液体)が入ってこないようにしたり、トラックの作業員に危害が及ばないようにライトを消したりいろいろやることがあります。 チェックリストに沿ってそれらを行い、準備が整ったらいよいよIcemanと無線会話します。

 「Iceman, (コールサイン)、brakes are set, aircraft configured for spray, requesting Type 1 and 4, wings and tail」(訳:”Iceman, (コールサイン)、ブレーキはかかっています。 飛行機のde-ice準備は整いました。 タイプ1と4の液体を翼と尾翼にかけてください”)といったような指示を出します。 

 タイプ1という液体はオレンジ色の温められた液体で、これをかけて雪や氷を溶かします。(=de-ice)

 タイプ4という液体は黄緑色の液体で、これをかけることによって翼の表面を覆い、雪や氷が機体表面に届かないようにします。(=anti-ice) この液体は100ノット前後のスピードになると風圧で吹き飛ばされ、翼から剥離するように粘度を調整されているそうです。 

 スプレーが終わるとIcemanから無線で呼ばれます。 返事をすると、どのような液体をかけられたか、そのスプレーが何時何分に開始されたか、トラックや作業員がすべて安全エリアに移動したこと、de-ice後のチェックが済んだことなどが伝えられます。 そしてde-icing padを離れるためには再びPad Controlに連絡するようにと指示されます。
 
 タイプ4の液体にはHold Over Time(HOT)という時間があります。 これは、この液体が翼を雪や氷から守ってくれる時間の計算に必要になるものです。 細かい説明は省きますが、de-ice/anti-iceスプレーをした際の気象条件によって〇〇分以内に離陸しなければならない、といったように離陸までの時間が決められる場合があります。 万が一この時間内に離陸できない場合には再度スプレーすることになります。

 Pad Controlに無線コールする前に再びチェックリスト(post de-cing)を行います。 De-ice前に切ったエアコンやいろいろなスイッチ類の位置を再び離陸のための位置に戻します。 それが終わったらPad Controlに連絡し、de-icing padを離れて滑走路に移動するための許可をもらいます。

 っというふうに、お客さんにはわからないところで我々はいろいろやっているんです(笑)。 この日は初雪ということもあり、てんやわんやで、ゲートを出発してから離陸するまでに1時間以上かかりました。 その間もエンジンは回っているわけで、それだけ余分に燃料を消費します。 そのため、de-iceの必要があるときにはディスパッチャーは普段よりも少し多めに燃料を搭載するようにフライトプランを立ててくれます。

 
(写真上:de-icing中にお隣にいたB787が夕日の中スプレーされていました)


 今月はバルセロナ、リマ、プンタカナに行きます。 また、半年に一度のシミュレーター訓練もあります。 また勉強しています。

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訓練費用について

僕が訓練を受けたのは2006年頃です。 もう10年以上も前です。 従いまして、物価の上昇に伴って訓練費・生活費は上がっているはずです。 具体的な額はフライトスクールのウェブサイトに書いてあるか、問い合わせをすれば教えてくれます。 

参考まで、Victoria Flying Clubのウェブサイトにある情報によれば、PPL, CPL, Multi-IFRまで取得するには今日現在で最低でも60,000カナダドルほどかかるようです。

カナダでの生活費は日本(都市部)での生活費と大きく変わることはないと思いますが、場所によって差があります。 したがって、資金は余裕を持って用意することが望ましいです。 1ヶ月あたり最低でも1000~1500ドルは見積もった方が良いでしょう。 水準の高い生活をしたい、車を持ちたい、などのリクエストがあれば当然ながら生活費も上がります。 




(つづく)

2019-10-16

久しぶりのバルセロナと、カナダに来て13年。

 昨年の夏によく行ったスペイン・バルセロナですが、今年の初夏は他社便での就航となっていました。 いろいろな理由があるとは思いますが、主な原因はボーイング737MAXが運航禁止になっているためです。 本来737MAXで運航すべきルートを他機種でカバーしているため、本来のルートを飛ばす機材もクルーも足りていないため、会社は他社数社とチャーター便の契約をしました。 夏の繁忙期も終わりに近づき、自社便のみでカバーできる能力を取り戻しつつあるためか、チャーター契約も概ね終わったようで、ようやくバルセロナ便が我々自社便クルーに戻って来ました。 今月は7日間連続でバルセロナに行くペアリングがありました。 最初は4日間のペアリング(レイオーバー2日)と3日間のペアリング(レイオーバー1日)でした。 

 久しぶりのバルセロナまでのフライト。 モントリオールを出発するのは深夜11時前。 殺人的なスケジュールです(笑)。 現地到着は現地時刻の正午ごろ。 モントリオール時間で言えば、夜11時頃から飛び始め、午前6時頃までの約7時間のフライトです。 一般の方々が眠っている間、我々は飛んでいます。 これだけ遅い出発となると、我々は北米からヨーロッパ方面に飛ぶフライトのほぼ一番最後のグループという感じで、ヨーロッパに到達する頃にはヨーロッパから北米に飛ぶ西向きルートの便が飛び始めています。 

 フライト自体は穏やかで、途中で少し揺れるところもありましたが順調なフライトとなりました。 これまで頻繁に乗務したフランス・マルセイユ/ニース便とは違い、着陸したらすぐにホテルに直行できますし、ホテルまでもシャトルで20分弱なので快適です。 

 ホテルにチェックインすると今回は海が見える側のお部屋。 外には自然科学博物館のようなものがあり、どうやらVIPが来ているようで警察がうようよいる景色が見えました。 すぐにカーテンを下ろし、3時間ほどの仮眠を取りました。 

(写真上:部屋から地中海が少し見えます。ちなみに写っているボトルはレモネードです。)

(写真上:FAさんにルマンドをもらいました笑)

 さて、今回は珍しく48時間のレイオーバー。 初日は市街地を歩き回りました。 主な観光地はだいたい見尽くした感があるので、今回は綺麗な街並みを観ながら、なるべく裏道などの今まで行ったことがないところを歩き回りました。 約10キロ、15000歩ほどあるきました。 これが僕の海外レイオーバーの常となりつつあります。 疲れたところでレストランに入り、パエリアとタコサラダを堪能しました。

(写真上:本場のパエリア/パエーヤはやっぱり美味。)

(写真上:ゴシック地区。 気温も上がり、夏のようでした。)

(写真上:カタルーニャ広場)

(写真上:コロンブス像)

(写真上:夜はまた雰囲気が変わって素敵です。)

(写真上:公園には卓球台があり、若者たちが熱戦を繰り広げていました。)

 この日は歩き回ったおかげでぐっすり眠ることができました。 

 翌日、偶然バルセロナにいた旧友に会い、昼食を一緒に取りました。 その後、サグラダファミリアに行きました。 今までなかなか入場チケットが取れなかったサグラダですが、今回は前もってチケットを購入しておきました。 タワーに上がれるチケットも購入しました。 ちょっと高かったですが、一生に一度の経験ですから良しとしました。

 
(写真上:入場口から観た全景)

(写真上:めっちゃ混んでます。)

(写真上:ガウディは柱を樹々に見立てたそうで、上を見上げると森の中にいるように感じます。木の節も再現されています。)

(写真上:中は想像以上に広いです。)

(写真上:ステンドグラスから入ってくる光が鮮やかで印象的です。 朝を連想させる青系と、夕方を連想させるオレンジ色と、壁によってステンドグラスの色が違います。 これは青系の壁。)

(写真上:中を通り越して反対側に出ると、エッジの効いた印象の強い彫刻が。 こちらはキリストの死と復活に関連したストーリーを表現しているそう。)

(写真上:2026年完成予定とのこと。 今でも作業員が建築作業に追われている姿を見ることができます。これは塔からの景色。)

 今までにバルセロナ市内にあるアントニ・ガウディの作品をいろいろ観て来ましたが、サグラダ・ファミリアはスケールが大きく圧倒的でした。 観れてよかった。 人だらけだったのがちょっと残念で、入場料が結構高い(五千円ほど)のがネックですが、訪れる価値は十分にあると感じました。 

 2回目の3日間ペアリングでは観光はせず、機長と一緒に街のタパス・バーに行って来ました。 スペインではタパス・バーでお酒を飲むのが人気があるようです。 タパスというのは小皿料理で、料理がほんのちょっとだけ出て来ます。 それをたくさん注文し、いろいろな味を楽しむというもの。 海に近いバルセロナだけあってシーフード(あさりやエビ)が最高に美味しかったです。 写真撮ればよかった(笑)。

 7日目にカナダに戻って来たのですが、その日のルートがこんな感じ↓

(写真上:茶色の点々線が空域の境界線です。)
 この日はスペインを出発して大西洋に出たあと、まずはイギリスのシャンウィック(Shanwick)が管轄する洋上管制空域に入りました。 そしてその後、ほんのちょっとだけカナダのギャンダー(Gander)が管轄する空域へ。 その後、ポルトガルが管轄するサンタ・マリア(Santa Maria)の空域へ。 そして駄目押しでアメリカのニューヨーク管制空域に入りました。 1回のフライトで洋上管制空域すべてを通過したのは今回が始めてです。 ちなみに写真のオレンジ色の部分は乱気流が予測されているスポットを示しています。 

 7連勤のあと、2連休でした。 最初はカナダの感謝祭の日。 特に何もしませんが、カナダ人で家族がいる人たちはこの日は集まって七面鳥を食べたりします。 ちなみに、フランス系カナダ人のケベックの方々はあまり祝ったりはしないそう。 不思議です・・・。 カナダの感謝祭はアメリカの感謝祭よりも1ヶ月ほど早いのも特徴的です。

 ここ最近のモントリオールはいよいよ秋らしさが増して来ました。 樹々が紅葉し始めています。 写真をどうぞ。


(写真上:F1サーキットがあるジョンドラポー公園。 ジャック・カルティエ橋から。)

(写真上:F1サーキット方面へサイクリングに出かけた時の景色。)

(写真上:モントリオール市内にあるモンロワイヤルの展望台から。)

(写真上:街中の公園にある樹々も色づいています。)




 今日10月15日は僕がカナダに来た記念日です。 あっという間に13年が経ちました。 13年前にバックパック一つと自転車が入ったダンボール箱をもってカナダにやって来ました。 あの日のことは今でもよく覚えています。 若かったので不安も特になく、情熱だけを胸にカナダに渡って来たように思います。 今の年齢だったら同じような決断はできないかもしれません(笑)。 13年が経ち、カナダの主要航空会社のパイロットとして日々フライトできていること、生活の基盤が整いつつあること、健康面でも大きな問題もなく日々暮らしていけていることなど、自分は本当にラッキーだなと思うことが多々あります。 当然ながら努力もしましたが、やはり自分一人ではここまでは来れなかったと思います。 感謝の気持ちを忘れずにこれからも頑張って行きます。


 明日から3日間ギリシャ・アテネに行きます。 これがおそらく今年最後のギリシャ。 楽しみたいと思います。 ギリシャから戻って来たら休暇に入ります。 久しぶりに一時帰国する予定でいます。

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身体的な問題

「僕は〇〇が悪いのですが、パイロットになれますか?」とよく聞かれるんですが、ごめんなさい、僕に聞かないでください(笑)。 僕は医者ではありませんので、答えられません。 不安があれば実際にパイロットになりたい国の航空身体検査を受診してください。 身体証明書が取得できればパイロットになれる身体であることが証明されるわけですから、これを受診すれば不安は一気に解消できますよ。 少々お高いかもしれませんが、いずれどうせ必要になるわけですし、くよくよして時間を無駄にするよりましだと思います。 また、各国の運輸局ホームページには大抵の場合medical standards(身体検査基準)の情報が掲載されています。 僕がパイロットになりたいと思った時、それらを検索して参照しました。 視力や血圧、その他いろいろな不安をお持ちの方がいらっしゃるのは理解できます。 そんな不安はそれらの情報を参照し、実際に身体検査を受けてみれば解消できると思います。 



(つづく)

2019-09-16

マルセイユ・ニース。

 休み明けに休日出勤でフランスのマルセイユとニースに行って来ました。 このペアリングによく似たペアリングを以前担当したことがあるのですが、前回はモントリオールからニースに飛び、ニースからマルセイユまで陸路(大型バス)移動、そしてマルセイユからモントリオールに帰って来るというものでしたが、今回は先にマルセイユに着陸し、ニースからカナダに戻るというものでした。

 今回は3日間のペアリングですが、初日は夕方まで自宅にいれますし、三日目も昼過ぎの早い時間に帰宅できます。 そのため、実質留守にするのは二日目丸1日だけという感じです。 また、今回はレイオーバーも短く、ニース滞在時間は19時間ほどでした。 だいたい海外へのフライトの場合には24時間以上のレイオーバーが多いので、今回は短く感じました。 個人的にはだらだら長いレイオーバーよりもサクッと短いほうが好きです。

 1日目、出勤時刻は夜8時。 モントリオール空港を午後9時過ぎに出発しました。  他都市からの乗り換えのお客さんを待つ必要があったため出発が少し遅れました。 この日は珍しく滑走路06R(北東方面)からの離陸。 僕がモントリオールベースになってからほとんどのフライトは滑走路24L(南西方面)からの離陸だったので少し新鮮に感じました。 

 ここ最近カナダはすっかり秋めいて来まして、あまり大きな積乱雲が発生することは少なくなってきたように感じます。 この日も特に避けなければいけない雲はありませんでしたが、上空10キロほどのところで時速300キロ近いジェット気流が存在していて、その影響もあってところどころで乱気流が発生していました。 幸い、長く続くことも、大きく揺れることもありませんでした。 大西洋横断後はイギリスからフランスに入り、パリ周辺を南下してマルセイユがある地中海側に舵を取りました。

 初めてアプローチしたマルセイユ空港ですが、特に忙しくもなく、シンプルなアプローチとなりました。 海側からのアプローチではグライドスロープ角が4度と、一般的な進入降下角度の3度よりも急角度で、降下開始前にフラップや着陸装置を使ってスピードをうまくコントロールしないと、一旦降下を始めると速度調節がうまくいきません。 そのため、そういう点について一緒に飛んだ機長とアプローチ前に確認をしましたが、今回のアプローチはその反対側からのアプローチで、普段通りの3度の降下率でストレートインで下ろせたのでなにも問題ありませんでした。 ちょっと拍子抜けしました(笑)。

 前回行ったボルドーもそうでしたが、ヨーロッパの地方空港に往来する飛行機の多くはヨーロッパ国内を飛ぶエアバス320やボーイング737などの小型機が多いようです。 そのため、空港のインフラがワイドボディ向けではないことも多く、利用できる誘導路や駐機場に制限があったりします。 チャートの注意事項欄には「この誘導路はカテゴリーCの飛行機まで利用可能」とか、「翼幅〇〇メートルの航空機まで通過可能」などと書かれています。 767はカテゴリーDという部類に属する飛行機で、マルセイユ空港にはカテゴリーD機は通れない誘導路が多く存在します。 着陸後、管制官に「滑走路を出るには一番最後か、その一つ手前の誘導路を使ってください」と丁寧に教えてもらい、それにしたがって滑走路を出ました。 

 先に述べたようにジェット気流が強かったおかげで、今回は7時間ほどのフライトになりました。 追い風がずっと吹いていたため、いつもよりも対地速度を稼ぐことができました。 

 そしてここからマルセイユ→ニースの陸路移動です。 なぜ陸路移動するのかは正直詳しく知らないのですが、おそらくはマルセイユ・ニースからモントリオールへのフライトは毎日運航ではないので、無駄にクルーを複数日レイオーバーさせるよりは陸路移動させてでもクルーをさっさとカナダに帰らせようというのが理由なんだと推測しています。 マルセイユとニースは地図上はそんなに離れていないんですけどね・・・(笑)。

(写真上:マルセイユとニースの位置関係)

 ホテルには2時間くらいして到着。 バスの中で1時間ほど目を閉じたこともあり、ホテルでは1時間ちょっとの仮眠で外に出ました。 

 ニース近郊のAntibes(アンティーブ)という都市のホテルに滞在しましたが、ホテルから徒歩数分でビーチに着きます。 気温はまだ30度近くあり、Tシャツ・短パンでオッケー。 しばらく海岸線を散歩しました。 海水浴をしている人々の年齢層は高め(笑)。 年配のフランス人が定年後にニースやマルセイユに移住するケースが多いようです。 日本でいうと熱海とかの感覚でしょうか。 

(写真上:やはり南国的な雰囲気)

(写真上:日光浴している人がいたり、釣りをしていたり)

(写真上:若いギャルよりもベテラン勢が多い・・・笑)

(写真上:おしゃれなビーチレストランがたくさん)

(写真上:洋上には多くのヨットやクルーザーが)

(写真上:こんなところでぼーっとするのもいいなぁと)

(写真上:カナダではもう長袖が必要ですが?)

(写真上:街中の公園でペタンクをしているベテラン達)

(写真上:歴史的な建築物も点々と存在しています)



 夜はクルーと市街地まで出かけ、バーとレストランで楽しい時間を過ごしました。 客室乗務員の子達は若い子が多く、いろいろ面白い話が聞けて楽しいです。 彼らの雇用条件だとか、将来のことだとか、今までやってきたこととか、普段は聞けない話も多いです。 

 翌日は現地時間午前8時前にホテルを出発。 空港までは高速移動ですが、その高速がめちゃくちゃ混んでいました。 フライト2時間前にホテルを出たのに、ゲートにたどり着いたときには出発時刻40分前くらいになってしまっていました。 インバウンドの機材到着が遅かったため、出発時間が遅延していたこともあり特に大きな影響はでませんでしたが、出発2時間も前にホテルを出てるのにぎりぎりってどういうこと?!と思わざるを得ませんでした。

 復路は僕が操縦担当。 北東方面に離陸し、すぐに海上に向かってターンをします。 しかもターンを開始するのは420フィート(下のチャート参照)。 離陸してまさに数秒でターンを開始するような感覚です。 カナダ国内ではこういう離陸はあまりしません(多くの離陸手順は滑走路の方角にまっすぐ上昇します)。 いや〜、この離陸は楽しかったです。 離陸後すぐに管制からさらに右にターンをするように指示され、右手下に離陸したニース空港が見えて来ます。 上空から見えるニースはとても綺麗な場所でした。 その後、グルノーブル、リヨン周辺を通り、ボルドー方面に向けてフライトし、あとはいつも通りに大西洋に出ました。 

(写真上:この日はこのSIDで離陸しました。)

(写真上:白い雪帽子を被っているのがモンブラン)

 モントリオールに戻って来たのは3日目金曜日の正午過ぎ。 そして土日が休みで、明日から6連勤です。 まずはギリシャ・アテネに行きます。 アテネから戻って来たらすぐに翌日またフランスに行きます。 ただ、今回はまずニースに行き、そしてマルセイユから戻ってくるルートです。 今月はこのアテネ・フランスのペアリングを2週に渡り繰り返します。 それで今月の仕事は終わりです。


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訓練の準備
 
「パイロットになるためにどんな用意・勉強をすれば良いですか?」とよく聞かれます。 ずばり、英語力をとにかく高める! これに限ります。 英語さえ問題なくできればあとはなんとかなります(笑)。 海外でパイロットになりたいって思っているなら、英語はできて当たり前。 できないのになろうなんて甘い、っていうと厳しく聞こえるかもしれませんが、つまりはそういうことです。 操縦の腕前は良いのに英語ができないために訓練が中断した生徒さんを今まで何人も見て来ました。 そういうことにならないように、まずは英語を伸ばすことに専念してください。 物理も数学もそんなのは後回しでなんとかなります(笑)。 英語ができなかったら教則本すら理解できません。 どのくらい英語ができたら良いかですか? 日常会話がほぼ問題なくできるくらいはいずれ絶対に必要になります。 エアラインに進むには面接があります。 面接で質問が理解できないような英語力ではお先真っ暗です。 


(つづく)