2014-11-07

半年ぶりにいってきました。

 エアラインパイロットは半年に一度、何らかの技能試験を受けて、飛行機を操縦するための資格を更新しなければいけません。 僕は今年の5月下旬に初めてのPPC(Pilot Proficiency Check=型式証明)を取得して副操縦士になりました。 そして今月がちょうどそれから半年。 初めてのPPC更新のための訓練・技能試験を受けにバンクーバーまで一泊二日で行って来ました。 半年前に行ったところと同じシミュレーター施設です。



 「採用後初めてのPPC更新が一番落ちる率が高い 」って何度か聞いたことがあったので、ちょっと不安でした。 でも、さすがに半年間実機に乗って操縦していたし、SOP(Standard Operating Procedure)にもだいぶ慣れてきたので、実際にはそれほど大変には感じませんでした。 でも、エンジン故障時の対応とか、飛行中の火災などはシミュレーターでしか体験したことがないので、それらの手順をやるのは久しぶりでした。 半年に一度も訓練するのってやりすぎじゃない?って昔は思っていましたが、半年に一度の訓練で緊急時の対応を思い出すのは良い機会で、実はちょうどよいインターバルのように感じます。

 今回の訓練・試験の設定は冬季のトロントという設定で、ちょうど先月から何度かトロント空港でのフライトを経験していたので、実はそれがとても役に立ちました。 やっぱり空港のことを少しでも知っていたほうがsituational awarenessが高まり、なにかとリラックスできます。 一緒に訓練・試験をした機長もトロントベースで飛んでいたことがある方で、とてもリラックスして訓練できました。

 結果は無事合格で、特に大きなミスもなく終わり、ホッとしました。 細かいことを幾つか教えてもらったり、改善したほうが良いと教わりましたので、これからのフライトに活かしていきたいと思います。 今僕は36歳。 定年の65歳まで働くとすると、単純計算でこれからあと50回以上のフライトテストをうけることになります(欝)。

 今日は強風警報が出ていて、バンクーバーからビクトリアのフライトは大揺れでした。 「こんな日に仕事でなくてよかった〜」って思いながら乗客として揺れまくりのフライトを楽しみました(笑)。 乗客の中には乗り物酔いをしてぐったりしている人や吐いちゃっている人までいました・・・。 かわいそうに。 

 明日は一日お休みで、明後日の夜カルガリーに戻り、日曜日から一週間お仕事です。


(つづく)

2014-10-25

今日は何日?


 最近になって手帳を買いました。 線が引いてある帳面は嫌いなので、なんにも書いてないスケッチブックっぽいやつです。 今まではずっとコンピュータや携帯電話のカレンダーやTo Do List、メモ帳などを使っていました。 それで最近気付いたのです:

 「今日何日だっけ?」 

 って思った時に、答えがわからない・・・。 今まではずっとカレンダーを見たり、携帯を見たりして日付、曜日などを確認していたせいで、そんな基本的なことすら頭で考えないようになってしまいました。 思い起こせばほんの10年位前までは友達の携帯番号も暗記していたし、職場の番号も覚えていました。 今はそんなことはせず、完全にテクノロジーに頼りっぱなし。 そのせいで脳が退化しているのが分かるようになってしまいました。 
 ということで、これからは少しずつテクノロジーから意図的に遠のいた生活をしようかと思いまして、その第一歩ということで手帳を買いました。 このブログをネット上で書いている段階でテクノロジーから離れてないじゃんって言われたらそこまでなんですが(苦笑)、そこは勘弁してください。 

 この手帳、なんでも好き勝手書いています。 やらなきゃいけないこと、会社から回ってきたメモの重要な内容、その日の体重、日記的なこと、etc。 なるべく日本語で書いて、英単語は使わないようにしています。 理由は「漢字を忘れないように」。 日本を離れてもう8年が経ち、漢字を書く機会がほとんどありません。 日本人としての自覚をなくさないようになるべく漢字を使って書いています。 分からない場合はパソコンで言葉を打って、変換して確認する作業をしています。 これが結構楽しくて、漢字っていいな〜ってオッサンじみたことを思うようになってきました。 

 今日まで4連休で、明日カルガリーに戻ります。 それから7連勤。 最初の3日はオタワに行きます。 いろいろ今話題のオタワ。 兵士が狙撃されたパーラメントヒルにはほんの数週間前に行ったばかりです。 今回の宿泊先もそこからすぐのホテル。 どんな感じになっているのか興味がありますが、ちょっと怖い気もします。 3日の仕事が終わったら一度カルガリーに戻り、そしてすぐに次の日にまたオンタリオに戻り、今度はトロントからの仕事を4日します。 カルガリーベースなのに、今月の仕事は半分が東部での仕事です。 でも、結構それが楽しく感じたりもします。 今月待つにはオハイオ州のコロンバスに2連泊します。 久しぶりのアメリカ、そしてホテルはダウンタウンみたいなので、それは楽しみです。

 来月には半年ごとのライセンスの更新訓練があるので 、勉強をまた始めてます。 いや〜、すごいいろいろと忘れててやばいです(笑)。


(つづく)

2014-10-08

半年!

 今日で今働いている会社に拾ってもらってからちょうど半年が経ちました! いや〜、早かったような短かったような。 まだまだ学ぶことがたくさん有る気がしてなりません。

 先月は27日をもって9月中の仕事を終えました。 その日の仕事終了時間は夜10時過ぎ。 さすがにその日にビクトリアに帰ってくるには時間が遅すぎました。 カルガリーを出る最後のビクトリア行きの便が10時半(?)くらいで、フライトを終えて、かばんを転がしながら走っても間に合わない時間でした。 仕方ないので、その日の夜はクラッシュパッドに泊まりました。 そして次の日の朝一番のフライトでビクトリアに戻ってきました。 朝の8時過ぎにはビクトリアに着き、昼ごはんは友達と食べることができたので悪くはありませんでした。

 そしてそれから明日(8日)まで連休でした。 以前のメディバックの仕事の時も同じような感じで毎月10日間連休がありましたが、それとはなんとも感じ方が違います。 主には、「連休後にまた北部の僻地に戻らなくてもよい」という安心感があるからだと思います(笑)。 今回の連休は嫁さん(あ、そう、先日結婚しましたので、「彼女」が「嫁」になりました)も数日休みが取れたので、二人でいろいろなところを散策しました。

 (写真上:Gowlland Tod Provincial Park

 (写真上:ビクトリアのとある通り)

 (写真上:Clover Point

 どこを見ても秋の訪れを感じます。 特にビクトリアの秋は霧がよく出るので、最後の写真のような海岸線で見る霧はとても秋らしいです。 水上飛行機のキャンセルが多くなる(天気が悪くて飛べない)のもこの季節です。 きっと水上飛行機のパイロット達は喜んでいる(月給制の場合)、または、悲しんでいる(時給制の場合)でしょう(笑)。 それにしても秋だというのにまだまだ暖かいです。 ちょうど僕が初めてビクトリアに来た頃と同じような気候です。 朝晩は冷えるけど、日中は暖かい。 カナダらしい気候で、僕は好きです。

 今月は明後日から仕事で、明日からカルガリーに行きます。 そして最初からいきなりまたもや東部への出稼ぎです(笑)。 カナダの首都・オタワに行きます。 それを4日間やって、1日休み。 ちょうど感謝祭の時期にカルガリーで1日だけ休みがあります。 その後は7日間連続勤務で、アルバータ州を中心に飛びます。 その後5日休みがあるのでビクトリアに戻ってきます。 それからは来月1日まで勤務で、またまた東部に出かけていきます。 今回は米国オハイオ州のコロンバスに飛んでいきます。 初めて行く空港なのでちょっと楽しみですが、やっぱりアメリカに飛んで行くのは入国審査やらでなにかと億劫になります・・・。 ま、僕に選ぶ権限はないので、会社に指示されるがまま飛ぶだけですけど(笑)。

 あと一週間でカナダに移ってきて8年が経ちます。 


(つづく)

2014-08-28

またまた東海岸でのフライト。

 前回の更新からしばらく経ちますが、その間にまた東海岸へ行って来ました。 今月2回めです。 初日はカルガリーからトロントまでデッドヘッドで移動し、そこからSault Ste Marieというところまで行きました。 ソルト・ステ・マリーって書きますが、「スーサンマリー」って発音するんだそうです。 現地の人や、ATCの人は略して「ザ・スー」って言ってました。 Saultはフランス語でFall、SteはSaintの女性形、Marieは名前で、セントマリーフォールっていうのが英語訳になるみたいです。 

 このスー、アメリカとカナダの国境にある市で、アプローチ中にアメリカ側から入ってきて、カナダ側に着陸するというユニークな空港です。 アメリカ側にもスーっていう都市があるらしく、ATC Clearanceでは「Cleared to Canadian Soo」とかっていうこともあるんだそうです。 間違ってアメリカに降りちゃったら大変ですからね(笑)。 この日は1フライト飛んだだけで終了。 楽っていえば楽だったんですが、カルガリーとスーサンマリーの時差は2時間。 ビクトリアからだと3時間です。 しかもDHフライトは約4時間で、カルガリー時間の朝5時過ぎにはクラッシュパッドを出発したので結構疲れちゃいました。 その日はホテルで一泊。 ホテルはウォータータワーが目印の、その名もThe Water Tower Inn。 ローカル色丸出しって感じです(苦笑)。 大学が近くにあって、少しだけ歩きましたが、なかなかゆったりと時間が流れている感じの街のように感じました。 住みたいか?と聞かれると答えはNOですけど(笑)。


 次の日はスーサンマリー→トロント→スーサンマリー→トロント→サドベリーというフライトでした。 さすがにトロントも2回目だったので、だいぶ慣れました。 相変わらずカルガリーやバンクーバーと比べるとタクシーが面倒だし、無線も早いし、周波数をしょっちゅう変えないといけないので忙しかったです。 この日はサドベリー泊。

 サドベリーはニッケルや銅の鉱山で潤っている街だそうです。  なんでも、大昔に隕石が衝突して大きなクレーターが形成されたのがこのサドベリーだったとか・・・。 そのせいでか、地下資源が豊からしく、そこにいろんなところから労働者が集まっているそうです。 ちょうど、僕が以前働いていたフォートマクマレーと同じような感じの街で、独特の雰囲気が漂っていました。 ホームレスの人とか、怪しい感じの人がそこら中にいて、正直街を散歩していても気持ちのよいところではなかったです。 

 3日目は前回のペアリング同様、アメリカへのフライトでした。 サドベリー→トロント→クリーブランド→トロント→ボルティモアという感じです。 前回、アメリカへの入国審査のときに審査官の女性が、 「これがあればパスポートにいちいちスタンプを押さなくてよくなるから、パスポートのページを無駄に消費しなくて済むからね」って言って僕のパスポートに紙切れを一枚、ホッチキスで留めてくれました。 これのおかげでアメリカ入国のときには審査官がスタンプを押す変わりにペンでさらさら〜っとなにか書いてくれておしまいです。 この紙1枚でアメリカ入国30回分くらいはいけそうなので、パスポートのページ追加とかを申請しなくて済みます。 思うんですが、パイロットの制服を着ていると、アメリカもカナダも入国審査官がとてもフレンドリーです。 乗客として入ってくると超渋い顔で笑顔すら見せないのに、僕がパイロットだと超やさしいです。 なんだかへんな感じです・・。 今回はクリーブランドからトロントに戻ってきてボルティモアに行くまでに2時間以上カナダ側での待機時間があったため、ルール上、一旦カナダに入国しなければいけませんでした。 なので、一旦カナダに帰国、そしてまた1時間後くらいにカナダを出国してアメリカへ入国っていう感じでした。 1日にアメリカに2回入国したのは今回が初めての経験で、島国の日本育ちの僕としてはなんだか不思議な感じがしました。
 


 アメリカはやっぱり飛行機大国で、ランプに停っている飛行機の多くはジェットです。 ターボプロップ機はあんまり見かけませんでした。 

 今回は一緒に飛んだ機長もカルガリーベースのキャプテンで、以前に一緒に飛んだことがあるということもあってとてもリラックスして、楽しい4日間のペアリングになりました。 FAさんもモントリオールの男性で、無口だけど口を開くと面白いことをいう人で、一緒に仕事していて気持ちがよかったです。 特に大きな問題も起きなかったので、スムーズに仕事ができました。 今回はハードランディングもしなかったし(笑)、なかなか満足の行く仕事ができました。 今後も月に1回か、2ヶ月に1回くらいのペースで東海岸のペアリングをやれたら仕事のバラエティが増えて楽しいかな〜と思っています。 でも、慣れたカルガリーやBC側でのフライトのほうが頭を使わなくていいので楽っていえば楽なんですけどね(笑)。


(つづく)

2014-08-20

行って来ました、カナダ東海岸。

 先日、カナダ東海岸での仕事がありました。 僕のベース空港はカルガリー。 西海岸です(「海岸」って言っても海はないですけど・・・)。 でも、乗務するのは東海岸っていう不思議なスケジュールでした。 4日間連続勤務の4-day pairingで、一日目はカルガリーからエアカナダのオタワ行きの飛行機に乗り込んで乗客としての移動でした。 これを"Deadhead(デッドヘッド)"といいます。 日本語訳すると「無賃乗客」ってなるみたいですが、これだとなんだか聞こえが悪いですよね(笑)。 オタワまでは約4時間のフライト。 長い・・・。 以前にもこのブログで書いたかも知れませんが、僕は飛行機は好きですが、乗客としてフライトするのはかなり苦手です。 デッドヘッドの時は空席があればビジネスクラスに座らせてもらえることもあるのですが、この日はあいにく満席。 乗務前にエコノミークラスで4時間のフライトはなかなか身体に応えます(笑)。

 オタワ到着後、4日間一緒に飛ぶ機長と合流。 フライトアテンダントはトロントベースの若い女性のFAさんで、最初の二日間だけ一緒に働きました。 その日はオタワからフレデリクトンまでのフライト。 この日はいつもカルガリーで飛ばしているDash8-300シリーズではなく、ちょっと短めで座席数の少ない100シリーズで、システムとか出力の設定なんかが微妙に違います。 僕がシミュレーターで訓練をしたときはこの100シリーズだったんですが、実際の乗務はこれまで100%、300シリーズだったので、このときが100シリーズに乗る初めての日になりました。 

 フレデリクトンはいかにも東海岸だな〜っていう雰囲気でした。 以前にアメリカの東海岸に行ったことが何回かあるんですが、住宅様式とかがアメリカ東海岸で見たものと良く似ていました。 17世紀にフランス植民地の拠点になった街の一つらしく、今でも当時の軍関係の建物とかがそのまま残されています。 

 確か市役所

 以前は線路がかかっていたみたいです

 泊まったホテルもなんだかアンティークな感じ

 軍関係の建物

 軍の倉庫・宿舎?

 今は改装されて、商店などがテナントとして使っているみたいでした


 二日目はこれまたトロント空港までデッドヘッド。 1時間半ほどのフライトでした。 そしてそこからティミンズ空港への乗務でした。 トロント空港はカナダ最大の国際空港です。 滑走路は5本(?)あるし、誘導路も複雑なので、ゲートから滑走路までのタクシーがなかなか大変でした。 とにかく飛行機の数が多くて、最初の離陸のときなんかは出発の順番が11番目とかでした。 僕らは結局10分程度ブリティッシュ・エアウェイズのB787の後ろで離陸順番待ちをしました。 トロント空港は大きな空港ですが、離陸してしまえばあとはカルガリーやバンクーバーと特に変わりもなく、いつもどおりのフライトっていう感じになりました。 途中、モントリオールの上空を通過しました。 すべてが初めてだったので、フライト中はコクピットの窓から見える景色を楽しませてもらいました。

 あとの2日はアメリカのクリーブランドとボルチモアに行きました。 これについてはまた次回。

 今回の東海岸でのペアリングをやってみて、エアラインは本当にすごいな〜と改めて思いました。 今まで一度も行ったことがないところに、初めて一緒に仕事をするクルー達と一緒に飛んで行くんです。 「初めまして」と言って握手をして、そこから皆がマニュアル通り・訓練通りにいつもと同じ仕事をし、乗客の皆さんを安全に目的地まで送り届けます。 そして仕事が終わると、また握手をして「一緒に働けて楽しかったよ」といってクルーたちとはお別れします。 またどこかで一緒に飛ぶことになるかも知れないし、もしかしたらもう二度と一緒に飛ぶことはないかも知れません。 そういうのは当たり前のことなのかも知れないけど、僕にはすべてがとても新鮮でドラマチックに思え、特別な経験のように感じました。 そんなプロフェッショナルなエアラインで働けていることが改めてとても幸せに感じました。 

 そんな特別な経験を東海岸でさせてもらったような気がします。


(つづく)

2014-07-18

ホテル暮らし。

 って書くと、なんだか芸能人とか物書きの人たちが集中して作品を仕上げるためにホテルに缶詰になるように聞こえてしまいますが、エアラインパイロットの生活も概ねホテル暮らしが多いです。 

 実は、僕はエアラインパイロットになるまではホテル暮らしになることについては特に気にもかけていませんでした。 今でも特に苦にはなっていませんし、むしろちょっと楽しいくらいです。 いつも部屋は整頓されているし、ベッドシーツもパリ〜っとしていますし。 でも、やっぱり自分の家にかえってくつろぐのとは少し勝手が違いますね。

 滞在するホテルは会社が選んだホテルで、各都市に一つ、または二つあることもあります。 詳しいことは知りませんが、クルーが利用するホテルとして選ばれるには有る一定の条件をクリアしないといけないようです。 例えば、「ホテルの周りで工事をしていないこと」とか。 騒音が多いと必要な休息が十分に取れず、それが次の日の安全運行に支障をきたす可能性があるからのようです。 他には、「部屋の中に冷蔵庫があること」とか。 クルーの多くは何らかの食料品を持ち歩いて仕事をしているので、ホテル滞在の間は食品を冷蔵庫にいれておきたいからのようです。 そんなこんなの条件をすべてクリアしたホテルのみがエアラインクルーの滞在先に選ばれるんですって。 なかなか面白いです。

 そのおかげで、だいたいのホテルはとても快適です。 そこそこ綺麗だし、中にはリゾートホテル?って思ってしまうくらいモダンなものもあります。 都市のダウンタウンに近いホテルなんかはふらっと散歩がてらダウンタウンを歩くこともできます。 フィットネスルームはどのホテルにもあるので、時間があるときは運動をするように心がけています。 

 そのホテルでどうも許せないことがいくつかあります。

 その1。 ベッドに余計な飾りがあること。 これです↓



正式な名前は知りませんが、多分飾りですよね? もしくは、靴を履いたままベッドに上がった時にシーツが靴で汚れないようにするもの? 朝起きるころにはべろ〜んってなって床に落ちてます。 超無意味。 やめて欲しいです。

 その2。 枕が多すぎ。 これです↓


 1ベッドに枕が6個位あって、しかもそれぞれが超分厚い枕なことが多いです。 さらに、北米特有の「使わない、ベッド装飾用のクッション」がベッドにあるときなんかは最悪です(笑)。 使う枕はせいぜい1つか2つなので、残りの4つは床に置くか、隣の空いているベッドに放り投げることになります。 これまた超無意味だと思います。 (どちらの写真も朝起きてから撮影したもので、見苦しくてすみません)

 どこのホテルでも石鹸やシャンプー、リンスなどを当たり前のように使いますが、どれもちょっと使って、あとは残してしまうことになり、それらはきっと廃棄されているんだと思うので、ちょっとこころが痛みます。 でも、だからといってマイシャンプーとか、マイ石鹸をバッグにいれて持ち運ぼうと思うほどエコな人間でもありませんから、これはこれで仕方がないですね。 でも、タオルとかはなるべく少ない枚数を使って、洗濯される枚数を減らすことに協力しているつもりです。 せめてものエコです。


(つづく)

2014-07-03

クラッシュパッド。

 僕のベースはカルガリー国際空港(CYYC)です。 エアラインパイロットは皆、どこかのベース空港に所属していて、そこから仕事(ペアリング)を開始し、どこかへ飛んでいきます。 カナダの航空会社のベース空港の多くはバンクーバー、カルガリー、トロント、モントリオールといったところだと思います。 当然ながら、自宅とは全然違う都市のベース空港に配属になることもあります。 例えば、僕のトレーニングパートナーだったフランス系カナダ人のパイロットは、ケベック(東海岸)出身なのに、西海岸寄りのカルガリーベースに配属になりました。 大手航空会社のいいところは、自宅がある都市に比較的近いベース空港への配属を希望することができるところです。 そうでない航空会社の場合はベース空港が限られていて、その都市への引っ越しを余儀なくされることもあります。  僕の友人の独身パイロットの場合には「引っ越しはむしろ楽しみ♪」なんていう強者もいますが、家族やお子さんがいるパイロットにとっては引っ越しは楽ではないと思います。

 僕は引っ越しはせず、ビクトリアからカルガリーに通うコミューター(通勤組)です。 ビクトリアには1ヶ月に数回、計10日ほど帰ることができます。 この点は以前のmedevacの仕事の時とそんなに変わらないので、それほど苦にはなりません。 カルガリーにいる間はなるべく生活費を抑えたいので、アパートを借りたりはせず、クラッシュパッド(crashpad)に滞在しています。

 クラッシュパッドというのは、“ベッドに倒れこむ(crashする)”ためだけの滞在先のことです。 詳しくはわかりませんが、きっとエアライン業界独特の仕組みじゃないでしょうか。 クラッシュパッドは一軒家のベッドルームに相当な数のシングルベッドを入れて、多くのパイロットで家をシェアするという形態が多いようです。 よくあるのはひとつのベッドルームに二段ベッドを2つ入れ、そんな部屋が2〜3部屋くらいあって、計8〜12人のパイロットが一度に滞在できるようになっているみたいです。 もちろん、トイレ・バス、キッチンなどはすべて共有です。 そんなかんじなので、家賃はアパートを借りるよりもかなり格安です。 

 僕のクラッシュパッドは空港から10分ほどのところにあり、近くにスーパーやカフェ、酒屋などの生活に必要なものがすべて揃った、立地条件のとても良い閑静な住宅街にある一軒家です。 下がその写真です。

 クラッシュパッド外観

 キッチン・ダイニング・リビングルーム

 ベッドルーム

 このクラッシュパッドのオーナーは僕が働く航空会社の機長さんです。 とてもいい人で、line indoc中に一緒にフライトしたキャプテンです。 さすが自身もパイロットということもあって、クラッシュパッドはパイロットがステイする間になるべくストレスがたまらないような工夫がされていて、一般的なクラッシュパッドに比べたら質が高く、とても快適です。 二段ベッドは上(または下)にいる人に気を使うことになるだろうから、っていうことで、ここのクラッシュパッドの場合にはシングルベッドを採用し、ベッドの間にはクローゼットを置いて簡易的な壁になっていて、ある程度のプライバシーが保てるようになっています。 ベッド・マットレスもすべて新品で、各自ベッドが充てがわれているので、他の人とベッドをシェアするということはありません。 衛生的です。

 このクラッシュパッドには8人のパイロットが滞在しています。 「8人と暮らす」と聞くと「え〜っ、まじで〜!?」って感じですが、クラッシュパッドを利用する人は皆、通勤組なので、ほとんどの場合はペアリングでどこかの都市のホテルに滞在しているか、もしくは自宅に帰っています。 ペアリングが早朝出発の場合で前日にカルガリー入りしないといけないときや、ペアリング終了後に自宅に戻るための最終フライトに乗り損なった場合などに仮眠を取るためにクラッシュパッドを利用します。 なので、8人全員がここに滞在するということはほぼ100%ないみたいです。 実際、僕が今まで他の人と鉢合わせたのは数日しかなく、最高でも僕以外にもう一人のパイロットがいる(一軒家にパイロットが計2名のみ)っていうくらいです。 なので想像以上に超快適です(笑)。 

 そして驚きのお家賃は・・・・$250/月! カルガリーで部屋を間借りしようとしても最低でも600ドルくらいはかかるみたいなので、この家賃は格安です。 これで通勤の費用も抑えられます。 

 それにしてもカルガリーは新興都市なので、住宅がどれもおんなじに見えます。 英語でクッキーカッターハウス(cookie cutter house=クッキー型で切り抜かれたみたいにどれもおんなじに見える家々)という表現がありますが、まさにそんな感じです。 やっぱりビクトリアみたいに歴史がある都市のほうが散歩中のお宅ウォッチングは楽しいです。 


カルガリーらしい住宅街、そしてピックアップトラック(笑)



(つづく)