2007-11-13

ビクトリア393日目:エアマンシップ。



 今朝、前線を伴った低気圧がバンクーバー島周辺を通過しました。 おかげで朝からものすごい風で、一時ガスト48kt(時速86キロ)まで出ました。 いつもはガスト20ktでもそこそこ強い風だと思う程度ですから、今日の風がいかにすごかったかが分かってもらえると思います。 
 今朝は久しぶりのバイトだったので朝7時前に家を出たのですが、いろんなものを目にしました。 まずは僕が住んでいる家の囲いのドアが壊れていました。 さらには空港そばの道の脇には近隣住宅から吹き飛ばされてきたと思われる屋外用トランポリン(直径5メートルほどの大きなやつ)が落っこちていました(笑)。 家を出る直前に停電するし、バイト中もなんどか停電するしで、なかなかエキサイティングな朝でした。
 空港に着いてまず目にしたのが今日の写真です。 右奥にあるのはクラブの飛行機です。 この1機以外はすべて格納庫に入っていました。 この飛行機もしっかりロープと車輪止めで固定されていたのでダメージは皆無でした。 問題は手前の飛行機。 メインランドから飛んできたゲストの自家用機ですが、朝の段階でこんな感じでした。 本来は右奥の飛行機と同じ方向を向いて駐機されているべきなのですが、風が強くて動いてしまってこんな変な方向を向いていました。 幸い風向きがよかったようでフェンスに機体がぶつかることはなく、心優しいラインクルー(僕です・・・笑)の親切心のおかげで車輪に車輪止めがいれられたのでこれ以上動くことはありませんでした。 風速30ノット以上の風のなかではこんな小型機は簡単に揺られますし、車輪止めですらすぐに動いてしまうほどです。 なんでこんなことになったのか。 それはすべてこの飛行機の持ち主の「エアマンシップ(airmanship)」に起因しています。 
 スポーツマンシップなどのように、パイロットにはエアマンシップという言葉があります。 パイロットとして飛行機を安全に飛ばすのは当然の義務であり責任であるわけですが、フライト終了後にはちゃんとコントロールをロックして、ロープで固定して、車輪にはチョック(車輪止め)を入れて飛行機を安全に駐機するのが正しいエアマンシップです。 ところがこの飛行機の持ち主はとてもpoorなエアマンシップの持ち主のようで、強風警報が出ているにも関わらずロープ固定も車輪止めもせずに空港を後にしたそうです。 しかも、風がおさまったころになってようやくクラブに電話をしてきて、「飛行機をタイダウン(ロープ固定)しておいてくれない?」って依頼してきたそうです(呆)。 信じられないですが、実際にこういうパイロットが巷にはいます。 ちなみにこの飛行機のダッシュボードには1998年に発行されたCFSが置いてあったので、それだけを見てもパイロットの資質がなんとなく分かるような気がします・・・(笑)。 CFSは約2ヶ月に1度発行される出版物で、空港の情報などが書かれています。 パイロットは常に最新のCFSを使うことが義務づけられています。 ちょっと前に失効したCFSならまだしも、約10年前のCFSをまだ使っているだなんて・・・。 ありえません

 昨晩はなぜか2時間ほどしか眠れず、かなり睡眠不足の状態で働いたので家に帰ってきたら昼寝をしました。 それからIFR訓練のための書籍をちょっと読んでみました。 とても興味深いですがややこしいです。

 明日はどんなふうに時間を有効活用しようかな〜と頭を悩ませながら夜は更けていきます・・・笑。

 ではまた明日。


(つづく)

0 件のコメント: