2008-02-10

ビクトリア481日目:天気予報。



 今日は朝から1000フィート以下に雲が多く存在していて、霧雨や霧の影響もあってフライトできるコンディションではありませんでした。 そのため、朝のフライトをまずキャンセルしました。 その後天気は幾分回復しましたが、今日のフライトのうちの2本はビクトリア上空を飛ぶディスカバリーフライトで、そのために必要な高度が稼げないような天気だったのでそれらは来週に延期しました。 最後の1本も天気予報とかなり長い間にらめっこをした結果キャンセルしました。 結局今日はフライトはなしの1日になりました。 その代わり、無線の練習のために必要な資料を作ったり、GPSの使い方を教えるためのインストラクターガイドと呼ばれる運輸省が発行している書類に目を通したりしました。 

 ここ数日天気はあまり良くなく、天気予報を解読したり天気の移り変わりのトレンドを読み取るのがとても難しい日が続いています。 ビクトリアでのフライトには通常ビクトリア(CYYJ)、ナナイモ(CYCD)、ビクトリアハーバー(CYWH)のMETAR(メター)と呼ばれる航空天気観測やTAF(タフ)という航空天気予報を見て訓練空域の天気を判断します。 天気はこの地域では殆どの場合が南西の方角から山を超えてビクトリア方面に流れ込んできますので、ナナイモ(ビクトリアの西)の天気を見れば訓練空域の天気はだいたい想像がつきます。 もし同日の早い時間に他の教官やパイロットが訓練空域に出かけていた場合にはそういうった人たちに直接天気の具合を聞いて参考にします。 今日のように低い高度のいたるところに雲が点在していて、さらに一時的にVFR以下の天気が予報されているときのような場合にはとても気を使います。 僕が一人で飛んでいるのであれば、最悪の場合は海面すれすれで飛んで帰って来てもいいでしょうし、他の空港に着陸して天気の回復を待ってもいいと思います。 しかし、生徒をつれて飛んでいる場合にはなるべくそういうことはしたくないですし、悪い手本を示すのも避けたいところです。 こんな理由から天気に関してはかなり保守的な見方になってしまっているように思います。 これからいろんな天気での訓練フライトを経験すればもう少し天気を読む力も養われるんではないかとは思います。 あと、フライトするかどうかの判断は一緒に飛ぶ生徒の訓練の進み具合にも左右されます。 もうすぐCPLのフライトテストというような生徒であればよほどのことが無い限り飛んで行くと思います。 でも、PPLを始めたばかりの生徒は悪天候の中でのフライトに慣れていないですし、そういうコンディションで飛ぶとすぐに集中力を欠いてしまう傾向にあるようです。 ですので、やっぱりある程度天気が良いときに飛ばないと効率のよい訓練はできないと考えています。 クラブにいるときにはベテランの教官達に天気のことなどいろんなことについて質問しています。 いろんな話を聞いて自分の経験値の足しにできればと思っています。

 明日は初めて1日に5本のフライトをこなすことになっています。 帰ってくるころにはふらふらになっていると思います(笑)。

 今日の写真はトリムホイールです。 飛行中に飛行姿勢を保つために操縦桿をひっぱったり、時には押したりしますが、そういう操縦桿の圧力を軽減するためにこの車輪を回します。 これを回すと水平尾翼についた板が上がったり下がったりして、飛行機の姿勢を保つ手助けをしてくれます。 これをしないと水平飛行をするのは難しいですし、ずっと圧力と戦うことになるので腕が疲れてしまいます。 怠け者の味方、それがこのトリムです(笑)。 訓練を始めたばかりの生徒が苦戦するのがこのトリムホイールの使い方です。 中にはこれを全然使わずに飛ぼうとする生徒もいます。 これをちゃんと使えるようにならないといつまでたっても一定の高度とスピードで飛行機をコントロールすることができません。 

 ではまた明日。


(つづく)

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